元勇者提督 作:無し
離島鎮守府
雷巡 北上
「しんじーん、集まって」
先日の模擬戦から一声で全員が動くようになった
これは楽だ
「一部のメンバーは明日から出撃任務に出てもらうよ〜、今まで言ってなかったけど、うちの主力部隊私以外たまに艤装バグるんだよね、巻き込まれないでね」
手が上がる
「んー?何?阿武隈?」
「えっと…それ大丈夫なんですか?」
「あー、大丈夫大丈夫、狙い自体は正確だから、ただやばい距離爆発する時あるだけだから」
「それ本当に大丈夫デスカ!?」
「すいません、私からも、なぜ艤装が不調でない北上さんが出撃してないのですか?」
「いやー?私は単純にしくじったから謹慎してるだけ、昨日見た通り結構無茶するからさぁ…私と行ったらしんどいよ〜?」
「あ、あの、その、出撃の際に気をつけることなどあるでしょうか!」
「んー…こいつには攻撃が効かない、と思ったら逃げること、とりあえず旗艦の言うことをよく聞くこと、それから最近は結構知能の高い奴がいる、私もこれにやられたからね…本当に警戒しておいて」
「今わかるんやったら編成も聞きたいわ」
「えっと…戦艦2人は阿武隈と愛宕と一緒に赤城、曙Bの管轄ね、残りは曙Aと私が面倒見るから」
「ウチらの方は加賀は来ぉへんの?」
「加賀は明日オフだからねぇ、それに千代田は改装したら甲標的とか艦載機使えるじゃん、実質空母2人ってことでいいでしょ」
「で、でも私の改装ってまだまだ先で…」
「だからそのために戦いにいくんだって、それと曙Aはうるさいから無線の音量先に下げたほうがいいよ?」
「誰がAよこのクソ雷巡」
「あわ、うるさいのが…」
「何!?やろうって言うの!?」
「はい、解散、逃げろ逃げろー」
新人どもは食堂の方へと向かってった
「明日は駆逐艦2人ともこっちなのね」
「そ、まあ、ウザいけどしょうがないよ」
「ったく、あんたもあんたで素直じゃないわねぇ」
「ん?んんん?まさか曙Aからこんなこと言われるなんて…」
「それより、あんた、大丈夫なんでしょうね」
「んー、新人いじめてるから平気だと思うよ?」
「8対1なんて良くやってるわよね、疲れないの?」
「まあ、私も掴めそうなものがあるし、楽しんでるよ」
「…そう、いいわね」
「なに?曙Aもやる?」
「………いい加減そのABやめない?」
「じゃあどうやって区別するのさ」
「…ああ、Bの方をアホボノっていうのはどう?」
「間違えてAに言っちゃいそうだよ…」
「は?喧嘩売ってんの?」
「んー、でも呼び方は確かにそうだね、ボノロンチーノは攻めすぎだし…ボノノノはダメって漣に言われたしねぇ…」
「最近仲良いと思ったら…」
「んー、どう呼ぶかなぁ…」
「ま、決まったら言いなさい、審査してあげるから」
「おっけ、最高の名前で呼んであげる」
「.これ以上の名前はないんだけどね」
「第二艦隊、出撃するよー」
「複縦陣で行くわよ、今回の目的はあくまで哨戒、索敵、大規模な敵艦隊との衝突は避けるわ、異常な敵艦についての資料は昨日配布したわよね?しっかり読み込んだ?まだなら移動中に読みなさい!」
「「「「はい!」」」」
「よーし、出撃ー」
工作艦 明石
「…よし、これでいいですかね」
「そうですね、正直上の求めてる答えなんて一つも出せませんけど…」
「叱責文が届くだけで済むのが幸いですよね、元から戦果も上がってませんから」
「だけどこれが続いたらどうなるか…」
「そうですね、早く解決するためにも、提督に目を覚ましてもらわないと」
「…よし、私一度席を外しますね」
「提督のところですか?」
「はい、もしかしたら…目を覚ましてるかも知れませんから」
「ま、そんなわけ無いよね…」
毎日通い、筋肉の衰えを抑えるために腕や足を少しずつ動かす
無理なく軽く体を動かしていく
ここには軍医など居ないし、病気になったら勝手に死ぬか自分で治すしかなかった
だからこう言うのも私たちの仕事だ
「…提督、どうしたら帰ってきてくれるんですか…?」
まだ、まだ帰ってこない、それはわかってる
提督は私たちに世界を託した、けど、私たちの士気は落ち始めている
新人たちにも今は眠っているだけだと説明したが、そろそろ限界だし、なによりあの子達には異常な力がない…
提督の昏睡の後に着任したせいだろうか
さらに言うと空母の力も発動のタイミングが不規則になっており、かなり危険だ
なんにせよ、早く助けなくちゃならない、提督も、みんなも
「さて、仕事しなきゃ」
仕事といってもこれは趣味
このパソコンの中に入っているデータを少しずつ学び、解析を始める
「…なんだろう、やっぱりこの羅列、ここが気になる」
文章が綺麗に並んでるわけじゃないのに
うっとりとしてしまう美しさを感じる
「弄れないのがつらい…下手に触って壊したら、全部終わるかも知れない…」
そう思うとこれが核爆弾に見える
どうにも何をしたものやら
横須賀鎮守府
重巡 青葉
「バリー、ちょっといい?」
「青葉、帰ってたのね」
「それよりこれを見てください」
「…なにこれ」
「この前調べに行ったところで見た変なデータです」
「…………あ、え、本当?これ…他のも全部見せて!」
「はい、勿論…」
写真を差し出した途端バリーこと夕張はそれをひったくり、部屋を駆け出した
「提督!提督ぅぅ!どこ!提督!」
「げ!?バリー!待って!それはちょっと待って!」
まさか提督側の人間とは…
いや、別に反提督とかじゃないけど…
「ふむ、ご苦労、実に興味深いな」
「こ、これ青葉が全部!」
「………」
正直もう夕張は友達と思えない…
「そうか、青葉、ご苦労だった」
「青葉すごいじゃない…!これ!これってすごいものなのよ!?」
「…え?」
あれ、青葉怒られないんですか?
「よし、夕張、月の樹に連絡を取ってこれを回してくれ、それで話は進む」
「はい!これさえあれば全ての装備に新型のテクノロジーが搭載できます!」
「…それはダメだ、使い手が一瞬で藻屑と化すからな」
「え゛っ」
夕張の顔が一気に曇った
「これはそれほど危険なものだ、核と並んでな、いや、核そのものとも言える、だからこそ、私たちが持ってはならない」
「これ、離島鎮守府が持ってるのは…」
「正式な所持者がそこの提督だからな、構わんよ」
「あ、はい…」
「しかし彼も、やはりつくづく愛された者だ、指揮官にはあったのか?」
「あ、いえ、なんでも流行り病だとかで…」
「あんなところで流行病が起きるのか?」
「…あれ?え?…確かに………しまったー!!!!」
「…これはカルテか…成る程、夕張、こっちの写真だけ残せ、ただし厳重に管理しろ、それでは行っていい」
「了解しました!青葉!またね!」
「あー…青葉は…青葉は…」
「青葉」
「ひゃいっっ」
「君はあそこをどう思った?」
「…めっちゃ不正の温床ですね…明らかに報告書見てから行くとおかしい場所でしたし」
「でもそうしないと幸せにならないものもいるのだ、近々軍は同じ施設を作るつもりらしいが…初期艦に選ばれてみるつもりはあるか?」
「……いえ、その…はい、青葉が軽率でした、どこにも報告しません」
「そのデータの入ったカメラを渡せ、交換しよう」
「…はい、新作ってこれですね…そっちも大事なので壊さないでくださいね…」
「約束しよう」
「…ふむ…無理をしたものだな、カイト………ほう…『勇者没せず、水面にて未だ闘いは続く』…成る程、久しい予言だな…果たして勇者とは誰を指すのか」
離島鎮守府近海
雷巡 北上
「…敵影捉えたよ、先に甲標的で叩く、迂回しながら進路を潰す、単縦陣でT字有利に持ち込むから準備して」
「聞こえたわね!北上の隊列の後ろにつくわよ、全員速度落として!」
「戦果報告、甲標的より、敵軽巡2駆逐3…うち、軽巡は両方大破だね、仕掛けるよ」
「了解!艦載機発艦して!」
「行くで!」
「はい!」
水偵が1と戦闘機も行ったね…
「敵影発見!岩陰に別艦隊がいます!重巡1!」
「………よし、曙に指揮官を変更して、龍驤は艦載機で私のサポート、重巡は私が止めるよ」
「せめてもう1人連れて行きなさい!」
「…駆逐じゃ無理、邪魔になるから、そっちでやっといて」
「…はぁ…わかったわ、やるわよ!会敵までどのくらい!?」
「30秒です!」
「艦載機発艦して!」
「さあ仕切るで!攻撃隊発進!」
「会敵したよ、重巡はどこ」
「3時の方角です!」
「こっちに艦攻少し飛ばして、同時に攻めるよー」
「了解!さあお仕事や!艦攻隊!発進!」
「暁!雷!あんたらは前に出て主砲をメインにやりなさい!魚雷確認したら機銃を使いなさい!千代田は後方から支援砲撃!全体攻撃開始!』
『艦爆より報告!敵駆逐艦2隻撃沈!』
『よし!やりやすいわね、早く片付けて北上の方に行くわよ!』
「…やっぱそうだよね…行くよ」
「………」
物言わぬ目の前の敵からからプレッシャー
信じたくはないがこの前の重巡、私が摩耶と断定した相手だと見ていい
そして、やはり知能が高い、私達と同じだから
スケートのように水上を滑りながら、狙いをぶらす
「………あの時と同じ感覚…」
手繰り寄せる、あの感覚を
近い、けど違う、あの感覚に近付いている
だけどまだ…まだ足りない
雷巡なのに雷撃をせず、ただ主砲を向けている姿は艦載機を通してこちらを見ている龍驤にはどう見えるのかな
そんなことどうでもいいや
「…バーン」
主砲が火を吹く
そして確実に、命中させる
ガラスの割れる音が響く
「…まだこんなもんだね…」
艦攻がトドメの攻撃を仕掛ける
「こちら北上、重巡は始末したよ」
駆逐艦曙
「はやっ!?損害は!?」
『ないよー……お、おかえり…うぇっ…まずい、甲標的回収したんだけど敵艦多数だって』
「構成はわかる!?」
『…あー、駆逐隊みたいだね、逃げようか』
「そうね、こいつらを仕留めたら帰りましょう」
大破した軽巡と駆逐艦相手だ
すぐに決着はついた
特殊個体もいなかったのだから当然だった
「全体撤退開始!暁!雷!先行して複縦陣を作って!」
「うーん、緩い敵だけ相手しても経験にはならないけど、こればっかりは仕方ないねぇ…」
「…まあ、そうね…」
『聞こえますか!こちら第一艦隊!こちら第一艦隊!第二艦隊に応援を求めます!』
「不味そうね!こちら第二曙!どうしたの!?」
『特殊です!金剛さんと扶桑さんが押さえ込もうとして中破!現在撤退戦をしています!敵の構成は特殊空母1と特殊軽巡1!なんとか引いてますが厳しいです!』
「…通信座標がここか…まずい、あの駆逐隊が合流するんじゃないの?」
「すぐ向かうわ!暁!雷!進路東へ!第二艦隊を救援に向かうわよ!」
「甲標的補充完了、先に送り出すね、曙、私たちが先行しようか、後ろより前が危険だよ」
「了解!行くわよ!」
初出撃なのにこんなことになるなんてついてないわね…
それに特殊を相手にしようにも…どうすれば…
「赤城さん!そっちは例のは出ないの!?」
『紋章砲は試したのですが発動されません!』
「不味いわね…こっちも紋章砲が使えるとは限らないのに…」
「と言うか無理だね、今漣たちに救援要請を出したから、人海戦術で押さえ込みながら撤退しよう」
『こちら甲標的確認しました!』
「じゃああと5分耐えて、それまでには着くから!」
『はい!金剛さん、扶桑さんをもっと後方に!阿武隈さんと愛宕さんは雷撃で時間を稼いで!』
赤城の指示はここから聞こえるだけでも十分適当だ、想像しうる限り私も同じ指示を出すはず…
「…曙は?そこにいないの?」
『あ…曙さんは…逸れました…』
「逸れた!?救難信号は!?」
『出ていますが、この敵の先で…部隊を再編成して救助に向かおうと…』
前言撤回、この指示は私なら出さない
「北上!指示は任せたわ!」
「…ま、止める権利はないからね」
「当たり前よ!単縦陣に変更!北上に続きなさい!…私はあの大馬鹿を捕まえてくるから!」
戦況はかなり悪い、だってこっちは被害が増えるばかりで攻める手段がない
「北上さま到着したよー、魚雷発射ー」
「助かりました!ダメージがまるでないわけではないのですが、やはりかすり傷程度、どうにもなりません!」
「赤城!あんたあとで覚えてなさい!北上!龍驤!支援して!」
「了解や!艦載機のみんな!お仕事お仕事!」
「残弾全部くれてやる…ってね!」
「さっさとそこを…どきなさい!!」
とりあえず私は敵の間を押し通ることには成功した、けれど肝心の捜索対象は今だに見つからない
「…随分と深くまで来たわね」
ここは覚えがある
あのクリスタルの近く
「…まさか」
やはりクリスタルのそばに曙はいた
「…探したわよ」
「悪かったわね、でも来てくれると思ってたわ」
「…どう言う意味よ」
「呼ばれたの」
「……誰に?」
「わからないわ、でも、行かなきゃいけないと思ってきた」
「…帰るわよ」
「…まだ、まだ帰れない、提督を助けるまでは」
「…は?何を…言…って…」
クリスタルをよく見ると、中には人が入っていた
オレンジの衣装に身を包んだ青い髪の少年
「……なんで、アンタ、なんで…」
「提督よね、これ」
「…確かにゲームの中でこんな格好はしてたけど…」
ゾワリ
背筋が凍った
『………ァ゛ァ゛…』
背後に、クリスタルの中にいるのとそっくりな姿が浮いていた
ただし、全身に痛々しい縫い目、そして眼は濁り切っていた
「…っ…化けて出てきたってわけかしら…」
「…あたしたちを殺す気なの…?…でも!あたしはみんなを助けるの!アンタが邪魔してどうすんのよ!」
右手を向けられる
本能的にヤバさを感じるものの、2人揃って動けなくなる
そして紋章砲がその右手を中心に展開される
「…これが本家の紋章砲…いや、データドレインってやつってわけね…!」
ー違う…ー
「…え?」
『……ア゛ァ゛…』
ーその子たちに、それを託して欲しいんだ…ー
「提督…提督の声だ」
「クソ提督!どこ!何やってんの!早く戻ってこい!!」
ーまだ戻れない…それに、今みんなを助けるのは…君なんだー
いつのまにかオバケの手から紋章は消え、一冊の本を向けられる
ー君なら間違えない…その力は…使う人の気持ち次第で救いにも、滅びにもなりうる恐ろしい力…ー
「何言って…ちょっ!」
本が開いたと思うと何かわからないものが右腕へと収束していく
右手が熱い…作り替えられていくのがわかる…
ーごめん…君にしか、託せないー
「っ…あ!あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「曙…!曙は大丈夫なの!?提督!ねぇ!提督!」
ー約束する、大丈夫、だけどその力を使いすぎちゃいけないよー
「っ…はぁ…はぁ……」
「曙…?あなた、髪が…」
「…んぇ…?」
「青くなってるわよ…?」
「………はぁ…ははっ…今は何も聞こえないわ…行くわよ…!」
「大丈夫なの…?」
「大丈夫、わかるの…今ならやれる…私が…私がこんなもん持っても仕方ないけど…やってやるわよ!!!」
目の前のオバケはいつの間にかいなくなってるし、どうやら髪の毛の色も変わってるみたいだし
でもいい、今は、これがあれば、みんなを助けられる!
正規空母 赤城
「…はぁ…っ…駆逐艦は引いて!北上さん、彼女たちを連れて逃げてください!」
「…馬鹿なこと…言ってる暇はないよ…どのみち逃げても…漣達の交戦してるウイルスバグにあたる…」
「…万事休す…ですか…」
「冗談じゃないよ… 諦めてる暇はないって事で…」
『待たせたわね!帰ってきたわよ!』
「曙さん!敵はまだ健在です!」
『わかってるっての!アンタらにもいいもの見せてやるわ…!』
緑とも青とも取れない
眩い光が敵の後方から漏れ出し、そして何かに敵は貫かれた
そこまでははっきり見ることができた
そして光に包まれた敵が次に姿を表した時、魚のような、深海棲艦のような、まさしくあのクリスタルの周りで見たキメラが浮いていた
「これなら仕留められるでしょ?ふふっ…」
「あ、曙さん…今のって…」
「そう、データドレイン、クソ提督の技よ!」
「とりあえず、今のうちに撤退しましょう」
「あ、は、はい!全員今出せる最大速力で撤退!」
「………ちょっと待って、あれって」
離島鎮守府
工作艦 明石
「…全員撤退できそうとの連絡が」
「……よかった…」
机に倒れ込む
まさかこんなタイミングで主力が全滅するのかと、死ぬほど怖かった
「……本格的に不味くなってきましたね、とりあえず今はなんとかなりましたが、次どうなるか保証はありません」
「…はい、正直、もう、やられたんじゃないかって気が気じゃなくって…私がみんなを指揮する立場なんて…一時的でも断ればよかった…」
「そんなこと言っても何も変わりません、それより次の対策ですが、曙さんから秘策を手に入れた、との通信が入りました」
「秘策?」
「そしてそれから…お墓を一つ撤去して欲しいと」
駆逐艦曙
「あ、曙ちゃん…どうしたのその髪の色…」
「クソ提督に染められたのよ」
「提督に会ったの!?どうやって!?」
「…会ったわけじゃないけど、確かにいたわ、とりあえず、それは後でいいの、今はこれよ、見える?」
右腕を差し出す、私の目には、青というか、緑というか悩ましい色のデータの塊が腕にまとわりつき、腕輪の形を形成しているように見える
「…ごめん、何も見えない…」
「でしょうね、まぁいいわ、私はデータドレインを手に入れた、これでわかる?」
「…なるほど、確かに秘策ね…それさえあればウイルスバグに対応できる…!」
「でも、さっき使ったら腕輪が一部赤くなっちゃったのよ、使いすぎるなって言われたから、多分使用制限ね」
「そうですか…じゃあ何も考えずには喜べませんね」
「いや、今は喜びましょ、加賀はいる?」
「呼んだかしら」
「あんたに頼みがあるのよ」
「何?」
「翔鶴の墓を壊しておきなさい」
「…何?あなたがそんなこと言うとは思わなかったわ」
「いいから、壊しなさい」
「………今から沈めてあげましょうか」
「着いてきなさい、そうすれば意地でも気が変わるから、明石も来て」
離島鎮守府 墓地
「…ねぇ、あそこにいるの誰だと思う?」
「…赤城さん…………と…」
「……そんな…まさか……?」
彼女は赤城の隣で静かに自分の墓を見ていた
そしてゆっくり立ち上がり、こちらを振り返った
「…酷いじゃないですか、私を勝手に殺すなんて……」
「…しょ…う……かく…」
「お久しぶりです、加賀先輩」
「…ごめんなさい……あの時あなたを…救えなくて……!」
「大丈夫ですよ、私は今、こうやってここに戻ってきました」
「…良かった……本当に…!本当に……!」
データドレインで改竄された空母は姿を変え、翔鶴となった
いや、戻ったというべきだろう
「…救いになる…この力は…みんなの…!」
残された墓をチラリと見る
「………待ってなさい、アンタらも助けるから」