元勇者提督   作:無し

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青葉が2人登場します、横須賀鎮守府の青葉をアオバとカタカナで表記します
この後から2人目として登場するキャラはカタカナ表記になると思います


海上護衛作戦

宿毛湾泊地 

駆逐艦 朝潮

 

朝潮「司令官、日本の孤児の数を知ってますか?現在いろんな理由で45000人居るそうです、そしてその中で私たち姉妹は偶然同じ施設に集まりました、天文学的な確立ですね、まあそれは置いておいて…って聞いてますか?」

 

海斗「え、と…うん、聞いてる…けど試験中の私語はやめてくれると助かるんだけど…」

 

朝潮「もう問題は解き終わりました…曙さんはまだなようですが」

 

曙「………」

 

海斗「二人とも終わったら実技に移るからもう少し静かにしていようか…?」

 

朝潮「わかりました」

 

 

 

演習場

 

朝潮「全弾的中…まあ、上等ですね」

 

海斗「うん、充分実技試験は通るレベルだね」

 

朝潮「筆記にも問題はないはずです」

 

海斗「それは採点待ちかな、曙の方は…2発外してるね」

 

曙「ご期待に添えず申し訳ありません」

 

朝潮「…調子でも悪いんじゃないですか?」」

 

曙「いえ、問題ありません」

 

海斗「まあギリギリ通るレベルだし、なにより入隊前の子がこのレベルの成績なら十分過ぎるはずだよ」

 

朝潮(…なるほど、筆記にやけに時間をかけたことといい…そういう事ですか、前世の経験がそうさせたのかもしれませんね)

 

海斗「それとこの泊地には曙が既に居るんだ、君が艦種として綾波型の8番艦である曙を希望してるとはわかったんだけど…」

 

曙「何でも構いません、私が曙であることはあくまで記号ですから、何かお名前をいただけるならそれを名乗りましょう、何だってやって見せましょう」

 

そう言いながら曙が詰め寄る

 

海斗「いや、えっと…」

 

朝潮「一旦止まりましょう、なんならしばらく東雲とでも名乗れば良いんじゃないですか?ついでに横須賀に行きますか?」

 

曙「…横須賀行きはお断りします」

 

朝潮「そうですか、じゃあ髪の色染めますか?」

 

曙「……髪が痛まないのなら」

 

海斗「えっと…多分そういうのは規則とか…」

 

朝潮「地毛がこんな藤色なんですよ、今更そんな事気にしますか?」

 

海斗「…うん、なんでもないです…」

 

曙「…青色に染めて、名前もアオボノにでもしときましょうか」

 

朝潮「えっ…混乱しそう…」

 

曙「…あなたの提案でしょう」

 

朝潮「アオボノさんが曙さんで曙さんがアオボノさん…いや、良いんですけどね、私は良いんですけどね?」

 

曙「……この人めんどくさ…」

 

朝潮「…物心がついてから、記憶はありませんでしたけど空虚な時間を過ごしてようやく自分を取り戻したんです、少しくらいはっちゃけてもバチは当たらないはずですよ」

 

曙「…どうぞご自由に」

 

海斗「と、とりあえずデータを送るから、2人とも好きにしてて、結果が出たらすぐに教えるから」

 

朝潮「…逃げた」

 

曙「面倒な相手からは逃げるものですよ、さて…食堂で暇でも潰しましょう」

 

朝潮「何か当てが?」

 

曙「……あればよかったんですけどね、娯楽物がないもので、人頼りです」

 

朝潮「…誰かしらいますかね」

 

 

 

食堂

 

朝潮「誰も居ませんね、まあ第一発足して施設に人員が行き届いてないなどの問題点も多いですし」

 

曙「…ニュースでもみてますか」

 

テレビ『戦時中の艦船をイメージした人気アイドルグループの那珂ちゃんずが引退を表明し…』

 

朝潮「えっ」

 

曙「こっちだとアイドルやってるみたいですよ、川内型の3人」

 

那珂『今後はアイドルとしてではなく、みんなを守る艦娘として応援されていこうと思ってます!それではラストライブをお楽しみに!』

 

朝潮「…呉鎮守府ってまだ艦娘配属の予定なかったですよね…気が早いというか…」

 

曙「また一緒に戦う機会が来るなら何よりです」

 

朝潮「チャンネル変えますね」

 

曙「…少しは話を…え、龍驤さん」

 

朝潮「…お笑い芸人、やってるみたいですね」

 

龍驤『どもー!最近同期のクソ駄洒落芸人に番組追い出されましたわ!わはは!』

 

曙「……チャンネル変えましょう」

 

テレビ『国連では艦娘システムの有用性についての情報が共有され、近く艦娘を利用したアメリカ近海の深海棲艦を掃討する計画が…』

 

曙「海外に深海棲艦…?確かに日本近海にだけ存在することはおかしいとは思ってましたが…世界が変わった影響がこんなところにも…」

 

朝潮「…所詮深海棲艦、あの戦いに比べればぬるいですよ」

 

曙「しかし、いつの世も軍人の人権というものはなさそうですね、利用だのなんだの」

 

朝潮「不満ですか」

 

曙「私の仕える相手は国民ではなく提督ですから」

 

朝潮「そうですか、私もです」

 

曙「ここに居ても誰も来ませんね、早いとこ染めましょうか」

 

朝潮「買い物に行きましょう、多分駅の方のドラッグストアで売ってると思いますよ」

 

曙「……バイクとか」

 

朝潮「年上はどちらでしょうか、私は免許を持てる歳ではないですからね」

 

曙「まあ、良いです、こうなればこれも訓練です、走りましょう」

 

朝潮「相変わらず極端な人ですね…」

 

曙「ストイックとか、他にマシな言い回しがあると思うんですが」

 

朝潮「はいはい、行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

朝潮「…いや、本当に遠いですね…」

 

曙「でも無事買えました、毎日往復すれば基礎体力は取り戻せますね、しかし…この程度の行動で疲れて息が上がる…情け無いったら無いですね」

 

朝潮「…じゃあ私はこれで」

 

曙「最期まで付き合ってくださいよ」

 

朝潮「一回最期を共に迎えた気がするのでもう勘弁してくれませんか?」

 

曙「1人で染めるの不安なんですよ…」

 

朝潮「………」

 

曙「うわ、心の底から嫌そうな顔…」

 

朝潮「できなくても責任は取りませんからね」

 

曙「そういうのはできたら責任を取るものじゃ?」

 

朝潮「……あなた変わりましたね、悪い意味で、最悪な意味で」

 

曙「東雲と名乗ってた時に比べれば全てがマシに見えますよ」

 

朝潮「人殺しの時期の話ですか?」

 

曙「早く染めてください」

 

 

 

 

朝潮「まあ、こんなものでしょう、髪が青いからアオボノって何の捻りもないですけどね」

 

アオボノ「名前はそのくらい分かり易いべきですよ、よし…早く出撃したいところですね」

 

朝潮「ずいぶん好戦的ですね」

 

アオボノ「わかりやすくお役に立てますからね」

 

 

 

 

 

 

横須賀鎮守府

提督 火野拓海

 

拓海「諸君らには台湾から北上してくる避難船の護衛をしてもらう、沖縄付近で合流できる予定だ、ここ、横須賀から南西に向かってくれ、編成を伝える、旗艦、大淀、そして以下重巡洋艦アオバ同じく衣笠、最後に駆逐艦電だ」

 

大淀「宿毛湾泊地の艦隊は出ないのですか?」

 

拓海「現状予定はない、早急に出立の用意をせよ」

 

大淀「10分後に出撃します」

 

 

 

 

海上

軽巡洋艦 大淀

 

大淀「こちら旗艦大淀、現在静岡の南側を進んでいます、羅針盤に反応があるため戦闘になるものと思われます」

 

拓海『了解した、あくまで君たちの任務は護衛だ、あまり戦闘に時間をかけたくはない、宿毛湾の艦隊にも出撃の要請を出す』

 

大淀「了解…いや、このままでは接敵してしまいますね、前方に水上機を飛ばします!総員戦闘態勢!」

 

電「了解なのです!」

 

大淀「…敵発見!軽巡級1、駆逐級2…」

 

衣笠「これ、無視できないの?」

 

大淀「……いえ、不可能ですね、どうやらこちらの狙いに気付いてるのか…進路を塞ぐように停止しています…」

 

衣笠「…作戦がバレてて、なおかつ深海棲艦を指揮する存在がいる?まさか、そんなわけないでしょ」

 

電「そうとも限らないのです…大淀さん、やるのです!」

 

大淀「そろそろ目視できる距離に来ます…敵艦隊見ゆ!砲戦用意!」

 

アオバ「砲撃もアオバにお任せ!」

 

砲音が響く

 

大淀「…外れてますね、私が…」

 

水上機との距離、方位、速力…

 

大淀「よく…狙って…撃て!」

 

軽巡級が黒煙を上げて砕け散る

 

衣笠「いいね!じゃあ私も…ほら!もう一発も!」

 

衣笠の砲撃が駆逐級を2隻とも吹き飛ばす

 

衣笠「ふふーん!ん?衣笠さん最高でしょ?どうよアオバ、なんか言ってみなよ!」

 

アオバ「ウザぁ…!」

 

大淀「油断しない!水上機がかなり遠方に後続部隊を発見…重巡級2に駆逐級2!」

 

電「電が先に行くのです、目標までどのくらいなのです?」

 

大淀「この速力ですと目標を目視できる距離まで15分です、再度点検と周囲の警戒、何処から敵が湧いて出てもおかしくありませんよ!」

 

アオバ「わかってます、手法、点検OKです!」

 

衣笠「こっちも完了!」

 

電「魚雷発射管良し、主砲良し、いつでもいけるのです!」

 

拓海『大淀、こちら横須賀鎮守府より火野拓海、宿毛湾から艦隊が出たそうだ』

 

大淀「メンバーは?」

 

拓海『旗艦青葉、駆逐艦朧、本人達の強い希望で朝潮と曙が出撃したそうだ』

 

大淀「…その2人って先ほど加入の許可を出した?」

 

拓海『夕張から問題ないと聞いている』

 

大淀「成る程、問題ないのなら構いません…何か言ってましたから」

 

拓海『髪の色は青いそうだ』

 

大淀「……ああ、そっちなんですね、不安が残りますが…」

 

拓海『心配ないだろう』

 

大淀「まあ、それなら構いません……さて、そろそろ会敵します!」

 

拓海『参加を期待する』

 

大淀「この大淀に…お任せください」

 

アオバ「重巡見えました!」

 

電「ギリギリに魚雷を打ち込むのです…もう少し引きつけてください!」

 

水上機が戻ってくる

 

大淀「…遠方で戦艦級が確認された…?」

 

電「大淀さん!」

 

大淀「はい、わかってます!行きましょう!」

 

砲戦が始まる

 

アオバ「おまかせ、おっまかせ〜」

 

衣笠「せめて当ててから喚いてくれる?それ!」

 

電「…敵艦隊向かってきます…このまま反航船でそのまま離脱するのです!」

 

大淀「そうですね、両舷全速!一瞬の交戦ののちに即時離脱!振り切ります!」

 

アオバ「ガサ!魚雷ばら撒きますよ!」

 

衣笠「わかってる…っての!」

 

電「なのです!」

 

敵進路に魚雷をばら撒く、敵もこちらの進路に雷撃を放ってくる

 

大淀「敵雷撃!速力まだ上げられますか!?」

 

アオバ「は、はい!」

 

衣笠「でも揺れて狙いが…!」

 

電「無理に狙って撃たなくていいのです!とにかく撃って敵の攻撃の邪魔をするのです!」

 

大淀「…雷撃かわした…!よし、このまま逃げ切りますよ!」

 

アオバ「敵が旋回を始めてますけど!?」

 

衣笠「ならもう一回魚雷を使うまで!…って、うわ、重巡級2隻吹き飛んだ…」

 

電「電の本気を見るのです」

 

アオバ「…あの位置での旋回を読んで魚雷を撃ってたんですか…?怖…」

 

電「無駄口叩く暇があったら次なのです!」

 

衣笠「駆逐級追って来てるけど!?」

 

大淀「無視して構いません!どうせ追いつけませんから!」

 

電「…前方に何かいるのです」

 

大淀「敵の戦艦級です、無視して通り抜けますよ…合流予定時間にはまだ余裕がありますが、不足の事態は起こるものです…!」

 

アオバ「戦艦が見逃してくれるとは…いや、えーい!頑張ってきましょう!」

 

大淀「恐らく、すぐに仕留めてくれるでしょう…」

 

 

 

 

 

 

 

駆逐艦 アオボノ

 

アオボノ「さて、やりますか」

 

朝潮「観測された地点はこのすぐそばです、敵が東に進んでるなら後ろをつけます」

 

朧「……2人とも、本当に大丈夫?あり合わせの艤装で…」

 

アオボノ「朧、舐めないで…私は艤装なんかに左右されない…それに主砲と魚雷だけじゃない、機銃まである…余裕」

 

青葉「頼もしいとしか言えませんね…見えました、行きましょう」

 

敵はこちらに背を向けている、特に大きな戦艦級がよく目立つ

 

青葉「…アレは…他に雷巡級と軽巡級もいます、あと2隻駆逐級の随伴艦も確認!」

 

アオボノ「合計5隻…私がやります、朝潮さん、カバーは?」

 

朝潮「可能です、が…必要ですか?」

 

アオボノ「まだ本調子じゃないもので」

 

スピードを上げる、まだ気づかれてない…

 

アオボノ「魚雷から行きます」

 

三連装の魚雷を放つ

扇状に広がって進んでいく

 

アオボノ「戦闘開始」

 

主砲が駆逐級を一隻仕留める

敵がこちらを向き、方向転換を始める

 

アオボノ「鈍い」

 

軽巡級の側面に一撃、大きく体を揺らし、黒い艤装から露出した肉にもう一撃、軽巡級が弾け飛ぶ

 

朝潮「私の仕事はなんですか?」

 

アオボノ「見て考えてください…この主砲、曲がってるんですか?仕留めるのに二発かかりました」

 

戦艦級が砲撃を始める

一発でも当たったら死にそうな巨大な砲弾がすぐ横に着弾する

 

朝潮「角度、位置は」

 

アオボノ「合わせます、とにかくまっすぐ流してください」

 

朝潮が魚雷を放つ

 

アオボノ「…駆逐級一つ」

 

水柱が駆逐級を捉える

粉微塵に弾けとんでいく

 

アオボノ「次、戦艦級」

 

機銃を構え、顔に向かって放つ、同じ場所を目掛けて休みなく放ち続ける

 

ル級「ギィィィィィ!!」

 

朝潮「うわぁ…ガードしながら怒ってますよ」

 

両手についた大盾のような主砲を盾にしながらの砲撃

 

アオボノ「バカですよね、7.7機銃くらい効かないんだから大人しく無視すればいいのに…足元がお留守になってますよ」

 

機銃の狙いを変えてル級の足元に一発

戦艦級の足元で魚雷が炸裂し、水柱がル級を弾き飛ばす

 

アオボノ「時間は完璧ですね」

 

弾き飛ばされた先で別の魚雷が炸裂し、ル級の体を水柱がすり潰す

 

朝潮「私の魚雷は?」

 

アオボノ「…多分位置は問題ありませんよ」

 

さらに3つ水柱が上がる

ル級の体が波に呑まれ、沈んでいくのが見える

 

アオボノ「水の力って恐ろしいですね」

 

朝潮「雷巡級まだ居ます」

 

雷巡級が砲撃を放ってくる

 

アオボノ「ワザと生かしてるんですよ、実験台が必要ですから」

 

砲撃を掻い潜りながら近寄る

 

アオボノ「雷撃の判断が遅いですね」

 

発射管から飛び出てきた魚雷を掴みとる

 

アオボノ「…アハッ…!」

 

チ級の艤装を蹴り、飛び上がって顔面に回し蹴りをくらわせる

 

チ級「ア"ア"ァァァァ!!」

 

アオボノ「怒ろうがなんだろうが…もう所詮死ぬしかないんですよ、貴方は」

 

パンチのフェイントと回し蹴りを交えて殴り殺す

 

アオボノ「ふーん……やっぱり鋼鉄の脚じゃないとダメージは通らないか」

 

ハイキックでチ級の仮面を砕く

 

チ級「ギャァァァァ!!」

 

アオボノ「お疲れ様でした」

 

ポイと魚雷を投げ捨てて朧達の方に戻る

 

朝潮「…なんで海上で肉弾戦してるんですか?」

 

アオボノ「いつか役に立つ日が来るものですよ、なんでもね」

 

朧「…今の体術は?」

 

アオボノ「綾波の蹴り技…ま、こんなとこか…使えないな」 

 

青葉「…一度受けただけでコピーを…?」

 

アオボノ「自主練は積んでましたから…なんでもね」

 

朝潮「…あ、横須賀の方々が」

 

大淀「…あれ?宿毛湾の…敵艦隊は?」

 

アオボノ「片付けましたよ、もう」

 

電「……成る程、貴方でしたか」

 

青葉「あ、アオバ…衣笠…」

 

アオバ「おー!居ましたよ!我が妹が!」

 

衣笠「戯れるな!急ぐんだから!」

 

大淀「敵の排除ありがとうございます、後方に駆逐級が二体、追跡してきてるかもしれません、近くの哨戒をお願いしてもいいですか」

 

朧「わかりました、作戦の成功を祈ります」

 

大淀「それでは」

 

アオボノ「…さて、次試す事は…と…いや、その前に誰か私を撃ってくれません?あ、あと戦果は私以外で撃破報告を…」

 

青葉「えぇ…」

 

朧「何がしたいのかわからないんだけど」

 

アオボノ「出る杭は打たれる、私は打たれたくはないので」

 

 

 

 

 

 

 

大淀「……」

 

電「あの曙さん、1人で敵艦隊を仕留めてるのです…」

 

アオバ「…やっぱりそうですかぁ…そんな気はしました」

 

衣笠「バケモノだねぇ…ワンマンアーミーって…やつ?」

 

大淀「羅針盤に反応なし…近くに敵もなし…よし、もうすぐ鹿児島です」

 

アオバ「沖縄まであと少し…はあ…深海棲艦さえいなければリゾート地なのに」

 

衣笠「……」

 

アオバ「ガサ?どうしたの?」

 

衣笠「これから…戦争になるんだなって、もう一度戦争をするんだなって思ったら…」

 

大淀「始まりでしかありません、終わりの形を思い描き、それに進むことしか私たちにはできないのですから」

 

電「でも、本当にその形になるとは限らないのです」

 

大淀「わかってますよ、だから覚悟して戦うんです、見えましたよ…アレが護衛予定の船団です」

 

電「…何万人乗ってるんでしょうか…」

 

アオバ「……待ってください、航空機の音がしますよ?」

 

衣笠「多分中国側の航空機だと思うけど…?」

 

大淀「……いや、そんな話は聞いてません、敵艦載機の恐れがあります!アオバさん急ぎ通信を!電さん、急ぎますよ…!」

 

電「わかってるのです…!」

 

船団の向こうの空に大量の深海棲艦の航空機がみえる

 

大淀「100くらいいますね…!」

 

衣笠「機銃なんか積んでないよ!?どうすんの!?」

 

電「なんでもいいのです!とにかく撃ち落とすのです!」

 

船団も防空射撃を始める

 

アオバ「船団の撤退開始!このまま護衛します!」

 

大淀「佐世保と宿毛湾にも連絡を!いや、鹿屋と岩川にも!」

 

アオバ「もうしましたよ!佐世保は出撃済み、岩川は航空機を飛ばす準備段階だそうです!」

 

大淀「あとは少しでも被害を抑えますよ!衣笠さん!私と前に出て敵機の攻撃を引きつけてください!」

 

衣笠「了解!」

 

砲撃をしながら船団に近づく

 

大淀「……この距離になっても悲鳴ひとつ聞こえない…騒ぎになってない?民間人が乗ってるのに対応に遅れもなく対空を…」

 

電「大淀さん!ぼーっとしないでください!」

 

大淀(この船は民間人が乗ってない…?いや、そんなことはどうでもいい、急いで対処しないと)

 

艦攻の攻撃で一隻の護衛船が黒煙を上げ始める

 

電「間に合わないのです!」

 

衣笠「全然こっちを狙ってくれないよ!?」

 

大淀「狙いが正確すぎる…!」

 

アオバ「船団が引き返し始めました!撤退行動を開始してます!」

 

電「ここから台湾まで戻るつもりですか!?無茶がすぎます…!」

 

大淀「いや、あの船には民間人が乗ってません!なら撤退も決して悪い策ではないはず」

 

大淀(ただし日本との国際関係の悪化は避けられないでしょうが…)

 

アオバ「…味方航空機!味方の航空機が来てます!」

 

大淀「間に合いましたか!敵航空機撃破後空母級の撃破を目指します!」

 

瑞鶴『こちら佐世保の瑞鶴、間に合ったみたいね!』

 

大淀「こちら横須賀の大淀です、敵艦載機の撃破をお願いします!私たちは本体を狙います!」

 

瑞鶴『居場所はわかるの?』

 

大淀「タイミングを見て探るつもりです」

 

瑞鶴『なら南西、そっちから出てきてるわ、じゃあ飛行機は任せといて!』

 

空中戦が繰り広げられる

次々と敵艦載機が落ちていく

 

大淀「仕事が速いですね…南西に向かいますよ!」

 

衣笠「了解!…って!雷跡!」

 

大淀「これは…潜水艦!」

 

電「直撃ルートはないのです!これは足止め、敵が撤退を始めてるのです!」

 

敵艦載機が撤退を始めている…

こちらの被害は、護衛予定の船一隻が中破、か

 

大淀「……戦術的、勝利といったところでしょうか」

 

アオバ「民間人が乗ってないなら、十分すぎるほどですよ……で学んで民間人が乗ってない船を?」

 

大淀「少なくとも我々にはその事実が知らされてない点から盗聴や裏切り者のチェック…と言ったところですか、こんな作戦を取れるくらいならまだ台湾側も多少猶予があるようですし…」

 

電「一歩間違えば大変な数が死んでいました…」

 

大淀「まだ潜水艦が狙ってくるかもしれません、気をつけて船団に近づきますよ」

 

 

 

 

 

 

 

宿毛湾泊地

提督 倉持海斗

 

海斗「会敵数7……砲弾と機銃が…魚雷は6で…うん、確認したよ、撃破数は青葉が2、朧が3、朝潮が3、そしてこちらの被害は曙が小破…」

 

海斗(…小破か、この戦闘データを見るに駆逐級2隻はすぐに撃破、軽巡級も撃破した後に戦艦級と雷巡級を撃破してる、小破はこの戦艦級と雷巡級の交戦タイミングでしてて、その後駆逐級と交戦…タイミングから見て雷巡級の主砲でのダメージで小破…?)

 

青葉「……何か不明点などありますでしょうか…?」

 

海斗「うーん…」

 

海斗(おかしい点はなんとなくある…撃破数もそうだけど機銃なんて誰も使わないし、使う相手がいない…だけど弾薬とかの消費は正しいみたいだし、別に追求する理由はないかな…)

 

海斗「大丈夫だよ、今日はゆっくり休んでね」

 

青葉「あ、あの…司令官、明石さんからパソコンを受け取ったので、この後お時間がよろしければ……」

 

海斗「うーん…夜になるけど、構わない?」

 

青葉「はい!」

 

 

 

 

横須賀鎮守府

軽巡洋艦 大淀

 

大淀「……はぁ…英語も通じない軍人ってどうなんでしょう」

 

拓海「ご苦労だったな」

 

大淀「…今回の出撃、意味はあったのでしょうか…」

 

拓海「あったとも、各国に艦娘と会うシステムを認めさせた、台湾側も次は本当に民間人の乗った船を護衛してほしいと言っている」

 

大淀「……提督はご存知だったんですか?」

 

拓海「いいや、予想はしていたがな」

 

大淀「それで…?」

 

拓海「海軍の次の動きとしては台湾方面の海域の一時的な解放を目指す、宿毛湾、佐世保から艦隊を出撃させ、台湾方面の敵を撃滅する…これを南一号作戦と呼称するらしい」

 

大淀「らしいって……他人事ですか」

 

拓海「生憎、私は机に向かうことしかできないものでね」

 

大淀「……変わりませんね」

 

拓海「良くも悪くもな、今度こそうまく立ち回る」

 

大淀「期待しています、それで、宿毛湾と佐世保から人員を出すと言うのは?」

 

拓海「地理的なところから近いと言うのも大きいが…佐世保には着任してる艦娘が少ない、航空戦略を佐世保に頼り、通常の駆逐艦を宿毛湾に出してもらう」

 

大淀「宿毛湾の赤城と加賀は?」

 

拓海「妖精待ちだ、これに関しては私にもわからない」

 

大淀「……妖精…これってなんなんですか?」

 

水上機から妖精を手におろし、見つめる

 

拓海「…新種の知的生命体だ」

 

妖精は私に向かって敬礼をしてみせた

 

大淀「ふふっ……可愛いのはいいのですが…以前はみんなにこんなものが見えてたんですね」

 

拓海「そう言うことらしい、しかしそれが今、見えていて…尚且つ…」

 

大淀「世界は安定している……最短のお陰でしょうか?」

 

拓海「さあな、事はいくらでも起こせるだろう…起こそうと思うものがあればな」

 

大淀「……物扱いはやめてくださいね」

 

拓海「モノにならねばいい話だ、人は死んだ瞬間より死体という物体になる…生物ではなくなるからだ、死ぬな」

 

大淀「死なせない、と言ってほしかったですが」

 

拓海「…悪いが、私は非力な存在だ、君たちを危険に晒し続けることしか出来ん」

 

大淀「なら、私達が守る側になりますよ」

 

拓海「すでに国民を守っているだろう」

 

大淀「……もっと別に守りたいモノも有りますから」

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