元勇者提督   作:無し

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精密狙撃

宿毛湾泊地

駆逐艦 朝潮

 

朝潮「南一号作戦は失敗に終わった…だけではなくそれ以降の攻勢も一度も成功せず、はや2週間が経過…か」

 

アオボノ「全くもって、揃いも揃って無能ばかりで困りますね」

 

アオボノは書類仕事をしながらこっちに向くこともせずそう答える

 

朝潮「相手が相手です…私も歯が立ちませんでした…」

 

アオボノ「でしょうね」

 

朝潮「……一番問題なのは朧さんの士気が著しく落ちてる事です、彼女は深海棲艦との戦闘に疑問を持っています」

 

アオボノ「そこまで不思議ですか?私からすれば至って正常に見えますけど」

 

朝潮「………」

 

アオボノ「朧は提督と近しい存在です、なぜなら提督と同じ記憶を共有していたから…生まれと育ちは違いますが、その価値観で生き抜いたと言う記憶が朧の心に宿っている…朧の内側を形成している」

 

朝潮「だから?」

 

アオボノ「提督が深海棲艦のことを知れば同じ反応をするでしょうね」

 

少し羨ましそうな表情、しかし嫉妬とは違う…

 

朝潮「まあ、そうでしょうね」

 

アオボノ「朧は強い、それこそ北上さんに食らいつける程に…でもその為には途方もない努力が必要、本人はそれを知っているのに、深海棲艦との戦いに躊躇う心が朧の戦い方を邪魔している」

 

朝潮「…朧さんの戦い方?」

 

アオボノ「朧らしい戦闘スタイルは何か…といったら、無いんですよね」

 

朝潮「何でもできる、と言う意味ですか」

 

アオボノ「そう、指揮も砲撃も、何でも熟す、判断のセンスも悪く無いし一つの部隊をまとめるのにも十分な力がある…けど、何をさせても役不足になることは無い」

 

朝潮「…その役目以上のことができない…?」

 

アオボノ「やらなきゃならないと思ったことは全力で成し遂げるのが朧です、提督みたいですよね…だから私は朧の事気に入ってるんですよ、姉妹として」

 

…姉妹…みんなは今、どこにいるのだろうか……

 

朝潮「それで?」

 

アオボノ「今の朧は、役不足になるどころか力不足です、その役目を果たせてない…当然ですよね、自分のやってることを疑いながらやってるんですから」

 

朝潮「…全力で戦えないからここしばらくの負け続き…明石さんが発狂してましたね、修復液を作るのも楽じゃない、いい加減にしろ…と」

 

アオボノ「ああ、笑えましたねアレ」

 

朝潮「全くです…コーヒーでも飲みますか?」

 

アオボノ「是非、一息入れましょうか…」

 

書類を纏め、湯を沸かす

 

アオボノ「やっぱり国が運営してるだけあってモノは揃ってますね」

 

コーヒーの粉をフィルターに落とし、湯を注いで蒸らす

 

朝潮「どうぞ、砂糖は?」

 

アオボノ「ああ、一つ頂きます…ブランデーってありますか?」

 

朝潮「私たち未成年ですよ…まあ一応ここに」

 

アオボノ「スプーンに角砂糖を置いてブランデーをかけて…火をつける」

 

朝潮「カフェロワイヤルですか…スプーンはカップに引っかけるんじゃ無いんですか?」

 

アオボノ「専用のスプーンならそうしますけど、まあ…違うので手で待ってます……そろそろかな」

 

火のついた角砂糖をコーヒーに混ぜ込む

 

朝潮「ドイツの飲み方でしたっけ」

 

アオボノ「ええ………合いませんね、豆が合いません」

 

朝潮「お子ちゃま舌なだけでは…」

 

心なしか顔も赤いし…ちゃんとアルコール飛んだのかも怪しいモノだ

 

アオボノ「私がお子ちゃま舌とは随分ないいようですね、朝潮さん……このくらい飲めるんですよ、私でも…」

 

朝潮(めんどくさ…絵に描いたような酔っ払いと言うやつですか?でもブランデーのアルコール度数は高くて50程、それがスプーン一杯に火をつけてある程度アルコール分が飛んで…コーヒー内のアルコールは一桁そこらのかなり低い……)

 

アオボノ「…ほら、飲み切りましたよ、どうですか…」

 

朝潮「うわ本当に飲んだ…と言うかさっきより顔赤くなってる…酔ってますよね」

 

アオボノ「ああ、多分酔ってますね…酒をやったことは無いのでよくわかりませんが」

 

自覚があるだけマシ、と言うやつだろうか

 

アオボノ「……酔いに任せて迫ってみますか」

 

朝潮「…何に?」

 

アオボノ「提督に、もう罪とかそう言うのは忘れて好きに生きるのもアリな気はするんですよね」

 

朝潮「……貴方アルコールに近づくのやめた方がいいですよ」

 

 

 

 

1時間後

 

朝潮「ああ、起きましたか」

 

アオボノ「……何で私は毛布を纏ってソファーで寝てるんですか?」

 

朝潮「貴方が自分から進んで部屋に服を脱ぎ散らかし、進んで毛布にくるまって横になったんです」

 

アオボノ「…いや、覚えてるんですよ、気が狂った私がちゃんと貴方に接吻を迫って首を殴りつけられて意識が落ちたところまでしっかり…」

 

朝潮「……そこまでハッキリ覚えてるなら確認します、私の唇は貴方に掠ってしまいましたか?」

 

アオボノ「……掠ったと言うかガッツリ……」

 

朝潮「ん"ッ!ごほんッ!」

 

アオボノ「……多分掠ってないはず…と言うか掠ったとしても嫌ですよ、貴方がファーストキスの相手とか…」

 

朝潮「私も嫌です、これはお互いノーカウント…という事で」

 

アオボノ「ええ、まさか飛びきってない程度のアルコールで酔うとは…そして酔っていたとはいえ邪な考えで提督を…」

 

朝潮「…でも寧ろ酒の勢いで、と言うのは面白そうですね、私は司令官に負い目はありませんし」

 

アオボノ「…やったら殺しますからね」

 

朝潮「それは羞恥心?嫉妬?」

 

アオボノ「…嫉妬」

 

朝潮「成る程、ところで話が変わりますが…今、貴方が北上さんとやり合ったらどうなりますか?」

 

アオボノ「負けるでしょうね、あの人は切り札を常に隠してますから…もし先に切り札を見せてくれたのなら、私に勝てるチャンスはあるのでしょうけど」

 

朝潮「トランプゲームみたいなこと言いますね」

 

アオボノ「本当にそんなレベルなんですよ、心だけはいつまでも負けず、チャンスを伺い、切り札をどちらが先に切るか…強いカードの切り合い、ここぞと言う場面に本物の切り札を切っては負け…切らずも負け」

 

朝潮「…大富豪でもやりたいんですか?」

 

アオボノ「……はぁ」

 

 

 

 

 

横須賀鎮守府 

提督 火野拓海

 

拓海「わざわざ君を呼び出したのは旧友と談笑するためではないのだ、海斗」

 

海斗「わかってる」

 

拓海「……君は一体どこまで知っている?君はここしばらく続いている作戦の失敗に…関係しているわけではないのか」

 

海斗「まずどこまで知っているか、だけど一般的に公表されてない情報も多分知ってると思う…」

 

拓海「やはりか、だから君は作戦の妨害をしている…と?」

 

海斗「それについては否定するよ、僕は南一号作戦については真剣に臨んでいるから」

 

拓海「……では、南一号作戦において深海棲艦が撃滅されることは…全く問題がないと?」

 

海斗「………」

 

拓海「…肯定と受け取ろう…何度も我々を退けて見せたあの深海棲艦には…強烈なしっぺ返しをくらうことになる」

 

海斗「…そう、と決めた時から…きっとその覚悟はできているよ」

 

拓海「………」

 

海斗「僕には、止める力があると思われてるのかもしれない、たった一声でそれが解決する、と…でも、そんなことは無いんだ、自分が良いと思った事を果たすために全力で戦ってる人を止められるわけがないんだ」

 

拓海「…かつての君のように…か?」

 

海斗「………」

 

拓海「私はいつまでも君の友人だ、だが…君の仲間であるとは限らない…」

 

海斗「いつまでも仲間だよ、何も変わらない」

 

拓海「………」

 

 

 

 

 

 

海上

チ級

 

チ級「…く…ぁッ……」

 

海面に膝をつく、傷口を握りしめ、出血を阻止しようと必死に力を込める

まさか自分に土をつける相手がこんな予定外だなんて

 

チ級「くそ…どこに居んの…?あー…もう…見つけた」

 

見つけた…いや、見えてない、匂いでわかった…風上にいる、風上から運んでくる硝煙の匂い

 

チ級「アタシにアヤつけるなんて…後悔することになるよ、五月雨」

 

視界にすら映らないほどの遠方に居る…居るのなら…痛い目を見せてやれる…だけど、それが目的じゃないんだ

 

チ級「……」

 

単装砲をカチッカチッと鳴らす

周りの深海棲艦が潜航し、自分1人が五月雨の照準に映っているだろう

 

チ級(ただ、不意を打たれただけだ…なんて言い訳、できないな…)

 

何キロ先なんだろう、見えないどこかから放たれた射撃…と言っていいモノなのか…一定距離を超えた時点でショットガンのように散弾を放つタイプ…その中の何個かが、私の体を貫いた

幸いなことに弾丸が体に残ったり、頭に当たるなどは防げた、自分以外に被害もない

 

チ級(…こいつは重畳…ってやつかな)

 

この戦いは、この黄昏は…この夜は、すぐ明ける

 

チ級「ほら…ここでしょ…!」

 

体を捻り、大きく振り回すように、構える力はないから振り回して、当たる瞬間に放つ

 

砲音とともに砲弾が空を切り裂く

 

チ級「アレはまだ見せないからね…アンタにはあれを引き出すだけの力はない」

 

 

 

 

 

駆逐艦 五月雨

 

五月雨「わ……やられちゃった…まさかここまで届くなんて…」

 

かなり距離があるのに、視認できない距離なのに…このために来ていた砲艇が一隻ダメになった…

 

砲手を務めていた私のことを狙っていた、危うく殺されていた…お互いがギリギリの命懸けだった…でも、かろうじてこの場は引き分けか

 

五月雨「…もしもし、こちら五月雨です…はい、お借りした砲艇が撃破されました、弾薬に引火して…はい、救助を要請します、すぐに沈むと思います」

 

艤装をつけていた私は海に浮いていられるけど、この船に乗っていたのは艦娘だけではない、私がここから離れた場合何の戦闘力もない人間は深海棲艦の餌に成り果てる

 

例え今追いかければあの化け物を討ち果たすことが出来る…としても

 

五月雨「…そもそも、致命傷を与えたとしても、相討ちにされそうですしね…」

 

ここは、一度退くしかないのだ

 

 

 

 

 

 

横須賀鎮守府 

提督 倉持海斗

 

電「………」

 

海斗「…やあ、こんにちは」

 

すれ違いざまに背中から服を掴まれる

 

電「今、この世界は貴方の望み通りのものですか」

 

海斗「…何のことかな」

 

電「この世界は、確かに安定しているのでしょう、でもこの世界はあまりにも冷たい…私がかつての姉妹と共に過ごす事を躊躇うほどに」

 

海斗「夜は陽の光がないから」

 

電「…確かに、いつか陽は昇るでしょう、ですが再び陽は沈む…私は今、暗い夜の中にいます、貴方のせいで…私はただ、生きていたかった…今生きている自分に確証が持てないくらいなら、あの不安定で恐ろしい夜の世界を生きたかった」

 

海斗「………」

 

電「人は死ねばモノになる…人でなくても、全ての生き物は死んでしまえば…貴方は私を殺しました、その償いを、受け入れてください」

 

海斗「……何をすれば良いのかな」

 

電「第六駆逐隊を揃えてほしいのです、ちゃんと記憶がある、あの3人を連れてくるのです」

 

海斗「…保証はできないよ」

 

電「やると言ったのなら、もう取り消せません、成し遂げるのです」

 

海斗「……わかった…それじゃあ」

 

 

 

 

 

 

 

高知 病院

チ級

 

チ級「…うげ…」

 

予定は全て、正確に、精密な動きに沿って進行していたのに…

あのあと私は深海棲艦のうち1匹に私を砲撃させ、明らかに深海棲艦にやられた人間、として海に浮かんで、保護されるつもりだった

 

結果から言うと大成功、意識を失ってたのは想定外だけど無事保護されて優雅に個室のベッドの上…なのに、最初に顔を見た相手が最悪という他なかった

 

アオボノ「…なんでしょうか、人の顔を見るなり、そんな反応」

 

チ級「……な、なんでもないけど…ここは?」

 

アオボノ「…貴女が海に浮いておりましたので、病院に搬送されました、状況から深海棲艦にやられたモノだとして判断されたので私がお話を伺うために待機しておりましたが」

 

チ級(艤装とか全部隠しといて良かったなぁ…ホントに…)

 

アオボノ「…詳しく話せますか?」

 

チ級「あ、えーと…あ、あの…ちょっとよくわからなくて…」

 

チ級(下手な事は言えない…どうするかな…いや、こう言う時はあれだ、あの状況になったフリだ…!)

 

アオボノ「…なんですか?」

 

チ級「そ、その…あ、アタシって誰ですか?」

 

アオボノ「……成る程、そう来ましたか…はぁ…」

 

記憶喪失のフリをしておけばよっぽどのことがない限り問題は無いだろう、何も話すつもりは無いし、怪我さえ癒えれば前と同じようにみんなの前に立ちはだかるのが…アタシの役目だ

 

アオボノ「まず貴女について読み上げますね」

 

クリップボードを持ち上げてそういう

 

チ級「…へ?」

 

アオボノ「貴女はキタカミ、2週間と少し前に行方がわからなくなって捜索願いが出されてますね、生まれは九州の長崎、そして艦娘システムの適合者…ここまでは良いですか」

 

チ級「い、いや…なんにも良くないんだけど…?」

 

アオボノ「…貴方の名前はキタカミです、Repeat after me キタカミ」

 

キタカミ「き、キタカミ…」

 

キタカミ(うわー…怠いってレベルじゃないよこれ…)

 

アオボノ「…まあ、こんな茶番は置いておいて」

 

曙はクリップボードをベッドの上に投げ捨てて、大きくため息をつく

 

アオボノ「……ここで殺すのは、勘弁しておいてあげますよ…貴方は提督のお気に入りですから」

 

キタカミ「……言ってる意味が分かりかねる…って言うのは?」

 

アオボノ「通用する事に、しておきます…もうそのボードに記載してあるんで、その通りに話してください」

 

そう言って曙は部屋を後にした

言われた通りボードを拾い上げ、読む

 

対象の女性は名前だけは思い出せるが、その他の記憶が欠落、一切覚えておらず、常識テストをしたところ日常生活には問題ないようだが、艦娘システムについても理解を示さなかった

 

簡素に書き記されたそのボードを投げ捨ててもう一度ベッドに横になる

 

キタカミ(…多分、お見通し、何だろうな…)

 

孤独な戦いも、その理由も、何でこんなことしなきゃいけないのかも…全部

 

意識が微睡む、身体が傷を癒すために体力を消費してる、呼吸するのさえ面倒になって来た、起きてるのか寝てるのか、死んでるのか生きてるのかわからない

そんなぼやーっとした良い気持ちをノックが阻害する

 

キタカミ「…はぁ……」

 

無理矢理目を開いてドアの方を見る

…最初に来て欲しい相手が二番目にきてくれた

 

海斗「あ、ごめん、寝てた?起こしちゃったかな」

 

ベッドのそばに椅子を置き、提督がそれに腰掛ける

 

キタカミ「………」

 

無言でボードを渡す

 

海斗「…記憶喪失、か」

 

頷いて見せる、提督は少し困ったように笑ってくれた

 

海斗「大丈夫、記録も盗聴の類も心配ないよ」

 

キタカミ「…そっか」

 

海斗「お疲れ様、キタカミ…イムヤ達は元気?」

 

キタカミ「うん、まあ…元気なんじゃない?疲れた顔してたけど」

 

海斗「大変だったね、手紙が届いた時は驚いたよ、まさかとは思ってたけど…君たちがそんな事をしてたなんて」

 

キタカミ「やめるつもりはないよ、良いと思った事をやってるだけなんだから」

 

海斗「止めるつもりはない…って言ったら嘘になるけど、頑張ってるのはわかってるよ」

 

キタカミ「………」

 

身体を起こし、提督によりかかる

 

海斗「…キタカミ?」

 

キタカミ「撫でて、良いから黙ってさ」

 

優しくそれに応えてくれる、少し、頑張りが報われた気がした

無理矢理力を認めさせて、無理矢理言葉の通じない動物と成り果てた深海棲艦を動かして、守って

でもそれも全部、自分が良いと思ったから…

 

キタカミ「提督はさ…私のやってる事、どう思う?」

 

海斗「正しいとか、間違ってるとか…そう言う言葉で言う事はできないかな…今も深海棲艦は人を襲う、深海棲艦は増え続けてる…だから、深海棲艦は倒さなきゃいけない…でも、深海棲艦は元々みんな人間だった…なら、救う手立てがあるのかもしれない…実際曙や朝潮はそれで帰ってきた」

 

キタカミ「あ、そうだ…気になってたんだけどなんで曙の方が青いの?」

 

海斗「判別がつかないから染めた、って言ってたよ」

 

キタカミ「…ふーん…らしい、かもねぇ…」

 

でも、何でいるのにあたしを倒しにこないのか、そこがわからない…

 

海斗「そうだ、ウチの泊地に他の北上が…」

 

キタカミ「知ってる、大丈夫…まあ弱いのも知ってるけどね」

 

海斗「……僕の予想だと、あの北上は…」

 

キタカミ「うん、多分自主解体した子だと思うよ、基礎能力としてはかなり高いし」

 

心が弱いのさえ治せば役立ちそうなんだけど、その前に折れそうであんまり好きになれないんだよねぇ…

 

キタカミ「…うん、もういいよ、元気出たから」

 

海斗「…良かった、でもキタカミ、キミはキミの人生を大事にしても良いんだよ」

 

キタカミ「…あたしさぁ…何もできないから、ずっと見てるだけだったけど…ずっと戦いたかった、みんなの役に立ちたかった…その夢が今、ようやく叶ったんだよ」

 

海斗「…そっか」

 

キタカミ「提督、心配してくれてありがとね…でもあたしはあたしの人生を生きてる、だからこんな戦いをして、ボロボロになって…でも、笑えるんだよ」

 

思いっきり口角を上げて、笑って…

 

海斗「…キタカミ、人は1人じゃ生きていけないんだよ」

 

キタカミ「あたし艦娘、それに心配ないって、翔鶴もイムヤもいる」

 

海斗「………」

 

キタカミ「提督は弱ってる相手には弱いよねぇ…でもあんまり優しすぎると足下掬われるから注意ね」

 

海斗「わかった」

 

キタカミ「……」

 

海斗「たまには帰って来て、何もできないけど…」

 

キタカミ「……うん」

 

心の拠り所と、逃げ道は…本当によく似てる

少し油断したら、拠り所から逃げ場所になって、目を向けたくない現実から逃げ出したくなってしまう…

 

キタカミ「さ、そろそろ帰んなー…仕事あるでしょ?」

 

海斗「青葉があんまり仕事をさせてくれないけどね」

 

キタカミ「ほー、そりゃいいですなー、じゃあ青葉に仕事取られる前に全部片付けちゃえ」

 

キタカミ(あんまり、ここに居ないで…これ以上一緒にいたら、離れるのが余計に辛くなるから)

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