元勇者提督 作:無し
海上
駆逐艦 綾波
綾波「な、何これ…何ですかこれ…」
この鉄屑は明らかに私達の乗ってきた船じゃない、沈んでいく私達の船のそばに鉄の破片が散乱してる…
阿武隈「た、助けて!艤装がないから浮けない!」
朧「救命ボートは!?」
潮「もう何個か出てるよ!あと一個しかない!」
綾波(救命ボートに加賀さんと司令官、そして艤装がない第七駆逐隊と阿武隈さんを乗せられる?無理だ、救命ボート一つには4人が座って乗るのが限度…)
長門「焦るな!何人か抱える!こっちに来い!動けるものは艤装をつけて海に出ろ!」
島風「敵!深海棲艦が接近してます!」
山雲「囲まれちゃいましたね〜…?」
北上「はぁ…死ぬのはいくら貰っても割りに合わないし…倒すしかないよ」
狙い澄ました様なタイミングで大量の深海棲艦の群れ…船を沈めたのも深海棲艦…?いや、とにかく今は全員が助かる手段を…
綾波「お、朧さん!ライフジャケット…!」
朧「……曙!漣!潮!ライフジャケットで浮くよ!私達はボートに乗らない!」
曙「深海棲艦がウヨウヨいる海に無防備に放り出されろって言うの…!?」
島風「敵接近!戦闘開始します!」
砲音が各所から鳴る、船の中からも砲音が響く
綾波「…え?な、何で中から…」
沈んでいく船の壁が吹き飛ぶ
夕張「んー、脱出成功……とはいかないか…朧ちゃん達!予備の艤装よ!」
そう言って海にぽいぽいと艤装を放り出す
朧「予備…?何にしてもこれなら戦える!」
阿武隈「わ、私のはありますかぁ〜!?」
夕張「えっと……水上歩行用と駆逐艦用の主砲なら!」
阿武隈「充分です!」
明石「うわぁ…ほんとに浮いた、て言うかこのクレーン何に使うの…」
夕張「よし、これで全部外に出たかな…さて私もやるか!」
綾波「…何あの艤装…」
夕張「ふふふふふふ…見なさい!これが昨日暇な時間で作ったガトリング砲!…25mm機銃を八つくっつけた私専用の特殊艤装!」
山雲「…なんていうか、ロボットみたいになってますねー」
夕張「反動対策にアウトリガージャッキも完備!ちょっとゴツゴツしてるけど…殲滅力なら何にも負けないから!」
北上「あー、あれアウトリガージャッキって言うんだ」
夕張さんがすごい音共に弾をばら撒く
夕張「はははー!どうよこの弾数!雑魚は私に任せて!」
山雲「重巡級以上にはあんまり効いてないですね〜…」
綾波(深海棲艦による全滅は防げる…なら…私がやる事は?逃走手段は何か…いや、燃料さえ確保できれば加賀さんと司令官を乗せたボートを曳航して逃げられる…それしか無い)
駆逐艦 アオボノ
アオボノ「何ですかあれは…!間に合わなかったとでもいうのですか…!」
神通「沈みかけてます…一体何が…あ、アレは生存者ですね」
アオボノ「近づきましょう」
近づいてくる救命ボートの方へと進む
アオボノ「一体何が…」
神通「…曙さん、彼ら銃に手をかけてます…」
アオボノ「……そういう事か…そういう事…」
コイツらは提督に手を出したという事か…
神通「……まって!いかないで!」」
神通さんに髪を掴まれて後方に引き寄せられる、首にイヤな感触が走る
遠方からの砲音がして、眼前に複数の巨大な水柱があがりボートが吹き飛ぶ
アオボノ「砲撃…!いつつ…」
神通「口封じ、と言うところでしょう…かなり遠方に一隻います…もう撤退をはじめてますが」
アオボノ「チッ……ならここにいるゴミを始末してから進みましょう」
兵士は必死にボートの破片を手繰り寄せて必死に生き残ろうとしている、こっちに同情を誘う様に怯えた目を向けている者もいる、殺さないでと叫ぶ者もいる
アオボノ「…お前達が手を出した相手は」
砲に弾を込める
アオボノ「私にとってお前達の様な有象無象がどれだけ集まったよりも大事な方で、たとえ全人類と天秤にかけられたとしても迷わずそちらを選ぶ…それほどに大切な方を傷つけた、死ね」
砲をおさえられる
神通「言ってることがめちゃくちゃですよ、まだ死んだと決まったわけじゃありません、それこそ生死を確認してからでも充分な時間は有ります」
…そうだ、焦るな
アオボノ「急ぎます」
神通「…それに、貴方の提督は殺しを良しとはしない…と思いますが」
アオボノ「でしょうね、でも私は提督の為なら、どれほどでも汚れて見せます、たとえ拒絶されるとしても…私は提督のために生きている」
神通「贖罪…ですか、倉持さんは果たしてそれを望んでるのか」
アオボノ「いいえ、望まないでしょう、ですからこれは私の自己満足です」
全速で近づく
神通「…戦闘していますね、そのドラム缶、乗っても?」
アオボノ「何を…」
神通「よっ…と……よく見えます…まだ生きてますよ、貴方の提督は」
アオボノ「!……ならばもっと急がねばなりません、この塵芥をさっさと消し去ります……戦闘行動を開始」
神通「では私は大物から…出てきましたよ、おそろしい敵が」
アオボノ「…大丈夫、今は向かい風が吹いてますから匂いは届きません」
キタカミ…なぜこの状況で出てきた、提督を殺すつもりだと言うのなら…ここで貴方を殺す
キタカミ
キタカミ(マズイな、ホントにマズイ…中途半端な事をするわけにもいかないし、やれる最善は尽くすけど…)
イムヤ『こちらイムヤ、目標の底に穴を開けてやったわ!』
キタカミ「ん、ナイス…生きて返すつもりはないからね、とことん穴開けといて、でも安全第一で」
イムヤ『了解!さっきの潜水艦みたいにしてやる!』
これで船は完全に沈めた、じゃああたしがやることは至極単純、誘拐だ
キタカミ「…ちぇっ、夕張…そんな事してると痛い目見るよ」
一発
夕張「きゃぁぁ!ヤバっ!炎上してる!」
青葉「!」
目があったかぁ…気づかれちゃったな
キタカミ「Good night」
青葉「ッ!!」
キタカミ(おおう、防いだか…流石に腕上がってるな…航行不可にするつもりはないのに中途半端な事されたら…いや…)
キタカミ「瑞鳳、翔鶴、やっていいよ」
青葉は任せちゃえ、次だ次だ
キタカミ「単装砲って、侘び寂びだよねぇ…そりゃバカバカ撃って当たる方がいいけど」
曙「主砲が!」
朧「これ…!うわぁぁ!」
阿武隈「ッ!まだ…まだやれる!」
北上「なんなのさこれ…!」
赤城「飛行甲板が…!」
キタカミ「一発で仕留めちゃえば結局変わんないしねぇ?…お」
艦載機用の矢筒…
キタカミ「うはー、彩雲に流星に烈風……いいの?鳳翔」
鳳翔「それを差し上げますので、ここは引いていただければ」
キタカミ「ああ、そう言う事?ごめん無理だわ、それ」
鳳翔「……では、不肖ながら、お相手させていただきます」
キタカミ「いや、遠慮しとくよ、メインディッシュが来ちゃったからさ…もし?阿武隈も厄介だから落としといて」
瑞鳳『了解』
キタカミ「さて…と…おっひさ〜、元気してた?」
島風「何でこんな事…!」
日向「これ以上提督を危険に晒されるのでしたら、痛い思いをしてもらいます」
キタカミ「来なよ、ほら、早く」
島風「…私がやります」
速い、相変わらず速い…
周囲を回る様にして様子を見てくるか
キタカミ「…お、酸素魚雷」
島風「連装砲ちゃん!今!」
魚雷と砲撃の波状か…うーん、ホントなら通用してるはずなんだけど
瑞鳳「邪魔!」
日向「砲撃を弾いた…!?何ですかあの巨大な籠手!」
島風「この…きゃっ!?」
島風が砲撃をくらい、体勢を崩して水面を滑る
キタカミ「当てられないくらい速くなってから来な、まだ足りないよ」
日向「…分が悪そうですが、提督の命がかかっています……」
瑞鳳「相手してあげようか、3秒でその刀を砕いてあげる」
キタカミ「…影?」
一瞬上を何かが通った様な…鳥…
瑞鳳「背後!!」
神通「お久しぶりです」
神通の蹴りを瑞鳳が受け止める
神通「会えて光栄です、貴方ともう一度戦いたかった」
瑞鳳「…ごめんキタカミさん…用事できちゃった」
キタカミ「はぁ…いいよもう、デート楽しんでれば…ってうわ、曙もいるし…終わってんなぁ……目標は果たしたし、私は撤退するかぁ…」
日向「待ちなさい!」
キタカミ「ああ、そういやいたね天龍、でもさ…弱いんだよ」
初撃は刀で防がれるが二発目で刀を弾く
キタカミ「ほら、相手にならない…天龍、もっと強くなってから出直してきてよ」
日向「…私は、私は日向だ!」
キタカミ「戦艦になったところで相手にならないんだって、それじゃあね」
ヲ級『確保完了シマシタ…』
キタカミ「ん、とりあえず東で合流ね、ちゃんと連れてきて」
駆逐艦 アオボノ
アオボノ「消えろ、私の眼前から」
ル級「ギャァァァァァ!」
ツ級「ギィィィィィ!!」
アオボノ「見つけた、私の艤装」
浮いていてくれてよかった…試作品だから特に信用性もないが、たとえ召喚が正常に動作しなくても十分だ
アオボノ「…後は…夕張さん!」
夕張「わ!?え!?何でいるの!?」
アオボノ「アレは!?」
夕張「は、はい!そこ!」
水上歩行用の艤装がぷかぷかと浮いている
アオボノ「…噴出機構は?」
夕張「ごめん、島風ちゃんが使ってて…」
アオボノ「はぁ……」
艤装を交換する
アオボノ「…40ノットか」
全速を開ける
どんどん加速して行く
アオボノ「……もっと…!」
約時速75km、これなら
アオボノ「殲滅します」
両手に短剣を握る、特別なことと言えば試験的に導入した砲撃を召喚すると言う機能のみ
アオボノ「死ね」
剣を振るう、狙った位置よりやや右…
もう一度振るう、次は左…どのタイミングで召喚される?
アオボノ「……面倒ですね」
前方の戦艦級に詰め寄り剣を突き立てる
アオボノ「この方が早い」
斬る
アオボノ「貴方達もその方がいいでしょう?」
斬る、すれ違う様に斬る、斬り裂いて壊す
アオボノ「…提督はどこ」
曙「……曙…」
与那国島
提督 倉持海斗
海斗「…っ……ん…」
キタカミ「あ、起きた起きた、おはよー提督、一応手当てだけはしといたから」
海斗「キタカミ…?いたた…」
キタカミ「あー、無理に起きないで、傷口開くよ?にしても…刺されるって知ってたわけ?」
海斗「……何となく、こんなことになるんじゃないかとは思ってて…だから一応ね」
防弾チョッキを着ておいてよかった、おかげで深くまでは刺さってない…だけど何度も頭を打って意識を失って、ぼやぼやした感覚だ
キタカミ「ま、そんだけ優秀って事だねぇ」
海斗「みんながね…ところでキタカミ、加賀まで連れてきたのはどう言うつもり?」
キタカミ「深い意味はないよ、同じボートに乗ってたから引っ張ってきただけ」
イムヤ「ただいまー…あ、司令官…!」
海斗「イムヤ…元気だった?」
イムヤ「うん…うん!それより司令官は大丈夫なの?刺されたって聞いたけど」
海斗「うん、この通りね…」
イムヤ「良かった…司令官の乗ってた船を雷撃したのは軍なの、潜水艦が追従してて、最初からその潜水艦が船を沈めることになってたみたい」
キタカミ「潜水艦に関する報告が一切なかったと思うんだけど…乗組員が全員グルって訳、ちなみにその乗組員は脱出したはいいものの、さらに別の船から撃たれて海の藻屑…だっけ?」
イムヤ「うん、だから船倉に穴開けてやったわ!」
海斗「イムヤ、それはダメだ…人が死んじゃうよ」
イムヤ「…司令官、相手は司令官を殺そうとした奴らなのよ?」
海斗「関係ない、君たちが手を汚す様なことをする必要はないんだ」
イムヤ「……そう言う人だったよね…うん、わかってる…」
海斗「僕のことを思ってくれたことは嬉しい、だけど…君たちが幸せに生きてくれたら僕は幸せなんだ、だから…」
イムヤ「わかってる…」
キタカミ「それよりさ、提督、わざわざ提督拉致ったのには理由があるんだよねぇ」
海斗「うん、わかってるよ…出てきてよ、翔鶴」
物陰から深海棲艦の艤装がチラチラと見えてるんだよね
ヲ級「ダ、ダメデス、私…見ナイデ…コンナ姿ニナッタ私ヲ…」
海斗「…翔鶴、お願いだからもう一度顔を見せて」
ヲ級「翔鶴ジャナイ…今ノ私ハ深海棲艦…空母ヲ級…!人ヲ襲ウ敵…!」
海斗「キタカミ」
キタカミ「はいはい、ほら、ひきこもりはおしまいだよ」
キタカミが翔鶴を引き摺り出す
ヲ級「ヤダァ…!イヤ、見ナイデ…見ナイデ…!」
真っ白な肌、黒い艤装、だけど翔鶴なんだ
海斗「翔鶴」
翔鶴に近寄る
ヲ級「来ナイデ!」
海斗「…辛いよね、みんなのところに帰れなくて、絶対に君を元に戻すから」
ヲ級「無理ナンデス!私ハモウ人ニモ艦娘ニモナレナイ!」
海斗「そんな事ないよ、それに今だって君は人だ、誰がなんて言おうと、君は人なんだよ」
ヲ級「…提督」
海斗「ようやく顔が見えた、ほら、何も変わらないじゃないか」
ヲ級「…ウウ…デモ、私ハ…私ハ涙一ツ流セナイ、人ノ形ヲシタ化ケ物
…!」
海斗「翔鶴、君は化け物なんかじゃないんだよ、みんな君を受け入れてくれる」
ヲ級「…ウ…ウワァァァ!!…ナンデ、苦シイノニ泣ケナイノ!ナンデ人ニナレナイノ!私ハ…私ハ…!」
キタカミ「……翔鶴」
イムヤ「…司令官と会えて良かった、翔鶴さんがこんなに感情を曝け出してくれたから」
海斗「…翔鶴」
ヲ級「……」
海斗「君が辛いことはよく分かってる、だから頑張れなんて無責任な事は言えない…今の僕には君を救う力もない…でも、こんな無力な僕をもし許してくれるなら、笑って欲しい」
ヲ級「笑ウ…?」
海斗「辛いことがたくさんあって、泣きたいのに泣けないのなら、その分笑い飛ばせばいいんだよ、確かに簡単な事じゃないけど、近くに仲間がいるんだよ?無理に笑うんじゃなくて、楽しくて、嬉しくて笑える様な…小さいことでも笑顔になれる事があるんじゃないかな」
ヲ級「……フフ」
キタカミ「お、早速笑った」
ヲ級「良イ事ナラ今アリマシタ…提督ガ来テクレタ…本当ニ、嬉シイデス…」
海斗「…少しでも、君の役に立てたのなら僕も嬉しいよ」
イムヤ「…司令官、こっちに来ない?」
海斗「……僕が向こうを離れたらきっと苦しい思いをする人がいる、だから僕は君たちとは行けない…ごめん」
キタカミ「知ってるよ…イムヤ、提督を困らせちゃダメだからね?よし、後は加賀を説教してから送り届けるかぁ…」
海斗「そうだ、加賀は一体どうしたの?」
キタカミ「…最低なんだよ、加賀は…綾波を、いや、綾波だったから殺してこそ無いけど…背中から撃とうとした」
海斗「…そうか…」
海斗(朧達のこともあるから赤城を呼んだのに…加賀が来たのはそこも計算しての事だったのかな、綾波を亡き者にするために…)
キタカミ「…あたしさ、綾波は大っ嫌いだよ…だけど何より…仮にでも仲間なのなら…それを背中から撃つ様な奴が、離島鎮守府に居た仲間だっって事が信じられないんだ」
海斗「……いや、加賀は悪くない、僕の責任だ…僕が加賀と綾波を一緒に出撃させたからだ、充分なケアをしてからそうするべきなのに」
キタカミ「提督がそう言うならこれ以上言うつもりはないけど…そう言うの、やめなよ、何度も言ったけどさ」
海斗「……それより、君の姉妹は?」
キタカミ「…ダメ、まだまだかかりそうだよ、みんなを助けるのには」
海斗「辛くなったらいつでも会いに来て、イムヤと翔鶴も」
イムヤ「はい…」
ヲ級「……ワカリマシタ」
キタカミ「んじゃね、提督…」
キタカミ達は島の奥へと消えていった
加賀の事、上層部の事、他にもいろいろ考えなきゃいけないことはあるけど、今は頭が回らない…
海斗「……少し、疲れたな…」
海上
神通
神通「良いですね、やはりこうでなくては」
瑞鳳「人の武器壊しといてよく言うよ…そろそろ帰りたいんだけど?」
神通「こんなに楽しいのに?」
瑞鳳「楽しかったら帰らないって…ハッ…遊園地に来た子供じゃないんだからさぁ…」
神通「…今、私を笑いましたね?」
瑞鳳「え、いや…」
神通「ここからが本番です」
瑞鳳「ちょっ…あーもう!!」
駆逐艦 アオボノ
アオボノ「ボートが消えた…?」
朧「う、うん…提督達を乗せてたボートがいつの間にか」
アオボノ「巫山戯るな!!」
朧の胸ぐらを掴む
アオボノ「何でこんな事になってるの!?朧…アンタは白痴なの?提督が襲われて、ボートに避難させたら後は放置?大概にして…!」
朧「だ、だって…いや、そうだ綾波!綾波が刺したんだよ!」
アオボノ「綾波…?何処に」
朧「…居ない…?」
アオボノ「…チッ」
アオボノ(綾波が提督を刺すとは考えにくい、あの馬鹿が素面で提督を刺すような真似はしない、もし性格が元に戻ったとしたら確実にいたぶってから殺す、刺すと言うのは考えにくい…つまり、別に犯人が…いや、あのゴミどもか、それももはやどうでも良い…提督は何処に…)
朧「あ、曙…」
アオボノ「朧、アンタには幻滅した、最低よアンタ…何でかわかる?アンタだって提督の事好きなのよね、少なくともLikeって感情は抱いてるはず、家族愛とか、そんな風なね…姉妹と同じくらいには大事に思ってたんでしょ?」
朧「それは…」
アオボノ「だったら!うだうだ抜かしてんじゃない!何言い訳してんのよ!自分の好きな人くらい自分で全力で守るって心意気見せなさいよ!」
朧「…っ……」
アオボノ「別にアンタが自分から死んでくれる分には構わない、何なら助かるくらいよ…一生そのまま死んでれば良い、死体に喋る機能は無いからね」
朧「…ぅぐ…」
アオボノ「…泣いたら本当に見限るわ」
朧「…曙…教えて…アタシはどうすれば良い…?一回だけ、もう二度と頼らない…この一回だけ教えて…!」
アオボノ「……提督ならこういうわ、生存者を助けろって…提督の事は…綾波が何とかしてくれるはず、私は夕張さんと明石さんに人の乗れるものを用意してもらう、燃料を確保してきて」
朧「…わかった」
アオボノ(そうだ、提督はこんなことで死ぬ人じゃ無い、わざわざキタカミさんが出てきたのも考えろ、キタカミさんが出てきた時点で提督が死ぬということはありえない…)
曙「…ねぇ、曙…あの」
アオボノ「…今は時間がないので、帰ってからにしてくれますか」
曙「…わかった」
アオボノ「……もう遅い、これは私のモノ、私の力なのよ」
与那国島
駆逐艦 綾波
綾波「…司令官」
海斗「やあ、綾波」
…大騒ぎになっていたというのに随分とケロリとした様子で、何というか緊張がバカらしくなってしまった
綾波「ごぶ、ご無事で何より…で、です」
海斗「うん、なんとかね…綾波、ボートを引いていける?」
綾波「勿論、です…」
海斗「じゃあお願い」
ボートの先端にワイヤーをかけて、曳航する
綾波「……あ、あの」
海斗「大丈夫、誤解は解くよ、綾波は僕を守ってくれた」
綾波「じゃなくて…し、司令官は…こ、こうなると…わかってたんですか?…?」
海斗「ここまでは流石にね、だけど、今回の事で僕にもできる事が他にあるんじゃないか、と思えた…綾波、君にもいろんなことを手伝ってもらうよ」
綾波「は、はい…喜んで…」