元勇者提督 作:無し
深海棲艦基地
キタカミ
チ級「クソッ!姉貴…シテヤラレタゼ、傷ガ治リヤシネエ!」
キタカミ「…そう、あたしにはどうにもできないよ」
チ級「アアァァァッ!腹ガ立ツ!アノ戦艦ブッ殺ス!」
キタカミ(……)
戦艦棲姫「キタカミ」
キタカミ「何さ、今から返しの用意で忙しいんだけど」
戦艦棲姫「此処ヲ放棄スル、撤収ノ用意ヲシロ」
キタカミ「…へぇ、なんで?」
戦艦棲姫「ココニイルノ殆ドガ戦闘デハ使イ物ニナラナイ負傷兵バカリダ、少数ヲ残シテ抗戦、我々ハココカラ東ノ拠点ニ移ル」
キタカミ「あっそ、私がそっち行く理由は?」
戦艦棲姫「来イ、命令ダ」
キタカミ「……私はここで戦う」
戦艦棲姫「来イ!」
キタカミ「チッ…その輸送さえ終われば戻って良いわけ?」
戦艦棲姫「アア…構ワン」
キタカミ「…さっさと行くよ」
戦艦棲姫「ワカッテイル」
船内
駆逐艦 アオボノ
アオボノ「へぇ、一気に仕掛けますか」
海斗「ここから250kmほど南に降れば使われてない漁港がある、その周囲を簡易的な拠点とする事にしたよ」
アオボノ「それで?」
海斗「そこからなら例の島へは約80km、艦娘の航行が十分可能な距離だ、船の護衛という重荷がないから戦闘もしやすい」
アオボノ「緊急退避先がないのは危険では」
海斗「それについてはいま考えてるところだけど…」
アオボノ「島の情報はまるで無いのが気になりますが」
海斗「加賀達の艦載機で調べる他ないかな」
アオボノ「…船は移動させないつもりですか?」
海斗「80kmは場合によっては敵の射程になる、だから台湾軍の船を借りることも考えてるよ」
アオボノ「妥当ですね、私からは何もありません、失礼します」
海斗「…曙」
アオボノ「……」
海斗「戻ってくるつもりはないの」
アオボノ「提督、日向さんが取得した拳銃についての報告書の作成お願いします」
海斗「…わかった」
曙「よっ」
アオボノ「……」
片手をあげて挨拶する曙を無視して自室に向かう
曙「待ちなさいよ、手当してきなさい」
アオボノ「要らない、私は…」
曙「アンタ死ぬつもりでしょ」
アオボノ「…だとしたら?」
曙「ん」
双剣の片方を差し出してくる
アオボノ「…何、手向け?」
曙「半分正解、まあ…アンタが自分を一流って言うなら最高の武器使えば誰にも負けやしない、違う?」
アオボノ「つまり私に劣ってるって認めんの?根性ないわね」
曙「少なくとも今はアンタの方が上よ、それは間違い無い、だから…アンタ持ってなさいよ、役に立つわ」
片方を押し付け去っていく
アオボノ「……だから私はアンタに敵わないのよ」
船内会議室
提督 倉持海斗
海斗「なんとか船を借りる許可が降りて助かりましたね」
度会「深海棲艦のデータが取れていて幸いだった、危うく戦争ものだったな…」
亮「にしても…そんなに側に深海棲艦の基地が本当にあるのか?」
海斗「十中八九罠かな…だけど今回の目標はそこの破壊、それさえ終われば帰国できる」
亮「マジか、うまくいけば良いけどな」
海斗「上手くいく、必ず」
度会「早速全員に伝えて実行といこう」
海斗(…これさえうまくいけば…きっと)
宿毛湾泊地
重巡洋艦 青葉
如月「あ、青葉さん」
青葉「あ…どう、ですか?うまくいきました?」
如月「はい、教えてくれた本の通りに作ったらちゃんと綺麗に膨らみました、ありがとうございます!」
青葉「いえ、私が見つけたわけじゃないですし…その、何にせようまく行ってよかったです…」
如月「満潮ちゃん達とお茶会なんですけど、よかったらどうですか?」
青葉「…あ…あー…これから来客がありまして…」
如月「来客…?」
青葉「その…よ、よければケーキをお客さんにも出していただけたら…」
如月「え!?私なんかが作ったもので大丈夫かしら…」
青葉「大丈夫…だと思います、美味しかったですから…」
青葉(…胃が痛い…夕張さんが居ないから胃薬も薬局に買いに行かなきゃいけないし…)
青葉「…何で私がこんな事まで…いや、みんな居ないんだから私が頑張らないと…」
駆逐艦 天津風
天津風「取材?」
満潮「そう、なんか誰かが許可したとかで入ってきたのよ」
如月「それ、本当に許可もらってるのかしら…」
満潮「わかんないから横須賀に問い合わせたらすぐ向かわせるって…」
天津風「横須賀とここ、かなーり離れてると思うけど…」
如月「そうねぇ…5時間は確実にかかるんじゃないかしら…」
天津風「そんなにすぐ着くの!?海を通って…?」
満潮「新幹線とか乗ると思うけど…」
天津風「シンカンセン…?なにそれ…乗り物なの…?」
如月「結構歩かないと電車も見れないし、想像つかないかしら…」
ドアが音を立てて開く
アオバ「アオバさん参上!違法取材してるクソッタレは何処ですか!?」
満潮「ぁ…?」
如月「…あ…」
天津風「あ、青葉…さん…?」
3人で目を見合わせて口をパクパクさせる
アオバ「おっとこれは失礼、私横須賀所属の重巡洋艦アオバと申します、で、何処ですか!?」
衣笠「アオバ!こっちよ、早くきて!」
アオバ「あ、失礼しました〜…あありゃァぁぁぁ!」
天津風「…あれも、青葉さんなの…?」
如月「…べ、別の青葉さん…?」
満潮「……あ…思い出した」
如月「へ?」
満潮「そうだ…あのアオバさんは横須賀で…ようやく思い出した…何で忘れてたんだろう…」
天津風「満潮…な、何かあったの?」
満潮「…いや、何でもない…それより、青葉さんの様子見に行ってみましょ…気になるし」
如月「…そうね」
青葉「…もう私人と会うのやめます…もう怖いです、写真なんて撮られたくもなかったし、言いたくもないことを言わせようと…」
アオバ「おーよしよし、怖かったね…ガサ!徹底的に行こう!」
衣笠「モチ!今提督に写真とか送ってるから待ってて!」
如月「…同じ顔した人が同じ顔した人を慰めてる…」
満潮「泣いてるのがウチの青葉さんよね…?」
天津風「多分…と言うか、何があったのかしら…」
慰めてる方のアオバと目が合う
アオバ「…ん?おや、これはこれは」
如月「あっ…見つかっちゃった…」
アオバ「覗きは良くありませんね〜…って、まあ仕方ないか、そりゃ気になりますよねぇ」
満潮「…まあ、その…何があったの?」
アオバ「我々艦娘はメディアにとって恰好の餌なんですよ、女の子を戦場に立たせる国は最低だ!って言いたい放題できますからね」
如月「そりゃあ…そうかもしれないけど…」
アオバ「なので常に取材の問い合わせが各地に来てるんですよね、で、大規模作戦で宿毛の司令官がいないのを嗅ぎつけたのか偽物の許可証まで使って乗り込んできたと」
天津風「…そ、それって…撃ち殺されるんじゃ…」
如月「多分今はそんな事しないと思うけど…」
天津風「じゃあ捕まったら痛めつけられる…!」
アオバ「…何と言うか、考え方の古い子ですね…豚箱GOしてお終いですよ、表向きは…まあ、国の書類偽造なんて経歴ついたら表の仕事はできなくなりますねぇ…」
満潮「干されるみたいなもんか…」
衣笠「女の子しかいないから行けると思ったんでしょ、ここには憲兵もいないし」
青葉「青葉のせいで…司令官にご迷惑を…」
アオバ「あー!あーよしよし、そんな事ないから!悪いのは向こうだけだから!」
如月「青葉さんは何も悪い事してないんでしょ?何でそんなに落ち込んで…」
衣笠「うーん、まず倉持司令官の事を罵られる、それに軽く逆上して言い返したら…まあ、言う必要のない事まで口走るわよね」
満潮「何を言ったの…?」
衣笠「アオバしか聞いてないけどメディア批判だったみたい、それを録音されて記事にするぞって脅しが入ったところで私達が突入…ちょーっと遅すぎたかな」
天津風「…いまいちわからない単語が多いけど…新聞社とかの人って…今そんなにお金に困ってるの?」
衣笠「全員が全員じゃないけど…たまにそう言うビョーキの人がいるの、多分その類に当たったんじゃないかなぁ…ねぇアオバ?」
アオバ「なんでアオバに話振るんですか!?私はそんなビョーキじゃないです!」
青葉「…姉さんは有る事無い事言いふらすじゃないですか…」
アオバ「そんな事ありません!誇張するだけでない事は言いません!」
満潮(ああ、姉妹なんだ…)
如月(双子…?)
青葉「……うぅ…吐き気が…」
如月「ば、バケツ持ってきます!」
満潮「私も手伝うわ」
青葉「…私は…確かに戦いたくはないけど…でも、みんなのためになりたくてここにいるのに…」
衣笠「わかってるから、みんなわかってる、心配無いよ」
アオバ「ホントあの記者袋にして深海棲艦の餌にしてやりましょうか…」
天津風(こ、こわい…!)
扶桑「あ、いた…良かった、誰もいなくて…」
青葉「…あ…扶桑さん…目が覚めたんですね…」
扶桑「ええ…さっき、でも、何で誰もいないのかしら…」
青葉「今、大規模作戦でみんなで払ってて…でも良かった、目を覚ましてくれて…」
満潮「扶桑?目が覚めたの?」
扶桑「満潮、久しぶりね」
如月(…また知らない人が増えた…)
アオバ「…まー…のんびりできるとこでお茶でもしますか」
青葉「そうですね…如月ちゃん、まだケーキありますか?」
如月「え、あ…はい、大丈夫です」
食堂
重巡洋艦 青葉
アオバ「うーん、美味しいですねぇ、でも私チーズケーキの方が好きで…いだぃっ!ガサ!足踏まないで!?」
衣笠「いただいてる側なんだから黙って食べなよ」
如月「こ、今度はチーズケーキ、練習しますね」
アオバ「おっ!言ってみるものですねぇ!」
扶桑「満潮は何か作ったりしないの?」
満潮「…夕ご飯作る予定、カレーだけどね」
天津風「カレー…今日って何曜日だっけ」
扶桑「金曜日ね」
アオバ「っと…すいません、電話が…一旦席を外しますね」
衣笠「私も」
青葉「…私、何もしなくて良いんでしょうか…」
満潮「何もしなくて良い、なんて事はないだろうけど…」
綾波「…あ…き、今日も良い香りですね、お茶会の途中ですか?」
青葉「綾波さん…!」
扶桑「この子って確か…!」
綾波「おっと…新顔が居ますねぇ…青葉さん、この方は?」
青葉「…扶桑さんです、先程目を覚ましたばかりで…」
綾波「…なら良かったです…ほ…」
衣笠「あああっ!」
綾波「ひっ!?」
衣笠「アオバぁぁっ!敵!敵がいる!」
アオバ「お前…!お前はあの綾波ですね…特務部に行ったって聞いてたのに…!」
2人が入り口で拳銃を抜き向ける
綾波「……これは…よ、予定外…ですねぇ…」
青葉「ま、待ってください!綾波さんも!」
アオバ「ガサ!撃つよ!」
衣笠「わかってるって!」
綾波「……」
青葉「だから待ってって言ってるじゃないですか!話を聞いてください!」
綾波との間に入る
アオバ「何やってんの!?そいつ何したか忘れた!?」
綾波「余計な事、しないで貰えますか…青葉さん」
衣笠「青葉、退かないと怪我するよ…そいつだけは許せない、仕事だから何もしなかっただけで、私らは敷波だって許した覚えはないんだからさ…」
青葉「だから…少しは話を…!」
綾波「青葉さん、あなたの甘さには反吐が出ます、邪魔だてするなら貴方も」
青葉「この2人はもうAIDAを除去してます!綾波さんが演技する必要はありません!」
綾波「…え?」
アオバ「…演技…?」
衣笠「青葉、何言って…」
綾波「そ、そう…なんですね…青葉さん…ご、ごめんなさい!」
アオバ「…はぁ!?何ですかこいつ!」
青葉「2人も一回銃を下ろして!」
衣笠「…えぇ…?」
綾波「い、いえ、私は撃ち殺されても…」
如月(また始まった…)
満潮(この前来た時もこれやってたわね…)
青葉「綾波さんは特務部に潜入してるスパイ!AIDAを持ってる人の前ではそれを悟られないように演技してるだけなんです!」
満潮(前回は私とっ捕まえて無理やりゲームに引き摺り込んで…なんかよくわからないことされて吐きまくったわね…)
如月(私は感染してなくて良かった…)
アオバ「…待って、わけわからない…」
衣笠「何、そいつ…今は味方ですとか言うわけ?」
綾波「い、いいえ…その、そんな烏滸がましい事…」
アオバ「…コイツのせいで私たちはあれだけ最低なことをしてきたのに…!」
衣笠「…そうね、舞鶴の子を襲ってお金盗んだりした、我ながら最低な事したわね」
綾波「ぜ、全部私のせいです、わかってます、だからどんな報いも受けます…!」
青葉「綾波さんも黙っててください!」
扶桑「…とりあえず、一度座ってお茶にしましょう?」
天津風「そうね、紅茶、冷めちゃいますよ」
アオバ「…ガサ」
衣笠「わかってる、警戒はとかないって…」
綾波「……」
青葉「綾波さん、大丈夫です、私が2人を説得しますから…」
綾波「…良いんです…報いは受けるべきものだから」
青葉「……もう、どっちも話聞いてくれない…」