元勇者提督   作:無し

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実験β

アジト

イムヤ

 

春雨「数日ぶりですね、食事は…やっぱり食べてないですか」

 

春雨が冷蔵庫を見てため息をつく

 

イムヤ「放っておいて」

 

春雨「貴方のやってる事は自殺と何も変わらない、綾波さんに救われた命をドブに捨てる行為、そして貴方が嫌って逃げ続けていた死を自ら受け入れる行為…綾波さんに申し訳ないと思わないんですか?」

 

イムヤ「…私には何もできないの」

 

春雨「何もできないからといって、死んでどうするんですか?」

 

イムヤ「…死ぬつもりなんてない」

 

春雨「なら、食事くらいは摂らないと…」

 

イムヤ「もう何度も言ったけど、それは必要ない…私の身体なんて深海棲艦の物なんだから…きっと食べなくても…」

 

春雨「…貴方は深海棲艦ではない、人間です」

 

イムヤ「……」

 

春雨「綾波さんもそう言っておられたんでしょう?」

 

イムヤ「だから何」

 

春雨「貴方が人間でありたいと想うなら…綾波さんの事を想うなら、人として振る舞い、生き続けるべきです」

 

イムヤ「…今の私が綾波のためにできる事は何一つとしてない」

 

春雨「またそれですか、貴方は…」

 

イムヤ「放っておいて、今の私に何を言っても無駄」

 

春雨「……」

 

イムヤ「私は私がやりたい様にやる…たとえそれが自分を苦しめる道でも」

 

春雨「貴方の破滅なんて誰も望んでないんですよ」

 

イムヤ「私も破滅なんかしたくない、だから……何でもない」

 

春雨「…仕事がありますので今日はこれで、ですが貴方、顔色が悪化してますよ」

 

イムヤ「深海棲艦みたいに?」

 

春雨「……失礼します」

 

薄っすら白くなった肌を眺める

 

イムヤ「…綾波、私は…綾波に何をしてあげられたの?私は何もしてあげられなかった、足を引っ張って苦しめ続けた、迷惑をかけ続けた…だから、私は…」

 

固く、拳を握る

 

イムヤ(…絶対、これで終わりにしない、私は私にできる事をやる、綾波を犯罪者のままなんかにしない…!)

 

 

 

 

 

 

 

太平洋 深海棲艦基地

駆逐棲姫

 

駆逐棲姫「ぶぇっくしょんっ!…あ"ー…うわさでもされてるんでしょうか」

 

レ級「さあ」

 

駆逐棲姫「…レ級さん、それは?」

 

レ級「本」

 

一冊読み終わったのか、レ級が右側に本を積む

 

駆逐棲姫「そうではなく、なぜその様なものを…」

 

レ級「昨日、日本に行ってきた、そして人間に買ってもらった」

 

駆逐棲姫(人間に買ってもらった…ああ、特務部の連中か…私に内緒で手懐けようとは…)

 

駆逐棲姫「わかってると思いますけど、アイツらのいう事を何でも聞かないでくださいね」

 

レ級「お前の指示も聞かない」

 

また本を積む

レ級の尻尾が大口を開き本を吐き出す

 

レ級「…思想か、興味深いな」

 

駆逐棲姫「…なんだ、漫画とか読んでるのかと思いましたけど、えらく小難しいの読んでるんですねぇ…というか、貴方読者が趣味なんですか?」

 

レ級「…わからない、趣味と言えるのかもわからない、今本を読んでるのは私が空っぽだから」

 

駆逐棲姫「空っぽ?」

 

レ級「言ってなかったが私も記憶はない、私の中には何もない、だからこうして知識を取り入れている……わかるか?」

 

駆逐棲姫「まあ、わからなくもないですが…思い出したいとか、そういう気持ちは…」

 

レ級「気持ち?不要だと思うけど」

 

駆逐棲姫「不要?」

 

レ級「私達はただの人工知能だ、一度壊された体を無理矢理再構築された存在、頭の中まで作られたいわば人工知能というべき存在、それが感情を持つ方がおかしい」

 

駆逐棲姫「…理解に苦しみますねぇ、生きてるんだから楽しめば良いのに…感情があると有意義ですよ」

 

レ級「一理ある、感情の存在しない戦略は存在しない、相手の恐怖や油断、感情を使った戦略は戦いをスマートにする」

 

駆逐棲姫(あ、ダメだ、この人会話成立しない…戦闘馬鹿って奴ですね)

 

レ級「…あの島風とか言う奴には、もう負けない」

 

駆逐棲姫「どうでしょうね」

 

レ級「感情は不要だと言ったが、私の中には感情が存在する…その感情がもう既にどう戦うべきかを私に教えてくれた」

 

駆逐棲姫「どうやって戦うのですか?」

 

レ級「罠に嵌める、その場の対応力はずば抜けていたが長期的な戦術に弱い、要するにその瞬間瞬間で有利になる選択のみをする、そのせいでその選択が裏目に出た時…アイツはどうしようもないまま死ぬしかなくなる」

 

駆逐棲姫「その方法は?」

 

レ級「罠に嵌めると言った、それまでだ」

 

駆逐棲姫「…まあ、いいですけど…そうだ、今日の分の捕虜を流してくれませんか?」

 

レ級「…断る」

 

駆逐棲姫「遊んでも良いですから」

 

レ級「お前みたいな趣味はない」

 

駆逐棲姫「じゃなくて、向こうの基地を潰しても良いって言ってるんですよ」

 

レ級「へぇ…それは面白いかもしれない」

 

駆逐棲姫「もうこれで捕虜を流すのは最後です、反抗的なのはこれで最後ですから」

 

レ級「…それで、全員飼い慣らしてどうする?」

 

駆逐棲姫「どうにも?まあ、今はですけど」

 

レ級「今は?」

 

駆逐棲姫「これからどうするかは今の所決めてませんから」

 

レ級「これから…?」

 

レ級(…これから、か…私は今を…いや、これから…)

 

駆逐棲姫「…おや、これは?」

 

レ級の本を一冊拾い上げる

薄っぺらい紙を何枚か糸で繋ぎ止めた様な本とも呼べない代物…

そしてそのタイトルは

 

駆逐棲姫「…黄昏の碑文」

 

本のタイトルに反応した様にレ級が本を奪う

 

レ級「私のものに、勝手に触れるな」

 

駆逐棲姫「おや、随分と…貴方恋人を束縛するタイプですよ、私と同じですねぇ」

 

レ級「一緒にするな」

 

駆逐棲姫「しかし…そんな薄っぺらいのの何が良いのか」

 

レ級「…これは私の物です、それ以上でも以下でもない」

 

駆逐棲姫「はいはい、ちゃんと仕事してくれるなら何にも言いませんよ」

 

レ級「お前の指示に従う理由はない、だけど強い奴に会えるかもしれない点は評価しよう」

 

駆逐棲姫「おお、じゃあ?」

 

レ級「行く」

 

駆逐棲姫「いやー、助かりますねぇ…お願いしますよ、不死身の戦艦さん」

 

レ級「…あのとき死んでなかったことについて気になってるなら単純な事、あの炎は純粋な炎じゃない、だから支配権を奪った」

 

駆逐棲姫(支配権…?純粋な炎じゃないってどういう…)

 

レ級「後は私の周囲の炎を私の物にして身体を再構築した、単純だ」

 

駆逐棲姫(…言ってる意味がわからない…この人しか知らない事?これは知識の問題な気がしてきたな…)

 

駆逐棲姫「すいません、わからないので伺いたいですけど」

 

レ級「仕事に行く」

 

レ級が本を艤装に飲みこませ、立ち上がる

 

レ級「生存本能は持ち合わせている、ここで全て喋れば利用価値がなくなりお前に消される恐れもある」

 

駆逐棲姫(成る程、死にたくはないと…)

 

駆逐棲姫「残念ですが、わかりましたよ」

 

レ級(…本体のナノマシンを支配するのは…流石に難しいか…でもあのナノマシンを使えば私は不死身…)

 

 

 

 

 

 

 

大湊警備府

駆逐艦 不知火

 

不知火「哨戒任務に必要な為、艤装持ち出しの許可を申請致します」

 

艤装を受け取り、工廠の担当に敬礼してから工廠を出る

 

不知火(…工廠の担当の方、やはり変わっていますね…)

 

暁「不知火さん、準備できた?」

 

不知火「はい、行きましょう」

 

響「……」

 

暁「響、不知火さんの事まだ許せない?」

 

響「当たり前だ、誰のせいで雷が…!」

 

不知火「…申し訳ありません」

 

響「もう、そんな言葉聞き飽きた…!」

 

暁「響…」

 

響「暁も暁だよ!なんでコイツと…」

 

暁「わざとじゃないんだもの、私達は命懸けの戦いをしてる、何が理由で誰が命を落としても仕方ない…わかるでしょう?」

 

響「…納得できるわけが…」

 

暁「先に断っておくわ、不知火さん、打算的な物言いになるけど許してちょうだい」

 

不知火「大丈夫です、貴方のことは理解しているつもりですから」

 

暁「ありがとう…響、よく聞いて」

 

響「……」

 

暁「不知火さんは私達よりずっと強いの、言い方悪いのはわかってるけど…響、貴方は自分の為に不知火さんを利用すれば良い」

 

不知火(…理解してるとは言ったものの、なかなかキツイ事を本人の前で言いますね)

 

暁「不知火さんと一緒にいる事できっと響にも良い事はたくさんあるわ、ずっと喧嘩してるよりも仲直りした方が絶対いいから」

 

響「……」

 

響さんが暁さんの話に頷き、こちらに手を差し出す

 

不知火(…流石は長女…か……陽炎はどうしているのでしょうか)

 

響「ん」

 

不知火「ああ、すいません…」

 

催促に従い手を差し出し、握手する

 

不知火「…ええと……っ!?ぃ…は、離して!」

 

関節がゴリゴリと音を立てる

 

響「とりあえず……この位で許すよ」

 

手が解放される

 

不知火(…あの小さい手でも握手で関節を…というか手が痺れて…)

 

暁「不知火さん大丈夫…?」

 

不知火「ええ…問題ありません」

 

響「涙目になってるよ、大人しく痛かったと認めたらどうだい」

 

不知火「…ええ、痛かったですよ…」

 

暁「響、私の話聞いてた?」

 

響「聞いてたから、これで今は許すさ…とりあえず今日は」

 

不知火(…まさか毎日これを?砲撃の精度に不安が…)

 

響「…ふん」

 

不知火「…時間です、出撃しましょう」

 

 

 

 

 

不知火「…敵影は一つもありませんね」

 

暁「最近は殆ど深海棲艦を見かけないけど…どうしてなのかしら」

 

響「…あんまり情報が入ってこないし、仕方ないさ」

 

2人の前に立ち、手で制止する

 

不知火「…人影、人型の何かを発見しました」

 

前方に小さな人影

 

不知火「…ゆっくりと進みます、敵だと判断したら撃ちます」

 

響「…他所の艦娘なんて会った事ないけど」

 

暁「そうね…」

 

不知火「……速力第一戦速を維持…」

 

段々とはっきりと見えてくる

先ほどは遠すぎて見えなかったが、足元には横たわった何か…そして立っている方は大きな白い帽子にピンクの髪、そして服装は白露型の…

 

不知火「艦娘?共通回線を繋ぎます……」

 

通信機にノイズがはしる

 

春雨『あーあー…どうも』

 

不知火(喋る前に察知された…)

 

不知火「此処は大湊警備府の担当する海域です、貴方の所属と階級を」

 

春雨『初めまして、宿毛湾泊地所属の医官の春雨です、艦娘ですので階級は持ってませんねぇ』

 

不知火「…宿毛湾?」

 

暁「宿毛湾…本当に宿毛湾なの!?」

 

春雨『おや、そちらの方は…暁型の方とお見受けします、接近してもよろしいですか?』

 

不知火「その前に目的を」

 

春雨『暁型の暁さん、響さん、雷さんに用がありまして』

 

響「雷…」

 

不知火「…何故正式な手順を踏んで司令官に会われていないのか、その理由をお答えいただければ」

 

春雨『あー…手順は踏んでも良いんですけど…説明がめんどくさいなぁ…とにかく、表に出せない極秘な理由があるんですよ』

 

不知火「…武装を解除してください」

 

春雨『はいはい』

 

春雨が主砲をこちらに投げ捨てる

 

春雨『そっちで拾って近づいてきてください』

 

不知火「了解」

 

近づきながら春雨の主砲を拾い上げる

 

不知火(重い…!何でこれをあんなに軽々と扱えた…?)

 

春雨(さて、違和感を感じられるかな)

 

暁「大丈夫?私が持ってあげるから貸して?」

 

不知火「いえ…重すぎて暁さんには…」

 

暁「何言ってるのよ…それより大きい主砲をいつも扱ってるのよ?」

 

不知火「…あ、れ…そうだ…すいません」

 

暁さんに手渡す

 

暁「重っ!?…なんで、まるで鉄の塊…いや本当にそうなんだけど…重い…!」

 

不知火「…どうなって…」

 

暁「あり得ないわ…!なんで私の主砲より小さいのに重いの…?それに、何で重さが…」

 

春雨「まあ、及第点か…運搬どうも、返して貰えます?」

 

不知火「…ええ、暁さん」

 

春雨「どうも〜」

 

暁さんから受け取った主砲を軽々と持ち上げて見せる

 

不知火「鍛えてるとか…そういう理由じゃなさそうですね」

 

春雨「お互い様ですよ、艦娘としての種類が違うんですから…」

 

暁「…それより、後ろに倒れてる人は?」

 

春雨「あー、ダメですよ近づいたら」

 

不知火「…?」

 

チラリと横目で眺める限り怪我はない

半身だけが海から出ていて、虚ろな目…相当衰弱している

 

不知火「救助しないと…」

 

春雨「…まさか貴方たち何も知らないんですか?」

 

暁「何を?」

 

春雨「コレ、ブービートラップ」

 

浮かんでいた人が膨らんだかと思うと爆発し、赤い飛沫が飛び散る

 

暁「…ぁ……ああ…」

 

響「今…何が…」

 

不知火「…爆発、した…?」

 

春雨「…うわ、帽子真っ赤だ…傘持ってくればよかったかな…」

 

不知火「何でそんな呑気な…」

 

春雨「運が良いわけでもないなら助ける手段なんてないんですよ、他所では巻き込まれて犠牲者も出てますから」

 

暁「嫌…こんなの……」

 

不知火「だからって…」

 

春雨「貴方達、早く逃げるならするべきですよ…多分血の匂いに釣られてやってきますから」

 

不知火「やって来るって…サメですか」

 

春雨「残念、深海棲艦です」

 

春雨の背後から飛び出してきたイ級が真っ二つに裂ける

 

不知火「…貴方、その手の…」

 

春雨「ああ、籠手に仕込みの刃を少々…唯の手袋に見えるでしょう?」

 

不知火(コイツ、完全に武装を解除したわけじゃなかったのか…)

 

春雨「んー…真っ二つにしたやつはダメだな…人型のやつに来て欲しいんだけど」

 

春雨が海を覗き込むような動作をしながらケラケラと笑う

 

不知火「暁さん、早く立って…」

 

暁「ね、ねぇ…あれは、何…?」

 

春雨「…おや」

 

レ級「……」

 

不知火「…アレは…」

 

春雨「戦艦レ級…さて、上位か下位か…」

 

目深にフードを被ったレ級がニィッと笑い、目を光らせる

 

春雨「おっと…これは…」

 

レ級の手に青い炎が灯る

 

レ級「良かったな、上位の方だ」

 

レ級が放った炎が目の前で炸裂する

 

春雨「なっ…!これは…」

 

春雨(あの曙の炎…!コレは相手しちゃいけない奴ですね…)

 

不知火(炎を操る深海棲艦…そんなのが…)

 

レ級「知ってるのか、この炎を」

 

炎を掻き消し、レ級が春雨に向かって殴りかかる

 

春雨(速い…!)

 

春雨の剣とレ級の拳が金属のぶつかるような音を立てる

 

春雨「…肉体も…硬いと…!」

 

レ級「戦艦だ、当然硬い」

 

ギチギチと音を立て、鍔迫り合いのような硬直が続く

 

春雨(…効かないのは承知で、やるか…!)

 

キィィィィッと何かが反響するような音が鳴る

 

不知火(この音は…?)

 

レ級(…コイツの腕に何か…何か、マズイ気がする!)

 

レ級が後方に飛び退く

 

春雨「もう遅い!さあ、実験を始めましょうか…データドレイン!」

 

暁「データドレイン…?」

 

当たりが激しい光に包まれる

 

春雨「……正常に、発動したようですね…」

 

レ級「…コレは、お前は…何を…」

 

光が落ち着き、視界を取り戻す

 

不知火「何が起きて…」

 

春雨「…それは…」

 

レ級が何かを投げ捨てる

 

レ級「お前が斬ったイ級だ…だが、ふむ…何をした?アイツはおそらく二度と再生できない」

 

春雨(イ級を盾にされた…!せめてレ級の動きを鈍らせるくらいはできると思ったのに…)

 

不知火(もう再生しない…?あの光と何の関係が…いや、そうか…データドレイン…だが、可能なのか…?)

 

春雨「もう1発行きましょうか、次は何を盾にしますか?」

 

レ級「やめておくんだな、あの零距離で発動した事、そして発動までのタイムラグ…それに狙いも正確じゃなさそうだ」

 

春雨(…成る程、ブラフは通用しなさそうですね)

 

レ級「…っ…」

 

レ級が右手を庇うようなそぶりを見せる

 

レ級(少しあたったか…痛みはないが、痺れる…)

 

春雨「おや、おやおやおや?効いてるみたいですねぇ…」

 

レ級「その様だ、だがお前と戦う事はあまり楽しくなさそうだ」

 

春雨「つれないことを言いますねぇ…」

 

レ級「お前は絡め手が得意なんだろう、例えば…こんな風な」

 

レ級が片足を上げ、海を踏みつける

周囲で複数の水柱が上がる

 

春雨(…魚雷がバレてる…特製の酸素魚雷なのに)

 

レ級「実を言うと私も絡め手は得意なものでな」

 

レ級の尻尾の顔が空を向いて大口を開ける

 

不知火「艦載機っ!」

 

春雨「……!」

 

レ級「そう、艦載機…」

 

レ級の尻尾に深海棲艦の艦載機が入る

 

レ級「を、しまうところだ」

 

春雨(いつ出した…?いや、あの人間を爆破する為にずっと出してたのか)

 

レ級「ただ、化かし合いはあまり慣れない…今日のところは失礼する」

 

春雨「…タダで返すと?」

 

レ級「…どうする、やるか?」

 

春雨(…あの庇う素振りもブラフかもしれない…今の目的は暁さん達だ)

 

春雨「やめておきます」

 

レ級「また会おう」

 

 

 

 

 

大湊警備府

駆逐艦 春雨

 

春雨「…そうですか、雷さんは…」

 

響「……」

 

不知火「私のせいです」

 

春雨「誰も責任の所在をはっきりさせようとしてないんですよ、黙ってて貰えます?」

 

不知火「……」

 

春雨(弱りましたね、倉持司令官にはそのまま伝えるとして…暁さん達だけでも連れ帰るか…)

 

暁「…貴方、宿毛湾って…」

 

春雨「ええ」

 

暁「…みんなは、元気?」

 

春雨「…どうでしょう、何とも言えませんね」

 

暁「……」

 

春雨(…精神が弱ってるな…しかしあの人間爆弾は各所でやられた筈…死者もかなり出たのに知らせられてないのか?)

 

春雨「…私はこれで、後でまた来ます」

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