元勇者提督   作:無し

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下克上

宿毛湾泊地

駆逐艦 朧

 

天津風「やっぱり無視してたんじゃない!」

 

満潮「ほんと、信じらんない!」

 

朧「あ、いやー…ごめん、満潮が居たからさ…」

 

満潮「アタシがいると不満な訳!?」

 

朧「…ゲームするなって怒ったでしょ、絶対」

 

満潮「…あー!ホントだ!なんでゲームしてんのよ!」

 

漣「まあまあ、本筋から外れてますぞー」

 

天津風「…秋雲だっけ、会ったわよ、確かに」

 

満潮「アタシも間違いなく聞いた、佐世保の秋雲って」

 

漣「んー…」

 

潮「ややこしくなったね…」

 

天津風「何かあったの?」

 

潮「その秋雲ちゃん…1週間前から意識不明なんだよね…」

 

満潮「へ?」

 

漣「つまりー、お2人さん…見ちまいましたな…コレを」

 

漣が携帯で不気味なBGMを流しながら幽霊の真似をする

 

満潮「う、うううう…嘘…」

 

天津風「いや、意識不明ってだけで死んでないんでしょ…?」

 

漣「ほら!生き霊ってヤツ!」

 

満潮「やだ!お祓い!お祓い行きましょ!」

 

朧(…思い返せば三爪痕の行動は不可解なことが多かったし、提督にも会わないと)

 

潮「うーん…あ!提督と曙ちゃん」

 

漣「うぉーい!ご主人様!」

 

海斗「あ、どうかした?」

 

曙「漣は相変わらずうるっさいわね」

 

朧「提督、ゲームでは助けてくれてありがとうございました」

 

朧(終盤の記憶はあやふやだけど…)

 

海斗「え?何のこと?」

 

朧「ほら、聖堂で…」

 

海斗「…聖堂って、いつ頃のことかな…」

 

朧「…確か、16時過ぎ…」

 

海斗「その時間は僕は仕事をしてたからログインしてないよ」

 

朧「え?いや、でも…」

 

海斗「基本的に業務時間中にゲームをしたりはしないからね…多分似たPCと間違えたんじゃ無いかな」

 

曙「おっちょこちょいねぇ…」

 

朧(…そんな訳ない、じゃああのカイトは…誰?)

 

海斗「あ、そうだ…次の作戦に関しての説明があるから、明日の15時から会議室に集合って連絡は見てくれた?」

 

潮「あ、見ましたよ、大丈夫です」

 

漣「むしろ知らない人いないって位ですけどなー…あ!天龍さんがごねてるって夕張さんが困ってたんでヘルプヨロです!」

 

海斗「わかった」

 

朧(…知らなかった、私だけ?)

 

曙「どうしたのよ朧」

 

朧「…ごめん、少しぼーっとしてて」

 

潮「あ、そっか、朧ちゃんは昨日寝込んでたから知らないんじゃ…」

 

朧「あ、うん…」

 

漣「敵地に攻め込んで敵を撃滅する!簡単に言やーそんなトコですぞー」

 

朧「…また、か」

 

朧(…何でだろ、少し疲れてるのかな…)

 

海斗「今回は今までで1番の長期戦になるはずだ、実行に移すまでに時間を取るつもりだよ」

 

漣「んー、遊び納しておいたほうがいいかなぁ…」

 

潮「かもね」

 

曙「アンタらは訓練しなさいよ、弱いんだから……あれ、満潮と天津風、何でそんなに小さくなって…」

 

満潮「いや、その…非戦闘員なので…」

 

天津風「私も…」

 

海斗「今回は君達にも同行してもらうことになるよ」

 

満潮「えっ」

 

天津風「…そうなのね」

 

海斗「君達にはみんなのサポートをしてもらえると助かるな」

 

満潮「…わかったわ」

 

天津風「私も、いつまでも何もしないわけにはいかないしね…艦娘として生まれた以上…戦う覚悟は決めてるから」

 

海斗「理解してくれてありがとう」

 

天津風「それと…島風の事なんだけど」

 

海斗「何か、気づいたことがある?」

 

天津風「…あんまり意味ないかもしれないけど…島風、何かのスイッチを隠し持ってるみたいなのよね」

 

海斗「スイッチ…」

 

天津風「聞いても見間違えだって言うし…」

 

海斗「…島風が自分から言うまではそっとしておいてあげて」

 

天津風「…わかった」

 

 

 

 

 

太平洋深海棲艦基地

レ級

 

レ級「…帰ってたのか」

 

駆逐棲姫「ええ、みてくださいよこれ…」

 

指に耳に目玉…

 

レ級「…これは」

 

駆逐棲姫「私のコレクションです!ああ、素敵ですよね…違ったり切り落としたり…みんな悲鳴をあげたり泣き叫んだり…可愛かったなぁ…」

 

レ級「連れて帰りはしなかったと」

 

駆逐棲姫「まあ、暴れて面倒だったので処分しました…ああ、でも何人か諦めて大人しい子がいましたよ」

 

レ級「そいつらは?」

 

駆逐棲姫「生魚拒絶したから1人殺して…えーと…その後カモメが近くを飛んだのでムカついて1人殺して……あー、最後の1人はあんまりにも暇だったから殺しちゃいました、ここの目の前だったんですけどね」

 

レ級「…思ったより衝動的な…」

 

駆逐棲姫「そんなもんですよ、それにその方が楽しいし…考えて遊ぶよりずっと楽しいんですよ、ただ一瞬で終わるのが玉に瑕ですねぇ…でも料理とかも食べたい時に食べた方が美味しいでしょう?」

 

レ級(理解できないな)

 

駆逐棲姫「うわ、その蔑むような目…抉りたくなりますねぇ…その視線を保存したいですよ」

 

レ級「写真なら撮ってもいい、お金は取るけど」

 

駆逐棲姫「お金なんて此処じゃ使わないのに?」

 

レ級「私は頻繁に人間の生活圏に行くから使い道がある」

 

駆逐棲姫「…まあ、まずカメラがないんですよねぇ…携帯電話とか持ってたりしません?」

 

レ級(こいつ、私の持ち物を把握してるのか?)

 

レ級「そんなもの無い、有ったとしてもすぐ壊れるだろうし使い道がない」

 

駆逐棲姫「…ふぅん…」

 

レ級(……気に食わない、か)

 

駆逐棲姫「貴方…クセが変わりましたねぇ…」

 

レ級「何?」

 

駆逐棲姫「クセですよ、クセ…例えば歩き始めるときは右足から出したり…座る時に足を組む人や組まない人…そう言うクセ、例えば貴方は私の話をあしらう時には吐き捨てるような表情を見せるのですが…今貴方は思案するような表情を見せましたから…」

 

レ級「よく見てるらしいな、気色悪い」

 

駆逐棲姫「おや、その表情……そのメチャクチャ嫌そうな表情は変化が無いんですねぇ…おかしいですね、もしかして持ってるんですか?携帯電話」

 

レ級(…コイツ)

 

駆逐棲姫「ああ、その表情って事は持ってるんだ…へぇ、どうやって?」

 

レ級「持ってない」

 

駆逐棲姫「別に取りませんよ?どうやって手に入れたのかなぁ…と思って」

 

レ級「持ってないと言っているだろう」

 

駆逐棲姫「……ああ、貴方もしかして記憶を取り戻したとか?それで過去の使用してた携帯を手に入れたとか」

 

レ級「…違うけど、それでいい」

 

駆逐棲姫(嘘は言ってないから記憶は取り戻してない…じゃあどうやって?)

 

駆逐棲姫「羨ましいですねぇ…私も携帯欲しいし記憶も取り戻したいですよ」

 

レ級「…なんでだ」

 

駆逐棲姫「当たり前でしょう?私の中に眠る記憶にはきっとたくさんの実験の記録や苦痛に満ちた被験者の顔がある…最高じゃないですか」

 

レ級「その割には捕虜どもに入れ込んでいるようだが」

 

駆逐棲姫「ああ、あれは使い道があるんですよ…今からご覧に入れますよ」

 

レ級「ふん…」

 

駆逐棲姫「たった今から此処は私のものですから」

 

駆逐棲姫がにこりと微笑む

 

レ級「…なんだと?離島棲鬼はどうした」

 

駆逐棲姫「今から、どうにかしに行くんですよ…ついてきます?」

 

レ級「……そうさせてもらおう」

 

 

 

 

離島棲鬼「…何?駆逐棲姫ト、レ級ジャナイ」

 

椅子に座った離島棲鬼がこちらを見下すような目で見る

 

レ級(火力的には余裕で勝てるんだがな…)

 

駆逐棲姫「どうも、天才が帰ってきましたよ」

 

離島棲鬼「貴方ノソノ不遜ナ態度、嫌イジャナイワ」

 

駆逐棲姫「今から私の事大嫌いになると思いますけどねぇ?」

 

離島棲鬼「…何カシラ」

 

駆逐棲姫「此処は今から私のものになります、要するに頭が交換されます」

 

離島棲鬼「…何デスッテ?ソンナ事許ストデモ…」

 

離島棲鬼が立ち上がり艤装を展開した…瞬間に艤装が崩れ落ちる

 

離島棲鬼「ナ…!」

 

駆逐棲姫「だからセキュリティは強化しろって…世界中のネットユーザーの共通認識ですよ?」

 

離島棲鬼「何ヲシタ…何ガ…!」

 

駆逐棲姫「貴方が原初の深海棲艦の一つである事は知ってますが… 脆弱すぎましたねぇ…やっぱりセキュリティアップデート必須ですよー、ご注意ください」

 

レ級(何言ってるんだコイツ)

 

駆逐棲姫「さて、どう料理したものか…」

 

離島棲鬼「私ニ手ヲ出シテタダデ済ムトデモ…!」

 

駆逐棲姫「おや、思ってますよ?」

 

離島棲鬼の背後から戦艦棲姫と飛行場姫が現れる

 

飛行場姫「コ、コレハ…ドウイウ状態ナノ…?」

 

戦艦棲姫「ッ…!」

 

離島棲鬼「来タカ…!裏切リ者ダ!殺セ!」

 

駆逐棲姫「あら、あららららのら…大物が2つ…」

 

レ級(…艤装を展開できなくされたら勝ち目は薄いだろうが、どうするつもりだ?いや、待てよ…2人とも艤装を潰される瞬間を見てない…)

 

駆逐棲姫「レ級さん、そんなに考える必要はないんですよ」

 

ぞろぞろと深海棲艦が周囲に集まる

 

レ級(これは…この辺りの深海棲艦が全て集まってるんじゃ…)

 

駆逐棲姫「戦艦棲姫さん、飛行場姫さん…周りをよーく見ましょうか」

 

その声と同時に周囲の深海棲艦が艤装を2人に向ける

 

戦艦棲姫「…ドウヤッテ…コンナ数ヲ…」

 

飛行場姫「ム、無理!降参!オ願イダカラ許シテ!」

 

離島棲鬼「飛行場姫!貴様ァ!」

 

離島棲鬼が飛行場姫に掴み掛かろうとするも、戦艦棲姫が間に割って入る

 

離島棲鬼「オ前マデ裏切ルノカ…!?」

 

戦艦棲姫「仲間内デ争ウノハ愚策デス…」

 

駆逐棲姫「仲間内?まだそんな甘い事考えてるんですねぇ…」

 

離島棲鬼「言ワセテオケバ…!……ナ、ナンダ!」

 

離島棲鬼の服の裾に肌色の腕が伸びる

 

離島棲鬼「キ、貴様ラハ捕虜ノ…!何故牢ガ開イテ…」

 

駆逐棲姫「私が開けたに決まってるでしょう…さあ、復讐のお時間です…」

 

離島棲鬼「ヤメロ!離セ!…クッ…振リ解ケナイ…!」

 

戦艦棲姫「何故コンナ奴ラニ力負ケシテ…」

 

駆逐棲姫「やっぱり艤装がないと人程の力しか出せないようで」

 

戦艦棲姫「何…艤装ガ…?」

 

駆逐棲姫「あー、今なら投降を受け入れますよ?それと…離島棲鬼さん」

 

離島棲鬼「コンナ事…絶対ニタダデ済マセル物カァァァッ!」

 

駆逐棲姫「ご心配なく、貴方の後ろ盾とは話がついてるんですよ」

 

離島棲鬼「ナ……」

 

戦艦棲姫「…私モ投降スル」

 

離島棲鬼「戦艦棲姫!!」

 

駆逐棲姫「はい、元捕虜の皆さーん…殺さない程度に甚振って下さ〜い♪」

 

離島棲鬼「ヤメロ!グ…グアアア!痛イ!噛ムナ!肉ガ千切レ…アアアアアアアア!!」

 

隙間から見える光景に目を背ける

 

駆逐棲姫「おや、グロ耐性ない人ですか?…ああ、右腕取れちゃった…ちょっとやり過ぎですね、今日はそこまででいいですよ」

 

その声と共に離島棲鬼に襲いかかっていた人間が立ち上がり、整列する

 

駆逐棲姫「離島棲鬼さん…ああ、右腕はないし左足は骨で繋がってるだけで肉を削がれて…身体中引っ掻き傷や噛み痕だらけですねぇ」

 

離島棲鬼「…ア"…ガ……」

 

駆逐棲姫「ん?ああ、喉もやられましたか…ふふっ♪貴方はまだ利用価値があるんですから殺しはしませんよ、復活させるのに手間をかけたくありませんから」

 

レ級「…コレでお前がここの頭か?」

 

駆逐棲姫「そうですねぇ…貴方は如何なんですか?」

 

レ級「私はトップに興味はない」

 

駆逐棲姫「それはよかった、後はキタカミとか言う人間崩れが気になりますね」

 

レ級「…私が砕いてこよう」

 

駆逐棲姫「おや、頼んでもないのに自主的に?」

 

レ級「……お前を敵に回すのは厄介がすぎる」

 

駆逐棲姫「それは賢いですねぇ…やっぱり貴方は素敵ですよ」

 

レ級「……」

 

駆逐棲姫「さて、離島棲鬼さん、貴方の扱いですが…貴方には表向きなトップとしての仕事をしていただきます、要するに交渉とか…」

 

レ級(お前の方が向いてそうだが)

 

駆逐棲姫「私は参謀という立ち位置に収まりましょう、なので権力は貴方に帰属します、わかりますか?」

 

離島棲鬼が何も言わないまま睨みつける

 

駆逐棲姫「皆さん、もう少し痛めつけていいですよ」

 

離島棲鬼「ナッ…ヤ、ヤメロ!ヤメテクレ!」

 

駆逐棲姫「わ、喉潰されたふりしてたんですねー、私怒りますよ?それにしても…痛覚とか持ってるの可哀想ですねぇ!あははっ♪」

 

離島棲鬼が人間の波に飲まれる

 

駆逐棲姫「自分が人体実験だのなんだのしてたツケじゃ無いですか、私はこの人達の衣食住を保証して人として扱っただけなんですよ?」

 

レ級(…成る程な、不利益な情報を持つ奴は処分して盲信する奴だけを残したか…ヨーロッパから捕虜を連れて帰ってこなかったのも見られたり聞かれたりする事を防ぐため…何とも…)

 

駆逐棲姫「貴方は表向きのトップ…権力は帰属しますよ、ええ…ですが私に従わなければ如何なるかおわかりで?」

 

離島棲鬼「ワカッタ!ワガッ…ガハッ!アガッ…」

 

駆逐棲姫「はーい、そこまで、もういいですよー」

 

レ級「…ショーみたいに痛ぶるんだな」

 

駆逐棲姫「飛行場姫さんがより従順になってくれますから…ねぇ?飛行場姫さん」

 

飛行場姫「ハ、ハイ…私ハ絶対ニ裏切リマセン…!」

 

レ級(恐怖支配…)

 

駆逐棲姫「戦艦棲姫さん、貴方の前線での頑張りを離島棲鬼は一度でも評価してくれましたか?」

 

戦艦棲姫「急ニ何ヲ…」

 

駆逐棲姫「良いんですよ?今の離島棲鬼の扱いはその辺のイ級よりも軽い…貴方が何をしても私の力を持って許します」

 

離島棲鬼「ヤ、ヤメロ戦艦棲姫!」

 

戦艦棲姫「……私ノ趣味デハナイ」

 

駆逐棲姫「そうですか、貴方は心優しい方ですねぇ…良かったですね、離島棲鬼さん?」

 

離島棲鬼「……」

 

駆逐棲姫が右手を上げる

捕虜が離島棲鬼を地面に投げ捨て、後頭部を踏みつけて顔を地面に押し付ける

 

駆逐棲姫「おい、離島棲鬼…戦艦棲姫さんに御礼は?」

 

離島棲鬼「…ア"……アリガトウ、ゴザイマス…」

 

戦艦棲姫「ッ……」

 

駆逐棲姫(あの表情…ああ、怖がってるだけか…深海棲艦なんてみんな本質は汚い…そのままやれば簡単に堕ちる…)

 

レ級(…雑魚の一匹も残さず…全ての深海棲艦を…統制した…か)

 

駆逐棲姫「レ級さん、何ですか?その目は…」

 

レ級「…お前を殺すのは苦労しそうだ」

 

駆逐棲姫「ほう?」

 

レ級「…気にするな、クセだ…誰であろうと如何すれば殺せるか考える…それが私だ」

 

駆逐棲姫「…では、不可能だ…と、記憶してください」

 

レ級「断る、私は失礼する」

 

駆逐棲姫「ふふっ♪」

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