元勇者提督 作:無し
ネットスラム
八咫「…恐ろしいデータだ、ようやく私の目に見えてきた」
欅「人体実験、艦娘システムの根幹につながる部分…」
八咫「そして、ダミーモルガナ因子…あの数見と言う男は…何をするつもりだ」
欅「さあ、どうなのでしょうか…それにしても、綾波という方はこのデータの価値を知らなかったのでしょうね」
八咫「…娯楽物を拒否していたらしい、故にこれがゲームに関するデータだとは想像もしなかったのだろう」
欅「ボクとしても…まさかThe・Worldのデータでこんな悪さをする人が出てくるのは驚きでした、最悪なことにコレは技術として完成されている…」
八咫「…艦娘システムの艤装には大量のナノマシンが含まれている、このナノマシンの作りは驚くほどにシンプルだ、なぜこのナノマシンが動作するのか、それも含めて謎だったが…」
欅「ナノマシンの中身はリプログラミングされたAIDA、そしてこのAIDAは艤装だけではなく、肉体に注入され、AIDAに感染する…」
八咫「通常のAIDAの感染ルートはディスプレイを介した感染、最悪の場合は意識不明程度だが…だが、このAIDAの感染の仕方は肉体への負荷も、そしてAIDAが及ぼす影響も遥かに大きい」
欅「綾波さんという方、艤装から手を加えられたAIDAを入手してリプログラミングし、自ら感染しているようですね…そして今は逃亡犯…」
八咫「どうする」
欅「ボクはこの人は必要だと思います、深海棲艦、人間、艦娘、全てのデータをこんなに細かく取っている…彼女は紛れもなく天才と呼ばれる存在です」
八咫「……これは」
一つのメモを取り出す
欅「…深海棲艦の生体実験のデータから彼女は深海棲艦もAIDAに感染していることまで突き止めていた…?深海棲艦がAIDAに感染しているという報告は聞いていましたけど…」
八咫「艦娘システムを長期に渡って使い続けた物の肉体は深海棲艦のものと限りなく近くなる…か」
欅「…これ、見てください…深海棲艦を完全に殺し切る為の薬だそうです」
八咫「…成程な、言うなれば銀の弾丸か…」
欅「もし本当に効力があるのだとすれば…なぜ秘匿したのでしょうか」
八咫「…理想主義者だったのだろう…、深海棲艦を絶滅させるのではなく、深海棲艦を人に戻す…その為に犠牲を一つでも出したくなかった」
欅「果たして、そう上手くいくのでしょうか」
Σサーバー 双天都市 ブレグ・エポナ
重槍士 青葉
青葉「えと…その…」
オークラ「ホントに宿毛湾の?いやー、奇遇なこともある…んですね?」
青葉「は、はい…ソウデスネ…」
ぴろし3「む?貴殿らは知り合いなのか!それは良い!」
青葉(…何故か呼び出されたと思ったら佐世保の艦娘の方と出会うし…もう良くわからない…)
オークラ「で、青葉さんは絵が描けるんですか?」
青葉「え…えー…絵!?な、なんで絵…?」
オークラ「え?G.U.に入るんじゃ無いの?」
青葉「じ、じーゆー…?あ、服屋さんの…」
ぴろし3「違うぞ!G.U.とは我々のギルド名!」
オークラ「グラフィック、うまい…で、G.U.」
青葉(な、なんて名前…)
オークラ「人に紹介するならせめてGrow Upで成長とか、そう言う程のいい名前にして欲しかったんですけどねー」
青葉「そ、それでなんで私を…?」
ぴろし3「貴殿には私の究極美麗なこのPCを元に戻してもらった恩がある!それにきっと絵が上手い!私の直感がそう言っている!」
オークラ(あー…被害者か…)
青葉「わ、私絵なんか学校の課題で描いたくらいで…その、お仕事も忙しいですし…」
ぴろし3「む?そうか…それは仕方ない…では別なことで礼をさせてもらおう!」
青葉(意外と物分かりがいい…)
Δ 隠されし 禁断の 冥界樹 のワードを手に入れた
青葉(エリアワード…これがお礼?)
ぴろし3「さあ!行こうぞ!」
青葉「え?」
オークラ「…すいません、諦めて」
ぴろし3がパーティーに加わった▽
オークラがパーティーに加わった▽
青葉「えっ…えっと…」
ぴろし3「行くぞ!とぅっ!」
青葉「ええええええ!?」
Δサーバー 隠されし 禁断の 冥界樹
死世所 エルディ・ルー
青葉「…ここ、洞窟の中…?」
オークラ「設定的には地底湖、死者の魂が集まる場所で…ほら、色んなところに白い魂みたいなのが浮いてる」
青葉「…湖はどこに?」
オークラ「ちょっと進んだ先に…」
言われた通りに進む
青葉「…わあ…」
透き通った、どこまでも深い湖の中心に真っ白で、洞窟全体を照らす程に発光する大きな木が佇んでいる
青葉「綺麗、ですね…幻想的って言うか…これもゲームなのに」
オークラ「ロストグラウンド…については知ってますか?」
青葉「えっと…モンスターもアイテムもない、観賞用のエリア…って」
オークラ「そうそう、だけどエリアよりずっと気合の入ったグラフィックになってて…っておーい、ぴろし3どこ行った…」
青葉「本当だ…どこに…?」
ぴろし3「な、な、なァァァァァァッ!!!」
後方から叫び声が聞こえる
青葉「えっ、何が…」
オークラ「PKかな…行きましょう」
声の方に、元来た道を戻る
青葉「…何これ」
ぴろし3「何ということだァァァッ!許さん!許さんぞぉ!三爪痕めぇぇっ!」
オークラ「…あー、これは…お冠なヤツだ…」
エリアに来た時は逆方向を向いていた為気づかなかったが、壁に大きく、赤熱した三角形の傷痕
青葉(…そうだ、この傷痕…前の世界で曙さんや提督が使ってた技の…!)
ぴろし3「第三次ネットワーククライシス以来!このような蛮行は二度とないと信じていたと言うのに!何と言うことだ!」
オークラ「あー、青葉さん、ちょっと…」
ぴろし3が地団駄を踏みながら怒るのをよそに小声で話しかけられる
オークラ「ぴろし3ってさ、CC社の社員さんなんだ、しかもグラフィッカー」
青葉「へ?」
オークラ「ロストグラウンドのグラフィックはぴろし3が特に頑張って作ったものも多くて、それで…なんて言うか、たまにこう言う傷痕がつけられると…この通りで…」
青葉「…つまり、自分の作ったものを傷つけられて怒ってる?」
オークラ「そゆこと…まあ、自社のゲームに私的にログインしちゃいけないってルールがあるから会社側からの制裁かなって思うんだけど、ほら、グラフィック書き換えるなんて普通無理だし」
青葉「…そ、そうですね……あれ…?」
ふよふよと浮いていた白い灯火に蒼い炎が混じる
白い灯火が炎に呑まれ、何かの悲鳴があがる
オークラ「…何?こんなイベントあったっけ…」
青葉(…イベント?いや、この嫌な感じ…何か違う…!)
オークラ「この炎、どこから…」
ぴろし3「ぬ!?何だこの炎は!まだこのグラフィックを傷つけるつもりか!」
ぴろし3がズカズカと炎に近寄る
青葉「木の方に、たくさん…」
オークラ「…行きますか」
ぴろし3「な…なんと…!」
青葉「…あれって…」
木の前に何かが浮いている
黒い床のような何かに立ち、双剣を構え、佇んでいる
オークラ「…アレ、まさか…英雄カイト?復帰したって噂は聞いてたけど…」
青葉(提督の、キャラクター…だよね、それにあれは…AIDA)
PCが顔を上げ、こちらを見る
ぴろし3「おお!カイト!我が友カイトではないか!」
オークラ「えっ、知り合い?」
青葉「…逃げなきゃ」
オークラ「へ?」
青葉「逃げましょう!危険です!」
オークラ「何言って…アレはThe・Worldの英雄カイト、伝説のプレイヤーで…」
一瞬視界を外しただけなのに、カイトが消える
オークラ「あれ?何処に…」
オークラの体が崩れ落ちる
青葉「な…」
三角形の傷跡を地面に刻んで
ぴろし3「な…カイト!お主何を…ぐぬ…!」
ぴろし3にカイトが斬りかかる
ぴろし3「…本当にお主はカイトなのか…?」
青葉(やらなきゃ…やられる…!)
槍を振るい、アーツを放つ
青葉「滅天怒髪衝!!…えっ!?」
ぴろし3「ぐぁ!」
たしかにカイトをターゲットして攻撃したのに、蒼い炎に包まれて消えた…
攻撃がすり抜けた…
カイト「オラジュゾット」
地面を割り木が隆起し、逃げ場を失う
カイト「雷独楽」
青葉(こんなスキル…双剣士のスキル構成にはない、提督のキャラはおかしくなって…!)
ぴろし3「ぬうぅ!このままやられると思うな!闇に落ちた友を私が救ってみせる!」
カイト「三爪炎痕」
ぴろし3の槍をすり抜け、三角形の傷跡を刻む
ぴろし3「…む…ねん…」
青葉「こんな…事って…」
カイト「データドレイン」
青葉「…え…データドレイン…?」
図形が展開して、腕輪の形を作る
青葉「そんな…まさか、本気で…」
カイトの右腕にエネルギーが集中し、放たれた光線に貫かれる
青葉「…か……」
意識は、そこで落ちた
艦娘PCネーム
青葉→青葉
オークラ→秋雲