元勇者提督 作:無し
Δサーバー 隠されし 禁断の 聖域
ラストグラウンド グリーマ・レーヴ大聖堂
重槍士 青葉
青葉「司令官、私に御用というのは…」
カイト「うん…今の君にこんなことを頼むのは良く無いとは思ったんだけど…」
青葉(…危険な仕事、かな…でも、それでもやらなきゃ)
カイト「綾波のことは聞いてるかな」
青葉「…ああ…その、はい…20人の死者が…」
カイト「綾波は無実だ」
青葉「…そう信じてるんですか?」
カイト「ただ信じてるだけじゃ無い、証拠は手に入れられてないけど春雨さんも無実だと証言してくれてる」
青葉「…それで」
カイト「君に…ネットから情報を集めて欲しいんだ、あの事件について何か知ってる人がいないか…」
青葉「そういう事ですか…」
カイト「綾波なら君の事を治せるかもしれない、綾波の真実を証明することは…」
青葉「大丈夫です、わかってますから…」
カイト「……」
青葉「探れる範囲は、探ります…」
カイト「本当に助かるよ…」
青葉(…結局用事はそれだけか…司令官も忙しい身なんだろうけど…さみしいな…)
槍を眺める
青葉(綾波さんの事を探るにしても…どうすれば…私情報収集は…あ)
思い浮かぶのは…姉を名乗るもう1人の自分
青葉「なんて言ってたっけ…間違った事を書けば誰かが訂正しに来る…だっけ?」
とりあえず、私は掲示板にその事件についてあえて間違った情報だらけの書き込みを好きしてみる事にした
双剣士 カイト
エンデュランス「ここはいつ来ても、黄昏の中にある」
聖堂に夕焼けの光が差し込む
エンデュランス「…いつだって、始まりはここからなのかもしれない」
カイト「そう、かもね」
エンデュランス「…君も、そう思うかい、ミア」
ミア「始まりはいつもココから…確かにそう捉える事もできるケド、それは物事を一つの視点からしか見ていないという事だとボクは思うな」
カイト「…ミア、どうして僕達をここに」
ミア「友達と久しぶりに会いたい、それだけだよ」
カイト「……」
かつての姿と同じ、紫の毛並み、縦に伸びた巨大な耳
二度と会えないと、失われたと思っていた存在
ミア「どう?これから3人で冒険でもしない?」
カイト「…いや、僕はやめておくよ」
わからない、未知とは違う謎
まるで海の様に、目の届く限りの海を知っているのに、深い深海や海底は全く見えてこない
ミア「怯える必要はないよ」
真実を見抜く様なその眼を細め、此方に笑いかけてくる
カイト「…怯えてるんじゃない、わからないだけだよ」
この抵抗はただの強がりだ、全く意味のない
エンデュランス「キミは自らをサルベージされたデータだ…と言った、だけどモルガナ因子を抜き取られたキミは…」
ミア「そう、僕はモルガナの八相、マハだった」
長椅子に寝転がり、そう言う
ミア「そしてその力を奪うために因子をボクから無理矢理取り出した…その時点でボクは壊れてしまった」
エンデュランス「っ……」
ミア「でも、エルク…今、ボクは帰ってきたんだ」
エンデュランス「それは…」
ミア「証拠に、キミは碑文の力を失った」
エンデュランス「!」
カイト「エンデュランス、本当なの…?」
エンデュランス「…確かに、今の僕は…マハを呼び出せない」
カイト「…じゃあ、本当に…」
長椅子から起き上がり、笑顔を浮かべて歩み寄ってくる
ミア「信用してくれたかな、2人とも」
カイト(…信用、か…)
ミア「まさか、僕のことが信じられないの?僕が本物だって分かったのに…いや、僕そのものを疑ってたの?」
エンデュランス「そんな事ないよ…!」
カイト「エンデュランス!」
ミア「カイト、キミは信用してくれないのかな」
エンデュランス「カイト、ミアなんだよ…?」
カイト「…それは…」
そのままを受け入れることは危険だ、そう言われている様な気がして…
カイト「…僕には、ミアが大切な友達だったからこそ…簡単に信用できない」
ミア「そう、残念だな…」
カイト(…僕は…)
聖堂の扉が荒々しく開く
朔望「見つけたで…!まぁたエン様に近づきよって!ウチがぶちのめしたる!!」
カイト(アレは…誰?)
エンデュランス「朔、やめて…!」
朔望「エン様!なんでそんなんに惑わされとるんですか!相手はAIDAや言うた筈です!」
エンデュランス「ミアはミアなんだ…!やめてよ!」
朔望「…エン様の気持ち、ウチにはわからんわ!…行くでぇ…ゴレェェッ!』
空間が歪む
朔望『纏めていてこましたるわ!!』
エンデュランス「っ…マハ!…マハ!……ダメなのか…!」
ミア「エルク、大丈夫だよ、僕を受け入れて」
ミアがエンデュランスの背に手を触れる
エンデュランス「あ……あああああっ!」
カイト「エンデュランス…!」
朔望『エン様から離れんかい!このクソ猫ォォォォォッ!』
ミアの姿がエンデュランスのPCに溶ける様に消えていく
エンデュランス「…ミア、キミは絶対に守る…マハ』
碑文がぶつかり合う
朔望『エン様!なんでわかってくれへんのですか!?何がわからんのですか!』
エンデュランス『僕は友達を守りたいだけなんだ…!もう放っておいてよ!』
朔望『ウチらの過ごした時間は!頑張りは!…ウチのこの想いは!全部そんな簡単に捨てられる訳ない!』
エンデュランス『っ…!ミア!行くよ!』
細かな光弾をお互いにぶつけ合う
朔望(このままこまい攻撃してもラチあかへん…エン様を元に戻すにはどうすればええんや…ただ倒せばええんか!?そんな訳ない!)
エンデュランス『うわあアアアアッ!』
マハの爪を振るい、ゴレを斬りつける
朔望『っぐ……うう…!……めっちゃ、痛い…!』
エンデュランス『キミが…!キミがミアを傷つけようとするから!』
何度も何度も、マハが引っ掻き、傷つける
カイト「エンデュランス!」
エンデュランス『カイト…キミもだよ、キミまでもがミアを…!』
マハがこちらを向き、爪を突き刺す様に向ける
エンデュランス『もういい…みんな消えろ!!』
マハが爪を振りかぶる
八咫『円光、汝に罰を下さん』
4本の光線がマハを貫く
エンデュランス『っ…うぁ…!』
カイト「八咫…!」
朔望『なんや…何のために来た…」
八咫『当然、君たちを止める為だ…エンデュランス、君の行動はとても誉められたものではない、かつての仲間を手にかけようなど』
エンデュランス『五月蝿い!ミアは僕が守るんだ!』
八咫『ならばそうすればいい」
フィドヘルが消滅する
朔望『な…本気で言うとんのかこのクソ坊主!』
八咫「誰にも君たちを侵す真似はさせない、だからここは一度引き下がりたまえ」
エンデュランス『っ……ミ、ミア…!」
マハが消滅し、エンデュランスが転送される
朔望『おんどれクソ坊主!何しとんねん!ワレの所為でエン様が…!」
八咫「私の所為ではあるまい、アレはもはやなるべくしてなったのだ」
朔望「講釈垂れんなや…!」
八咫「君はエンデュランスを攻撃できたか」
朔望「っ…それ、は…それはエン様が操られてるから…!」
八咫「エンデュランスは操られてなどいない、自らの意思で選択した」
朔望「…ウチには、.hackers時代の話なんて、なんっにもわからん…アンタらがどんな危険なことしたかも知らんけどな…ウチは、ウチらが死ぬ気で守ったこの世界で…エン様を…このThe・Worldを壊す様な真似…!」
八咫「君の意見は重々承知している、だがエンデュランスにとってミアは、マハは特別なのだ」
朔望「…何が、特別や…」
八咫「悠長だと思われるだろうが、今はあのマハの危険性を確認する必要がある……危険ではないのなら」
朔望「無視しろって事やろ…やけど…」
八咫「…他にできることなど存在しない」
朔望「…精々勝手に諦めとけ、ウチはウチでエン様を助ける方法を探す」
八咫「…行ったか、すまない、見苦しいところを見せた」
カイト「…いや、考えを整理する時間が欲しかったから」
八咫「…The・Worldをかつて救った英雄にとって、あのミアはどうみえた」
カイト「…僕は……危険だと感じてしまった、ミアを信じられなかった…」
八咫「妥当だろう、私もそうだ」
カイト「…ねぇ、あのミアは…」
八咫「おそらく君の記憶を主にして作られた存在だ、そしてこれからエンデュランスの記憶をも取り込むだろう」
カイト「……」
八咫「…しかし、まるで昔に帰ったようだ」
八咫がアウラの像を眺める
カイト「…そう、かな」
八咫「覚えていないか?意味もなくブラックローズやみんなとこの大聖堂に来た事」
カイト「…あった気もするね」
八咫「つまらない答えだな、だが……アウラはなぜ舞い戻ったのか」
カイト「わからない…」
八咫「アウラの声を聞く必要があるだろう」
カイト「…アウラに会う方法があるの?」
八咫「ああ、用意する」
カイト「…どれくらい、かかる?」
八咫「3日と言ったところか…む」
カイト「どうかした?」
八咫「少し待ってくれ……カイト、やはり今の話は先になる」
カイト「何かあった?」
八咫「深海棲艦が攻めてきた、指揮にあたる」
カイト「深海棲艦が…」
八咫がエフェクトに包まれて消える
カイト「…僕もログアウトして横須賀への支援部隊を用意しないと」