元勇者提督 作:無し
Δサーバー 隠されし 禁断の 聖域
ロストグラウンド グリーマ・レーヴ大聖堂
双剣士 カイト
カイト「…今日、ここにアウラが…」
八咫「ああ、アウラならこのネット世界に存在するAIDAの正体をも、理解しているだろう…全てを確かめるにあたって、碑文使いも揃えた」
カイト「そう言えば、碑文使いって…」
八咫「現在生存してる碑文使いは7人…だが、艦娘にも碑文の力を得ているものがいる…」
瑞鳳「たとえば私みたいな」
カイト「瑞鳳さん…そうか、タルヴォスの…」
八咫「それに、ハセヲが全ての碑文の力を一部宿している、彼1人でも何とかなるだろうが…念には念を押すべきだ…一度まとめておこう、今日、この場に存在する碑文使いについて…む?」
ヤヨイ「…間に合った?」
八咫「まだ時間には余裕がある、彼女は第六相誘惑の恋人マハの碑文使いだ…今は艦娘として活動はしていないが」
ヤヨイ「私はこの世界で済ませることがあるの」
八咫「…碑文使いの方は全員揃ったようだ、紹介しよう、まずは第一相死の恐怖スケィス、ハセヲ」
ハセヲ「ああ」
八咫「第二相惑乱の蜃気楼イニス、アトリ」
アトリ「よろしくお願いします」
八咫「第三相増殖メイガス…の、碑文使いは来られなかった、その為、神通」
神通「…代役扱いは不服ですが」
八咫「第四相運命の預言者フィドヘル、この私、八咫が努める…そして第五相策謀家ゴレ、朔望」
朔望「よろしくね…」
八咫「第六相誘惑の恋人マハ、エンデュランスから碑文の力が欠落したためヤヨイ」
ヤヨイ「……」
八咫「第七相復讐する者タルヴォスについても、碑文使いが来られなかった為…」
瑞鳳「私がやる」
八咫「第八相再誕コルベニク、これの碑文使いは居ない、艦娘の適合者も居なかった…そもそもThe・Worldでコルベニクの反応が確認できなかった、致し方ない事だが、これで進めさせてもらう」
ハセヲ「…俺がコルベニクの因子のかけらを持ってる、きっとコレに反応する筈だ」
八咫「それと…」
川内「まあ、私達も何かあった時用にって事で」
那珂「そう言う事で!」
聖堂の扉が開き、全員の視線が集まる
真っ白なゴスロリに身を包んだ少女がゆっくりと聖堂を歩く
アイナ「…アイナです、今日はよろしくお願いします」
カイト「八咫、この子は…」
八咫「コルベニクの適合者の妹であり、過去にアウラを呼んだ際に彼女を依代にアウラが降りた」
アイナ「…やるべき事はわかってます、任せてください」
ハセヲ「あんま無理すんなよ」
アイナ「…わかってる」
八咫「早速取り掛かろう」
石像の前に碑文使いが集まる
八咫「…この石像…前回は無かったのだがな…」
アイナ「やる事は何も変わりませんから…」
カイト(…何だろう、この感じ…この、不自然な感覚は…)
アイナが大きな本を開く
ハセヲ「…良いぜ、俺は…ここにいる…!スケィス!』
アトリ「私に力を…みんなを守る力を…イニス!』
神通「力を貸しなさい…メイガス』
八咫「…顕現しろ、フィドヘル』
朔望「「ゴレ!』』
ヤヨイ「…マハ』
瑞鳳「タルヴォス!』
顕現した碑文がアイナを取り囲む
アイナ「……夕暮竜を求めて旅立ちし影持つ者、未だ帰らず……ダックの竈鳴動し、闇の女王ヘルバ、ついに挙兵す…」
カイト(黄昏の碑文…!)
聖堂の中の空気が変わる
数見(碑文が7体、これだけ碑文が集まったのだ…まさか、最後の一柱が呼ばれないわけがない)
ハセヲ「……っ!?」
全員の碑文が光となって消え、其々のPCへと戻っていく
八咫「何がどうなっている…!」
アイナ「… すべての力、アルケ・ケルンの神殿に滴となり、影を持たざるものの世、虚無に帰す……?」
アイナの正面に蒼炎の球がゆらゆらと現れる
ハセヲ「三爪痕!…何でこのタイミングで…いや、またやろうって事か…!」
八咫「戦闘態勢を取る他あるまい」
蒼い炎が弾け、アイナを吹き飛ばす
アイナ「きゃぁっ!」
アトリ「アイナちゃん!」
ハセヲ「野郎…何でアイナを狙って…」
三爪痕「ヤメ…ロ…!」
ハセヲ「しゃべっ…お前喋れたのか!?」
三爪痕「ア…ウラ…ヲ…」
カイト(やめろ…つまり、三爪痕はアウラを呼ぶのを…阻止したいって事?なんで…)
三爪痕を光線が貫く
三爪痕「ァ"…ガ…ア"……」
八咫「何っ…誰が…」
数見「私も、彼同様に招かれざる客だったでしょうか」
八咫「数見…!」
数見の右腕から伸びた光線が三爪痕を破壊する
ハセヲ「それは…データドレイン…か…?」
数見「…人工のそれと言って差し支えないでしょう…言うなれば、紋章砲」
カイト「紋章砲…」
三爪痕が砕け散る
数見「さ、邪魔者は消えましたよ、続けてください」
八咫「まさかお前が協力すると?」
数見「ええ、協力しますよ、その為に邪魔者を排除した」
ハセヲ「……」
数見「…いや、続けるまでも無かったのかもしれない…既に女神は降りていたのか」
アウラの石像が光を放つ
カイト「…アウラ…居るの…?」
返事はない、だけど異質な空気がハッキリと抑えてくれる…
此処には何かがいると…
数見「さあ、もっと問いかけたら如何ですか、女神の騎士サマ?」
カイト「……アウラ、どうか助けて欲しい…力を借りたいんだ」
数見(そうだ、そのまま続けろ…お前の行動が…女神に終焉を齎す!)
アウラ『…カイト…貴方の声が、聞こえます』
アウラの声が聖堂に響き渡る
アウラ『…私を…この世界に呼び戻してしまったのですね…』
カイト「…アウラ、君の眠りを妨げてごめん、だけどこの世界だけじゃない、ネット全体…いや、リアルでも色んなことが起きている…君の力を借りたいんだ」
アウラ『…それは、恐らく…叶わない…』
カイト「えっ…」
ハセヲ「が…!……なん、だ…コレ…!」
ハセヲのPCから鎖が飛び出し、アウラの石像に巻きつく
気づけば7人の碑文使い全員から鎖が伸びる
カイト「…これは…」
七本の鎖がアウラの像を聖堂の台座に固定する
数見「結局第八相は現れずか…まあいい」
数見が右手を上げる
数見の周囲に5体のPCが現れる
ハセヲ「何だ、ソイツら…!」
八咫「このエリアには一般PCは入れないはず…!」
数見「そう、一般PCは入れない…コレらには管理者権限を与えた…つまりこちら側のPC…」
ハセヲ「管理者って事か…」
数見「そう思ってくれれば話は早いでしょうが…」
Cubia「少し違う、と言うのも覚えておいて欲しいな」
カイト「その名前…クビア!まさか…」
八咫「クビアだと…!」
数見の背後から別のPCが現れる
数見「…始めるとしよう、ダミーと侮るなよ女神…!」
数見達からも鎖が伸び、アウラの像に突き刺さる
アウラ『…ダメ……カイト…!』
カイト「アウラ!…うぐっ…!」
聖堂の床を突き破り伸びた鎖に全員のPCボディが拘束される
数見「そこで見ていろ、勇者カイト…お前は所詮女神を釣るための釣り餌だ…」
カイト「何が、起きてるんだ…コレは…」
数見「とうとうアウラはThe・Worldに帰ってきた…コレで
Cubia「そう、これで僕の存在を確立できる…」
一本の鎖が光り輝く
Cubia「さあ、来い…Aura…!」
数見「これで、世界は一新される…!」
八咫「数見、お前は…まさかクビアを手懐けたと言うのか…れ
Cubia「この作戦は利用価値があったんだ…僕の再生の為に凄く有用だった、三爪痕からも守ってくれたしね…」
CubiaのPCが光り輝く
ハセヲ「どうなってやがる…何だあのキャラクターは…!」
カイト(クビア…クビアが再生してるんだ…!)
Cubia「カイト、ハセヲ…僕を殺したお前達を…僕は許さない」
八咫「アウラの力を吸収して再生、そんな事が…」
ハル『竜骨山脈を越えしおり…一同、人語を解する猿に出会う』
カイト「…キミは…」
聖堂の扉が開く
オペラのように、歌うように声が聖堂一杯に木霊する
数見「誰だ、お前は」
Cubia「…この一節は…僕の…」
ハル『その猿の問うていわく……汝につきまとうものあり…そのもの汝には耐えがたく受け入れがたきものなり』
数見「此処には管理者が許可した存在しか入り込めない、どうやって…」
ハル『されど、汝とは不可分の…そのものの名を唱えよ……と 』
ハルが視界から煙のように消える
Cubia「何処に…」
カイト「っ!?」
鎖が断ち切られ、急に体が自由になる
ハル『お前の事だな、Cubia』
Cubiaから伸びた鎖の上にいつの間にかハルが立っている
数見「貴様!そこから離れ……ぐ…ああああ…!」
Cubia「どうしたんだ…?」
ハル『カイト、そいつらを抑えろ…私が鎖を断ち切る、そうすればコイツらは助かるだろう』
カイト「…わかった」
数見「なん…だと…?」
ハル『死の恐怖だけではなく運命の予言者まで…か……貴様の器では2人分は無理だ…強欲は己を滅ぼす』
ハルが飛び上がる
ハル『コルベニク…』
Cubia「っ!やめろ!!」
Cubiaがハルに迫る
カイト「三爪炎痕!」
Cubia「この…邪魔をするな!!」
コルベニクがその両手で鎖を掴む
Cubia「ぐ…やめろ!」
カイト「邪魔はさせない…!」
ハル『此処までだ』
Cubia「うああああッ!」
数見「が…ああああああ!!」
ハル『お前達に女神の器は無理だ…諦めろ」
数見達のPCがエラーの文字に包まれエリアから消滅する
八咫「…お前は…何者だ」
ハル「見てわからないか、第八相に呼ばれた」
ハセヲ「お前が…コルベニクの…!」
ハル「…アウラ、不完全な女神…私の力を貴方に」
ハルから鎖が飛び出しアウラの像に巻きつく
ハル「……う…ああ…」
アウラの石像が光に包まれ、消滅する
八咫「何が起こった…!」
カイト「アウラが、この世界に再び…」
アウラ「…カイト、私は此処にいます…」
聖堂の最奥の台座の遥か上
ステンドグラスから差し込む強い夕日が彼女を照らしていた
真っ白なケープに身を包み、長い髪を靡かせ
ただ浮かんでいた
ハセヲ「…アウラ…」
アウラ「…私は、目を覚ましてはならない…世界の行く末に関わってはいけない存在…」
カイト「アウラ、教えて…この世界で何が…」
アウラ「…全ての人が…強すぎる力を持ってしまった…貴方と同様に…」
アウラが僕を見る
アウラ「…貴方は使い方をわかってる…でも、それを持ってるのは貴方だけじゃない」
カイト「…どういう…」
アウラ「…ああ、なんて事…」
三爪痕の残骸が浮かび上がり、一つにまとまっていく
アウラ「……カイト、今のクビアは…貴方そのものの反存在…」
カイト「僕の…」
ハル「っ…」
ハルが大きく揺れて膝をつく
ハル「成る程…そう言う事か…この感覚、この頭痛……」
カイト「どうしたの…?」
ハル「……」
ハルが転送エフェクトに包まれて消える
八咫「…彼女は何者なのだ」
アウラ「騎士…そして、太陽……私は、この世界に居てはいけない…誰かにこの力を奪われてはいけない…」
ハセヲ「うおっ!?」
八咫「ぐ…!」
碑文使いPCが強く光り輝く
アウラ「……私は再び眠りにつきます、この力を誰かに利用されないように…彼を…私の騎士を頼ってください…」
三爪痕「……アウ…ラ…」
ハセヲ「何だ、この感覚…スケィスが…消えた?」
八咫「…私のフィドヘルも…居ない」
川内「…私も力を感じない…」
那珂「私達さっきのに参加してないよね!?」
カイト「……この世界から…碑文が消えた…?」
八咫「…何が、如何なった?く…一度まとめる必要があるか、全員ネットスラムに移動させる…」
カイト(……碑文使いが消えた…そして、反存在…)