元勇者提督   作:無し

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撃ち合い

離島鎮守府 

戦艦 レ級

 

レ級「…はぁ…慣れないことをすると疲れますね」

 

赤城「ありがとうございました」

 

龍驤「いやー…艦載機もああに扱えるんやな…」

 

加賀「物量だけじゃない、技量も…非常に高水準でした…」

 

加賀さんが悔しそうに水面を睨む

 

レ級「しかし…空母系のみの編成で航空戦希望…にしては、貴方達だけなんですね」

 

加賀「…翔鶴はまだ佐世保に居るし」

 

龍驤「雲龍は誘ったんやけど先約アリや、まあ、艤装の扱いは仕込んだから楽しみにしとき」

 

赤城「…大鳳さんに関しては、まだ打ち解けられていませんし…」

 

レ級(まあ、当然か)

 

加賀「全チームを把握してるわけじゃないのね」

 

レ級「流石に、それは価値がないと判断しました、朧が覚えておけばいいでしょう?」

 

赤城「そうかもしれませんね」

 

龍驤「ま、らしいなぁ」

 

レ級(…もうすぐ日暮れか、曙の班は夜戦だし、次はキタカミさんの部隊…いや、その前に球磨型とやり合わなきゃならないのか)

 

レ級「…はぁ」

 

龍驤「流石にお疲れみたいやな」

 

レ級「…大丈夫です、普段の3割で動いているので」

 

龍驤「さ、3割…?」

 

赤城「あれで…」

 

レ級「流石に航空戦は慣れないので、皆さん相手にはかなり集中していましたよ」

 

加賀「…そう」

 

レ級「正直、数が同じならまず負けていたでしょう、私の艦載機保有量は体力に影響するので、私の元気が残っていたのが敗因とでも言いましょうか」

 

龍驤「体力…?」

 

レ級「深海棲艦の艤装は燃料や弾薬を使わないんです、自身の体力などを消耗して生み出し続ける…」

 

加賀「つまり、無尽蔵に産み出すことも…」

 

レ級「当然可能ですが…意味はありません、飛行機が空を覆ったとして、それでは狙わず撃っても落ちる…的当てにすらならない」

 

赤城「…まあ、確かに」

 

レ級「しかし、御三方とも…流石でした、艦載機の動きは基本に忠実で、並の人間なら捉え切ることは容易ではないでしょう」

 

赤城(全部落とされた後に言われても…)

 

加賀(説得力が無いわね…)

 

レ級「しかし、一つ気になるのは貴方です…加賀さん、貴方の隊だけやや浮ついた動きが目立ちました、お気づきですか?」

 

龍驤(…ま、ウチらも気にしとったことやな…赤城とウチは上手く合わせてたと思うけど、加賀の隊は先行して先に潰されてしもた)

 

加賀「…そう、かしら…」

 

レ級(本気で気づいていないか)

 

レ級「まあ、よく自分の行動を見直しておいてください」

 

加賀「…わかったわ」

 

 

 

 

 

レ級「球磨型5名、大破判定、演習終了です」

 

球磨(…化け物…クマ)

 

多摩(こいつ、1人でなんでこんな…どうやったら勝てるのか、想像もつかないニャ…)

 

北上(……わかってたけど、何一つ届かなかった、コイツに魚雷を何本撃ってもたった一つの魚雷があたしの魚雷の隙間を通ってやってくる…そして正確に炸裂して、ギリギリのダメージを与えてくる…)

 

大井(…あっさり、全滅…せめてキタカミさんも混ざってくれれば話は変わったと思うのに…)

 

木曾「…ホントに、ヤベェ奴だな…」

 

レ級「…あれ、そういえば貴方の眼帯…」

 

木曾「…あ?」

 

レ級「それは、天龍さんの物では?」

 

木曾「ああ、佐世保に行くって時にもらったんだよ…「私はこの傷を隠すつもりはありません」ってよ」

 

レ級(…龍田さんを戒める為に…か?だとしたら性格が悪い…いや、深い考えはないのかもしれないな)

 

木曾「しっかし…刀折るのはどうなんだ?」

 

レ級「私は折っていません、貴方がわざわざ肉薄してバリアに刀を突き立てたのが悪い」

 

木曾「…ハイハイ」

 

球磨「…次は勝つクマ!その為にも、訓練!訓練だクマぁぁぁッ!」

 

多摩「ニャァァァッ!」

 

北上「…何?あの2人こんな熱いタイプなの?」

 

大井「…根は熱いですよ、ついて行くのがしんどいくらいには」

 

北上「えー…まあ、とりあえずついてこうか…」

 

大井(チャレンジャーね…北上さん…)

 

木曾「さ、先に飯にしようぜ?まだ食ってないだろ?」

 

球磨「そういえばお腹減ったクマ…」

 

多摩「ニャ」

 

木曾「俺は肉が食いてぇなぁ…レアのステーキとか、堪んねえ!」

 

大井「食堂担当の左に頼んでみましょうか」

 

レ級「あまりお勧めはしません」

 

木曾「なんでだ?鮮度の問題か?」

 

レ級「それもあります、が…如月さんも満潮さんも調理師の資格も衛生管理の資格も持っていません、間宮さんに仕込まれたとはいえそういった調理は教わっていないでしょう」

 

大井(めちゃくちゃしっかりした理由だった…)

 

北上「ま、食中毒になったら怖いからね」

 

木曾「…ここの医官アイツなんだよな…アレには掛かりたくないね」

 

レ級(春雨さんをアイツ呼ばわりは…本人が知ったら文句を言いそうですね、あの人細かいですし)

 

北上「ま、あたしもお腹減っちゃった」

 

 

 

 

キタカミ「へぇ、ぼろ負け?」

 

レ級「悪いですが、負ける理由はありませんでした」

 

キタカミ「んー、いいんじゃない?それよりどうよ、連携とか…」

 

レ級「非常に良いですよ、私としては貴方も含んだ6人で来るのかと」

 

キタカミ「それも面白いけど…」

 

キタカミさんが単装砲に弾薬を詰め込みこちらに向ける

 

キタカミ「絶対勝てるゲームなんてつまんないでしょ」

 

レ級「…なるほど、良いでしょう」

 

水中に潜り、適当に距離を取る

 

レ級(…キタカミさんの部隊は唯一の7人編成、どうなるかな)

 

開始の合図が鳴る

 

レ級「艦載機…」

 

統制の取れた動きで艦載機が飛行する

 

レ級(…ギリギリ視認できるあたりを飛んでる…偵察機ではないが、偵察用に運用したか)

 

艦載機を半分だけ撃ち落とす

 

レ級「…む」

 

前方から魚雷が迫る

水面を強く踏み鳴らし、魚雷が全て炸裂する

 

レ級(…キタカミさんの魚雷じゃない…なんというか、たどたどしい様で、基礎ができている様な…なんだこの違和感…)

 

レ級「っと」

 

やや離れた位置に砲弾が着水する

 

レ級(…20cm砲…いや、もう少し大きいな、だが…巡洋艦以上の砲を扱える人はいないはず…しかも、これは弾着観測射撃…誰だ?金剛さんか?)

 

尻尾の口に手を突っ込む

取り出した艦載機を放り投げ、勢いをつける為に殴る

 

レ級「行ってこい…!」

 

航空戦が始まる

敵機は撃墜狙いというより牽制優先、近づかれても離脱を優先…

とにかく生存重視の逃げ方を知っている…

 

レ級「雲龍さんか大鳳さんの筈なのに…艦娘用の艦載機を既にここまで扱えるのか」

 

狙い撃てばすぐに落とせる、だが航空戦ではなかなか落とせない…

 

レ級(誰に何を教わった?…いや、龍驤さんが噛んでる筈だが…っと、見えた)

 

レ級「…霰、霞、秋月、大鳳、雲龍、そして大和……キタカミさんは何処に」

 

こちらの艦載機が幾つか落ちる

 

レ級(…秋月さん、中々に対空射撃のセンスがある…あの人が戦ってるのは初めてみますが…っと)

 

駆逐砲をバリアで受ける

 

霰「…当たった…!」

 

霞「もっとよ!」

 

レ級(…あの2人、姉妹艦意外と居るのは初めてみたな)

 

尻尾が唸り、狙いをつける

 

レ級「む…」

 

少し前を砲弾が通る

 

キタカミ「よーやくみつけたよ」

 

レ級(今更出てきたか…しかし、なぜわざと外した?)

 

キタカミ「ほら、撃たなくていいの?」

 

レ級(…その誘い、乗っておくか)

 

キタカミさんへの砲撃を始める

 

キタカミ「…ひひっ」

 

レ級(全部防がれてるし、明らかに見下してる様な顔…腹立つな)

 

キタカミ「2本目使わなくて大丈夫?ねぇ?」

 

レ級「…チッ……なっ…!」

 

大和さんからの砲撃がバリアに当たる

 

レ級(大和さん用の艤装がないのが救いだったな、あったら一撃で破壊されてたやもしれない…っと)

 

魚雷からもダメージを受ける

 

レ級(…向こうも無視するわけにはいかないか、一本は向こうに向けるしかないか)

 

キタカミ「単縦陣!回避行動優先!」

 

レ級(…尻尾を向ける前に狙いが向こうに行ったのがバレた…?)

 

レ級「っ!」

 

直撃コースの砲撃を撃ち落とされる

 

キタカミ「ねぇ、相手してよ」

 

レ級「…お望みとあらば…」

 

秋月(わ、私たちじゃレベルが違いすぎるのはわかってるけど…)

 

霞(あっちでやってることに比べたらこっちはお遊戯レベルね…)

 

霰(撃っても、ちゃんと当たらない…)

 

レ級「…随分と、悠長な…!」

 

キタカミ「まあ、楽しもうよ」

 

キタカミ(…後2発?いや…今か) 

 

霞「大和さん!」

 

大和「はい!」

 

秋月「大鳳さん!お願いします!」

 

大鳳「進路を西にズラしましょう!」

 

レ級(…何?…余り物の寄せ集め、だと思ってたのに…なんで連携が…しかも、この動き…)

 

レ級「キタカミさん、貴方…」

 

キタカミ「何?よそ見する暇あんの?」

 

バリアが音を立てて壊れる

 

霞「や…やった!」

 

霰「…勝ち?」

 

レ級「……まさか、こんな…」

 

正直、信じられないという気持ちに支配された

 

キタカミ「よーし、みんなお疲れ!よく頑張ったね、さっさと引き上げようか」

 

レ級「…まさか、こうまでとは」

 

 

 

 

 

レ級「ついてなかったわね、曙…今、私、少し強いわ」

 

曙「ぁ"…が…」

 

水面に曙が突っ伏す

 

レ級「何より、アンタが最低な動きしてるせいでチームが負けた事…理解しなさい」

 

艤装を戻らせる

 

曙「…そ、れ…」

 

レ級「…そう、戦艦棲姫の艤装の化け物」

 

怪物が少し唸り、消滅する

 

レ級「アンタ、本当に最低な動きしてたわよ…夜戦で孤立した上に、炎を纏って悪目立ちして…挙句長距離砲撃にアンタは倒された」

 

曙「……」

 

レ級「何を焦ってるか知らないけど、アンタ…最低よ」

 

曙(…わかってる、そのくらい…)

 

レ級「……はぁ…アンタで試験は終わり、話ある?」

 

曙「…ないわ」

 

レ級「じゃ、私先に戻るから」

 

曙「……」

 

曙(…絶対、届かせてみせるから)

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