元勇者提督   作:無し

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改二

離島鎮守府 工廠

工作艦 明石

 

明石「…曙さん?貴方、そこで何やって…それは、朝潮さんたちが持ち帰った提督のパソコン…」

 

レ級「…明石さん、貴方に託すものがあります」

 

明石「託す…?」

 

レ級「貴方しか、コレを託せる人は居ませんから」

 

USBメモリを渡される

 

明石「え?ちょっと…」

 

レ級「……これは、まだ誰にも見せないでください、私にはあまりにも荷が重い…でも、貴方なら違えないでしょう…」

 

明石「…私に、何を期待しているんですか」

 

レ級「貴方なら、ここにいるみんなを平等に見ることができる、平等に殺し、生かせる…だから、お願いします」

 

明石「みんなの生死に関わる事なら、私1人で判断するわけにはいきません」

 

レ級「……」

 

明石「それと…」

 

工廠の奥に安置されていたケースを曙さんに渡す

 

レ級「…これは」

 

明石「…艤装です、必要ないかもしれませんけど…」

 

レ級「艤装…私のですか?」

 

明石「…曙・改二、今までの艤装の主砲と違い、主砲にライフル型のストックやサイト等を取り付けて中距離の戦闘などにも対応し易く、機動力を損なわない様に仕上げてあります」

 

レ級「……何か、違和感が…」

 

明石「これには、艦娘システムは搭載してありません、綾波さんのものも…コレは完全な私独自のシステム…いや、最低限の機能を残し、アナログ化してあります」

 

レ級「…退化」

 

明石「時と場合に合わせた適応です、カートリッジの接続も容易な為戦術性も広く、使い手に馴染んでくれる仕上がりだと信じています」

 

レ級「……一応、いただいておきます」

 

明石「…貴方の味方は、思ってるよりたくさんいるんですよ」

 

レ級「それは一切、関係ありません、私はただ、提督の為の船であり続けるだけです」

 

 

 

 

 

演習場

 

曙「改二?なんでいきなりそんなもの…」

 

明石「いきなりじゃなくて、前から作ってたのがようやく完成して…」

 

潮「でも、何で私まで…?」

 

明石「同じ綾波型だから流用しやすくて…」

 

漣「じゃあ漣の改二も!」

 

明石「残念ながらありません…」

 

漣「……」

 

潮「それで…これですか?」

 

明石「対潜強化に爆雷を腰にセットできる様にしてあるのと、腕にとりつけられる小型の砲台は広角射をやりやすい様に調整済み、カートリッジを差し込めば威力も充分!」

 

曙「…炎が降るだけ?」

 

明石「あー、それは改善して、新しい特殊なカートリッジを…はい、コレ」

 

潮「…サンダー…?」

 

曙「…雷のカートリッジと何が違うのよ」

 

明石「雷が落ちる原理はわかる?簡単に説明すると、雲の中には大量の氷の粒があって、その氷の粒がぶつかり合って生んだ静電気が雲に収まりきらない時に放出されるのが雷なの、だから…それをこの砲弾で呼び寄せる」

 

曙「つまり、雷が落ちる天気じゃないと使えないの?」

 

明石「いや、小さい雲でもあれば大丈夫、普段の広角射撃とは雰囲気が違うから難しいと思うし、よーく練習しないと使えないと思うけど…」

 

潮「…頑張ります!」

 

曙「で?あたしの改二は…カートリッジなんか違うけど、双剣とは互換性ないの?」

 

明石「なくはないけど…想定しては使ってないかな、後コレは普通のマガジンね、使う弾丸を切り替えてアサルトライフルとして扱える様にする事もできるから」

 

曙「…これ、機銃用の弾込めてるだけじゃない!」

 

明石「でも、カートリッジの使い方によっては深海棲艦の装甲を貫けるかもしれないし…」

 

漣「…良いなぁ…2人とも、いや、ボーロも良い艤装もらってるし…漣だけ強化が来ませんよ〜…」

 

明石「いやー…その、ごめんなさい…」

 

漣「まあ、明石さんならすぐに作ってくれるって信じてるぜ!」

 

明石(今使ってるのが朝潮さん達の分だなんて…言えないなぁ…)

 

 

 

 

 

海上 駆逐棲姫

 

駆逐棲姫「アハハハハハ!あーあ、惨めですねぇ!」

 

駆逐古鬼「黙レ!何故私ヲ襲ウ!コノ裏切リ者メ!」

 

駆逐棲姫「裏切りも何も、元より味方じゃ無いですからねぇ…あと襲う理由はそれの運用にあたっての実験です」

 

駆逐古鬼のすぐそばに鉄球の様な前腕が振り下ろされる

 

駆逐古鬼「ヒッ!?…ヤ、ヤメロ!モウヤメテクレ!」

 

怪物「……ガアァァァァァァッ!!」

 

前脚を持ち上げ、駆逐古鬼へと向ける

 

駆逐古鬼「…ナ、ナンダ…コノ穴…マサカ…!」

 

駆逐棲姫「死の香は誰にも察せる甘い香り、死の前には深海棲艦も人間もありません」

 

駆逐古鬼「タ、頼ム!助ケテクレ!言ウコトヲナンデモ聞ク!死ニタクナイ!」

 

駆逐棲姫「……はぁ、わかってないなぁ…無能な指揮官1人と無能な兵士1人なら無能な兵士の方がずっと使い勝手が良くて大事なんですよ、と言うか貴方嫌いだし、欲しく無いので…」

 

駆逐古鬼「私ノ部下モ全テヤル!頼ム!」

 

駆逐棲姫「…ああ、それなら見逃しても良いですよ、ちゃんと私に従わせてください?でも貴方は要らないので、1人で尻尾巻いて逃げてくださいね」

 

駆逐古鬼「ワカッタ!ダカラ助ケ…」

 

怪物「ギジャァァァァァッ!!」

 

怪物の前足の先端が光、駆逐古鬼を吹き飛ばす

 

駆逐棲姫「あ…ちょっと遅すぎましたか」

 

駆逐古鬼「ギャアアアア!痛イ!ヤメテクレ!!」

 

駆逐棲姫「まあ、良いか、生きてるしそのくらい再生できるでしょ?」

 

駆逐古鬼「モ、モウヤメテクレ!」

 

駆逐棲姫「ええ、やめてあげましょう…ほら、さっさと部下をよこしなさい」

 

 

 

 

駆逐棲姫「駆逐級300、巡洋艦200、戦艦20の空母15……舐めてるんですか?駆逐級が3桁…深海棲艦の基地を襲っても旨みは無さそうですね…」

 

駆逐古鬼「…モ、モウ、行ッテイイカ…?」

 

駆逐棲姫「いいですよ、早く行ってください、気が変わらないうちに」

 

駆逐古鬼が背を向けて逃げ出す

 

駆逐棲姫「…適当に背中でも撃たせますか、ほら」

 

怪物「ギ…ガガガ…!」

 

駆逐古鬼の深海棲艦と怪物が攻撃の用意をする

 

駆逐棲姫「撃ちなさい」

 

駆逐古鬼が背中を撃たれて斃れる

 

駆逐棲姫「…つまんないなぁ……ん?護衛棲姫じゃないですか、もう終わりましたよ」

 

護衛棲姫「…駆逐棲姫様、コノヨウナ雑事、私達ニ一任シテイタダケバ…」

 

駆逐棲姫「それも違うんですよね、映画みたいなものですから…でも、予想と違って面白くなかったなぁ…ポップコーンとコーラが足りないせいでしょうか」

 

護衛棲姫「…駆逐棲姫様、密偵カラ…」

 

報告書を受け取り軽く読む

 

駆逐棲姫「…へぇ!イムヤさん生きてたんですか、やるなぁ…どうやって助かったのか皆目検討もつきませんよ、確実に殺したのになぁ…」

 

護衛棲姫「……ソレト」

 

駆逐棲姫「…いつか来てくれるとは思ってましたよ、愛しい愛しいレ級さん」

 

レ級「……」

 

駆逐棲姫「すいませんね、ここには何の用意もないからもてなせないんです、それとも…立食形式(ビュッフェ)がお好みでしたか?」

 

レ級「…今日は、やりあうつもりはない」

 

重く、辛そうな声

何かを悔いる様な目と、悲痛な表情

 

駆逐棲姫「ああ、この方ですか?…青葉さんですよ」

 

レ級「知っている…!…わかっている…」

 

駆逐棲姫(…様子がおかしい、いや……これは、重畳)

 

駆逐棲姫「貴方の守ろうとしているもの、全てが…一瞬で壊れてしまいますよ、本当に私から守り切れるんですか?」

 

レ級「……」

 

駆逐棲姫「…素敵な顔です、苦悶に満ちたその顔、全てを私のものにしたい…」

 

レ級「……私は、やり遂げてみせる……やりますから…提督…」

 

その呟きはまるで願う様な、祈る様な小さな…

 

駆逐棲姫(見ぃつけた…貴方の、吹けば壊れる程の大きな亀裂…ああ、なんて強く、脆く、素敵なのか…不安を押し殺し、私に立ち向かう…今までの全てが弱さを隠す為の見せかけだったなんて……)

 

駆逐棲姫「くふっ…アハッ!アハハハハハ!!」

 

レ級「……」

 

駆逐棲姫「また会いましょう?そして…何より貴方を…私の物にして見せますから」

 

レ級「丁重にお断りする…!」

 

駆逐棲姫「そうもいきませんよ、貴方は私の物になることを選ばざるをえない…私の物になる為に懇願する、その末路…実に楽しみです♪」

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