元勇者提督   作:無し

37 / 625
壊れた日

呉鎮守府

駆逐艦 荒潮

 

「お願いします!もうやめてください!」

 

「お断りよ!早く出てきなさい!朝潮!」

 

提督が倒れて数時間

提督が朝潮ちゃんの側にいたオバケの様なのに倒されたのは、みんなが見た

そのオバケが朝潮ちゃんの友達?だと言うのは私しか知らなかったから、現状解決のために2人でお話をしようとしたのに

何を察知されたのか、大井さんに全て筒抜けだった

朝潮ちゃんを引き摺り出して殺してやると息巻いてる大井さんを止める手立ては残念ながら私にはない…

 

「朝潮!!」

 

「朝潮ちゃんがやった訳じゃないのにぃ…!」

 

私たちの部屋には鍵がかかっていて、その鍵穴も潰されていた

正直朝潮ちゃんがどうなっているのかすごく不安だけど、大井さんを止めないと、中に入るほうが危険

 

「もう埒があかないわ…壊します!」

 

「は、本当に朝潮ちゃんを撃つ気なのぉ!?」

 

「…荒潮、下がらないのなら…痛い目を見てもらいますけれど」

 

「…下がる気はないわ…!」

 

正直死にたくはないけど

もう姉を失いたくない気持ちの方が強い

 

「………」

 

「…お願いします…やめてください…!」

 

「……30分待ちます、納得できる答えを用意しなさい」

 

大井さんなりの譲歩

あの頭に血が登った状態からこんなにいい話を引き出せたのなら御の字

 

「ありがとうございます…朝潮ちゃん、聞こえてるわよねぇ…?お願いだから開けて?お話をしましょう?」

 

残念ながらこの扉が開くことはなく、私は隣の部屋の窓から外壁を伝って中に入ることを試みた

ここは2階なので死にはしないと思えば気が楽だった

 

中の様子は真っ暗で、窓から入る光以外に照明がついている様子はなかった

そして、部屋の真ん中で倒れている自分の姉

 

やはり、鍵穴は誰かに潰されていたし、姉は何かの被害にあっていたとみて良いはず

 

急いで部屋の前に戻り、ドアを砲で破った

 

「朝潮ちゃん!」

 

駆け寄り、息があるか確認をする

 

「…息してない…!心臓は…脈…!だ、誰かぁ!!」

 

非情なもので、この声に駆け寄ってくれた人はいても、姉を積極的に助けようと手を差し伸べる人は居なかった、躊躇っている様子はあったのだけど

 

必死に己の手で心臓を何度も押した、何度も助けを呼びながら

少しして、ようやく姉は危害を加えられる状態じゃないとわかったのか、手を貸してくれ始めた

救急車もすぐに来た

 

結果として死にはしなかった

 

何故そうなったのかはわからないと言われた

何かの病気という訳でもなかった

大井さんとの約束も破った、未だ意識の戻らない姉に何をかけというのか、そう思いながらも、病室に大井さんを迎え入れた

 

彼女は優しかった、両肩に手を添え、ただ何も言わず側にいてくれた

怖かったが、アレは冷静ではなかっただけ、「今、私はあなたと同じ気持ちです」と「一緒にこの事を解決しましょう」と、味方になってくれた

顔を見ることはできなかった

ただ、悔しいのだろう、肩に置かれた手に力が入っていた、歯が軋む音がしていた

 

 

 

 

 

 

雷巡 大井

 

わかっていたのに

朝潮が危険だと、でも、提督がああなって…意識不明になって、その原因は朝潮にあって

 

許せなかった

朝潮が倒れた状態で発見された時、私たち姉妹と川内のところの姉妹で集まっていた

この鎮守府で指折りの強さを持っていたから

姉に叱責を受け、川内と妹に慰められ、神通と那珂に励まされ、朝潮とゆっくり話そうとした時にこうなった

 

私が冷静じゃなかったからこうなった

でも、謝れなかった

私が絞り出したのは、あなたの気持ちがわかる、だから貴方を利用する、そういう意味だ

余裕を見せなきゃいけないと、ずっと思っている

 

仲間なのに

 

 

 

 

 

 

 

 

提督 三崎亮

 

いつからだろう、ここにいるのは

俺はいつまでここにいるのだろう

 

ここは幸せだった

何をしてもうまくいくし、想い人と結ばれていた

何もかもがうまくいっていた

 

なのに、何かに焦がれている

なんでなんだ?

 

もう、何年も、何十年も経った、そんな気がするのに

 

ふと、目の前にソイツが現れた

 

「…よぉ」

 

めんどくさげに挨拶をした

 

「…キミは、今、幸せなのかい?」

 

「……幸せなんだろうな…俺にはわからねぇけど」

 

「なんでわからないの?」

 

「…満たされねぇ…こうじゃねぇって思うんだ」

 

「…何がダメなの?」

 

「………わからねえ…わからねぇけど…」

 

「…本当に、この世界を捨てて後悔しない?」

 

「…知ってるんだよ、ここが作り物の偽物だって、でも気づいた時には遅かった、どれだけの時間が経った?時間の流れが違っても、俺は確実に置いていかれるんだ」

 

「キミが一緒に歩く事を望めば…みんなそれに合わせてくれる」

 

「…だろうな」

 

「そうだよ」

 

「…じゃあ、あんたはなんで1人で突っ走ったんだ?」

 

「……この戦いは、1人で戦ったら、確実に負けるから、キミや、僕みたいに」

 

「カイト、だったらなんでお前は1人で戦ったんだ?まさか自分が見本になろうってか?」

 

「違う、1人になった人を、助けるために…だから、キミや皆んなの中に僕はいるんだ」

 

「プライバシーもクソもねぇな」

 

「それはごめんね」

 

「…ああ、でも、ここは幸せだ、何かを求めることも、求められる事もない」

 

「ここに、残る?」

 

「………冗談だろ?リアルで誰がどんだけ苦しんでるのか、それに気づいた以上、戻らない選択肢なんてない」

 

「よかった、もし、戻ろうとしなければ僕には何もできなかった」

 

「なぁ、ついでに外のことを教えてくれるか?」

 

「…君の見た、朝潮がやられた時点で、僕には何もわからないよ、直接的な僕とのつながりが…僕を誰かの中に産む、正確な事を言うと、深い関わりがあって、僕をよく知らないと僕はその人の中に存在できないんだ」

 

「生きてるのか?」

 

「わからない…僕には、外のはわからない、だけど、みんなで力を合わせれば、きっと前に進める」

 

「…そうかもな、俺もいつも仲間に助けられて来た…それに俺はもう決めたんだ、俺が関わったもの全てに関わり抜くと」

 

「それがAIDAでも?」

 

「…あぁ、どうせ俺の頭ん中にもいやがる…これを消すのか、それとも付き合い続けるのかはわからねぇけどな…でも、AIDAの中にも共存を望む奴もいる」

 

「そうだといいね…」

 

「さて、帰らせてくれ」

 

「…最後に一つ、伝言を頼みたいんだ、僕じゃどうしても伝えられないから」

 

「みんなの中にいるんじゃなかったのか?」

 

「…そうかもしれないけど、あくまで僕は僕で、その子の中にはいない」

 

「意思は共有できないのか」

 

「みんなの頭にネットが繋がってたら良いんだけどね」

 

「ゾッとしねぇな」

 

 

 

「ちゃんと、伝えてね」

 

「…任せとけ、またな」

 

 

 

 

 

 

 

真っ白な天井

周りには誰もいない

繋がった点滴をとりあえず杖代わりにして進む

少しして気づいたがあれは医務室で、鎮守府からは出ていないらしい

 

そして本当に誰もいない

歩行の感覚が戻り、点滴を抜き捨て、まず司令室へと走る

 

なぜ誰も出てこない?

 

ふと窓を見る、明るい、時計を求めて彷徨う

まさかここがまだ夢なのか?

違う、それは違う

 

部屋に転がり込み、着替える

パソコンを起動し、データベースを読み込む

 

出撃記録はない

遠征も

演習も

 

ここは放棄されたのか?

 

「どこにいきやがった…」

 

他にも調べることがある

 

「朝潮は…」

 

やはり誰かを捕まえる必要がある

司令室から全体に呼びかける

 

 

反応がない

 

おかしい、なんでだ?

 

 

 

背後に気配を感じて振り返る

 

「………成る程、ここはAIDAの領域か」

 

薄紫色のマスコットを見る

 

『・・・☆・$+・』

 

「…お前が…AIDAか」

 

『・・%♪÷・・・○÷=・÷・』

 

「悪ぃけど、なんて言ってるのかわからねぇ」

 

『………』

 

もう一度、俺は目を覚ました

 

 

 

 

 

「おい、起きたぞ!大井を呼んでこいクマ!」

 

「提督!生きてんのか!?」

 

頭に響く

 

「…るせぇ……頭いてぇ…」

 

頭がガンガンする

だけどそんなことに構ってる暇はない

 

「…おい、何があった?俺の寝てる間に何かあったろ」

 

「朝潮が倒れたニャ、死んではないけど目は覚ましてないニャ」

 

「……生きてるんだな?怪我もしてないんだな?」

 

「大丈夫だニャ」

 

「目が覚めたって本当ですか!!」

 

一際大きい声が頭に響く

 

喋る気力もなく、頭を抱え込む

 

「提督!」

 

何かがのしかかってくる

 

死ぬほど重い

 

「…大井、どけ、やる事がある…」

 

確かめなくてはいけない

この、喪失感の正体を

 

「駄目です、退きません、寝てなさい」

 

力づくで退けようとする

全く動かせない

 

「………俺は、どれだけ寝てたんだ」

 

「二週間だニャ」

 

年と言われなくてよかった

 

「なら動く、邪魔をするな」

 

「……提督、鏡を見てください」

 

「やつれたってか?」

 

「こっちだクマ」

 

球磨の持った鏡に自分の顔が映る

髪が真っ白になっていた

 

「………で?なんだ?」

 

脳が時間の経過を誤認したからか

それともストレスからか

 

「俺の髪が白髪になったからなんだよ、俺は動く必要がある」

 

「…こんなことになって大丈夫なわけ無いでしょう、大人しく寝てなさい…!」

 

「………」

 

ー1人で戦ったら…ー

 

「……あぁ、わかった、じゃあ明日には戻るからな、ここは医務室だよな?」

 

「病院です、流石に医務室で何日も過ごせるわけないじゃないですか」

 

「…………そうか、じゃあもっと大人しくしてくれ」

 

ふと花瓶が目に入る 

 

「忍冬か」

 

「ごっ…ご存知なんですか?!」

 

「……まあ、な」

 

「クマ、球磨たちはそろそろ戻るクマ、明日の用意があるクマ」

 

「多摩も失礼するニャ」

 

「んじゃ俺も、姉さんの分の仕事は片付けとくから、面倒見てやってくれ」

 

「え、あ、ありがとう…?」

 

「なんだ?あの花あいつらが唆したのか?」

 

「あ、いえ、私がたまたま花屋で……じゃなくて!えっと、安かったので!」

 

「……忍冬の花言葉、知ってるか?」

 

「…いえ」

 

「…愛の絆」

 

「そ、そそっそんなつもりあるわけ無いじゃないですか!深読みのしすぎでは!?」

 

「まあ、なんだ、次から勘違いされないように次からは気をつけろよ」

 

「…………そうですね、良い教訓になりました」

 

なんかやばい寒気がしたが気にしないことにする

 

 

 

 

 

翌日

 

「迷惑をかけたな、本日より仕事に戻る」

 

幸いなことに仕事は溜まっていなかった

だが、これから不味くなるだろう

まさか人間のAIDA感染者として、自分がカウントされるなんてことはまず防がねばならない

なんとか隠し通す必要がある

 

そして確認しなくてはならない事がある…

 

俺に幻覚を見せたのは八相の一つ、イニスの能力と見ても良い

アレは集団に幻覚を見せ、その空間に閉じ込めることなど容易にできる

そうなると気になるのはイニスの所有者だ

これからするべき事

 

イニスの所有者である、日下千草の無事

そして俺のスケィスの行方

 

そしてなによりも、カイトの伝言を伝えるために

 

 

 

 

 

 

 

離島鎮守府

工作艦 明石

 

「……この命令書、どうしますか?」

 

「流石に逆らえないレベルです、翔鶴さんの他への移籍はもう避けられません」

 

「………装甲空母かぁ…って言っても本人はまだまだ練度不足、大規模改装なんて難しいのに…」

 

「北上さんはそれを2回も成功してますよね」

 

「………いや、条件さえ整えば誰でも成功はします」

 

「条件?」

 

「一つ、練度がとても高く、必要な資材などが揃っている事、彼らは基本的に誰でも達成できるものです、時間をかければ…そして二つ目、本人がそれを強く望み、それに対応できる才能を持っている事、才能がなければ、どうしても改装は成功しません……ただ、後からその才能が出てきてくれる事もある為…なんとも、そして最後、自分の意思を殺す事」

 

「自分の意思ですか」

 

「強く望んでいて、なおかつ求めちゃいけないんです、北上さんはやってのけましたが…改二なんてほとんど確認されてない、北上さんの戦果を正しく報告したら勤め先は大本営でしょうね」

 

「翔鶴さんはどうでしょうか」

 

「………無理だと思います、彼女の練度は20手前です、無理矢理練度をあげても…本人がそれを望むかどうか…」

 

「失敗したら如何なるんでしょうか……」

 

「…言えません」

 

「言えない?」

 

「工廠で過ごす、改装を担当する者だけが知っています、言えるのは失敗すれば帰ってこないと言うことだけ」

 

「………それって…」

 

「少なくとも私が知る限りは帰ってきた人はいません…この命令書は間違いなく大本営の作った物である以上無視もできません、翔鶴さんを殺す決意をしなければ、より多くの人を殺すことになります…」

 

「本気ですか」

 

「………できることならやりたくない仕事です」

 

「やはりここは良い環境ではありませんね…」

 

「今更ですよ…少し夢を見過ぎました」

 

「…本人と話しましょう」

 

「…そうですね」

 

 

 

 

 

 

「そう…ですか…」

 

「えぇ、その…本当に……」

 

「頭は下げないでくださいね、私、沈んできます」

 

「は、早まらないでください!」

 

「…だって私が失敗したら次は赤城さんや加賀さんに手が伸びるかもしれません、それなら自殺した方がまだマシですから」

 

「多分どのみち手が向くのでは…」

 

「………わからないんです、どうしたらいいのか、正直その話受けたふりして大本営に行って関係者全員巻き込んで死んでも良いんですけど」

 

「やめてください」

 

「死ぬ覚悟はまだしてなかったので、正直辛いんですよね」

 

「…やっぱり無理だって伝えませんか?」

 

「時間くらいは稼げるかもしれません」

 

「本当に稼げるでしょうか、より悪い結果を招くだけだと思います」

 

「………」

 

頭が痛い

 

「じゃあ如何するんですか?折角の命を無駄にしに行くような物です」

 

「迷惑はかけたくありません」

 

「明石さん」

 

 

もうそこから何も聞こえなくなってきた

ああ、ストレスが溜まる

なんで私が生殺与奪を決めなきゃ行けないのか

何より私が決めても何をしてもしこりは残る

どうするのが正しいんだろう

真剣に考えてるのに…

 

 

疲れたなぁ…

 

 

結局答えは出なかった

どんなに話しても翔鶴さんも鳳翔さんも意見を変えない

当然だろうけど

 

 

疲れた、私はただの代理で、ここにおいて一番権力を持ったけど

私はここを変えたくなくて

 

「おぇ…おぇぇぇ…ッ…」

 

私の独断で何かをして、私はどうしたら

 

 

頭がくらくらする

目の前が白く明滅する

 

嫌だ、逃げたい…なんでこんな事に…

 

「……私は……頑張ってるのに…」

 

なんで誰も認めてくれないの…?

結果は出ない、本部は何も支援してくれない

横須賀の支援物資で生活はマシになっても

本部がまともに取り合うようになっても

来る命令がこれで、今私が求めてるのは、敵

 

あんな、深海棲艦より、ずっとよくて、みんなの脅威を

 

私はずっと待ってる

 

戦っている間はみんな何も考えない

その場で必要なことだけしか考えない

それぞれが必死だから、私は私以上の仕事を求められない

 

喜ばしいことを、喜べない

 

北上さんも、私を責める

翔鶴さんの意見を受け入れたら、みんな助かるけど、みんな私を責める

鳳翔さんの意見を受け入れたら、みんなが危険で、そして鳳翔さんに私が責められる

誰も労らない

前線に立つことすらしないから

 

最後に誰かの装備を修理したのはいつだったか

今では夕張に任せっきりだ

 

最後に誰かと笑い話をしたのはいつだったか

苦笑いをすることしかしてない

 

呉から連絡が来る

 

『もしもし、聞こえるか?』

 

「…っ……」

 

声が出ない、応答しようとしてるのに

声の主は男、つまりどうやら向こうの提督は復帰したらしい

喜ばしいことだ

 

『おい…?おい!大丈夫か!?』

 

「…はい…」

 

必死に声を絞り出した

何を言われるのか、もう喋りたく無いのに

 

『な、なんだ?大丈夫なのか?』

 

「…はい…」

 

『…なんだ、その、色々用件はあったが伝言を頼まれたんだ、忙しそうだしそれだけにしておく、「とにかく、良いと思えることをやって行こう、そうすることでしか、前に進めないから」だ、そうだ…』

 

「………」

 

なんだろう、誰かに言われたのかな

知ってる気がする

 

『信じちゃもらえないとは思うが、これはカイトに言われた言葉だ、あいつはちゃんと見ててくれてるらしいぜ』

 

ああ、そうか、あの人はいつも道を示してくれてたな

 

「…そうですか、分かりました、態々ありがとうございました」

 

別に私はみんなを引っ張る力はない

だけど

 

 

「折角そんなこと言うなら、私に直接伝えて欲しかったなぁ…」

 

 

あの人が私を、もう一度だけ、私たちをもう一度だけ引っ張ってくれるなら

 

 

 

「よし、全部やる」

 

もう疲れた

考えるのはやめた

 

 

 

「翔鶴さんの改装の件は意見具申し、再検討をお願いしました」

 

「な、なんでですか!?ここが危険に晒されるんですよ!」

 

「今の段階で戦力が1人でもいなくなることの危険性を伝えました、再考をお願いしています、明日にも新たな敵が出るかもしれません、それに、時間があれば改装に耐えうる可能性もあります、翔鶴さんにはギリギリまで待ってもらいます」

 

「……後悔しないでくださいね…」

 

「私からみんなに伝えます、私はこの件について納得する答えを出します」

 

 

 

 

「以上です、独断で動いて申し訳ありません、ですがこれが最善だと考えました、言いたい事があるのでしたら、好き時に私のところに来てください、鳳翔さんにも暫く執務室から離れて抱きますので」

 

「質問があるのですけれど」

 

「なんでしょうか、加賀さん」

 

「あなたはどういう形で責任を取るつもりなのですか?」

 

「そこまで考えてません、でも、もうどうしようもないので、良いと思えることをやります、取らなければならないのでしたら私の首ならいくらでも差し上げます」

 

「私達全員の首を処刑台に乗せておいて?」

 

「じゃあ翔鶴さんを見捨てる選択肢を、あなた選びましたか?」

 

「愚問ですね、あなたと同じ選択を取りました、何も問題はありません」

 

 

 

雷巡 北上

 

「………やっぱみんな強いなぁ…」

 

羨ましいや

 

私はそうはあれないから

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。