元勇者提督   作:無し

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思惑

駆逐棲姫のアジト

駆逐棲姫

 

駆逐棲姫「さあ、幕は上がった、最後の戦いの始まりです」

 

護衛棲姫「…最後、デスカ」

 

駆逐棲姫「勝っても負けても、私を打ち倒すほどの強さを持つ敵はもはや居ません、地球外生命体やCubiaが私に喧嘩を売ってきたら…まあそれはそれで楽しめそうですが」

 

軽巡棲姫「離島の戦力を随分評価するのですね」

 

駆逐棲姫「貴方のそのやられっぷりを見ましたからねぇ、川内さんにえらく手ひどくやられたものです」

 

軽巡棲姫「姉さんは容赦がありませんから…多少加減してくれるかと思いましたが、残念ですね」

 

駆逐棲姫「作られた姉妹なんてそんなものでしょう…」

 

護衛棲姫「…今回ノ作戦、私ハ如何様ニ致シマショウカ」

 

駆逐棲姫「うーん……好きにして良いですよ?」

 

護衛棲姫「エ…?」

 

駆逐棲姫「貴方なら私優先で動くし…とやかく命令されるよりきっと良い仕事をしてくれますよね?」

 

護衛棲姫「ハ…ハイ」

 

駆逐棲姫「……そんなに不安そうな顔をしないでください、確かに貴方は強いとは言い難いですが優秀です、私は貴方を信頼している、期待に応えてくれますね?」

 

護衛棲姫「……ワカリマシタ、駆逐棲姫様ニトッテ、最良ノ結末ヲモタラス為、少シデモオチカラニナリマス」

 

自信のこもった瞳で見つめてくる

 

駆逐棲姫(うーん、ちょっと発破をかけすぎたかな…無理に動いて死ななければ良いけど)

 

駆逐棲姫「さて、罠を張り、網にかかった獲物を殺す、それだかですが面倒な仕事でもあります、しくじらない様にしてください?」

 

軽巡棲姫「しくじれば真の死、と言うだけでしょう…死装束はすでに着ていますから、何も心配ありません」

 

駆逐棲姫「おや、貴方もそんな冗談を言うんですね」

 

軽巡棲姫「意外ですか」

 

駆逐棲姫「命懸けの殺し合いにリラックスして立ち向かってくれるならなんの問題もありませんよ、しかし……その落ち着き様、まるで何か策があるようですね?」

 

軽巡棲姫「ええ、無策に戦って勝てる相手ではありませんから」

 

駆逐棲姫「おやおや、その敵は余程強大らしい」

 

軽巡棲姫「姉さんも、那珂ちゃんも…私の手の内全てを知っていますから」

 

駆逐棲姫「なるほど、それは強大ですね」

 

軽巡棲姫「ええ…貴方ほどにね」

 

駆逐棲姫「…ふふ……さあ、敵は大軍、それも悍ましい殺意を向けるような人達です、私たちはどこまでやれるのか、楽しみですねぇ?」

 

護衛棲姫「…勝利ヲ、必ズヤ、献上シテミセマス」

 

 

 

 

 

 

離島鎮守府

駆逐艦 朧

 

秋津洲「特務部…と、佐世保所属の秋津洲、貴艦隊に指揮官を預ける……かもー」

 

春雨「なんでそんな嫌そうな顔してるんですか」

 

秋津洲「性悪女王の部下と心中なんてごめんかも!あーあ!逃げればよかったぁぁ!」

 

朧「あの…そう悲観しないで欲しいんですけど…?」

 

秋津洲「あの駆逐棲姫相手にどうやって勝つの!?勝算は!?」

 

春雨「……無いですね」

 

朧「…まあ、無いですね」

 

秋津洲「戦争するのにそれでよく命かけられるかも!馬鹿ばかり!?」

 

春雨「……口が過ぎますよ、裏切り者だった癖に」

 

秋津洲「はーあ、この特務部の絶対的エース秋津洲様相手に良くそんな口がきける……あ、待った!待つかも!刃物はNo!」

 

春雨「じゃあその口縫い合わせましょうか」

 

秋津洲「待って!冗談!全部ウソです!本当は秘密兵器用意してました!」

 

朧「…秘密兵器?」

 

春雨「貴方が作ったものなんて…」

 

秋津洲「作成担当はあたしじゃなくて……」

 

朧「数見さん?」

 

秋津洲「でも無くて…そ、その…」

 

春雨「あーもう!ハッキリしませんね!?」

 

春雨が秋津洲の首に刃物を押し当てる

 

秋津洲「あ、綾波!綾波かも!」

 

春雨「かもは要らない!」

 

秋津洲「綾波です!……かも」

 

朧「綾波の作った秘密兵器…?」

 

秋津洲「ちょ、ちょっと前に送られてきた!そ、添えられてた文章にはヘルバの連絡先が掴めなくてやむを得ず特務部に送ったって書いてあった、だから詳細は知らなくて…」

 

春雨「……見せてください」

 

秋津洲「に、二式大艇ちゃんのなかに積んでますん…」

 

朧「行こう、早く確認しよう」

 

 

 

朧「……これ?」

 

春雨「どうみてもただの…服ですよね?」

 

秋津洲「いやいや何をおっしゃいますやらかも!これは、最新式の強化プラスチック繊維を使って作られてて、吸水性も通気性も完璧!最高の一着かも!」

 

朧「た、確かに肌触りはすごく良いけど…」

 

春雨「しかも軽いですね、すべすべと言うかふわふわした手触りが心地よくて私は好きですよ、幾らですか?」

 

秋津洲「なんと一着2万円で提供中かも!」

 

春雨「わあお安い……って遊んでる場合じゃ無いんですよ!」

 

秋津洲「痛っ!?殴る事ないって言うか先に始めたのはそっちかも!」

 

朧(どっちが悪いかで言えば春雨さんだよね…)

 

春雨「それで?他に性能は?」

 

秋津洲「……生存の可能性を高めてくれるかも、とだけ書いてあったかも」

 

春雨「貴方のかもか綾波さんのかもか分かりづらい!!」

 

秋津洲「あ、綾波も多分って…」

 

春雨「…刺しましょうか?」

 

秋津洲「ごめんなさい!もう遊ばないかも!」

 

春雨「……はぁ…まあ、もう良いです、確かに衣服は不足してました、清潔な布は本当にありがたい、今すぐにでも配布しましょう」

 

朧「あ、今のかもは許すんだ」

 

春雨「…反応した方がよかったですか?」

 

秋津洲「もう許して欲しいかも!」

 

 

 

 

 

駆逐艦 朝潮

 

朝潮「あの、すいません」

 

秋津洲「かも?」

 

春雨「…今、取り込み中なんですけど」

 

朝潮「お二人にしか頼めない事がありまして…」

 

 

 

 

 

大黒宅

青葉

 

青葉「司令官をリアルに帰す方法って?」

 

ヘルバ『ヴォータンがカイトの双剣をデリートした時のこと、覚えてるかしら?』

 

青葉「……はい、いきなり司令官が割り込んできて…」

 

ヘルバ『武器をデリートした際、カイトの身体にノイズが入ったのは覚えてるかしら、あの瞬間、あの場所でだけ空間の歪みがあったわ、デリートの強力すぎる力ゆえね』

 

青葉「そ、それが?」

 

ヘルバ『今のカイトにはネットに長く滞在し過ぎたせいでプロテクトがかかってる、本人も気づいてないみたいだけど、自身を守るためのモノ…そのプロテクトがあるうちはリアルに戻せない、だからヴォータンにそのプロテクトを破らせる』

 

青葉「そ、それ一歩間違えれば司令官が…」

 

ヘルバ『上手くやりなさい、結局は貴方に頼る事になるの』

 

青葉「…ヘルバさんは動けないんですか?」

 

ヘルバ『私は春雨のサポートがあるの』

 

青葉(そっか、みんなは最終決戦に臨むんだ…でも、私も…絶対に…!)

 

ヘルバ『…大丈夫、貴方ならできるわ』

 

青葉「…恐縮です」

 

 

 

 

 

離島鎮守府

駆逐艦 朧

 

朧「作戦決行はすぐそこ、チームを分けて二式大艇による強襲班と海上戦力に分かれるよ…!」

 

アケボノ「上手くいくのかしらね」

 

朧「いくよ、絶対に上手くいく……そうじゃなきゃみんな全滅するだけ」

 

天龍「朧さん」

 

朧「天龍さん…お久しぶりです」

 

天龍「作戦室で火野司令官達がお呼びです」

 

朧「わかりました」

 

 

 

 

作戦室

 

火野「今回は我々の戦力も全て、君達に預ける事になる」

 

朧「…てっきり私は火野司令官達が指揮を執るのかと…」

 

アケボノ「私もそう考えていましたが」

 

火野「そうするつもりだった…が、ヘルバに呼び出された、策があるらしい」

 

朧「策?」

 

度会「俺たちも何も聞いていない、だが、かかりつけになる事になるそうだ、だからそっちに全てを任せる事になる」

 

アケボノ「…それは流石に無責任では?」

 

亮「上手くいけば、一気に問題が前進する事になりそうだって話でな、ここまで来ると現場で培ったコミュニケーションで乗り切ってもらう方がまだマシだろ」

 

アケボノ(…指揮はキタカミさんが特に秀でてた、私がみんなの前に立つのは…憚られる、そうなると……どうするか)

 

朧「…よし、それなら私がやります」

 

アケボノ「…アンタが?」

 

朧「無理に作戦を立てる必要はない、狙うは綾波の首一つ…綾波さえ止めれば、きっと全部止められる…」

 

アケボノ「んなわけないでしょ」

 

朧「だったとしても、1番の脅威は綾波だよ、綾波は周りと合わせた攻撃も得意だし、綾波を孤立させて戦わないとまず勝ち目は絶対ない」

 

アケボノ「……もはやそれは…」

 

朧「無策だったとしても、やるしかないよ、絶対にやるんだ」

 

攫われた明石さん、島風、曙、そして寝返った神通さんを…

それだけじゃない、やられたみんなの仇を…

 

 

 

 

 

ヘルバ

 

ヘルバ「これは、私1人ではとても無理ね」

 

数見「まさかダックの女王と共闘するとはな…」

 

ヘルバ「かつてのアペイロンもそう言ったわ、ワイズマンに双星、そして死の恐怖」

 

徳岡「…おれは肩書きなんかねぇぞ」

 

度会「……早く始めよう、時間がない」

 

ヘルバ「ええ、始めましょう…女神のGIFT、ちゃんと役立たないと」

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