元勇者提督   作:無し

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戦争

駆逐棲姫のアジト

駆逐艦 天津風

 

天津風(人数は圧倒的にこっちが有利なのに、強すぎる…速過ぎて対応できない…!)

 

レ級「……」

 

睦月「あぅ…」

 

白露「攻撃が当たらないし、一方的に攻撃される…」

 

天津風「…でも、ここで折れたら島風は助けられない…!」

 

勢いだけはよかった、しかし、島風は私たちの期待とは裏腹に、無情に、その爪を振るい、尾を振りまわし、私たちを追い詰め続けた

 

天津風(どうすれば良いの!?島風の意識は、どうすれば取り戻せるの…?)

 

島風が加速したのを確認し、加速して追いかける

 

天津風(捕まえて、止め…っ!?)

 

島風が急に振り返り、こちらへと爪を振るう

 

天津風(ダメ、避けられない!)

 

レ級「!」

 

爪が何かに阻まれる

 

龍田「…は〜い、こんにちは♪」

 

天龍「間一髪…!」

 

刀と槍が交差し、島風の爪を防ぐ

 

白露「あ、た、たしか佐世保の…!」

 

睦月「佐世保の龍田さん!」

 

天龍「犠牲者は…!」

 

五月雨「今の所いません!」

 

2人が島風を弾き、一度退がる

 

天龍「…龍田…貴方は、五月雨さんに…皆さん!私を、援護してください…!」

 

天津風「え、援護?」

 

白露「って言われても…!」

 

天龍「私が、動きを制限します…私に当てても良い、とにかく撃ってください…!」

 

天龍さんが刀を構え、ゆっくりと島風に近づく

 

睦月(…天龍さんの足元…あれ、血…?)

 

五月雨「え?……え!?そ、そんなこと…」

 

龍田「良いからやりなさい、やらないと全滅することになるわよ〜?」

 

五月雨「……は、はい…!」

 

天龍「……さて…島風さん…貴方を、此処で倒します…全力で」

 

天津風(だ、大丈夫なの…?)

 

天龍さんがにじり寄り、高く刀を構える

 

天龍(心配ない、間合いは私のもの、距離は僅か1メートル、追い込め、とにかく動かせるな、撃たせろ、私が…)

 

島風の尾が斬られ、吹き飛ぶ

 

天龍「………動いたら、その部位から、斬り落とします」

 

天津風(た、太刀筋が見えなかった…や、やれるの?島風を…!)

 

天龍「砲撃、開始…!」

 

その言葉と同時に天龍さんが踏み込む

金属音が何度も鳴り響く

 

天龍(私から離れようとしない、剣を防げる余裕から?…いや、そんなもの関係ない!)

 

五月雨(……ごめんなさい…!!)

 

天津風「え…?」

 

天龍「ぐ…!」

 

天龍さんの下腹部を砲弾が通過し、島風が被弾する

 

龍田「今!撃ち続けて!」

 

島風が砲撃を受け、揺れる

逃げようと体を逸らしたところを天龍さんが掴みかかる

 

天龍「…すみませんが、逃げないでもらいたいです…!」

 

白露「あ、当たっちゃう…!」

 

天龍「構いません!早く撃って!!」

 

天津風「な、なんで!?」

 

龍田「もうどの道ダメなの、さっき道中でお腹を吹き飛ばされて、渡されてた修理要員じゃ回復しきれてないの」

 

睦月「そ、それ…死んじゃうって事…?」

 

龍田「天龍ちゃんのことを思うなら…撃ちなさい」

 

龍田さんが駆け、天龍さんごと槍で島風を貫く

 

レ級「…!」

 

龍田「…天龍ちゃん、お疲れ様」

 

天龍「……後、は………龍田……」

 

龍田さんが槍を壁に突き刺し、島風を固定する

 

龍田「……おやすみ…」

 

 

 

 

 

 

綾波

 

綾波「……おや」

 

レ級を呼び出したのに、曙さんしか来ない

という事は…手こずってるな、しかし、そんな実力者…誰だ?

 

綾波「まあ良いや、貴方で最後です、アケボノさん♪」

 

アケボノ「……」

 

綾波「私、メインディッシュは最後に食べるタチで……ああ、もう早く食べたくてたまりません!」

 

アケボノ「…何人殺したか、覚えてますか」

 

綾波「さあ?そんなの気にしてるようじゃ足りませんから」

 

アケボノ(…足りない?)

 

綾波「それよりも……やはり人間の姿の貴方では物足りません、そんな肌の色してるし、覇気がないし…何より弱い……」

 

アケボノ「……そうですか」

 

綾波「また、レ級にしてあげますね♪」

 

アケボノ「お断りします!」

 

アケボノがこちらへと詰め寄り、斬りかかる

レ級にそれを防がせる

 

アケボノ「アンタもいつまでも寝てんじゃないわよ、曙…!!」

 

綾波(さて、どうするかな、いじらしいのは嫌いなんですよね、さっさと殺しちゃうかー)

 

アケボノ(私1人じゃこの2人を相手にするなんて到底不可能…か…!)

 

アケボノが迫るマグマをかわし、横に回り込む

 

綾波「……はぁ、貴方も所詮人間の姿ではそんなものですか」

 

アケボノ「そうだ…何が悪い!人間の力で、人間なりの力で戦うなら誰だってそうだ、深海棲艦一体に此処まで苦戦し、苦しみ、それでも………いや、そんな問題じゃないか」

 

アケボノの脚が止まり、立ち止まる

 

綾波「……?」

 

 

 

駆逐艦 アケボノ

 

アケボノ「……そうだ、もう覚悟はした、したんだ…!思い出しなさい、私は…もう死んでいい…」

 

今更、何故そうしなかったのか…

胸に手を当てる、服を掴み、爪を突き立てる

 

アケボノ「……深海棲艦は人の命を喰らい、その喰らった命を力に変える、謂わば死の力…私は、死の力はもう使い果たした、だから人の姿に戻った…」

 

綾波「急に何を…」

 

アケボノ「本当に使い切ったと思いますか?……そんな訳がない、私はまだ生きています…!」

 

心臓が、冷える感覚

身体の内側から、変質するような…

 

綾波「……まさか、貴方自分の命を喰らって…!やめなさい!そんな事して、末路は…どうなるのかすらわからない!」

 

レ級「……知った事ではありません、もう捨てたんですよ、自分勝手な私は、もう捨てた…自分の命も、提督の命も」

 

綾波「っ……さっさと制圧した方が良さそうですね、行きなさい!」

 

レ級「…曙、この姿なら…アンタには負けないから」

 

こちらへと迫る曙を尻尾で弾き飛ばす

 

レ級「…!」

 

レ級「カタチも、何もかも、よく似た私達は…いや、全く同じ私達は……こうやって区別するしかない」

 

綾波を睨みつける

 

綾波「……なッ!?」

 

綾波の背後から戦艦棲姫の怪物のような艤装が現れ、綾波に襲いかかる

 

綾波(こんな事…いや貴方はできるんだったか…!)

 

レ級(速攻で、綾波を倒す!!)

 

飛行場姫と離島棲姫の艤装を呼び出し、艦載機を大量に呼び出す

 

綾波(この量の艦載機、そしてあの艤装の操作……流石…ああ、やはり貴方は素敵だ……私が欲しいと思うのも無理はない、貴方は本当に素晴らしい…!)

 

レ級(脳への負荷が、深刻…!だけど、この艦載機の群れで曙は止められる…綾波にも、攻撃でき……っ?)

 

脳への負担が一気に消える

 

レ級「…マズイ、それは、無しでしょ…?」

 

溶けた天井が艦載機を絡めとり、破壊する…

半分は消されたか…

 

レ級(……いや、むしろ脳への負担が減った分…!)

 

艦載機が曙へと突っ込む

 

レ級「貴方に集中できる…!」

 

綾波「アハッ、お待ちしてましたよ!」

 

双剣を構え、綾波へと駆け、飛び上がる

 

レ級「…!……今!」

 

双剣を空中で背後へと投げる

 

尻尾を伸ばし、綾波へと尻尾の頭部分が噛み付く

 

綾波「……」

 

抵抗もせず、綾波はそれを受ける

 

レ級(そう、貴方は私に圧倒的力を誇示するために敢えて受ける…なら、この不意打ちは通用する!!)

 

真後ろから飛んできた主砲を受け取り、向けて放つ

 

綾波「!…それは…」

 

朧「アタシの主砲だよ!!」

 

朧が飛び出し、受け取った双剣で斬りつける

 

綾波「な…!?なんで生きて…!」

 

朧「忘れた?……応急修理要員、アタシも持ってたんだよ…!」

 

綾波(しまったな、入念殺せばよかった…!)

 

朧「アケボノ!」

 

レ級「わかってる!」

 

2人がかりで、逃さず、朧の斬撃と、私の砲撃…

 

綾波「……はぁ」

 

レ級「っ!?」

 

伸び切った尻尾を掴まれ、地面に叩きつけられる

追撃を逃れるために尻尾を切り離し、距離を取る

 

綾波「すごく、残念です……私の想像通りなら、貴方の命は永くない、残念ですよ」

 

レ級「……」

 

綾波「…貴方はもう必要ない、代替品で我慢しましょうか」

 

曙が背後から突進してくる

 

レ級「ぐッ… 曙!?」

 

曙を弾き飛ばし、距離を取る

 

綾波「そっちで遊んでてください、私は朧さんを殺すので」

 

朧「…そうはいかないよ」

 

綾波「……死んだ方が幸せなんですよ?」

 

朧「そんな訳ない!」

 

綾波「アケボノさんならわかってるでしょう、この戦いが終わったら…どうなるか」

 

レ級(…綾波が死んだとして、深海棲艦がいなくなる訳じゃない……が、脅威としてのレベルは下がるかもしれない…そして、全世界に艦娘システムが…)

 

綾波「わかりませんか?朧さん、次戦う相手は人間になるでしょう、それも同じ艦娘…」

 

朧「…どうして」

 

綾波「私を倒したという実績です、余りにも邪魔だ、世界最大で最強の犯罪者を殺した貴方達は英雄であり、目の上のたんこぶですよ、貴方達を管理しようといろんな国や人が手を回す……最終的に貴方達は権利を捨て、兵器になるか人として人と戦うかを選ぶ事になる」

 

レ級(確かに、そうなるだろう…強すぎる力は…世界を救うためにあるとしても、常に受け入れてもらえるとは…)

 

綾波「艦娘と戦って、勝ってしまったら?次は銃を持った人間と戦わなくてはならない、深海棲艦を無視してね?貴方達はこの戦いに勝ったら不幸になるんです、本当に私とやりますか?此処で逃げてひっそりと悔やみながら死ぬ方がまだ健全で幸せですよ?」

 

朧「……」

 

綾波「悔しいとか、悲しいとか…負の感情ですら感じられるのは生者だけに許された権利です、それをドブに捨てるなんて、なんて勿体無い…私の話してる事、わかりますよね?伝わりますよね?」

 

朧「…だから、何?アタシは、綾波に比べれば確かになんでもないやつかもしれない、賢くなくて、感情的な…でも、それの何が悪い!」

 

綾波「話すだけ無駄か、利口なら許してあげようと思ったのに」

 

朧「許しなんていらない、ここで、終わろう…綾波との戦いが終わった後なんて、誰も考えてない」

 

レ級「そう、今はみんなただ一つのことだけを見ていれば良い」

 

綾波「……ああ、わかった」

 

朧「……?」

 

綾波「島風さんを止められる人、ずーっと考えてたんですよ、天龍さんぐらいかなぁ、足りないかなぁって思ってたんですけど、天津風さんを足せべ足止めくらいはできるかも…」

 

レ級「私達を前に、そんなこと考える余裕が…」

 

綾波「ありますよ、貴方達弱いし」

 

目の前の景色が入れ替わり、背後から砲撃を受ける

 

レ級「あ!?」

 

綾波「こんな事だって、簡単にできるんですから……今の私には、貴方達なんて相手になりはしない」

 

レ級(思っていた以上に…強烈な…)

 

撃たれた背中が痛む

 

自切した尻尾に目をやる

 

レ級「……はぁ……」

 

床を、強く踏みつける

 

綾波「っと?」

 

朧「うわっ!?」

 

地面にヒビが入り、海水が流れ込む

 

綾波「…入り口こそ海上にありますが、この辺りはすでに海の中ですからねぇ、そんなに水中戦がしたいですか?」

 

自切した尻尾を持ち上げる

尻尾の中を管を通るように海水が流れることを確認する

 

レ級(後は、セットするだけ、うまくやれば…)

 

綾波(……なんだ?…再生できないのか)

 

綾波「目的が掴めませんね、何がしたいんですか?」

 

尻尾を溶けた天井に投げる

顔部分が天井に突き刺さり、水が数秒だけ流れる

 

綾波「……」

 

朧(…隙だらけ、に見える…)

 

レ級(あとは、とことん…やるだけよ、朧)

 

2人がかりで綾波に詰め寄ろうとするも

曙が私の前に立ち塞がる

 

レ級「…!邪魔なのよ、アンタは!」

 

朧「アケボノはそっちでやってて!綾波はアタシが!」

 

綾波(あー…私あっちにすればよかったなぁ…)

 

戦艦棲姫の艤装を呼び出し、拳を振るわせる

 

レ級「ちょこまかかわすな!さっさと当たりなさい!!」

 

直接蹴りを叩き込み、吹き飛ばしたところに怪物がさらに襲いかかる

殴りつける、ひたすらに殴りつけ、壁に叩きつけ、壁を突き破るほど殴り、砲撃も撃ち込む

 

レ級「……っ…」

 

怪物が消滅すると同時に膝をつく

 

レ級(体力が、やや厳しいか…いや、後少しだ、今なら、綾波は朧が止めている)

 

気配を殺し、綾波に迫る

 

綾波「!」

 

綾波の背後から襟を掴み、垂れ下がった尻尾へと投げる

 

レ級「燃え尽きなさい!!」

 

尻尾が綾波を絡めとり、綾波の衣服に着火する

 

綾波(な…炎は無いのに、発火?……違うな、痛覚や温度感知を切っていたけど、天井のマグマで熱した海水が流れ込み続けて……あー、この辺りが着火するくらいの温度なのか、つまり)

 

綾波「過熱水蒸気かー…うーん」

 

レ級「……死なない、か…」

 

朧「…あれもダメ、これもダメ、か…」

 

綾波「今この辺り何度くらいなんでしょう、温度感知を入れたら200℃くらいありそうですねぇ…ほら、皮膚なんか焼け爛れて…あーもう、汚いなぁ」

 

綾波が黒い球体に呑まれ、消滅する

 

レ級「!」

 

振り返ろうとしたが、間に合わずに背後から蹴られる

 

レ級(この、威力…!)

 

朧「ぁ…が…?」

 

綾波「ああ、ごめんなさい、つい全力で蹴っちゃいました……まあ、朧さんは内臓ぶちまけましたが貴方は平気ですよね?」

 

レ級「…馬鹿げてる…」

 

戦艦の腹をぶち破る威力

戦艦どころの騒ぎではない威力…

 

力の塊、触れた部分が消滅するような…

 

綾波「さて、さてさて、メインディッシュ、いただきます」

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