元勇者提督   作:無し

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謁見

東京 サイバーコネクトジャパン本社前

青葉

 

青葉「……ま、いきなりアポ無しで突撃なんて…通じる訳ないか…」

 

ビルを出て、すぐそばの公園のベンチに腰掛ける

 

青葉(どうにか、未帰還者に対する責任をとって欲しいけど…)

 

それだけのためにここまできたけど、やはり話は通じない…

私の今抱えてる問題は一朝一夕には終わらない…

 

曽我部「そこのお嬢さん、もしかしてお暇?ちょっとオジサンとお茶しない?」

 

青葉「うぇっ!?」

 

曽我部「まーまー、いいからいいから、ほら」

 

あれよあれよとそのまま連れ去られ

 

 

 

 

曽我部の事務所

 

青葉「えっ……あ、そうだ、どこかで見た顔だと思ったら、貴方が団長…!」

 

曽我部「いやー、横須賀で会った人とまるで同じ顔してるからオジサンびっくりしちゃったよ、っていうか双子?うーん、見れば見るほど瓜二つって言うかさー」

 

青葉「…あの、私を連れ込んで何を…」

 

曽我部「んー、目的ってほどのものはないんだけど…青葉ちゃん、やりすぎちゃったって感じかな」

 

青葉「やり過ぎ?」

 

曽我部「簡単に言えば…介入し過ぎだな、俺をすっ飛ばしてCC社の代表取締役に直接会いに行った…しかも今回が初犯じゃないそうだし?」

 

青葉「……何か問題でも」

 

曽我部「いーや?何にもない…って言いたかったんだけど、これが大有りなんだまた」

 

曽我部さんがジャケットに手を突っ込む

 

青葉「っ……?」

 

曽我部「飴ちゃん、食べる?」

 

銃でも出てくるのかと思ったが、出てきたのは棒付きキャンディ…

 

曽我部「いやー、頭脳労働してると糖分が欲しくなってさ」

 

青葉「……結構です」

 

曽我部「そお?…ま、簡潔に言やぁシックザールに向いてる目がちっとばかし厳しくなった…ってとこかな…ま、あんまり良くないことだが」

 

青葉「…それは、すみません」

 

曽我部「で、俺は青葉ちゃんが直撃するちょっと前に呼び出しくらって、こう言ってやったのよ…データログの閲覧権限を含むより多い権限を譲渡しろってな」

 

青葉「…えーと…あの、私その辺のことはあまり詳しくは…」

 

曽我部「ああ、さっぱり?簡単に言えば誰がどこからログインした、どのサーバーからどこへ移ったかを見る権限とか、そう言うのをちょうどさっきもらってきたんだよねぇ」

 

青葉「もらっ…え?」

 

曽我部「いやー、青葉ちゃんのおかげで得したなぁ!」

 

青葉(だ、ダシにされた…?)

 

曽我部「ま、今回は悪くない方向に流れたから良かった…が、だ」

 

青葉「……」

 

曽我部「CC社に深く関わるのはやめとけ、最悪殺される」

 

首を掻き切るジェスチャー…

 

曽我部「社会的地位がどうだか知らねぇが、あれは関わっちゃいけないタイプのモンだ、関わったら自分の首を絞めるだけだ」

 

青葉「……命懸けの仕事をしてる相手にいうことでしょうか」

 

曽我部「…マ、そりゃそうか…だが、わかっといて欲しいのは俺は憎くてそんな事言ってるんじゃ…ありゃ?」

 

チャイムが何度か鳴る

 

曽我部「ったく、誰だよ、人が大事な話してる時に…」

 

曽我部さんが席を立ち、入り口へと歩く

 

曽我部「うわっ…何だ、脅かすなよリーリエ」

 

リーリエ「脅かすなってなによ、そっちが呼んだんでショ?」

 

青葉「…この声って…」

 

リーリエ「あ、お客さん?…仕事中だった?」

 

曽我部「いや……紹介する、リーリエ・ヴァイス…いや、チェロって言った方がわかりやすいか」

 

リーリエと呼ばれた少女がペコリとお辞儀する

まだ幼い…ゲーム内のキャラと身長は変わらないのかもしれない

年齢的には暁さん達よりは少し上か…?

 

青葉「や、やっぱり…あ、青葉です…」

 

立ち上がってお辞儀する

 

リーリエ「青葉…って、あの青ちゃん?」

 

青葉「あ、えと…はい」

 

リーリエ「えー!どうしたの!?遊びに来てくれたの?」

 

青葉「い、いえ、そう言う訳じゃ…」

 

曽我部「今後の活動方針について話し合いだ」

 

リーリエ「エ?でも問題ないんでしょ?」

 

曽我部「まあ、今の所はな」

 

リーリエ「なら良いじゃん!青ちゃん!一緒にご飯食べて行かない?」

 

曽我部「おいおい、無理に誘うなよ…」

 

青葉「えと…その…」

 

リーリエ「どーせリュージの分も作るんだから、遠慮しなくても良いんだヨ?」

 

青葉「…曽我部さん、普段からこんな小さな子にお世話されてるんですか?」

 

曽我部「オイオイ、その言い方は語弊が…っていうか目線が冷たくないか…?多分、誤解があると思うんだが…」

 

青葉「…親子でもネグレクト…いや、でも…髪の色も…」

 

曽我部「あーあー!わかったって、リーリエ、食べていってくれるそうだから飯の用意頼んだ」

 

リーリエ「任されたヨ!」

 

曽我部さんがリーリエを追い払う

 

曽我部「……さて、簡潔に言えばリーリエは親戚の子…だな」

 

青葉「親戚の、子…」

 

曽我部「ただ、それも複雑でな……あー…クソ、話し始めて悪いが、掻い摘んだことに……」

 

曽我部さんがポケットからメガネケースを置き、眼鏡を取り出して机に置く

 

青葉「……いや、違う…VRスキャナ…」

 

曽我部「…さすがヘルバの手の者、正解だ……こいつは医療器具ってのも…?」

 

青葉「知ってはいます…」

 

曽我部「……シックザールは、ただのCC社の雇われ傭兵って訳じゃない、みんな何処かにキズを抱えてる…簡単に言えばPTSD用の医療器具って感じか」

 

青葉「…リーリエちゃんも…?」

 

曽我部「そういう事だ、まあ…難しい事情があってリーリエは俺が面倒を……見られてる、何つってな…」

 

青葉「笑えませんよ…」

 

曽我部「……ま、いい…みんな個性的かつ繊細な奴らだが、悪い奴じゃない、仲良くしてやってくれ」

 

青葉「……ええ、わかりました」

 

 

 

リーリエ「ご飯できたー……ヨ?」

 

青葉「騎士団が通るエリアを限定するのはどうですか?ココとココを封じれば大通りだけの簡単な防衛戦を展開できます、先程見せていただいた名簿の中ですとオルゲルさんが防衛に特に適している様に…」

 

曽我部「あー…リーリエ、助けてくれ…」

 

リーリエ「何やってるの?リュージも、青ちゃんも…」

 

曽我部「作戦会議、らしい……まさかメトロノームタイプだったとは思ってなかった」

 

青葉「メトロノーム…って、あの私を刺した…?」

 

曽我部「そうそう、そのメトロノームだ…案外気が合うかもな」

 

青葉「…成る程、そう言えばお会いしてませんね」

 

曽我部「ま、会うことがあれば謝るだろうさ、そのくらいの分別はつく」

 

青葉「……あ、ところで…このガイストさんだけ情報が少ないんですけど…」

 

曽我部「ガイストはCC社から派遣されてるお目付役みたいなモンだな、他のメンバーは俺が勧誘したが…ガイストだけはCC社の推薦だ」

 

青葉「そうなんですね…」

 

目の前の書類を押しのけて皿が並べられる

 

リーリエ「先に、ご飯食べよっか!」

 

笑顔で怒ったリーリエが食事を並べていく

 

曽我部「助かった、さ、飯にするか」

 

 

 

 

リーリエ「えっ!?福岡ってここからすごく遠い所だよね!?」

 

青葉「ええ、リーリエちゃんはもう地理もわかるんですね」

 

曽我部「ま、最近の教育はかなり進んでるらしいし?」

 

リーリエ「リュージじゃ勉強わかんないかもね」

 

曽我部「わからなくはなくても、もうゴメンだな」

 

青葉「…あ、すみません、もう新幹線の時間なので失礼します」

 

曽我部「あー、なら車で送るけど」

 

青葉「大丈夫です、送ってくれる約束があるんです、ペーパードライバーですけど」

 

曽我部「…あー、横須賀の?」

 

青葉「はい、そう言えば会ったんでしたっけ…変なこと言いませんでしたか?」

 

曽我部「いや、特に…良い…あー、御姉妹をお持ちで」

 

青葉「自慢の姉です」

 

 

 

 

衣笠「よっ!」

 

アオバ「いやー、道に迷っちゃって時間かかっちゃった…まだ新幹線間に合う?」

 

軽車両の窓から2人が顔を出す

 

青葉「余裕持ってるから、大丈夫」

 

アオバ「よーし、じゃあ安全運転で飛ばしちゃうよ〜」

 

衣笠「……アオバ、免許取り立てなんだからやめてよそういうの…それに片手になってから運転したのさっきが初めてでしょ?」

 

アオバ「別に問題ないですー!オートマなら良いんですーだ!」

 

青葉「信じてるから、ちゃんと送ってよ?」

 

アオバ「あいあいさー!」

 

 

 

 

 

 

ネット

アカシャ盤 頂上

???

 

「…ああ、ようやく着きました…はぁ、階段は足腰に来るものがありますね」

 

アウラ「……貴方は」

 

「あ、いえ、お気になさらず…ちょっと貴方にお会いしたくて」

 

アウラ「貴方の目的は?」

 

「…そんなもの有りません、しかし…ああ、どうやら今の私は何の力もない」

 

アウラ「……貴方は、ここに辿り着いてしまった」

 

「それは貴方の責任です、私はみんなに言うんですよ、何か起こる前にセキュリティはアップデートしろと……ああ、その岩戸は私が別の保護をかけておきました」

 

アウラ「…何のために?」

 

「さあ、人間らしく無駄なことをしたのかもしれませんね、それより……そうですね、何かをくれませんか?何でも良いんです、でも何も持っていないのは味気ない」

 

カランと音を立てて直剣が目の前に落ちる

それを手に取る

 

「……おや、これは…」

 

アウラ「何か、思うことがある?」

 

「心配ありませんよ女神様、私は何も企んでませんから」

 

アウラ「……」

 

「ただ、そうですね…ああ、目的、見つけました……地獄の底に落ちてみようかと♪」

 

アウラ「…それが、望み…?」

 

「ええ、どうですか?お力になりますよ」

 

アウラ「…わかった」

 

床に手を翳すと同時に目の前に水が湧き出る

 

アウラ「それは…記憶の泉…?」

 

「勝手に作ってすみません、私が移動するためにまた階段を降りたりセキュリティを外すのは疲れますから…それでは、またいつか…」

 

記憶の泉が輝く

 

アウラ「……モルガナの、小さな子よ」

 

手を前に突き出し、アウラの言葉を止める

 

「その言葉は間違いです、私の因子はダミーですし、なにより私はそんな言葉をいただく立場じゃない」

 

アウラ「…貴方は、カイトを……」

 

「御心配なく、手出しはしませんよ」

 

軽く飛び、泉へと落ちる

 

「ああ、素敵な地獄が待ってます…」

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