元勇者提督   作:無し

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時間を超えて


The・World

データ潜航艦 グラン・ホエール

トキオ

 

トキオ「……ん…?こ、ここは……うわっなんだコイツ!?」

 

目が覚めたら、目の前には二本足で立つぬいぐるみみたいな…豚と馬を足したような…ぬいぐるみが…

赤色の髪、学生服にスクールバッグ…オレと同じ…

 

トキランディ「ようやく目が覚めたウパね、オイラの名前はトキ★ランディ、お前の命の恩人ウパよ、感謝するウパ」

 

トキオ(え、えぇ…?それよりオレずっと寝てたのか…?さっきのも全部夢…いや、それよりも…)

 

トキオ「ここ、何処だ…?」

 

トキランディ「ここはデータ潜行艦、グラン・ホエール」

 

ごうんごうんとうめくような音が響く

 

トキオ「うわっ!?な、なんだ!?なにこれ!どうなってんの?!」

 

トキランディ「落ち着くウパよ、それよりそろそろ彩花(さいか)がアクセスしてくる頃ウパ」

 

トキオ「え?」

 

バチバチと音を立てながらホログラムが生成される

 

トキオ「…え?」

 

彩花「うーん……ホロビジョンの調整が難しいわね…ま、そのうち慣れるでしょ…それはそれとして…トキオ…このバカッ!!」

 

トキオ「ば、バカ…?」

 

彩花「せっかくあたしが苦労してここまでこぎつけたっていうのに…勝手にフラフラしてるんじゃないわよ!このバカッタレ!」

 

トキオ「た、たれ…」

 

彩花「改めて自己紹介するわ、あたしは天城彩花、言っとくけど、アンタはあたしの(しもべ)よ!」

 

トキオ「…いや、オレ何も状況が呑み込めてないんだけど…」

 

彩花ちゃんとオレは今朝会ったばかり、オレの中学校に転校してきた彩花ちゃんに屋上に呼び出され、黒いゲームディスクを渡されたところまでは覚えている…

そこからはあの銃使いとカイトの戦い…

そして気がつけばこの状況…

 

トキオ「…そもそも、オレって今どうなって……」

 

彩花「…そこから説明しないといけないの?面倒ね…」

 

 

 

トキオ「すると…オレはやっぱりゲームの…The・World R:Xの中に入ってるんだ…?」

 

ユーザー権を取得できなかった、あの憧れのゲームの中に…

 

トキオ「ス、スゲー!!ってことはオレが勇者!?勇者トキオ!?これから大冒険が始まるんだ!うおー!テンション上がってきた!!」

 

彩花「うるさい」

 

身体に電流が流れる

 

トキオ「んががっ…ピリッと来た…なに、今の…!?」

 

彩花「そのPCボディには色々な仕掛けがしてあるのよ…いい?アンタの使命はアカシャ盤の運行を正常に戻すこと、そのためにアカシャ盤の頂上を目指すのよ」

 

トキオ「アカシャ盤…そう言えば、カイトも言ってた…」

 

彩花「アカシャ盤はマク・アヌに聳え立つ巨大な塔、表向きはCC社の設置した管理システムの制御施設ってことになってる…CC社はわかる?サイバーコネクト社、The・Worldを運営してる会社よ」

 

トキオ「それは知ってるけど、表向きってどう言うこと?」

 

彩花「その辺は直接見せた方が早いわね、これからマク・アヌに行くわよ」

 

 

 

Δサーバー 忘刻の都 マク・アヌ 中央広場

 

トキオ「ここ、フリューゲルって奴に襲われた場所か…それにしても、この石像は一体…?」

 

彩花「黄昏の騎士団よ、CC社の意に反き、時間を止められた勇者たちの成れの果て…」

 

トキオ「あ…カイト…!」

 

戦いの跡地に残されたカイトの石像…

 

トキオ(やっぱりカイトが石にされたのは夢じゃなかったのか…)

 

彩花「CC社はアカシャ盤を使って何かを企んでる、その影響でマク・アヌは廃墟と化し、CC社はそれを隠蔽するためにマク・アヌをネットワークから切り離し、自分たちの邪魔をする黄昏の騎士団を石像にして封印したのよ」

 

トキオ「そんな…」

 

彩花「彼らを救う事はThe・Worldに入り込んだあんたにしかできない…!あんただけがアカシャ盤の運行を正常に戻し、カイトたちの封印を解くことができるの…!」

 

トキオ「…オレだけ…か」

 

彩花「中央広場に連れてきたのは、この石像達を見て欲しかったから…さ、アカシャ盤に行きましょう」

 

 

 

 

アカシャ盤

 

トキオ「これが、アカシャ盤…でけぇー…てっぺんが霞んでる…」

 

何処までも高い、ビルのような塔…

 

彩花「メインシステムに改変された形跡…間違いなくシックザールの仕業ね」

 

トキオ「シックザール?」

 

彩花「CC社に雇われてるハッカー集団、金のためなら何でもする悪質な、ね…アンタを襲った団長のフリューゲルを含めて8人で構成されてる」

 

トキオ「は、8人!?カイトを倒しちゃうような奴らが8人もいるって事…!?」

 

彩花「黄昏の騎士団を石造にしたのもシックザールの仕業よ……アカシャ盤を悪用するCC社…そしてCC社の手先となって動くシックザール…ほんと、汚い連中よ…!」

 

彩花ちゃんの表情からは強い怒りが感じ取れた

 

彩花「でも、あいつらの思い通りにはさせない、させるもんですか…!トキオ、アカシャ盤の中に入って!」

 

トキオ「え、えーと…入り口は?」

 

彩花「近づけばわかるわ」

 

トキオ「このくらい…?」

 

彩花「もっと、もっとよ!」

 

トキオ「近づいたって…別に…うわっ!?」

 

急にあたりにエフェクトが現れ、転送される

 

 

 

 

トキオ「ここが、アカシャ盤の中…?」

 

彩花「そうよ、さっさと進みなさいよ」

 

言われるがままに進む

 

トキオ「…これは?」

 

最奥には円状の…水を貯めてある何か…

 

彩花「記憶の泉…この電子の貯水槽には今までのThe・Worldの時間データが蓄積されてるの」

 

トキオ「時間データ?」

 

彩花「この中に入れば過去のThe・Worldに遡ることができる、ここからだと2009年、The・World R:1にタイムトラベルできるわね」

 

トキオ「た、タイムトラベル!?」

 

彩花「アカシャ盤の真の機能はThe・Worldの時間を管理することなの、騎士団たちを救うにはどうしても過去に行かなきゃいけない、でも普通のPCじゃ記憶の泉の負荷は耐えられない…」

 

トキオ「そうか、だからオレが…」

 

彩花「そう、あんたなら、ゲームに入り込めたあんたなら時間の壁をも突き破れる、トキオ、飛び込んで!」

 

トキオ「……飛び込むの…?これに…いやいや、リアルのオレにしてみればこんな怪しい水に浸かるのは勇気がいると言うか…」

 

彩花「今更なに言ってんのよ!さっさと飛び込みなさい!」

 

先ほどのように電流が流れ、泉に落ちる

 

トキオ「うわあぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

 

 

The・World R:1

Δサーバー 水の都 マク・アヌ

 

トキオ「いっ!?」

 

腰から落下し、地面に強く腰を打ち付ける

 

トキオ「いっ…痛た…ゲームの中なのに…痛みはあるんだなぁ…」

 

辺りは色々なPCが行き交う…中世の町

 

トキオ「人がたくさんいる…さっきのマク・アヌとは全然違う…本当に過去に戻ったんだ……」

 

彩花「やったわ!タイムトラベル成功…!トキオ、一旦グランホエールに戻りましょう」

 

トキオ「え?でもグランホエールは…ええと、2020年にあるんだろ…?」

 

彩花「データ潜行艦グランホエールはアカシャ盤の管理する時間データを移動することができるの、そもそも時間データには頑丈なロックがかけられてるんだかど、アンタがロックを突き破って解除したおかげでグランホエールも行き来できるようになったってわけ」

 

トキオ「それ解除っていうか…破壊じゃ…?」

 

彩花「うっさい、ほら、ちょうど潜航してきたところだわ」

 

トキオ「ええ?何処にもないけど…」

 

彩花「見えるところにあったらシックザールに見つかるでしょうが!戻り方は教えてあげるから、ほら、さっさと戻るわよ」

 

 

 

 

 

The・World R:X

シックザール ギルド@ホーム

重槍士 青葉

 

メトロノーム「トロンメルから報告がありました、侵入者はどうやらR:1に向かったようです」

 

フリューゲル「…追うか、トロンメルでも充分だろうが…」

 

フリューゲル(口うるさいのが何人もいると疲れちゃうんだよなぁ…)

 

フリューゲル「メトロノーム、お前も…」

 

メトロノーム「私はデータのチェックがありますので」

 

フリューゲル「ぐ…むむ…じゃあ…」

 

青葉「…えっ…私ですか?」

 

フリューゲル「あ、行きたい?しょうがないなぁ!青葉ちゃんに行ってもらうか!」

 

メトロノーム「…騎士団の撃破数は団長に次いで多い、異存は有りませんが…しかし、彼女の槍の力は失われたままです」

 

フリューゲル「そういう事なら任せとけって、一応俺のブリーラー・レッスルからフリーズのデータを移した、これなら安心だろ?」

 

メトロノーム「そういう事なら…」

 

青葉「…いつの間に?」

 

フリューゲル「そりゃあログアウトしてる間にちょちょいっと」

 

青葉「…そうですか」

 

フリューゲル「…あれぇ?これってセクハラに該当しちゃったり…しなかったり?」

 

メトロノーム「確か過去にそのような判例を見た覚えがあります」

 

フリューゲル「あー…ごめん、やましい気持ちは…」

 

青葉「いえ、別に気にしてません…」

 

青葉(フリーズって事は、石化の能力…デリートとの違いは…武器を消去できない事…大振りな攻撃は仇になりやすい……注意しないと…)

 

フリューゲル「…メトロノーム、これかなり怒ってないか?」

 

メトロノーム「団長の自業自得でしょう、私に振らないでください」

 

青葉「それでは行ってきます」

 

フリューゲル「…明日俺が逮捕されたらどうするよ」

 

メトロノーム「私が指揮系統を引き継ぎます」

 

フリューゲル「…冷たいぜ…」

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