元勇者提督   作:無し

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晩餐

アメリカ 軍事基地

綾波

 

綾波「とまあ、私は順調に調べを進めてるわけなんですが……あなた達のやってることは自己破滅にしかなりません、やめた方が身のためですよ?」

 

書類を天井に向けてばらまき、周囲の兵士に目線をやる

 

綾波(ま、この体なら…問題ないでしょう)

 

目に熱が籠る、紋様が浮かび上がるのを感じ、改めて言葉を紡ぐ

 

綾波「…よーく、見ておきなさい」

 

兵士達の視界を降り注ぐ書類が塞ぐ

それに合わせ、1人の兵士に飛びつき首を両脚で挟み込み、身体を捻り遠心力で他の兵士の方に投げ飛ばす

 

綾波「一瞬でも見逃せば…全滅しますよ」

 

簡単だ、実に簡単…

私が少し力を使うだけで目の前には死体の山を築く事ができる…しかしそれは目的に反する

 

綾波「アハッ」

 

腕を振るえば1人崩れ落ち、空を蹴れば1人腰を抜かす

 

綾波「武器を捨て、退がりなさい」

 

ああ、何と脆いのか

心を折って仕舞えば、私の言葉にひれ伏すことしかできない

 

綾波「貴方達の上司のところに案内しなさい…ええと、確か目的は…誰だっけ、名前忘れましたけど大佐がいるはずです」

 

大佐の部屋まで兵士に案内させる

 

 

 

 

綾波「どうも、初めまして、遊びに来ました」

 

士官「な、なんでここまで…一体何なんだ貴様は…!」

 

大佐とその護衛がこちらに銃口を向ける

 

綾波「何だ…ふむ……地獄にすら受け入れ拒否された…何かですかね」

 

自身の目に熱が強く籠る事を感じ、抑える

 

綾波「……その銃、危ないですよねぇ…おろしてくれませんか?」

 

護衛が呆然とした表情で銃を下ろす

 

大佐「何をやっている!撃て!」

 

綾波「もう遅いですよ、人間ですらないあなたに私は容赦するつもりは…ありません」

 

士官の脇を通り抜け、先に護衛の意識を奪い、大佐の背中に飛びつき拳銃を突きつける

 

綾波「これ、爆発する弾丸が入ってまして…もちろん深海棲艦にも効くやつ、私オリジナルなんですけど、まだ試して無いんですよ、試していいですか?」

 

大佐「なっ…や、やめてくれ!頼む!」

 

綾波「うーん……深海棲艦になった人間、絶好のサンプルですよねぇ…跪きなさい」

 

大佐「か、身体が勝手に…!」

 

跪かせ、後頭部に銃口を押し当てる

 

綾波「いやー…貴方のこと調べるのは簡単でしたよ、でも仕事はとことん楽するものです、あなたが自分の身内を売ってくれるなら話は早いのに」

 

大佐「な、何が知りたいんだ!」

 

綾波「そうですねぇ…貴方の知ってる全部」

 

大佐「は、話す!だから許してくれ!」

 

綾波「別に怒ってませんよ、だから早く話してください」

 

 

 

 

綾波「収穫無し、私の知ってる事しか喋らない…全く無能な上司を持って部下も可哀想だ」

 

大佐「…アイツらがしっかりしていれば、こんな事には…」

 

綾波「…ほう?まるで自分は悪くないかのような口ぶりですね」

 

大佐「奴らが貴様の侵入を許さなければ…!」

 

銃床で殴りつける

 

綾波「黙りなさい、本当に何もわかっていない…それでも人を従える人間ですか、情けない…いいですか?上司と言うのは部下の適性をしっかり把握しておくものです、あなたの隊には適性のない人たちも沢山いましたよ?」

 

大佐「し、知るか…!そこまで把握できるわけ…」

 

顔面に蹴りを入れる

 

綾波「把握しろ、それがリーダーの仕事だ…例え百でも二百でも…万だろうがなんだろうが、抱えた部下は全部把握しなさい、それが上に立つものの義務だ」

 

アヤナミ(…綾ちゃん、綾ちゃん?何やってるんですか?)

 

綾波「おっとこれは失礼、つい無駄話を…まあ、とりあえず…一つだけ覚えておきなさい」

 

大佐の額に銃口を突きつける

 

大佐「ひっ…!」

 

綾波「部下は言われた事をやるだけでいい、部下の失敗は上司の責任だし、部下が仕事を完遂できなければ上司の指示が悪い、わかりやすい指示だけしておけば、彼らはきっとちゃんとあなたを慕うでしょう」

 

引き金を引き、部屋を出る

 

アヤナミ(…何をしてたんですか?)

 

綾波「ゴミ掃除です、深海棲艦との繋がりが強い一派を一つ始末しました」

 

アヤナミ(あれ、試作品の血清ですよね…?もしかしてあの人深海棲艦になりかけて…?)

 

綾波「正確にはもうなってます、しかし融合率が低い様でした、なので昔作ったサンプルが有効かなと思って…体の一部を犠牲に乖離してくれるんじゃないですか?」

 

アヤナミ(……容赦ないですね)

 

綾波「お互い様です、今から輸送船に乗り込んで日本に戻ります、Linkを動かして北方海域の輸送作戦を援護させてください、ドイツに行くことも考えてこの輸送作戦は私が少し手を貸しましょう」

 

アヤナミ(…だったら、これを)

 

頭の中に資料が流れ込んでくる

 

綾波「良いですね、充分足りてます…把握は完了、準備は問題なし…」

 

アヤナミ(それと、あんまりコルベニクを使っちゃダメですよ、アケボノさんにも負荷がいくかもしれませんから)

 

綾波「手に入れたものは何でも使う、私の手元にあるこのコルベニクのダミー因子は有用に使います…しかし、アケボノさんにバレるとめんどくさいですね、あ、意識をリンクさせて携帯の電源を入れたのでバレてたりして」

 

アヤナミ(あり得るかも…アケボノさんだし、気をつけましょう)

 

 

 

 

 

輸送船内

 

綾波(…思ったより苦戦してるな)

 

深海棲艦の群れに囲まれた船、そしてその護衛艦隊は深海棲艦に為されるがまま…

 

綾波(Cubiaが余計な事しなければウイルスバグなんてリアルに存在しなかったのに、今Cubiaは何してるんでしょうね、とっちめたいところですがどこにいるのか見当もつかない…)

 

無線機を使い、通信を傍受する

 

サウスダコタ『ダメだ!コイツ攻撃が効かない…!』

 

サラトガ『耐えて…!あと少しで味方部隊と合流できるはず、そこまで耐えれば…』

 

綾波(まあ、このままじゃもたないか…仕方ない…データ通りなら、やることは簡単だ)

 

綾波「あーあー、聞こえてますか?」

 

サウスダコタ『だ、誰!?』

 

綾波「こちら後方に展開してる部隊の者です、指揮権を預かりましたので指示に従って下さい、その敵を退けられるようにしてみせます」

 

喋りながら機械を操作し他の通信機を使用不可能にする

 

サラトガ『し、指揮権をって…確認するから少し待ってください……あれ?通信が…』

 

綾波「みんな危険な状況です、あなた達しか頼れない、良いから言う事を聞いてください」

 

サウスダコタ『…仕方ない、どうすれば良い!?』

 

綾波「難しい要求はしません、えーと……ああ、確認できた、作戦を立てるので5秒ください」

 

深海棲艦の位置と、周りの人間の位置…艦娘の位置を把握する

ウイルスバグに侵された深海棲艦はダメージにならないとはいえ吹き飛ばすくらいならできる、しかしそれも気休め

 

綾波(私が姿を見せずに撃破するには…私に求められてるのは、如何に簡単な理解し易い作戦を立てるか…)

 

綾波「よし、それではまずサウスダコタさん、貴方は船上の兵士と右舷に回り込んで、そちらの敵をとにかく撃ってください、ダメージにならなくても時間は稼げます、サラトガさんは比較的敵の少ない右舷を担当してください」

 

サウスダコタ『わかった!』

 

サラトガ『ほ、本当にそれで大丈夫なんですか…!?』

 

綾波(やれる事は限られてる、となれば求められるのは…)

 

綾波「サラトガさん、艦載機は通常通り戦闘機が多いですか?もしそうなら戦闘機も使って攻撃してください、機銃を撃ち込めば動きを止められるかもしれません」

 

サラトガ『わ、わかりました!』

 

綾波「……あれは…」

 

今、チラリと見えたのが…群れのボス?

 

綾波「……だとしたら、終わってますね」

 

船窓から拳銃を突き出し、撃つ

 

綾波「あ、こっち見た…お久しぶりですねぇ、駆逐古鬼さん……逃げたか」

 

深海棲艦が踵を返して逃げ始める

 

綾波「敵の撤退確認、警戒したまま侵攻してください」

 

綾波(…しかし、まさか今になってあれが出てくるとは…まあ、気にするほどの相手ではないか)

 

 

 

 

大湊警備府

 

五月雨「…何で積荷の中に貴方が…?」

 

綾波「あー…えーと、てへっ?」

 

五月雨「ふざけないでください」

 

戯けて切り抜けるつもりが、そうもいかないらしい

 

綾波「まあ、お仕事帰りです、帰っても良いですか?良いですよね?」

 

五月雨「……敵ではないとはわかっていても、そうはいきません…事情聴取だけでも受けて帰ってください」

 

綾波「えー…私秘匿されるべき存在なんですけど」

 

五月雨「……提出はしませんから…」

 

 

 

五月雨「深海棲艦に、生きたままなる人間ですか…」

 

綾波「ご存知の通り深海棲艦は死んだ人間の細胞などで形成される存在です、それ故に知能の低い個体が多い…ああ、脳の部分は使われてないからですね、あそこ取扱難しくて」

 

五月雨「知りませんよ…」

 

綾波「それで、何が問題かって…生きた人間を深海棲艦にしてしまうとある程度の知能があるっていう事が実証済みなんですよ、さらに言えば今その研究は進んでるみたいで人間の形のまま深海棲艦に変化しつつある人もいる」

 

五月雨「…!」

 

綾波「まあ私は今回それの調査に行きまして、その個体にお灸を据えて情報をと思ったんですが収穫はないんですよね、どうにも使い捨ての下っ端だったみたいで……となると、どこを追ったものか…あ、内密にお願いしますね?この話大事ですから」

 

五月雨「…わかりました」

 

綾波「さて、深海棲艦を絶滅させるのも楽じゃないなぁ…っと」

 

五月雨「……あの」

 

綾波「なんですか?」

 

五月雨「…因子が、発現してから感じる様になりました…貴方の声には憂いがあります」

 

綾波「まあ、作戦失敗しましたから」

 

五月雨「違いますよね…?貴方は、本当は、何なんですか…?」

 

綾波「……はてさて、わかりませんね」

 

五月雨「…でも…っ」

 

五月雨さんの額に人差し指を押し付ける

 

綾波「調子に乗ると殺しますよ?地獄が1人分遠のいても今の私は気にしません」

 

五月雨「……幸せになれると良いですね」

 

綾波「ええ、なりますよ、幸せに」

 

その道はできている

 

 

 

 

 

Link拠点

 

ザラ「ん〜…これすっごく良くできてますね、故郷の味そっくりでSquisito(美味しい)です!」

 

綾波「そうですか?私としては今一つうまくいかなかったのですが…素材だけは直接ローマから取り寄せましたけど」

 

ザラ「んー、小麦はどこの…あ、カンパーニア、なら問題ないですね……ん、これはチーズです、チーズが問題です!」

 

綾波「おや…ダメなんですか?モッツァレラチーズ」

 

ザラ「Mozzarella di bufala(水牛のモッツァレラチーズ)なら良いんですけど、これは普通の牛のものみたいですね…だからコクがないのかも」

 

綾波「なるほど、今度揃えてみましょう」

 

グラーフ「おい、何やってるんだ」

 

タシュケント「Pizza…ひとついただいても良いかな?」

 

綾波「ええ、もちろんどうぞ…実はこれでも私は美食家でして、唐突にピザが食べたくなったところで」

 

ザラ「Non-non ピザじゃなくてPizza(ピッツァ)ですよ」

 

綾波「作成中にザラさんに見つかりましてね、生地が」

 

ザラ「こんなにちゃんとした生地をJapanでみるとはおもってなくて、つい興奮しちゃいました」

 

綾波「そこからはご覧の通りです、グラーフさんも如何ですか?」

 

グラーフ「…いや…しかし、タシュケント…お前よくこれを食べたな、綾波が作ったんだぞ」

 

タシュケント「…вкусные(美味しい)…こ、これ、もう一枚もらって良いかな!?」

 

グラーフ「…一枚まるまる平らげたのか…?夕食前にそんなに食べては…」

 

綾波「これを夕食にすれば良いじゃないですか、ザラさん、確かリシュリューさんがワインセラーを持ってました、イタリアンワインもあるかもしれませんし誘いませんか?」

 

ザラ「……良いですね…でしたら私はtrippe(トリッパ)買ってきます、美味しいお店があって…!」

 

グラーフ(完全に綾波のペースに呑まれてるな…)

 

綾波「グラーフさん、人生楽しい時はとことん楽しむべきですよ…メリハリが大事ですから」

 

グラーフ「……一つ尋ねる、貴様、年は」

 

綾波「…16ですよ?」

 

グラーフ「なら、いいか…」

 

綾波(まあ、一度死んでるから年齢なんてあってない様なものだし、実は15なんですけどね…)

 

タシュケント(…日本は20からなんだけど、黙っておくのが良いかな…)

 

 

 

朧「…何この状況」

 

グラーフ「朧か、お疲れ様だな、食事会をしてたんだ、混ざらないか?」

 

朧「…ええと…いただくよ、いただくけど…」

 

朧さんにみられる前にワイングラスを隠す

 

朧「綾波、アルコール臭いよ…飲んでるの?」

 

綾波「ええ、何か問題でも?私一度死んでるので何も問題ないじゃないですか」

 

朧「未成年飲酒…」

 

グラーフ「何?…日本って何歳からなんだ?」

 

タシュケント「20だね」

 

グラーフ「そうか、違うのか…!綾波、すぐにワインを手放せ」

 

綾波「…私いちど死んでるからそんなこと気にする必要ないと思いますけど…それよりドイツビール、あれは美味しいですよね、今度取り寄せようと思うんですがオススメはありますか?」

 

グラーフ「……まあ、無くはないが…」

 

朧(一瞬で懐柔した…と言うか、グラーフさんも結構酔ってる…)

 

綾波「良いですか、朧さん、人生楽しんだもの勝ちですよ?」

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