元勇者提督 作:無し
The・World R:1
Δサーバー 水の都 マク・アヌ
重槍士 青葉
青葉「……あれ…」
この世界において異質なのは私1人じゃ無い
学生服に赤毛の少年のキャラ…明らかに、この世界においては異質な存在……
だけど、何となくわかる、私が調査する対象は…リアルデジタライズしている
青葉(敷波さんと同じか…助けてあげなきゃいけないかな…)
団長へとメールを送ろうとするも…
青葉「…あれ?め、メールが送れない…!なんで?」
何かに妨害されている…?
とにかく、今優先すべきはあの赤毛の少年に接触すること…
綾波「あーおばさんっ」
青葉「ひゃぁっ!?」
真後ろから、聞き覚えのある声…
咄嗟に振り返り槍を構える
綾波「おー、カッコいいですねぇ、それが神槍ヴォータン…」
青葉「あ、綾波さっ…!」
リアルの姿そのままのような…綾波さん…
綾波「ちょっと、お話ししませんか?」
青葉「…わかりました」
青葉「え?確かに調べてますけど…」
綾波「夕雲型三名のこと、何がわかりました?」
青葉「…それが…朝霜さんと早霜さんのご実家などは把握しましたが、清霜さんだけ何も…」
綾波「でしょうね」
青葉「え?」
綾波「あ、いえ、手を引いた方がいいなと思いまして」
青葉「手を、引く…?」
綾波「二つのことを同時にやるのは非効率的ですから、青葉さんはネットの中のお仕事に注力してはどうですか?」
青葉「……わかり、ました…」
綾波「素直に言うことを聞くんですね?」
青葉「それは…その、だって私よりは…考えもあるでしょうし…」
綾波「…ではそんな青葉さんにプレゼントです、追加の呪符、佐世保に送ってあります」
青葉「…ありがたいんですけど、あれは存在してもいいんですか?」
綾波「ええ、間違いなく安全なものです、どうですか、使い心地は」
青葉「…そうですね、望んだ通りの動作をしてくれます、何も問題は起きてません」
綾波「それは良かった、私のシステムが正常に動いているのなら重畳です」
青葉「……本当に味方なんですよね…?」
綾波「ええ、負けは負けです、無様な真似はしたくない」
青葉(綾波さんはプライド高そうだし、無様を晒したくないのは納得できるけど…)
綾波「ああ、取り戻すのは簡単ですよ?あの力」
話にしか聞いたことないけど、どれほど強いのか…私の想像を超える綾波・改二レベルの力をその気になれば取り戻せると言うこと…
青葉「絶対やめてください…」
綾波「勿論、望まれない限りはね」
青葉(誰も望みませんよ…!)
青葉「結局合流できてないし、何より赤毛の子見失ったし、私どうしたら…」
不幸にも、この日進展はなかった
他のシックザールのメンバーにも連絡がつかず、時間がきたので落ちざるを得なかった
トキオ
トキオ「…うーん…この時代でオレは何をすればいいの?」
彩花「クロノコアを集めるの」
トキオ「くろの、こあ?」
彩花「クロノコアはアカシャ盤の制御データ、これ使ってアカシャ盤のロックを外せるのよ、頂上に行くには4つ必要で石像にされる前の黄昏の騎士団がクロノコアを持ってるはず、さ、行くわよ!」
トキオ「わ、わかった!」
マク・アヌ 中央広場
トキオ「…で、誰が持ってるんだ…?」
彩花「……この辺りに反応がある、だけど誰が持ってるのかはわからない…手当たり次第聞いて回りなさい!」
トキオ(め、めちゃくちゃだ…)
トキオ「ねぇ、彩花ちゃん…?誰もクロノコアなんてしらないって…」
彩花「うるさいわね!確かに反応はしてるのよ!」
トキオ「……どうしよう…」
彩花「今考えてるから待ってなさい!」
The・World R:X
Θサーバー 蒼穹都市 ドル・ドナ
双剣士 カイト
カイト「……待ってたよ」
ブラックローズ「……」
カイト「メール読んでくれたんだね、摩耶」
ブラックローズと摩耶のパソコンに、このタウンと時間を記したメールを送った
来てくれるかは正直賭けだったけど…
どうやら摩耶はブラックローズのパソコンからログインすることを選んだみたいだったら
ブラックローズ「何の用だよ」
カイト「…僕と一緒にみんなを助けに行って欲しい」
ブラックローズ「…今更かよ…!」
カイト「遅くなってごめん、だけど、絶対に投げ出したりしない」
ブラックローズ「信用できるか!何で今更…!」
カイト「…色々と立て込んでたんだ、言い訳にしか聞こえないと思うけど…」
ブラックローズ「ああ!そうにしか聞こえねえ!」
カイト「……」
腕輪を展開し、カオスゲートをハッキングする
ブラックローズ「っ!な、何して…!」
カイト「……僕には、みんなを助けに行く手段がある…僕を利用してくれて構わない、だから…」
ブラックローズ「………」
カイト「…どうかな、摩耶、君にとっても悪くない話だと思う」
ブラックローズ「……マナー違反」
カイト「え?」
ブラックローズ「名前…白チャで叫んだりすんなよ…?……今のアタシはブラックローズだ…」
カイト「…わかった」
The・World R:1
Δサーバー 悠久の古都 マク・アヌ
ブラックローズ「な、何が起きて…」
カイト「今、何が起きて…?……え?」
ステータスが、リセットされてる…
カイト「…またレベル1に戻されたのか…」
…何が原因だろう
腕輪の加護をすり抜けてPCに深刻な被害を与えるなんて、信じられない…
いや、腕輪の加護があったからレベルリセットで済んだのかもしれないけど…
そう考えると、まだレベルリセットで済んで良かったのかもしれない
アイテムや装備が残ってるのがせめてもの救いか…
だけど、レベル制限で殆ど装備できないし…
ブラックローズ「レベル1…?うわっ!?……これ、ま、マズイんじゃ…」
カイト「……いや、仕方ない…アイテムは残ってるし、レベルを上げながらこのマク・アヌを調査しよう」
かつて、僕たちが居たこのマク・アヌを…
ブラックローズ「…そういや、ここってR:1の…?」
カイト「……そうだよ、でも多分…こっちの世界は2009年かな、説明するよ」
ブラックローズ「あぁ…?別の世界…?」
カイト「多分だけどね…とにかくレベル上げに行ってみようか、このままじゃ何もできないし…今は持ってるアイテムを装備できるくらいには強くならないと」
ブラックローズ「…あぁ…」
適正レベルを大きく上回ったエリアを選択する
ブラックローズ「…ここ、適正あってないぞ」
カイト「大丈夫、アイテムを使って進めていこう」
カイト「…アイテムを使えば簡単に敵は倒せる、でも消費が激しいか…摩…ブラックローズはどう?」
ブラックローズ「…多分、問題ない……」
レベルは多少上がったが、これでは焼け石に水…
もっとレベルを上げる必要性に追われる…いや、でも戦う相手もいない今その必要が本当にあるのか…
電子音が響く
カイト「…何……えっ?」
水色のフィールドが辺りに展開される
カイト「これは、シックザール…!」
ブラックローズ「シックザール…?なんだそれ…」
腹に響くような重い足音を鳴らしながら、黄色と紫のボディスーツのマッチョがこっちへと歩いてくる
トロンメル「ヘーイ、なんでこんな所にカイトとブラックローズが居やがるんだぁ?ガイストぉ…アん?…ガイストが反応しねぇ…」
ブラックローズ「な、何こいつ…キモ」
こちらよりも二回りは大きい上に、ピチピチのボディスーツにくっきり筋肉が浮かび上がったその姿
胸にはYのマーク…?
カイト「…貴方は?」
トロンメル「オレかぁ…?オレ様はシックザールのトロンメル様だ!呼びたきゃ…T様って呼びな!」
トロンメルが胸のマークを強調するポーズを取る
カイト(あ、Tなんだ…)
ブラックローズ「どう見たってYじゃないの…?」
トロンメル「ん…?オーケイ!!ヘーイ、ヘイヘイヘーイ!お前達をヤッちまっていいって許可が出ちまった様だなぁ……!」
トロンメルがこちらへと走りながら近寄ってくる
カイト(マズイな、戦うつもりだ…今のレベルじゃ勝てないかもしれない…)
ブラックローズ「やぁぁぁぁッ!!」
カイト「ブラックローズ!?1人で行っちゃダメだ!!」
ブラックローズの剣をトロンメルが拳で弾く
ブラックローズ「クソッ!なんで効かねぇんだよ!!」
トロンメル「
突撃しながら巨大な四肢を振り回す様な攻撃がブラックローズに襲いかかる
カイト「危ない!!」
ブラックローズ「カイト!」
2人の剣を交叉させ、拳を受け止める
トロンメル「ほぉ〜!やるじゃねぇか…!」
カイト「ブラックローズ!1人で勝てる相手じゃない!攻撃を合わせるんだ!…大丈夫、2人なら勝てる…!」
ブラックローズ「……オーケー、カイト!!」
一度トロンメルから距離を取る
カイト「アイテムだけなら沢山ある…大丈夫…後衛は任せて!」
ブラックローズ「はぁ!?アタシが前衛かよ!」
カイト「双剣士は後衛の方が安定するんだ!大丈夫、注意さえ惹いてくれれば僕が合わせる!」
ブラックローズ「…わかった!!」
ブラックローズがトロンメルとの距離を保ちながら絶えず移動し続ける
カイト「雷帝の呪符…ギライローム!!」
トロンメル「オウッ!痛ぇなぁ!!」
カイト「今だ!合わせるよ!!」
ブラックローズ「カラミティ!!」
海斗「舞武!」
背後に回り込んだブラックローズの大剣の縦振りに合わせ、正面から斬りかかる
トロンメル「ぐぬッ!!」
カイト「超流星の巻物!!オメガノドーン!!」
降り注ぐ隕石をトロンメルが受け止める
トロンメル「こんなモノ!このT様に効くと思って…」
カイト「虎輪刃!!」
近づき、回転斬りを放つ
ブラックローズ「デスブリング!」
ブラックローズが宙返りの勢いを利用した斬撃を叩き込む
トロンメル「ノー!!クソッ!流石にこの2人同時はデンジャーすぎるぜ…ガイスト!ヘイ!…通信障害か…?オーノー、ここは一旦リーブするぜ…」
トロンメルが転送されて消える
カイト「……撤退してくれたか…」
ブラックローズ「……た、たはー……ま、マジかよ…?あれでも全然元気って…アタシら、1発受けたら体力殆ど吹っ飛ぶんだぞ…!」
カイト「…それがバレたら退いてくれなかっただろうね…お疲れ様、摩耶…大丈夫?」
ブラックローズ「…ああ…その、なんだ…」
カイト「どうかした?」
ブラックローズ「……もしかしたら、何か誤解があったのかもなって…1人じゃ絶対勝てない相手だったけど、怯まずにそれに立ち向かった…なのに…みんなを見捨てるなんて理解できない…」
カイト「…僕はみんなを見捨てたんじゃない、あのメールは罠だったんだ」
ブラックローズ「……今は、それで納得しとく…あー、ダメだ、アタシ今日は落ちるぜ、もう疲れちまった」
カイト「うん、お疲れ様…ログインする時は教えて、1人だと狙われて危険かも」
ブラックローズ「…わかった、頼りにしてる」
カイト「うん、任せて、ブラックローズ」