元勇者提督 作:無し
Link基地
青葉
亮「The・World内のPKで意識不明…か」
綾波「知ってますよね、何か…何でも良いんです、教えてください」
亮「……AIDAじゃねえのか…?」」
綾波「狭霧さん、解析にかけてください」
綾波さんが携帯に指示を飛ばす
亮「……徳岡のオッサンは」
青葉「お医者さんにお話を聞いてるそうです」
綾波「……解析結果にAIDAの反応は無い…?……そんなわけ…いや、否定するな……もう一度解析し直してください、PCボディの回収は?…不可能?……どうなって…」
青葉「エリア、わかりますか?」
綾波「行くつもりですか、馬鹿じゃ無いですか?弥生さんを倒した相手がいるかもしれないんですよ」
青葉「でも、何かわかるかも…」
綾波「ダメです、被害の拡大を防ぐ事を優先します、狭霧さん、エリアにロックを………え?アカシャ盤?…CC社の制御システム?」
青葉「アカシャ盤?今、アカシャ盤って言いましたよね…何か関係が?」
綾波「……弥生さんは昨日の時点でそれを使ってどこかに転送されたそうです、弥生さんのキャラクターから追うことができるのはそこまで…アカシャ盤にアクセスは?……セキュリティが大きく変わってる…?」
つまり、アクセスできない…
青葉「…アカシャ盤の事なら、私達の仕事です」
綾波「…どの道あなたは関わるつもりですよね…ああ、もう……」
青葉「ダメですか」
綾波「ダメって言えば引きますか?」
青葉「いいえ」
綾波「…とりあえず、もう今日はやめておきましょう、明日…明日落ち着いて話を進めましょう、貴方も部屋にパソコン環境を用意するのに時間かかるでしょう?」
青葉「…そうですね」
綾波「あーもう、電さんも泊まるとか言い出すし、毛布すら足りなくなりそうです…」
綾波さんが目頭を抑え、呟く
青葉「そう言えば、佐世保の人たちは?」
綾波「守備隊は基地に残してるから大湊で夜間哨戒をするそうです…」
綾波(…そう言えば、何人…川内さん、神通さん、那珂さん、瑞鶴さん、電さん…あと弥生さんも…この離れてるとは言い難い距離に、一部消失してるとは言え碑文使いの力を宿した艦娘が6人か…何か干渉しなければ…いいけど)
青葉「…あれ?」
ぼんやりとした、世界…
青葉(おかしい、さっきまで私は…あれ?何をしてたんだっけ…いや、とりあえずこれが夢なのか…)
カラン、と音を立てて目の前に槍が落ちる
青葉(明晰夢だ、なんだ…私寝てたんだっけ……あれ?)
何か、背後に…いる?
青葉「……ぁ…」
浮遊する岩…そしてその中心には赤い目の紋様…
青葉(な、何か違うけど、見た事ある!絶対私知ってる…!)
青葉「な、何!?地震!?」
地面が揺れ、岩が隆起する
そしてその岩が浮遊する岩に近づき、人型を形成し…
青葉「…す、スケィス…!」
スケィスが手を翳すとその手には赤い、巨大な十字架が現れた…それは…
青葉(やる気だ…!)
私の生存本能が警鐘を鳴らす程の…
青葉「…消えた?」
目の前から、スケィスの姿が消え失せる…
左右を確認し、安堵した瞬間背中を殴打され、吹き飛ばされる
青葉「ぁ…っ…ぐ…!?」
ぼんやりした世界をどれほど吹き飛ばされたのか
地面を転がり、やっと止まって顔を上げれば…
青葉「…あ…」
十字架の先端に鼻が触れた
強烈な死の感覚
2度味わったことのある、紛れもない死の感覚…
青葉(…ゲームじゃない、殺される!)
スケィスが十字架を振りかぶり…振るう
私に十字架が触れる直前、目が醒める
青葉「……え?」
…昨晩案内された部屋…
悪い夢から解放された、それだけだ
青葉(……何だったの、あの夢…?)
…何であんな夢を見たのか、まるで見当もつかない
スケィスとは直接戦った事はないけど…資料は何度も見た
まだ背中が痛い、恐怖が私の脳を鷲掴みにしている…
青葉「…嫌な、感じ…」
きっと…ならない環境に身を置く不安が何かに刺激された、それだけ…のはず
朧「あ、青葉さん…なんだか顔色悪いですね」
青葉「…嫌な夢見ちゃって」
朧「嫌な夢?」
青葉「……スケィスに追われる夢」
川内「スケィス?」
青葉「うわぁっ!?な、何で天井に張り付いてるんですか!」
川内「いや、隠しカメラとか仕込まれてないか探してただけ」
朧「…ここ、綾波の基地なんですから…あっても勝手に外しちゃダメですよ」
川内「わかってるって、どうせもう出て行くし…ところでその綾波は?」
朧「なんだか、血相変えて出ていきました…その、仕事だって」
川内「…Linkって基本綾波1人で動いてるの?」
朧「いや……その、普段は違います」
青葉「…あの、川内さん」
川内「何?」
青葉「……私の夢にスケィスを送り込んだりしました?」
川内「するわけないじゃん、というかできるわけないじゃん」
青葉「…ですよね…」
時は遡って
離島鎮守府 執務室
工作艦 明石
明石「…知っていて、黙っていろと?」
海斗「…今の綾波に危険性は無いと思うんだ、その…明石、納得できないとは思うけど…」
明石「できるわけないでしょう!ここにいるアヤナミさんは?使わない体を身代わりにして…隠れてこそこそ何してるかもわからないんですよ!?」
海斗「……でも、明石…もし綾波が味方になってくれるなら…」
明石「メリットは理解しています、私なんかよりずっと優秀な人です、だけどそんなハイリスクがすぎる賭けをしてみんなの命を危険に晒すんですか!?」
海斗「…今、綾波には朧がついてる」
明石「……有事の際に殺せますか?朧さんに」
海斗「それは…難しいとは思う、だけど…どの道もう一度綾波を倒すのは難しい」
明石「…それは…」
…それに、アケボノさんもキタカミさんも、綾波さんの事を把握していた
把握した上で静観していたと聞かされた時は訳が分からなかったが…そうだ、アレには触れちゃいけないんだ…
下手に刺激すれば、爆発して…みんながやられる
だから、怯えながら生きていくしかない
最悪の相手だ
明石「…それと黙っている事との関係は」
海斗「…暴走されたら困るから、かな…」
春雨さんや春日丸さんは間違いなく…本物の方の綾波さんを求めるだろう
今の鎮守府が分裂するのは、確かに避けたい…
明石「……わかりました」
でも、協力はしたくない
特にカートリッジの複製…あんなもの複製したら、どうなるのか…
世界の終焉だ、わかりきってる
だから私は、ただ…何もしない事しかできない
明石「…ホントに、問題抱えすぎですよ…どうするんですか、これから」
海斗「…まずはアメリカのみんなと協力関係を築く…かな」
明石「何故アメリカ…?」
海斗「綾波が教えてくれたんだ、ハワイからの救援要請は虚偽のものだって…でも、明石、君はそれを信じる?」
明石「……信じませんね」
海斗「だからアメリカのみんなから本当のことを聞ける様にしたいんだ」
明石「…てっきり、提督なら即座に中部海域進行を言い出すのかと」
海斗「いや、それはしない…まずは南西に向かう、ハワイは最終的に挟み撃ちにするよ」
明石「…地球をぐるりと回るつもりですか」
海斗「深海棲艦を撃滅するなら…世界中の戦力を集めた総力戦にすべきだ、そうしないと…勝てないよ」
明石「……わかりました」
The・World R:1
データ潜航艦 グラン・ホエール
トキオ
トキオ「よし…これで別の時代に行けるんだ…!」
彩花『さ、2020年に戻りましょう?あのニセモノのカイト達に見つかる前に』
トキオ「……それなんだけどさ、ホントにニセモノなの?カイトとブラックローズは」
確かに違和感はあった、フリューゲルからオレを守ってくれたカイトとは声が少し違う気がした…
ニセモノなら、なんでオレとパーティを?…わからない
彩花『改めて解析したけど、ここは2009年の初めの方…カイトが初めてログインしたのは2010年、いるはずがないのよ、この時代にカイトなんて』
トキオ「……そっか」
だけど、助けてくれた事は間違いない
複雑な感情だ…
彩花『…別に悪人ってわけじゃないんだろうし…アドレスがあるんだからいつでも連絡取れるでしょ?』
トキオ「うん、そうだね…よし、次の時代に行こう!」
彩花『アカシャ盤に行って、ロックを解除するのよ、トキオ!』
トキオ「わかった!」
The・World R:X
Δサーバー 忘刻の都 マク・アヌ アカシャ盤
トキオ「…な、なんだ?入り口に何か、変なのがいるぞ…?」
黄色い、マッチョ…?
トロンメル「ヘーイ!やっぱガイストの言う通りになりやがった、Newフェイスも気になったが、連絡がつかねーんじゃ仕方ネー!オレがここで…ぶっ潰してやる!」
トキオ「…オレを倒す…って事は、シックザールか!」
トロンメル「いかにも!オレ様はシックザールNo.7!怪力男のトロンメル様だ!呼びたきゃ……T様って呼びな!!」
ボディスーツのTマークを見せつけてくる
トキオ(…ぜ、絶妙にダサい…)
トキオ「…シックザールならもう一回倒してる!大丈夫、やってやる!」
トロンメル「何ィ…?倒した?……ニューフェイスはもうやられちまったのか…コイツは、出直した方が良いかもなァ!」
トキオ「な、逃げるのか!?」
トロンメル「ノー!このトロンメル様が逃げる?ありえねえゼ!」
トキオ(どっちなんだよ!)
トキオ「ああもう!やってやる!!」
剣を構えて斬りかかる
トロンメル「グローリーィィ…チャージッ!!」
トロンメルの突撃に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる
トキオ「がっ……ぁ…!」
トキオ(い、痛い…!しかも、重くて、強い…R:1で戦ったモンスターなんかと比べ物にならない…これが、シックザールの本当の実力…)
彩花『…無理ね、トキオ!引き上げなさい!あんた1人じゃ無理よ!』
トキオ「で、でも…じゃあどうしたら…」
彩花『…仲間を集めるのよ!黄昏の騎士団を…!』
トロンメル「何ブツブツ言ってやがるゥ!ボオォォォォイ!!」
トキオ「は、早く転送して!」
トロンメルの拳が当たる寸前に…なんとかアカシャ盤の外へと転送された…