元勇者提督 作:無し
The・World R:X
Δサーバー 忘刻の都 マク・アヌ
トキオ
トキオ「仲間、か…彩花ちゃん、どうすればいい?」
彩花『知らないわよ!自分で考えなさいよ!』
トキオ「ううん…このままじゃ敵が追ってくるかもしれないし……あれ?…甘い匂いがする」
彩花『甘い匂い?』
トキオ「うん、花の匂いみたいな…」
自然とそれに釣られるように…その匂いの方に…
彩花『ちょっ…待ちなさい!トキオ!』
トキオ「…あれ?ここは…」
タウンの路地の奥…?
彩花『ちょっとトキオ!何やってんのよ!』
トキオ「ご、ごめん…甘い匂いがして…あれ?誰かの声が…」
彩花『シックザールかもしれない、というか…このタウンには一般PCは入れないわ、気をつけて』
トキオ「…うん…でも、肩を掴まれてると動けないんだけど…?」
彩花『何言ってんのよ、私はホログラム、PCじゃないんだから掴むなんて…え?』
トキオ「…彩花ちゃん?…ど、どうしたの?オレ、振り向くのがすごく怖い気が…」
ミア「彩花?さっきからキミは誰と話してるの?それとも遠距離チャットなのかな」
トキオ「うわぁだっ!?」
いつのまにか真後ろにいた紫のネコの獣人のPCに驚いてこける
ミア「驚かせちゃったかな、ゴメンね?立てるかい?」
フカフカの手に引っ張られて起き上がる
ミア「ボクはミア、キミは?」
トキオ「…トキオ、ええと…ミアは…」
彩花ちゃんの方をチラリと見る
彩花『こんなシックザールは知らないわ…多分、違うと思う…』
ミア「ああ、こんなところで何してたのかって?観察さ…ほら、そこ」
ミアが指した路地の奥には二体の紫のPCがいた
紫色の衣装に薔薇をあしらった帽子と水色のロングヘアーで、男とも女とも言い切れないキャラ
そしてそのキャラの半分ほどのサイズの女の子のキャラ
彩花『…一般PCはここに入って来られ無いはずなのに』
ミア「あの2人は…ボクのせいでここにいるんだ、
トキオ「…ミアのせいって…どういう…」
ミア「…ちょっと特殊なんだよ、2人ともね、観ただけじゃわからないかもしれないけど、そうわかっていれば……トキオ、キミは…強いのかな?」
トキオ「え?……いや、オレは…強くは、ないと思う…だから、仲間が欲しくて…」
ミア「……あの2人は、きっといい仲間になるはずだよ」
トキオ「え?」
ミア「2人とも、強いんだ、きっといい仲間になる…」
ミアが目を細める
ミア「でも、それは今じゃない…か……トキオ、なんでキミから…カイトの匂いがするの?」
トキオ「え?…いや、それは…パーティを…」
ミア「カイトは、この世界にまだ居てくれるんだね、なら安心だ」
トキオ「ミアはカイトの知り合い?」
ミア「…安心しちゃったな…ああ、ホントによかった…みんなを見捨てないでくれて……良かっ…@&かっ×…」
トキオ「うわっ!?」
ミアの声が潰れ、チャットログがメチャクチャに文字化けする
ミア「ああ…7/%×…ま、だ…**%♪」
トキオ「な、何を言ってるんだ…!?」
ミア「…ニ…ゲテ…」
トキオ「え?」
ミアがそろり、そろりと2人の方に歩き出す
トキオ「…み、ミア?おい!どうしたんだ!?」
彩花『待ちなさいトキオ!この辺りのデータ量がありえないほど増加して…!!』
ヤヨイ「…エンデュランス、聞こえる?」
正面にいる細い男の手を握って呼びかける
空っぽ、どこまでも空っぽな彼をなんとかして呼び戻そうと試みる
だけど、何も反応してくれない
ずっとそうだ、どんなに呼びかけても、どんなことをしても、戻って来ない
でも、ようやく見つけたばかりなんだ
焦る必要はない、なんとか元に戻す為に…
エンデュランス「…ミア」
ヤヨイ「え…?」
何かに反応した…エンデュランスが見た方向を見る
ミア「……」
ヤヨイ「…ミア」
直接会うのは初めてだ、エンデュランスの心に空いた穴の原因
失われた、彼女
ミア「…ニゲ、テ…逃ゲてにげてニゲテニげて逃げテニげてニゲテ逃げてニゲテにげて逃げテ逃ゲて」
ヤヨイ「え?」
ミアの剣に胸を貫かれる
まるでリアルで刺されたかのような衝撃…
冷たい石の床に頬が触れる
ミア「ア…ァ……」
ヤヨイ「…あ…これ…」
間違いなくダメ…死んじゃう…
トキオ「ミア!何してるんだよ!」
走ってくる、赤い髪の少年が目に入る
あれは誰だろう…そう考えていると隣でコツコツと足音が鳴る
トキオ「な、なんだよ…!」
エンデュランスが剣を持ち上げ、少年に近づく
エンデュランス「……彼女が、戦って欲しいって」
トキオ「か、彼女…?」
ミア「…ダ…〆…」
ヤヨイ「…エンデュランス…」
必死で手を伸ばす、なんとか掴もうとするけど…
ヤヨイ(睦月…みんな…司令官…)
トキオ
奥に倒れていた女の子の体が消滅を始める
ミア「×$%→♪+々アァァ!!」
ミアの剣が消滅しかけた女の子に向き、妙な紋様が展開される
紋様から放たれた光線が女の子を消し去る
トキオ「な、なんだよこれ…!」
頬に裂ける感覚
エンデュランス「あれ…ちゃんと、当たらない…」
トキオ「…えっ…」
痛い、裂けた感覚がハッキリする
痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
トキオ「うわあぁぁぁぁぁっ!!」
恐怖で、両手の剣を振った
剣で受け止められた
怖い、もう、おかしくなりそうなほどに怖い
太鼓のように剣を上から下に叩きつけるように何度も振った
ガンガンと辺りに金属音を振り撒いた
死ぬ、殺される…痛い、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
エンデュランス「キミの、戦いは…醜い」
剣が空を斬る、
周囲に薔薇が舞い、背後から足音が聞こえる
背中が裂けたような感覚
痛い
トキオ「うあああっ!!」
派手な攻撃じゃない、命を奪いにくる攻撃…
痛くて、冷たくて、怖い
トキオ(殺される…殺される!)
ミア「…や…〆テ…仝る…ク…」
エンデュランス「……?」
ドシドシと地鳴りのような足音がする
トロンメル「ヘェェェイ!!見つけたぜェ!ボーイ&ナイツ共ォォォォ!!まだ生き残りが居やがったとはなぁぁ!」
トキオ「シックザール!?…しかも、生き残り…この2人は…黄昏の騎士団だったのか…?」
ミア「…$¥+なら…キる#」
トロンメル「…ワーッツ?何言ってやがンだ?ん?…こいつ……よく見りゃァ…」
トロンメルが斃れる
エンデュランス「…ミア…」
エンデュランスの一撃で、トロンメルが…
トキオ(…オレじゃ絶対に勝てなかったやつを、一撃で…?)
ミア「……€〆だ、ト°+、→×%」
ミアが切先をこちらに向ける
トキオ「…え…?」
ミア「…バ$+$」
転送エフェクトに包まれ、景色が切り替わる
トキオ「…ここは…石像がたくさんある場所…?」
彩花『転送させられた…?あのミアってキャラに?何者なの…』
トキオ「…逃がしてくれたってこと…?」
てっきり、斬られるんだと思った…
彩花『わからないわ、罠かもしれない……待って、トキオ』
トキオ「…像が光ってる?…なんで…」
石像が一つ、光り…
石の部分が消えて…
アルビレオ「……ここは」
トキオ「…だ、誰?」
アルビレオ「…おれはアルビレオだ、キミは」
トキオ「オレはトキオ…ええと…」
アルビレオ「…カイトから聞いている、キミのサポートをしよう」
トキオ「え?ホントに?よっしゃ!ラッキー!」
トキオ(これで初めての仲間ができた…!ここからだ…!)
彩花『トキオ、急いでアカシャ盤に向かって!さっきまであそこを守ってたシックザールがやられた今しかない!』
トキオ「わかった!すぐ行くよ!」
アカシャ盤
トキオ「よし、トロンメルがいないおかげでスムーズに進めた…けど…」
彩花『さ、次の記憶の泉よ、飛び込んで、トキオ』
トキオ「…ええい!どうにでもなれ!!」
The・World R:2
Δサーバー 悠久の古都 マク・アヌ
トキオ「うわぁぁぁぁっあでっ!?」
記憶の泉から落ち、腰を打つ
トキオ「いてて…また腰を……」
彩花『グランホエールが到着したわ、トキオ、一度戻ってきなさい』
トキオ「…オレもそっちで来たいよ……ああ、でもこれオレがセキュリティ破壊しないと来られないのか…」
データ潜航艦 グランホエール
トキオ「それで、オレはこの時代で何をすればいいの?前回もよくわからないままクロノコアが手に入ったし…」
彩花『さあ?とにかく、しっかり探索していくわよ!』
トキオ(て、適当だ…)
トキオ「…仕方ない、とにかくみんなを助ける為にアルビレオ、力を貸して」
アルビレオ「ああ」