元勇者提督 作:無し
南西海域 南シナ海
軽巡洋艦 阿武隈
阿武隈「はー……緊張する…」
北上「そんなに緊張することかね、たかが合同作戦で」
川内「まあ、そう言わないの、でも……見てる限り、深海棲艦も強いのは居なさそうだし…さっさと終わらせよう」
阿武隈「では、あたし達はここで」
艦隊が別々に離れる
今回の作戦は呉と離島の合同作戦
あたし達の編成は旗艦があたし、そして潮ちゃん、朝霜ちゃん、早霜ちゃん、清霜ちゃん…
合計5人の編成、小規模だけど、この辺りの海域なら十分倒せる敵しかいない…
呉は川内さんを旗艦に、北上さん、大井さん、木曾さん
海上戦略に対しての有効打を担う艦隊
この作戦の目的は海域の調査とブルネイの確保
ブルネイ周辺海域の安全が確保できたらブルネイからは資源や補給が約束されてる
潮「あ、ドラム缶…?」
清霜「何か入ってるかな…何これ!中身何?」
朝霜「…くっせぇ…こりゃァ…油だな…」
阿武隈「これは貴重な燃料になるから……回収しちゃおう!」
早霜「……取得物等横領罪」
阿武隈「…うぐ……ぶ、ブルネイまで一度運ぼっか…」
潮「……雷撃!南西!」
朝霜「あァ?!敵なんて居ねェじゃねェか!」
早霜「しかし、確かに魚雷が迫っています」
魚雷を撃ち抜き、破壊する
阿武隈「…潜水艦」
潮「はい…今、捜してます………居た、包囲フタマルフタ、距離500、深さは…20程」
阿武隈「爆雷投下!」
爆雷が射出される
清霜「これ、何かな」
深海棲艦の黒い艤装を清霜ちゃんがつっつく
朝霜「やめろ、触んな、ばっちィぞ」
早霜「…あそこがブルネイですか?」
阿武隈「そう、日本語がわかる通訳の人を待たせて置いてくれるらしいから、あたしと…早霜ちゃん、ついてきて、みんなは深海棲艦が来ないか警戒しててね」
清霜「はーい!」
潮(…潜水艦、また今…)
潮「この辺り、潜水艦が多いです、川内さん達大丈夫でしょうか…」
潜水艦タイプの深海棲艦は佐世保が頻繁に出会すくらいで、みんなあんまり戦闘回数は多く無い
…でも、川内さん達なら間違いなく大丈夫
阿武隈「北上さんが居るし、多分この辺りの潜水艦はみんなやられてるかもね」
潮「…そうでしょうか」
軽巡洋艦 川内
川内「あーもう!潜水艦多すぎ…!こんな事なら爆雷持ってくればよかった…」
北上「煩いよ、狙いがブレる……今か」
前方に複数の水柱が上がる
大井「流石です、全部直撃ですね」
木曾「マジでどうなってやがんだ…水中で鋭角に曲げて浮上させる途中で潜水艦に当てるなんざ…」
北上「ま、才能かね」
川内「日が落ちる前に早く倒し切ろうよ…」
北上「なんで提督は夜嫌いな川内にこの仕事を任せたんだろうねえ」
木曾「なんも考えてねえんだろ」
大井「いや、流石にそんなことは……」
北上「……お、川内、仕事だよ」
川内「……駆逐級ばっかじゃん」
水上部隊の撃破が私の仕事とはいえ…
川内「この程度じゃ手応えなさすぎ…!」
木曾「…一瞬か」
大井「流石に強いわね、川内」
川内「これで強い扱いされるなら弱いって言われた方がマシだよ、こんな雑魚ばっかり相手にしてなんになるのか…」
木曾「そう言うなよ、仕事は仕事だろ?」
川内「わかってるって……ああ、もう…つまんないなぁ」
この辺りの深海棲艦じゃ、ダメだなぁ…
川内(…綾波はThe・Worldで力を取り戻せるって言ってたけど…演習にしか使い道がないなら、振るう先のない力なら、必要ないし…)
川内「……東にいる」
北上「了解」
大井「木曾!アンタもよ!」
木曾「……どうしろってんだよ、急浮上なんか…あーもう」
川内「……海域内の敵の掃討を確認、帰投するよ」
ブルネイ
阿武隈「ええー…ほんとに終わったんですか…」
朝霜「マジかよ、あたいらの出番は無しかよ…」
川内「そうごねないでよ、弱いっちゃ弱いけど、舐めてかかったら死ぬんだからね」
朝霜「だからってよー!ここまできて何もせず帰るのか?そりゃねえよ…」
早霜「むしろ、戦わなくていいのは幸運なのではないでしょうか」
北上「おっ、いいねえ、そうだよ、戦わなくていいのは幸運、よーく覚えときな」
朝霜「あたいは戦いたいんだよ!!メチャクチャに深海棲艦をぶっ殺したいんだよ!」
木曾「口の悪りぃやつだな」
大井「ねえ、阿武隈さん、ちゃんと面倒見てる?正常に育ってるとは言い難い言動だけど」
阿武隈「あはは、えーと……」
川内「ねえ、駆逐の、なんで深海棲艦を倒したいのさ」
朝霜「あァ?理由なんざいくらでもあんだろうが、倒すだけ金が貰える、それにスカッとするだろ、あとは……殺す分だけ、強くなれる…それに、軍ってのは正義の味方だろ?」
川内「……へえ?」
朝霜「深海棲艦どもをぶっ殺しゃあみんなに尊敬されんじゃねえか、やるだけ得だろ、こんなもん」
川内「……さっさと帰るかな、日が暮れる前に船を出そうか」
朝霜「あ、おい!聞くだけ聞いてそれはないだろ!」
川内「阿武隈ぁ?」
阿武隈「あ、はい!」
川内「……キタカミに言っといて、ちゃんと面倒見ないと死ぬって」
阿武隈「…わかってます、勿論、キタカミさんも」
朝霜「死ぬ?あたいがか?ふざけんなよ、深海棲艦どもにやられるってのか!?このあたいが!」
川内「うん、真っ先に死ぬタイプだね、クソガキ」
朝霜「ンだと!!」
阿武隈「川内さん、その辺で」
川内「……わかった、でも…朝霜」
朝霜「ケッ、今更謝っても許しゃしねえよ!」
川内「自分の気持ちがわかるのは自分だけ、そりゃ勿論他人が教えてくれることもあるけど…全部わかるのは自分だけ……嘘をついても、誤魔化しても、自分で気づいちゃうもんだからさ…素直になりなよ」
朝霜「ンだよ、説教か?ざけんな!」
離島鎮守府
教導担当 キタカミ
キタカミ「んぇ〜、ほんなほほがあったんら…」
阿武隈「はい、なので朝霜ちゃんの今後について……ええと、佐渡ちゃん、松輪ちゃん、一回離れてもらってもいいかな?キタカミさんのほっぺた伸びちゃうよ」
佐渡「イヤだ!佐渡サマは今遊びたいんだ!」
松輪「…私も…一緒がいいです…」
張り付いている2人を引っ剥がす
キタカミ「…いや、いい加減ウザイよ、というか佐渡、口に手を突っ込むのやめな、汚いから」
佐渡「えー…」
キタカミ「…ん、食堂からプリンの匂いがする」
佐渡「プリン!?まつ!行こうぜ……あれ?」
阿武隈「先に行っちゃったよ…」
佐渡「…いってきます!」
キタカミ「はいはい、いってらっしゃい……それで、朝霜だけどさぁ…私も気を遣ってはいるんだけど、どうにもね、怖さを知らないって言うか…でも、辛くあたるのも違う…危険なところには送り込みたくない、どうしたもんかな」
阿武隈「……出撃意欲が誰よりも強いだけに……その…」
キタカミ「…家族取られたら、そりゃ怨みもするだろうさ……でも、朝霜の家族は復讐なんか望んでない……とは、言ったんだけどね…「何がわかるんだよ」って」
阿武隈「……どうしましょう」
キタカミ「…荒療治は提督に提案されたね」
阿武隈「荒療治?」
キタカミ「ま、それも視野に入れとくってだけだけどさ、とりあえずはいつも通りかな…」
阿武隈「…大丈夫ですか…?」
キタカミ「大丈夫、なんか起きる前に動くから……ん?」
この匂い…
キタカミ「血の匂いがする」
阿武隈「え?」
キタカミ(この匂いは朝潮型っぽいけど…土の匂いもするし、誰かがこけて擦りむいただけ?……いや…)
キタカミ「近くにアメリカ連中もいるか…」
アイオワ「逃げたって事は、何か知ってるのよね?詳しく話して欲しいんだけど」
朝潮「守秘義務があります!それに堂々とスパイ行為をする人達に話す事はありません!」
アトランタ「うるさいよ、さっさと喋ってくれないとこっちも困るんだよね、ほら、早く教えなよ、アンタの知ってる事全部…」
キタカミ「何が聞きたいの?」
ワシントン「!…いつの間に…」
朝潮「キタカミさん…!」
キタカミ「一応さ、ウチの鎮守府所属なんだから、その意識ちゃんと持って仲良くしなきゃダメだよ〜、みんなさぁ…」
アトランタ「黙れよ、アンタと話してないんだから」
キタカミ「……朝潮、怪我してるねえ、どしたの」
朝潮「…転びました」
キタカミ「ならさっさと手当してもらいな、春雨も暇してるだろうし」
アイオワ「待って、まだ話は終わって…」
止めようとしたアイオワが阿武隈に抑えられる
キタカミ「体格差、考えなよ…いい大人がさ、子供にそんなふうに近づいたら……怖がるでしょ?」
阿武隈「少しじっとしておいてください、他の皆さんも」
アイオワ「…待って、あの子は悪質なクラッカーと繋がってるかもしれないの!そんな事公になったらあなた達も困るでしょ!?」
キタカミ「クラッカー……ああ、ハッカーの事?それで?」
ワシントン「……その反応、知ってるの?あの子があのヘルバと繋がりがあるって」
キタカミ「ヘルバ?…ヘルバってなんだったっけ、阿武隈」
阿武隈「……さあ、聞いたことあるような…」
アイオワ「まさか、知らないの!?知らなくて逃したっていうの…?」
キタカミ「別にハッカーなんか興味ないし、それに朝潮はルールを守るいい子だよ、アンタらは知らないだろうけどさあ……」
阿武隈がアイオワを解放する
キタカミ「それよりも…私らが問題視してんのは、大人が子供に怪我させたことなんだよねぇ……はい、言い訳あるなら聞くよ」
アイオワ「…
キタカミ「信じられないのはこっちだよ、小さな女の子相手にさ、3人係で追い回してたって…?アンタら牢屋で反省してなよ」
ワシントン「牢屋!?」
キタカミ「日本じゃ傷害罪になるから、15年以下の懲役刑になるんだよ?」
アトランタ「勝手に転けただけじゃん…」
キタカミ「……あのさあ、やっぱアンタら自分の立場わかってないわ、アンタら仕事を終わらせたらアメリカに帰れると勘違いしてるでしょ」
アイオワ「
キタカミ「あんたらは賠償艦として引き渡されたの、もはや人間扱いされないで引き渡されてんのね、煮るなり焼くなり好きにしろって…わかる?あんたらアメリカに捨てられてんの、売られたの」
アトランタ「…好き放題言ってんじゃねーよ」
キタカミ「じゃあアメリカから情報の催促きた?」
ワシントン「……なんの話」
キタカミ「とぼけなくていいよ、みんな知ってる、だってアケボノがほぼ毎日誰かを捕まえて取り調べてるんだからイヤでも「コイツらはスパイだ」って理解するよ」
阿武隈「今朝も、フレッチャーさんを取り締まったそうです」
キタカミ「…アンタら、期待されてないんだよ、アメリカに帰ってもたーくさんの余罪抱えて刑務所行き、日本でもそう、あんたら此処で穀潰しさせてもらえてるの幸せなんだよ?戦うことを強要すらされてない」
アイオワ「…それは、ミー達がアメリカの…」
キタカミ「アメリカの何?何を背負ってるの?背負ってるならアメリカに連絡取れるよね?どこ所属?どこにアンタらの上司がいるの?電話ならいくらでも貸してあげる、アンタらが自分達の居場所は他所にないってわかるまで」
アトランタ「…んなわけねーだろ、あたしたちは帰れるんだよ」
キタカミ「なら試せばいいさ、どうせ…迎えは来ない」
アトランタ「黙れ!!」
ワシントン「……電話、貸してもらえる?」
キタカミ「いいよ、阿武隈、案内したげて」
阿武隈「…一人で大丈夫ですか?」
キタカミ「…もし、この2人が私を攻撃したとして……私が何もできなかったとして…タダで済むわけないじゃん、ねえ、アケボノ」
アケボノ「ええ、この艦隊は提督のものです」
アトランタの背後からアケボノが現れる
アイオワ「い、いつの間に…!?」
アケボノ「そして、ここに所属する艦娘は皆提督の所有物です、それにキズをつけた…その罪は重いですよ?」
アトランタ「…ハッ…知ったことねーよ」
キタカミ「好きに言えばいいよ、アイオワとワシントンも捨て台詞、吐かなくていいの?」
アイオワ「……」
ワシントン「…そこまで、馬鹿じゃない」
当然だ、こっちがこんなに自信たっぷりにこう言っているんだ、もし本当なら…ここから叩き出されたら
そう考えると強い言葉は使えない
アケボノ「後の2人は、先に独房にお連れしましょう」
アトランタ「なんで牢屋に入れられるんだよ!」
アケボノ「
アトランタ「っ…!!」
キタカミ「…ま、明日にはわかるんじゃない、ワシントン」
ワシントン「……ええ」