元勇者提督   作:無し

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記録 レンゲキ

Link基地 ダイニング

駆逐艦 朧

 

ガングート「タシュ、少しゲームでもしよう」

 

タシュケント「夕飯の当番をかけて、かい?お断りだよ、ちゃんとみんなが納得するご飯を用意するんだね」

 

ガングート「く…い、いや!待て!私の秘蔵のナイフをやろう!」

 

タシュケント「そこまで料理したくないの?」

 

ガングート「…できないから困ってるんだ!」

 

ガングートが頭を抱えて叫ぶ

 

グラーフ「私の様に簡単に作れるキットを買ってくれば良いだろう、あれは美味かった、なんだったか」

 

プリンツ「えーと、エビチリ…?」

 

グラーフ「そう、エビチリだ、すこし辛かったが美味かった」

 

朧(辛味ソースを全部入れたから滅茶苦茶辛かったけどね)

 

ガングート「…ま、待て、実はな…これは言いたくなかったんだが、私は昔、肉を焼こうとしてフライパンに穴を開けたことがあってな…」

 

タシュケント「何その面白エピソード、まあ、そんな冗談はいいから観念して作ってよ」

 

ガングート「待て!フライパンに穴を開けたらどうなるかだけ聞かせてくれ…!」

 

グラーフ「…まあ、百叩きが妥当だろうな」

 

ガングート「…弁償で済まないのか…?」

 

タシュケント「綾波の残して行ったものだからね、価値が違うよ」

 

ガングート「……ええい!朧!なんとかしろ!」

 

朧「え?アタシ?……んー…そうだ」

 

ガングート「いい案があるのか!」

 

朧「みんなにご飯奢ってよ、美味しいやつ」

 

グラーフ「おお、それは名案だな」

 

タシュケント「回らないスシがいいな〜」

 

プリンツ「ファミレスは無しですね!」

 

ガングート「き、貴様ら…!人の金だと思って!!」

 

グラーフ「そうだな、ガングートの金だ、気兼ねなく好きに食えるぞ」

 

タシュケント「グラーフ、どっちがたくさん食べられるか勝負しようか」

 

グラーフ「おお、面白い」

 

ガングート「ぐ…貴様ら…!」

 

朧(元気だなぁ…)

 

騒ぐ4人を横目に自分のカップに牛乳を注ぎ、椅子に座る

大きく息を吸い込む

 

朧「あ」

 

入り口へと視線をやる

 

朧「青葉さん」

 

青葉「こんにちは…えと…すみません、少し通ります……ひゃっ!」

 

冷蔵庫へと向かっていた青葉さんをガングートが捕まえる

 

ガングート「よく考えたらコイツだけ当番が回ってこないのはおかしくないか!」

 

タシュケント「ガングート、見苦しいよ?」

 

ガングート「ぐぬぬ…!」

 

グラーフ「まあ、気持ちはわからんでもないが、青葉はLinkのメンバーというわけではない、他所で仕事をしてる以上うちのルールで縛るのは違うだろう」

 

ガングート「く…!ダメか…」

 

青葉「…朧ちゃん、なんの話ですか、これ…」

 

朧「食事当番」

 

青葉「食事…当番?……ええと、食事を用意すればいいんですか…?」

 

朧「そ、狭霧にアタシ、グラーフ、マックスとレーベにユー、プリンツ、リシュリューにザラとポーラ、ガングートとタシュケント、ビスマルクとアークロイヤル、神鷹、ジェーナス、神風、あきつ丸、それと青葉さんで19人分の食事が必要なんだ」

 

青葉「じゅ、19…」

 

朧「だから当番は事前に決めて、材料とかも用意して…るんだけど…ね」

 

青葉「…ちょっと失礼します」

 

青葉さんが冷蔵庫からエナジードリンクを取り出してテーブルに置く

 

朧(ゲームにエナドリ…完全に廃人じゃん…)

 

青葉「牛肉と玉ねぎ、にんじん、じゃがいも…カレーですか?」

 

ガングート「一番簡単だと言われたからな…」

 

グラーフ「お前…これ、全部皮が剥いてあるぞ、その上カットされてる」

 

タシュケント「というか、カレーならフライパン使わないじゃん」

 

ガングート「何?そうなのか?」

 

プリンツ「ま、まさかほんとにフライパンでやろうとしてた…?」

 

青葉「…わ、私、作りますよ…?煮込むだけですし…」

 

ガングート「何!本当か!!」

 

朧「大丈夫ですか?青葉さん、疲れてるんじゃ…」

 

青葉「大丈夫です、それにこれでも昔は料理勉強してたんですよ」

 

青葉(失敗しましたけど)

 

グラーフ「…申し訳ないがよろしく頼む」

 

タシュケント「ほんとウチのガングートが…」

 

ガングート「なんだお前達!」

 

朧「…うわ、牛乳温くなってる…」

 

牛乳を一息に飲み干す

 

朧「さて、プリンツ、タシュケント、グラーフ、走り込みに戻ろうか」

 

タシュケント「え?」

 

プリンツ「ま、待ってください、私たちまだ何も飲んでない…」

 

朧「でももう休憩予定の20分が経ったよ」

 

グラーフ「し、しかしだな、これは今夜の夕飯についての重大な話し合いを…」

 

タシュケント「それな!外は寒いしさ!朧も部屋で暖まろう!」

 

朧「走れば嫌でも暑くなるよ、ほら、早く立つ!」

 

タシュケント(鬼だ…)

 

グラーフ(ガングートなんかに時間を使うんじゃなかった…)

 

朧「じゃあ、青葉さん、お願いします」

 

3人を引きずってランニングに向かう

 

 

 

 

朧「〜♪」

 

グラーフ(もう、1時間は走ってるのに…鼻唄歌いながら悠々と…)

 

タシュケント(喉渇いた…もうやだ…)

 

プリンツ(帰りたい…)

 

朧「…あれ?この匂い……カレーじゃないな…」

 

この醤油の香りは…

 

朧(肉じゃがだ!お味噌汁の匂いもする…)

 

朧「よーし!ペース上げるよ!お腹減らして帰らないと!」

 

グラーフ「ま、まて!いつ終わるつもりだ!」

 

朧「晩御飯できたらかな!」

 

グラーフ(このランニング無駄だろう!!)

 

 

 

 

 

朧「うんうん、やっぱり肉じゃがだ」

 

青葉「白滝があったので…賞味期限も近かったし…」

 

朧「お味噌汁に卵焼きまでついてるなんて、青葉さんほんとに料理できたんですね…」

 

青葉「意外でした?…ふふ、私の時の日替わり、誰も食べたことありませんもんね…」

 

朧(あー、食堂が日替わりやってた時……確かに青葉さんのやつ食べたことないっていうか…)

 

朧「何作ってましたっけ」

 

青葉「…一応、ナポリタンとか…ハンバーグとか…みんな好きそうなのをチョイスしたのに、司令官と曙ちゃんくらいしか食べてくれなかったんですよね…」

 

朧(ぜ、全然記憶にないや…)

 

 

 

 

 

 

 

ネット

The・World R:1

Δサーバー 水の都 マク・アヌ

重槍士 青葉

 

青葉「…はぁ……私って影が薄いのかな……」

 

大きくため息をつき、リアルの手でドリンクの缶を掴み、口に運ぶ

 

青葉「ん……ん…よし、ドーピングOK!頑張るぞ…!」

 

なんとなく、頭が冴える気がする

あれから少しレベルも上がったし、今ならきっと誰にでも勝てる…と思いたい

 

青葉「…あ!」

 

赤毛の少年のキャラを見つける

 

青葉(今日はアルビレオさんもあの剣士も居ない、なら、話ができるかもしれない…)

 

走って追い掛ける

見つけて、捕まえて、少し話を…したかっただけなのに

 

ベア「おお、青葉」

 

青葉「べ、ベアさん?」

 

阻まれる

 

ベア「最近見なかったが、調子はどうだ?」

 

青葉「ええと…大丈夫です、すみません、少し急いでて…!」

 

ベアさんをすり抜けた時にはすでに遅かった

赤毛の少年はどこかのエリアに転送された後…

 

青葉「あぅ……ま、間に合わなかった…」

 

ベア「……青葉」

 

青葉「はい…?」

 

ベア「少し、話があるんだが」

 

 

 

 

 

Δサーバー 隠されし 裏切りの 碧野

 

青葉「…何故私をここに?」

 

ベア「さっき追いかけてたPC、このエリアに居るはずだ、ここでアイテムを探すと言っていた」

 

青葉「本当ですか!?」

 

でも、なんでそれを知ってるんだろう

知ってたとして、わざわざ一度私を引き止めた理由は?

 

…少し、引っかかる

 

青葉「…あ!」

 

見つけた、そのキャラを

赤毛の学生服のキャラ…!

 

走って近寄る

 

青葉「っ?…貴女は、ミミルさん…」

 

間に撃剣士が立ち塞がる

 

ミミル「…青葉、トキオをPKする為に付け狙ってるってホント?」

 

青葉「え…?なんの話ですか…?」

 

思いもよらない質問に呆気に取られる

 

ミミル「……だよねぇ…良かった…」

 

青葉「そもそも、トキオって…あのキャラの名前ですか?」

 

ミミル「うん、最近絡んでるんだ…ま、でも、青葉に狙われてるとか言い出してさ、どうしても気になったもんだから?」

 

青葉「そうでしたか…」

 

別に私はそんなつもりは…

 

青葉「…あれ?…あのキャラは…トキオさんはどこに?」

 

ミミル「え?さっきまでそこに居たのに…」

 

青葉(…あれ、リコリスさん…?)

 

リコリスさんに手を引かれる

 

青葉「え?こっち?」

 

ミミル「うーん…さっきまで居たのに…って、青葉?」

 

ベア「青葉はどこに行った?」

 

ミミル「わっかんない!一瞬目を離したら消えちゃった!」

 

 

 

青葉「あ、居た!よかった…」

 

トキオ「シックザール…!」

 

青葉「確かに私はシックザールだけど、戦うつもりは…」

 

トキオ「連牙・昇旋風 (れんが のぼりつむじ)!!」

 

青葉「ッ!!」

 

斬撃を受け止める

 

トキオ「やられてたまるか!!斬烈破!」

 

遠距離攻撃を避けながら近づく

 

青葉「話を聞く気はなさそうですね…そっちがその気なら、少し痛い目を見てもらいます…!」

 

槍を振るい、トキオの剣にぶつける

 

青葉「フリーズ!!……あれ」

 

トキオの剣は…石化しない

 

青葉(あの剣は特別…?いや、そんなの関係ない、とにかく今は!!)

 

槍を振るい、攻める隙を与えない

 

トキオ(強い…!さすがにシックザール相手に1人は…)

 

ミミル「ちょっと…待ったああぁぁぁっ!!」

 

ミミルさんが間に割り込んでくる

 

青葉「み、ミミルさん!?」

 

ミミル「青葉、さっきの話とずいぶん違うみたいだし…初心者相手にちょっと大人気ないかもね」

 

青葉「いや、これは向こうから…」

 

トキオ「ミミル!力を貸して!」

 

ミミルさんの剣がこちらに向く

 

青葉(…そんな…)

 

青葉「別に、私はあなた達と戦いたくはないのに…」

 

トキオ「今更そんなの信じられるか!」

 

青葉「…今のはカチンと来ましたよ…先に攻撃してきたのはあなたでしょう!!」

 

大きく槍で薙ぎ払う

 

ミミル「させない!!」

 

ミミルさんの大剣に当たり、手が痺れるほどの振動がクる

 

青葉(な、なんか…感覚が…やっぱりあの時斬られてから感覚がおかしい…!)

 

青葉「仕方ないです、一点集中、直ぐ終わらせます!!」

 

槍で刺突、ミミルさんの大剣に突き刺さったところで槍を引き、反転させ石突で同じように突く

 

とにかく執拗に突きを狙う、大振りな攻撃は一切しない

 

ミミル「っ…あー!もう!!鬱陶しいなあ!!」

 

ミミルさんが大きく飛び下がり、トキオの側まで近寄る

 

青葉(…でも、どうしよう、このままじゃ本当に疑われてる通りのPKになっちゃう…別に私は何も悪いことをしてない人まで攻撃したいわけじゃ…)

 

ミミル「行くよ!トキオ!」

 

トキオ「え?」

 

青葉「…へ…?」

 

ミミルさんがトキオの手を掴み、自身を軸にグルングルンと…

ハンマー投げの様に回転し始める

 

トキオ「へ、う、うわあぁぁぁぁぁっ!!」

 

青葉(な、何やって…)

 

ミミル「いっけえぇぇぇぇぇっ!!」

 

そして、トキオが投げ飛ばされる

 

青葉「うわ、危ない!」

 

一歩横に逸れることでトキオをかわす

トキオは顔面から地面に突っ込んだ

 

青葉(な、なんて危険なことを…15メートルは投げ飛ばされましたよ…ん?)

 

バタバタと走る足音

 

青葉「ひっ!?」

 

駆け寄ってきたミミルが一撃

腹部を斬りつけ…いや、寝かせた剣の腹で殴り飛ばされる

 

青葉(お、重い…!)

 

信じられないほど重い感覚

激痛を感じている様な錯覚に陥る

 

青葉「うぐ…ぁ…」

 

腹部の違和感と吐き気に死にそうになりながら地面を転がる

 

トキオ「ナイスミミル!」

 

ミミル「…ふー…どう、青葉、まだやる?」

 

青葉(…あ…だめ、吐きそう…う…)

 

青葉「ご、誤解はまた今度解きます…」

 

エリアから出ることを優先した

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