元勇者提督 作:無し
The・World R:X
シックザール @ホーム
重槍士 青葉
フリューゲル「まさか、トロンメルを完封勝利しちゃうなんてねぇ…それで?どうなったの?オジサンにわかりやすーく説明してくれるかな」
青葉「……以前、シックザールに入る前にあの時代に入り込んだ時、プチグソが目の前でロストしたんです…それを防ぎたかった」
フリューゲル「…ま、年頃の女の子にこういうこというのは残酷だけどよ…あれってデータな訳」
青葉「そうかもしれませんが…」
フリューゲル「…それに、トキオを捕まえられる状況で見逃した…生半可に関わるのはお互いにとって良くない、コレは仕事だ」
…感情に左右されず、割り切れ
言われて当然だ、私はトキオを捕まえなきゃならないのに見逃した…
ただ、気分じゃなかったから
フリューゲル「これから同じような場面に出くわすたびに見逃すのか?それが正しいのか?」
青葉「……あのプチグソは、特別でした…」
槍の先端を見下ろす
確かにあの時、プチグソの光は槍に吸収された
…この槍が、何かを得たと言うことになる
無作為にデータを集めればいいのか、それとも特定の何かだけを求めてるのかはわからないけど
青葉「もう、次はありません、なので…」
フリューゲル「なら良い、オレもそれ以上の追求をするつもりはない…って事で、この話は終わり!さぁて、メトロノームが帰ってくる前に仕事してるフリしねーとな」
青葉「…失礼します」
メトロノーム「あれで良かったんですか、団長」
フリューゲル「あんな申し訳なさそうな顔してトロンメルを圧倒するぐらいの実力者だ…変に扱って敵になられる方が困る、あの槍の力はいつでも消せる、だが…その力無しでもシックザールPCを圧倒する」
メトロノーム「必要ならクラリネッテに向かわせますが」
フリューゲル「いや、責任感強いタイプみたいだし、問題ないだろうよ…しっかし…トロンメルの戦闘ログ観てる限り…やっぱり強いねえ…」
メトロノーム「彼女はまだ自分自身の特異性に気づいていないようでした、気付く前に…」
フリューゲル「だから必要ないって、それに味方でいるうちは非常に頼れるじゃねーの…流石、"連星の狼"ってところか」
The・World R:1
Δサーバー 水の都 マク・アヌ
青葉「…もう、この時代にやり直したい事はない、はず」
思えば随分と勝手なことをし続けたものだ
許されなくて当然なのだ
青葉「…トキオを、捕まえる…」
今私がやるべき、目標…
そして
青葉「未帰還者を助ける…」
未帰還者達を助けるには、どうすれば良い?
…過去の事例は、モルガナ、AIDA、どちらも両者の排除によって未帰還者を救い出せた
なら、過去に倣え
Cubiaを獲る…!
その為にもシックザールの監視網は必要だ…
青葉「…居た」
…トキオ
タウンの中で騒ぎを起こすのはまずいか
Δサーバー 隠されし 禁断の 聖域
グリーマ・レーヴ大聖堂
トキオ「…なんの用なんだ…?オレをこんなところまで連れてきて」
青葉「簡単に言えば、交渉です…私は貴方をリアルに返したい」
トキオ「え?」
青葉「…私たちの邪魔はしてほしくない、その上で、リアルに帰ってほしい…利害は一致してるはずです」
トキオ「…カイト達は…黄昏の騎士団はどうなるんだ…!」
青葉「あれにはそのまま、石像として眠っていてもらいます」
トキオ「…そんなの納得できるか!お前達にThe・Worldを好き勝手荒らされて!」
青葉「私達はシステム管理者に近い立場です、ルールを守る為に存在しています…好き勝手荒らしているのは貴方達です…!」
トキオが剣を構える
青葉「実力行使も…やむを得ませんか……もう一度だけ言います、貴方をリアルに返したいんです…!私達は敵になりたいんじゃない…!」
トキオ「そんなの…信じられるか!!」
トキオが飛ばした斬撃をかわし、槍で突き上げる
青葉「本当に……やるんですね…!!」
トキオ「連牙・昇旋風!」
青葉「リパルケイジ!!」
お互い、手数の多い連続技を繰り出す
青葉(手数で様子見か…!)
トキオ「おりゃあッ!!」
退こうとしたところに強く踏み込んで斬りかかってきた…!
青葉(場数を踏んで戦闘慣れしてきてる…しかも、この感じ…)
この人は、強くなる…
今潰すしかない!
青葉「デュアルスィーブ!!」
横薙ぎの振り回し、そして
トキオ(背後を向いた!!)
誘う、敵の攻撃を!
青葉(もらった…)
槍を中程で握り、一回転して突き…!
青葉「くらえ!!」
トキオ(罠!?)
硬い何かにあたった感触
トキオが聖堂の壁まで吹き飛ばされる
トキオ「うぐ…く…クソ…!」
青葉「……あの一瞬で防ぎましたか…やはり、センスはある…」
でも、ここまで弱らせたなら、あとは回収するだけ…
青葉「!」
背後に槍を片手で振り抜く
青葉「……貴方、猫の…」
マハ「ーー!」
猫が何かを叫ぶような表情
そして現れる鉄アレイのようなモンスター…
青葉「……」
槍を構え直す
ずっと握られたままのリコリスさんの手を意識する
青葉(コレではスキルと同時に呪符が使えない…それじゃあ…どう立ち回る?)
槍を床に突き刺し、呪符を投げる
青葉「斬風姫の召喚符!」
突風が辺りを包む
モンスター達を風の刃が削り取る
青葉(今のうちにトキオを…!)
青葉「い、いない!?逃げられた…!」
確かに動けないほどのダメージを与えたはずなのに…
青葉「……邪魔をした罰…!」
モンスターが灰になり、消えていく
青葉「…なんでみんな、邪魔するんですか…」
灰を槍で払う
青葉「…今、灰を吸収した?…まさか、モブのデータを集めてる…?この槍が?いや……リコリスさんなのか…わからないけど…」
グラン・ホエール 艦内
トキオ
トキオ「う……うう…」
彩花『酷いやられようね』
トキ☆ランディ「仕方ないウパ、敵はシックザールでも未知数、簡単は倒せるとは思わない方がいいウパ」
彩花『しっかし……なんで1人でノコノコついていくのよ!こんっのバカトキオ!』
トキオ「……わからなかったんだ…なんで…あの時、青葉がプチグソを助けようとしてたのか…」
信じたかった気持ちはある
いや、きっと真実なのだろう、信じればオレはリアルに帰れたのだろう
でも、The・Worldはそのままだ
…オレの憧れのゲームは、そのままなんだ
トキオ(絶対…オレは、オレがThe・Worldをなんとかする!勇者として!)
リアル
某所
駆逐艦 東雲
東雲「ここは?」
神通「かつて私が住んでいた家です、戦争が終わったらと思い、残していたのですが…それよりも早くに帰ってきてしまいました」
東雲「……帰る場所、か」
神通「…いいえ、帰る場所ではありません、ここはただの隠れ蓑です、私の帰るべき場所はここじゃない」
東雲「それを理解しているなら…」
神通「お説教もお節介も、不要です」
東雲「……わかりました」
お茶の入った湯呑みが置かれる
東雲「…これはどうも、しかし、その腕でもお茶は淹れられるんですね」
神通「重いものは持てませんが、それなりに快復してきるようです」
毒など気にすることもない、なんの躊躇いなく口に含む
東雲「…上等なほうじ茶ですね、いや、あなたの腕ですか?」
神通「お茶汲みだけは自信がありますから、昔よく仕込まれました」
東雲「川内さんはあなたのことを大事に思っているのですね、もう一杯いただけますか?」
神通「はい」
…淹れる所作も含め、全てしっかり指導したのだろう…
どこに出しても恥ずかしくない様に
東雲「やはり貴方の腕の様だ、とても素晴らしいですよ」
神通「どうも、唯一自信のあることです」
東雲「ここの台所や近所の商店のことは分かりませんし、夕飯も任せて良いですか?」
神通「……ええ、まあ」
東雲「…できないなら、できないと言えば良かったのに」
食材全てミンチ状…まるでタルタルステーキ…
神通「……家事は全て姉さんがやっていましたから」
東雲「流石の川内さんも家事全ての教育は投げ出したか」
神通「……」
東雲「…分かりました、私が用意しましょう…ええ、仕方ない…」