元勇者提督 作:無し
The・World R:1
Ωサーバー 遺跡都市 リア・ファイル
トキオ
トキオ「…ここは」
青葉「ネットスラム…転送された…楚良さんは……居ない…!」
楚良は何故最後の最後に、庇ってくれたのか
もはや尋ねる手段はどこにもない
青葉(歴史改変を望んでたわけじゃないけど、助けたかった…)
司「トキオ!青葉!」
ミミル「よかった!2人とも無事だったんだ!」
青葉「…ええ、しかし楚良さんが…」
ベア「…そうか、それは仕方のないことだ、それより…」
見上げる
さらに、ふわふわと浮かんだアウラが…どこかへと消えた
ヘルバ「アウラはどこかへと旅立った…か」
…女神の行方は、わからない…
司「…みんな、ありがとう、みんなが助けてくれたから、僕は前を向けた…歩き出せたんだ…みんながいなかったら僕は、アウラと同じように、ずっと眠っていた…」
昴「司…」
ミミル「ちょっと…しんみりしてきたかな…」
司「トキオも、青葉も……あれ?」
司さんの体が輝く
トキオ「この光…」
前に見た、クロノコアの…
青葉「待って!何か来ます!!」
ザザザ…
ノイズが走る
ベア「来るか…!目的は達成した!司!ログアウトできるか!」
司「うん…!」
ヘルバ「みな、離脱しないと…死ぬ…か……このサーバーを落とす、強制離脱させるぞ」
トキオ「えっ」
それ、リアルの肉体のオレはどうなって…
目の前が暗転する前に、何かを見たんだ
赤い3つの光…それに対して、青葉は一言だけ呟いた…「スケィス…」と
トキオ「うわあぁぁぁぁぁッ!?」
データの狭間
…ここはどこなのか、ここがなんなのかわからない
浮遊感と脱力感…力が抜ける感覚…
トキオ(…く……ダメだ、動けない…)
リアルの体だったオレだけが…この場所に取り残されたんだ…
トキオ(オレ、このまま死んじゃうのか……?)
…頭がぼんやりする…
こんな時、昔から何度も繰り返して見る夢がある…
その夢の中では、オレは不思議な格好をしてて
武器を携えてモンスターを倒していく
まるでゲームの主人公みたいに
そして、魔王の城に囚われていたお姫様を救い出す…
すると彼女は、決まってオレにこう言うんだ
???『ありがとう、トキオ…貴方は私の勇者様です』
……誰かが呼ぶ声がした
???『勇者様…勇者様…!』
薄目を開ける
青と緑のグラデーションの髪…淡い色のドレス…
夢で見たお姫様だ…
トキオ(キミ、は…?)
Λサーバー 文明都市 カルミナ・ガデリカ
???「しっかりしなさい!しっかりして、目を覚まして…!」
誰かの声が…
目を開く…あのお姫様の姿がこんなに近くに…
???「よかった…大丈夫…?」
トキオ「…キ、キミ……キミは一体誰…?なんでここにいるの?」
???「え?」
トキオ「なんでオレの夢に出てきたの?その格好PCじゃないよね!なんで?ねえ、どう言うこと!教えてよ!」
???「ちょっ……トキオ!!」
背筋に電流が走る
トキオ「んがあぁぁぁぁぁっ!?」
視界がハッキリする
オレがお姫様だと思い込んでたのは…
トキオ「あ、あれ…?彩花ちゃん…?……こ、ここは…カルミナ・ガデリカ?オレ、助かったのか…!?」
彩花「ね、寝ぼけるんじゃないわよ!モニターのアラームが鳴り出したから急いで来てみれば……全く…」
トキオ「…彩花ちゃんが助けてくれたのか…ありがとう」
トキオ(でも、今更だけど…お姫様と彩花ちゃん、似てる…?)
背後から足音がした
トキオ「誰が……あ、キミは!」
電「……」
トキオ「電ちゃん、だったよね…?」
電「はい、大きな騒ぎがあったので見にきたのです…」
トキオ(そういえば、この子もリアルデジタライズの被害者なんだっけ…できればグランホエールに…)
彩花「乗せないから」
電「…貴方は、誰なのです?」
電ちゃんが彩花ちゃんの方を見る
彩花「…あれ?なんで見えて……あ!不可視モード切ってる!VCもオープン…!?なんで!」
トキオ「お、おっちょこちょいだなぁ……」
彩花「うるっさい!このバカトキオ!」
電流が走る
トキオ「んがっ!?」
電「…タダで保護して欲しい、とは言わないのです」
電ちゃんが何かを見せる
彩花「それは…クロノコア…!?」
電「さっきそこで拾ったものなのです…」
トキオ「そういえば…さっき、司から…」
彩花(どう言う条件で出たか確認しないと…観測用のボッドは……)
彩花「…時間データが正常になってる…!?」
トキオ「え?どうかしたの?」
彩花「トキオ…クロノコアの出現条件がわかったわ…だから今は早く、そいつから取り上げて」
トキオ「えっ…」
電「渡すのです、別にそれになんの抵抗もするつもりもありません…なので…」
彩花「…アンタが敵のスパイじゃないって保証はないわ…!」
トキオ「…あ、待って!」
クロノコアが光となり、電ちゃんに吸収される
電「え…」
彩花「な、なにをしたの…!」
電「何も…」
トキオ「……どうやら、クロノコアが欲しかったら電ちゃんも一緒に行くしかないみたいだね」
彩花「……ああもう!仕方ないわね…!」
彩花ちゃんが不可視モードになる
電「…ありがとうございます」
トキオ「うん、よろしくね」
電ちゃんに笑いかける…それと同時に、大きく地面が揺れる
トキオ「じ、地震!?」
いや、違う…ズンッ…ズンッ…と規則的に、そしてより大きく…
トキオ「この感じ、足音…それも…」
トロンメル「Heyボーイズ…!…探したぜぇ…」
トキオ「シックザール…!?なんでここに…」
トロンメル「お前はずっと監視されてたんだよ!」
トキオ(監視…じゃあ青葉が手を貸したのも…監視のためか…!)
トロンメルが指を鳴らすと同時にあたりに結界が張られる
トロンメル「このまま終わればハッピーエンドってところだが…?そうはいかねェんだよなこれがまた…!逃げられないように、結界を張らせてもらったぜ…!」
トキオ「やる気か…!」
トロンメル「そうとも…前にやり合った時からストップがかけられてたが…ようやくお前をやっていいって命令が降りたんだぜ!」
トキオ(…青葉を信用しようと思ったのも、間違いだったのか…!)
トロンメル「さあ!T様のお出ましだ!!」
トロンメルが飛び上がり、攻撃を仕掛けてくる
トロンメル「
地面に突き刺さった拳から衝撃波が飛んでくる
トキオ「くっ…電ちゃん!逃げて!オレがなんとかするから!」
電「……問題ないのです…!」
機械音が響く
トロンメル「あァ…?」
電「電の本気を見るのです!!」
砲音、そして砲弾がトロンメルに直撃する
トロンメル「オウッ!?なんだぁ…不正PCか…!このT様が粉々にしてやるぜェーーッ!!」
トキオ「させない…!絶対に電ちゃんには手を出させないぞ!」
トロン丸の大ぶりな攻撃を交わしながら、立ち回る
トキオ(どうすればいいんだ…!?トロンメルの攻撃は威力がヤバい、直撃したら…)
電(ここがThe・Worldだというのなら、私はフィドヘルを使える…さあ…!)
電「フィドヘル…!…っ…?」
電ちゃんが立ち尽くす
トロンメル「貰ったァ!唸れジャスティーースッ!!」
トロンメルが加速し、いつの間にかオレの背後に…
トロンメル「
連続でのパンチを受け、結界の壁に叩きつけられる
トキオ「がはっ…」
電「トキオさん!!」
トキオ(強い…強すぎるよ…)
電「っ…このままでは…」
剣を杖のようにして立ち上がる
トキオ「…クソっ…!」
ポーン…
何か、音がした
トキオ「クソォォォォッ!!絶対に!負けてたまるかぁぁぁッ!!」
立ち上がり、駆けて…
剣を強く握って…
振りかぶって…
電(…お願いします…!)
偶然だった
突き刺すように押し出した剣と、電ちゃんが撃った砲弾が、同じ場所を同時に攻撃した
トロンメル「ぐっ…!?」
トキオ「いっ…けぇぇぇぇッ!!」
剣を、力強く振り抜いた…
トロンメルを吹き飛ばし、結界をぶち壊した…
トロンメル「GAYFUN!?…アウチ…このT様が……こんなガキどもに2度も……!……いや…次はビッグTで…」
トロンメルがどこかへと転送されていく
トキオ「はぁ…はぁ……や、やったのか?」
彩花『そうみたいね、とりあえずグランホエールに戻りなさい、すぐにアカシャ盤に行くわよ』
トキオ「待って彩花ちゃん!……今、オレたちは本気で戦ってた、オレはもちろん、電ちゃんも」
電「……」
彩花『…そうね』
トキオ「…電ちゃんを、信用できないかな」
彩花『…考えて、おくわ』