元勇者提督 作:無し
The・World R:1
Δサーバー 隠されし 禁断の 聖域
グリーマ・レーヴ大聖堂
ヘルバ「フィアナの末裔、蒼天のバルムンク……にしては、大人気ないんじゃない?」
聖堂を出たバルムンクが声に振り返る
青銅の屋根の上、そこにただ、存在する白い、異質な女王…
そして、ザワン・シンを討ったふたりの英雄、フィアナの末裔、蒼天のバルムンク
バルムンク「ハッカーと話す言葉などない!」
ヘルバ「(笑)」
ヘルバがバルムンクのそばにワープする
ヘルバ「彼はね、あなたのパートナーの友人よ」
その言葉を聞いてバルムンクは足を止める
バルムンク「オルカの……?」
聖堂内部
重槍士 青葉
カイト「彼も…オルカみたいになっちゃうと思って、なんとかしなきゃ、なんとかしなきゃ…って、そう思ったら…声が聞こえたんだ」
そう語る司令官を物陰から静観する
また、いつアレが現れても、良いように
カイト「オルカに本を渡した、女の子の声だったと思う」
ブラックローズ「そっか…でもさ、どうする?またウイルスバグが出てきたら…その力は、アンタの友達を……その…ごめん」
…デリケートすぎる部分だ
踏み込みにくいし、踏み込めない
カイト「よくわからないんだ…この力がなんなのか、彼女は、オルカに何をして欲しかったのか、こんな力を持ってしまった僕はどうすれば良いのか、僕はただオルカを助けたい、それだけなのに…」
…ただ、友達を助けたいだけだったのに…か
Δサーバー 水の都 マク・アヌ
ブラックローズ「今日はあたし落ちるね」
カイト「うん」
ブラックローズ「今日はなんだか……その、うまく言えないけど…おやすみ…」
そう言ってブラックローズがログアウトする
それと入れ替わりに…
青葉(…さて、どうしようかな、私はとりあえず影から司令官を…)
カイトの正面に、転送されてしまった
青葉「あ」
カイト「…あ、もしかして…」
青葉「あー、そうだ、このタウンじゃなかったー…」
ゲートをターゲットして転送しようとした時、リコリスさんに手を引かれ、転送できない距離に移動させられる
青葉(り、リコリスさん…!)
リコリスさんの妨害により、転送が阻止される
カイト「あの…この前、助けてくれた人…」
青葉「ええと…どちら様でしょう…」
カイト「あ…そっか、色が…ええと、前は緑色だったんですけど…」
青葉「…人違いじゃないですかね?The・Worldってにたエディット多いし」
カイト「…そうですか…わかりました、すみません」
青葉(心臓に悪いですね……そう言えば、この時の司令官っておいくつくらいなんだろ…えーと、2010年だから…14か13…!?…若っ…)
…本当にその年齢でたくさんの未帰還者を助けたというのだろうか
…怖かったはずなのに、辛いはずなのに、そんなの…
青葉(…私も、見習わなきゃな)
青葉「……気分、変わっちゃったなぁ……そう言えばあと少ししたら出発だし、落ちようかな」
リアル
離島鎮守府 執務室
重巡洋艦 青葉
狭霧「駆逐艦狭霧、それから以下Linkメンバー、離島鎮守府にお世話になります」
海斗「よろしくね、狭霧、それとお帰り、朧、青葉」
朧「はい、朧、ただいま戻りました」
青葉「同じく青葉、戻りました!」
…あのカイトが、今目の前にいるんだ
そう思うと、司令官が少し違って見える
海斗「それと、護衛の話だけど…5人用意したよ、影武者合わせて5人」
狭霧「…そちらに居られるのが、5人の朝潮さん、と、その役の人達と」
海斗「そうなるね」
朧(…アケボノも混じってるし…)
青葉(それと…確かあの子は朝霜さん、あっちは春雨さん、そっちは荒潮さん、それと山雲さん…あ、あれ?本物の朝潮さんは?)
アケボノ「とりあえず、私達は施設内を案内致します、では、提督、一度失礼致します」
ガングート「おい待て」
アケボノ「…なんですか?」
ガングート「なぜ影武者にお前が混じっている、私はお前を知っているぞ、たしか…あー…あー………あ…なんだった?朧」
朧「朝潮」
ガングート「じゃないだろう?多分別の名前だったはずだ」
狭霧「アレは、朝潮さんですよ、ね?」
アケボノ「ええ、私が朝潮です」
グラーフ「秘匿されるべき本物が堂々と名乗るか?」
荒潮「あら〜、なんで詮索するのかしら〜?」
リシュリュー「…要するに、私達は目の前にいる5人を本物だと信じて守るしかない、か」
アケボノ「それでは、ついてきてください」
戦闘ができるメンバーは殆ど全員連れて行かれた
残されたのは、狭霧さん、私、朧ちゃん、それから神風さんやアークロイヤルさんみたいな…ここに詳しいメンバーや戦闘をしないメンバーばかり
海斗「次に、キタカミ…は、まだ来てないか…」
朧「相変わらず、キタカミさん時間にルーズなんですね…」
海斗「いや…多分誰かに絡まれてるんだと思うよ、最近は人気者だし、それに…脚が少し良くないんだ」
青葉「…何かあったんですか?」
海斗「新種の深海棲艦がね、キタカミの足に張り付いて自爆したんだ…アヤナミの用意してくれてた特殊繊維の制服のおかげで大事には至らなかったけど、見えてないだけで傷があったみたいでね」
狭霧「それは…」
海斗「本人は大したことないって言い張ってるけど、無理はさせられない…」
朧「なら尚のこと、こっちから行くべきなんじゃ…」
海斗「僕もそう提案したんだけどね…」
朧(…あ、あれ?この匂い…あ…)
朧「……絶対にアタシ達が行くべきでしたよ…」
海斗「どうかしたの?」
ノックもなく、扉が開く
アケボノさんがいたら激怒していただろうけど…
阿武隈「し、失礼しまぁす…!」
潰れたカエルのような声になりながら、キタカミさんを背負った阿武隈さんが入ってくる
海斗「…あー…阿武隈、キタカミ…なにやってるの…?」
キタカミ「いやー、なんか背負っていってくれるらしいからさ、いい弟子を持ったよ〜」
阿武隈「嘘!脚が痛いからおぶらないと動かないって言いまし…あゔっ!?」
阿武隈さんが体制を崩して倒れる
キタカミさんに膝裏を杖でつっ突かれたようだった
キタカミ「それよりもさー、阿武隈?ノックはしようか」
阿武隈「びゃい……」
キタカミ「さて、と」
キタカミさんが杖をついて阿武隈さんの上に立ち上がる
ビスマルク「背筋もピンとしてるし、脚が悪いようには見えないけど」
アークロイヤル「黙っていろ」
キタカミ「ま、私が教導担当のキタカミね、とりあえずここで2番目にえらくて強くて賢いやつだと思って覚えといてくれたら良いからさ」
ビスマルク「賢いの?綾波より?」
キタカミ「さあ?どうだろ」
アークロイヤル「綾波より強いのか?」
キタカミ「タイマンでお互い死ぬ直前まで行ったかなあ」
朧(それ…自滅技…)
海斗「キタカミは勉強も得意だから、知りたい事やわからないことがあったらなんでも頼って」
キタカミ「ま、そういうことでよろしく?」
狭霧「……キタカミさん、あなたは私たちを受け入れる事に抵抗は無いんですか?」
キタカミ「無いね、ここは絶海の孤島だけど新聞とかニュースはネットを介して見られる」
キタカミさんがニュース記事をスマホに映して見せる
キタカミ「まあ、よろしく?有名人さん」
英語の記事…イギリスの英語…
狭霧「この記事、イギリスの新聞ですね」
アークロイヤル「…ウォースパイトが働きかけてくれたんだな、ヨーロッパの方ではLinkの存在がかなり広まっているらしい」
キタカミ「ま、アンタらが目の色変えて襲いかかってきても…うちの駆逐艦にすら勝てないだろうしさ?」
アークロイヤル「流石にバカにしすぎだ」
ビスマルク「一応汎用艤装で訓練も済ませてるんだし、何より装甲が違うわ」
キタカミ「なら為す?うちの駆逐艦と」
そう言って朧さんが指差される
アークロイヤル「…これは駆逐艦とは呼ばないだろう」
キタカミ「んじゃー…アケボノとか」
朧「あれはアタシより化け物…いや、もう戦艦とか空母ですら無い…」
ビスマルク「朧がそう言うってどんな化け物なの…」
朧「しばらく本気を出してるのを見た事ないけど…アタシじゃ無理かなぁ…」
キタカミ「それなら、オリジナルボディのアヤナミは?」
朧「…ちなみに強さは?」
キタカミ「ノーマルよりは弱いってさ、水鬼くらい?」
朧「無理、戦艦でも手も足も出ません」
キタカミ「んな事ないよ、スペック的にはやりあえるよ、戦い方にやられるだけで」
アークロイヤル「ここには化け物しかいないのか」
キタカミ「最前線だからね」
阿武隈「あ…あのぉ…そろそろ…降りてもらっていいですか」
キタカミ「ああ、ごめん、忘れてた」
そういってキタカミさんが阿武隈さんから降りる
青葉(こんなキャラだっけ、2人とも…)
キタカミ「魔、とりあえず怯えるこたぁないよ、優しく教えてあげるからさ」
青葉(…大変なことになる予感がします…)