元勇者提督   作:無し

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第539話

離島鎮守府

秘書艦 アケボノ

 

ガングート「なあ、お前」

 

アケボノ「なんですか」

 

ガングート「試しに私とやらないか?」

 

アケボノ「……護衛対象と戦いたいなんて人、初めて見ましたよ」

 

他のダミーの朝潮さん達と別れた途端にこれか

かなり好戦的にみえる

 

アケボノ「お断りします」

 

ガングート「私は是非やりたい、お前は強そうだからな」

 

アケボノ(一目でわかるタイプの戦闘狂か)

 

他のメンバーにつかなくてよかった、この人といるとストレスが溜まるパターンだ

 

ガングート「なあ!試しに一度!どうだ!」

 

アケボノ「お断りします」

 

…この人は何が知りたいのか

 

ガングート「お前からは技術だけで誤魔化すような力ではない、純粋な力を感じる…!」

 

アケボノ「……」

 

こいつ、深海化の力を見抜いている?

…明石さん試製の艤装のテストに使うのも手だが、殺してしまいかねないか

…革手袋をした上で、手だけを深海化して…

 

アケボノ「なら、腕相撲と行きましょう」

 

ガングート「アームレスリングか、わかった、いいだろう、それでも力はわかるしな!」

 

…まさか本当に乗るとは

 

 

 

アケボノ「では、行きますよ」

 

…片手だけ深海化して、力を抜く

握り潰さないように

 

この手なら簡単に鉄を変形させるほどの力がある、力を抜かなくては兵士としての人生を殺してしまいかねない

 

ガングート「手は抜くなよ」

 

アケボノ「はいはい」

 

アケボノ(抜かないと大怪我させるんですよ…)

 

手を重ね、互いに力を込める

 

アケボノ「!」

 

ガングート「…どうした、まだ握らないのか?」

 

握り潰すつもりの握力…これは…

 

アケボノ(コイツ、本気で骨を折るつもりか…)

 

アケボノ「合図はそちらのタイミングでどうぞ?」

 

少し痛い目に合わせた方がいいのかもしれない 

 

ガングート「3…2…1……GO!」

 

アケボノ「!…これは…」

 

思っていた以上に力がある…!

コイツ、ナノマシンタイプだ、筋量以上のパワーが出ている…

 

アケボノ(いや!それよりも…手首までの深海化で出せるパワーでは…勝つのはギリギリか)

 

ガングート「やはり見立て通りだな!その小柄さで私並みのパワーだと!?どうやって出しているんだ!!」

 

アケボノ(うるっさい…一瞬力を込めて…潰す!!)

 

ガングート「!」

 

一瞬で手の甲を叩きつける

 

アケボノ「私の勝ち、以上です」

 

ガングート「…ははは、意外と…負けず嫌いなんだな?」

 

アケボノ「…何?」

 

ガングート「何をした?今、明らかに異常な力が見えた…貴様が本物なのか?」

 

アケボノ(…思ったよりバカではないらしいが、不愉快だな)

 

アケボノ「そうまでして本物が知りたいですか」

 

ガングート「…ああ、ロシアには、本物を迎え入れ、警護する用意がある」

 

アケボノ「馬鹿げてる、国で守れると?」

 

ガングート「国で守れなければ何が守れる!」

 

アケボノ「仲間ですよ」

 

ガングート「…果たして、そううまく行くか」

 

アケボノ「うまく行きます、何故なら、私たちは今までそうやって乗り越えてきました、どんな障害も、どんなに苦しい時も」

 

ガングート「それは、今後もそうであると言う証明にはなり得ない」

 

アケボノ「だからなんですか」

 

ガングート「…お前が本物ならロシアに来てほしい、必ず護ると約束する、オリジンの力は悪用させない、いや、利用すらさせない!約束する、世界が滅ぶようなことになってほしくないだけなんだ…!」

 

アケボノ「あなたが真実を言っている証明はどこに落ちているんですか?」

 

ガングート「…それはない」

 

アケボノ「私たち言葉を否定しておきながら、なんと都合のいい」

 

ガングート「……悪いとは思う、しかし、だが…」

 

アケボノ「そもそも、あなた達を今の所信用していません、あくまで私はですが」

 

ガングート「……そうだ、思い出したぞ、お前の名前」

 

アケボノ「…へえ」

 

ガングート「呉で川内達といたやつだろう!?確か曙…で、お前はその、そっくりさん」

 

アケボノ「……」

 

ガングート「確かあの時、お前は別の曙と名乗っていた、そうだろう!?…てっきり深海棲艦の力を扱うのがオリジンの能力かと思ったが…」

 

アケボノ「なんですって?」

 

…あの一瞬でそこまで見極めたのか?

どんな眼をているというのか

 

あの、本当に微かな一瞬で…それを見極めるなんて

 

アケボノ「私は深海棲艦の力なんて使えませんよ

 

ガングート「私は、と言うことは使える奴もいるのか?それがオリジンなのか?」

 

アケボノ「知りませんよ」

 

ガングート「頼む!教えてくれ!邪な考えは持っていない…!」

 

アケボノ「…信用するのは無理な話だ」

 

ガングート「その無理を通したい!頼む!この通りだ!」

 

…真っ直ぐに当たられるのは慣れてないな

でも、それはそれとして

 

アケボノ「まあ、お断りしますね」

 

ガングート(コイツは何かを知っている、本物の正体以上のことを…コイツから聞き出すのが一番早い!)

 

アケボノ(…別の人に代わってもらおうかな)

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