元勇者提督   作:無し

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Special purpose Knife

離島鎮守府

軽巡洋艦 神通

 

神通「……」

 

ガングート「貴様ら、中近距離の心得は…!」

 

大和「あるとは言えません…」

 

長門「だが!足手まといにはならんぞ!」

 

神通(手っ取り早く、気絶させて…)

 

一歩、二歩、踏み込んで、身体を捻りながら跳躍…

ひねりを効かせた蹴りで、真正面から後頭部を狙う…

 

長門「させるか!!」

 

神通「!」

 

刀でそれを防がれる

脚部艤装が火花を散らす

 

神通(反応はいい…か)

 

着地して二歩、下がろうとしたところに大和さんの砲撃

直撃は避けるものの…掠めでもしたら、まともに戦えなくなる威力…

 

大和(外しましたか…!)

 

ガングート「……」

 

神通(動かなかったか、やはり何か作戦を抱えたいるようで)

 

ガングート「2人とも、ガードを固めてくれ」

 

そう言ってガングートさんが片手を背に回す

大和さんと長門さんは何も言わずに艤装で周囲を固める

 

神通(……何かを、掴んだか?)

 

この眼を持ってしても、衣服の上からではそれしかわからない

どんな形の何を掴んだのか…

 

キン…

 

小さく金属音が響く

 

神通(金属?何を…何かに引っかかった…)

 

そのままガングートさんは背に手を回したまま…1秒…そして、2秒経つ前に動き出す

 

神通(あれは!!)

 

ガングートさんが手榴弾をこちらに投げつけてくる

それに気づき、防御姿勢を取ろうとするものの…

 

目の前で炸裂する

 

神通「ッ…!!」

 

防御をしようとしたせいで、それに使おうとした両腕が深刻なダメージを受けた…そして、面が完全に吹き飛んだ…

 

ガングート「…ハハ…!ようやくそのツラに見覚えがあるのを思い出したぞ」

 

神通「……」

 

ガングート「無視か?日本人にしては…随分と礼儀がなってないな」

 

ガングートさんの手が懐に伸びる…そして、何かを掴んだ

 

神通(……これはヤバい!)

 

身体を捻りながら飛び、呪符を一枚宙に放つ

 

神通(怒塊の呪符!!)

 

ガングート「逃がさんぞ!!」

 

ガングートさんが銃を取り出しこちらに発砲してくる

そしてそれを召喚された岩の塊が防ぐ

 

ガングート「…なるほどな、隠し玉は互い様か…」

 

神通(…危なかった)

 

サブマシンガン…と呼ばれる類の銃器

弾も小さく、威力には優れないが、装弾数は少ない上に連射速度もそこそこ、その上で取り扱いも簡単…

 

神通(近距離戦闘に使うにはもってこい、近距離はナイフ、中距離はサブマシンガン、遠距離は砲…)

 

ガングート「その岩は邪魔だな」

 

ガングートさんの主砲で破壊された岩の破片が私の頬を斬り裂く

 

神通「……」

 

…久方ぶりに、目を開いた

 

ガングート「…クク…なかなか、澱んだ目をしたやつだ」

 

神通「……」

 

…ガングートさんの目を見たかったから、目を開いた

 

やはり、綺麗な、目をしている

 

長門「どうする!」

 

ガングート「お前らは私に当てないようにしながら砲撃、長門!お前の刀を貸せ!ナイフも良いが間合いに入ってくれないだろうからな!」

 

ガングートさんがナイフを鞘に収めて刀を握る

 

大和「…1人で大丈夫ですか、私も…」

 

ガングート「案ずるな!Linkはあらゆる状況を想定した作戦行動のためのテストがある…こんなもの序の口だ!」

 

…全く恐れがない

私へと向かい、走ってくる姿に、恐れも、警戒もない

 

神通「……」

 

砲撃をかわしながら、サブマシンガンの銃口を注視する

 

ガングート(やはり警戒している、どうする…!)

 

サブマシンガンを警戒しているからか、攻撃はそちらではなく主砲での砲撃のみ…

しかし、あと3歩接近すればそうはいかない、主砲の有効射程から外れる…

 

ガングート(近すぎれば、この大口径の主砲は当てづらい…と思っているんだろうな!!)

 

神通「!」

 

ガングートさんが放った砲弾は、散弾…

 

放たれた散弾が

右の太腿に複数の傷を作る

 

ガングート(脚は奪った!!これで逃がさんぞ!!)

 

振り下ろされる刀を蹴りで防ぐ

 

ガングート「引けないとなると、そうするだろうとは思ったよ」

 

刀を蹴りで防ぐとなると、片脚が塞がれる

そして、私は両腕が使えない

 

ガングート「チェック」

 

腹部にサブマシンガンが突きつけられる

 

長門「…強いな…」

 

神通「……」

 

ガングート「ゆっくりと足を下ろせ、そして膝をつけ…」

 

刀と脚部艤装がギチギチと音を立てる

 

ガングート「聞こえていないのか!!」

 

神通(…下腹部を撃たれる、か…瑞鶴さんを捕まえれば出血死は免れるはず…この至近距離なら…問題はない)

 

脚をゆっくりと下ろす動作、そして身体を一瞬引く素振り

…そして、頭突き

 

ガングート「ぐう…!!」

 

神通(全く気を抜いていない…頭突きも不意をつけてない!)

 

本当なら不意打ちで動揺を誘えたはずなのに…

軽い銃声が鳴り、脇腹に熱い感覚

動きを止める事なく、艤装を使った全力の蹴りでサブマシンガンを蹴り飛ばす

 

ガングート「なッ!」

 

神通(続いて刀も…!)

 

艤装のブーストを効かせた回し蹴りが刀を木っ端微塵に砕く

 

ガングート「クソッ!…殺しておけばよかったか!」

 

逃がすわけにはいかない、まずは1人完全に仕留めるしかない!

 

飛び上がり、主砲の砲撃を蹴りで弾き、艤装の接続部を蹴りで破壊する

 

ガングート「があぁぁぁっ!!」

 

……艤装も、刀も、隠していた銃器も破壊した

 

神通(……左脚、両腕、腹部……限界に近いな)

 

ガングートさんはよろよろと私の間合いから外れる

もう武器はない…

 

ガングート「…クソ……まだ、終わってないぞ…!」

 

ガングートさんが鞘に収めたナイフを抜く

 

長門「待て!ここからは我々が…」

 

ガングート「やめろ!手を出すな!!」

 

大和「で、ですが…」

 

ガングート「ここまで面白い奴は久々だ!!こんなに楽しい時間を誰かにくれてやる?あり得ないだろう!!」

 

神通(……戦闘狂か)

 

こちらにナイフを向けたまま、ヨロヨロと刺突の構えで近づいてくる

 

神通(…私も姉さんにバカと言われたものですが……ここまでのバカではありません)

 

どう考えても、刺突の届く距離は私の蹴りの射程より短い

そして、あと一歩で蹴りの範囲内…

 

大きく振り上げるようなハイキックがこめかみを打ち砕く

 

ガングート「…かはっ……」

 

神通(あっけない、最後ですね…)

 

脚を戻し、他の2人へと視線をやる

 

神通(…あ、れ…?)

 

気付いたら、膝をついていた

胸から、血が流れ落ちていた…

 

神通(な、何故!…ナイフは届いていないはず…)

 

ガングート「ク…ハハ……これが、私の、切り札だ…」

 

神通「…!」

 

ガングートさんの手に握られているナイフの…刃がない

…話にだけ聞いた事がある、ロシアの特殊部隊は刃を射出する特殊なナイフを使うと…

まさか、それか…

 

ガングート(綾波…お前、言ってたよな…これを見せるときは、確実に殺せって……多分、言いつけは守れた…な)

 

長門「!これは…!」

 

ガングートさん達がブラックホールに呑まれる

 

神通「…かはッ…ぁ……あ……が…ぐ」

 

 

 

 

 

広場

駆逐艦 夕立

 

神風「この子、駆逐艦の艦娘でしょうか…」

 

ポーラ「離島鎮守府の子…って雰囲気じゃないですねー」

 

夕立「…夕立と遊んでくれるのかしら?」

 

痛めつけろ

そういう命令だし、攻撃に躊躇いはないけど

 

ザラ「…大湊警備府の、夕立さん」

 

夕立「……誰?それ」

 

…面が割れているのは困る

所属も名前も割れている以上、あからさまなすっとボケで誤魔化す他ない

 

ザラ「…私たちでやるしかありませんよ…!」

 

リシュリュー「朧達は!?」

 

ポーラ「動けなくなった人の救助に…!」

 

夕立「お話は、後にするっぽい」

 

改二艤装を展開する

 

ポーラ「…え…」

 

リシュリュー「な、何、あれ…」

 

ザラ「…艦娘システムなのですか、あれが…?」

 

夕立「…まず、何から使おうかしら」

 

ミサイルハッチが開き、小型ミサイルが射出される

そしてそれを操り…

 

夕立「選り取り見取りっぽい?」

 

ザラ「っ!」

 

リシュリュー「嘘…!」

 

艤装の接合部を狙い撃つ

 

ザラ「おもちゃみたいなサイズと見た目なのに、性能体力は本物…!」

 

夕立「こういうのもできるっぽい」

 

砲をそれぞれに狙いをつけて撃ちまくる

 

リシュリュー「これ!主砲じゃない!大口径の機関銃みたいな…!」

 

ポーラ「うう…だ、ダメです…!」

 

夕立(……あり得ないほど、高性能…夕立の強さじゃない、艤装の強さに頼った戦い……)

 

…心に、しこりはある

 

夕立「ついでに、これも見せてあげるっぽい」

 

ラジコンのようなサイズのヘリコプターが飛び上がる

しかし、飛び上がった瞬間、撃ち落とされる

 

夕立「……もう…これじゃ使えないっぽい」

 

…撃ち落としたのは、誰だろう

 

アトランタ「……」

 

アイオワ「アメリカ艦隊!敵発見!仕留めるわ!」

 

…アメリカ人

 

夕立「……」

 

…人数が増えた、か…いや、まだ増える

 

朧「間に合った!?」

 

ザラ「はい!」

 

リシュリュー「…これだけの数相手に、やるつもり?」

 

夕立「……分が悪そうっぽい」

 

…でも、どれだけやれるか……

 

夕立「!?」

 

周囲の人間が黒い球体に包まれて消える

 

夕立「…な、何が起きたの?」

 

私1人だけ、取り残されて…

 

 

 

秘書艦 アケボノ

 

アケボノ「…居ましたか!」

 

連絡が取れない人間の大体の位置は把握した

そして残り1人、居場所がわからないあと1人…

 

部屋に入り、抱き起す

 

アケボノ「青葉さん!生きてますか!」

 

青葉「……」

 

意識がない…

ゲーム中に意識を失ったか?いや…倒れていたことから頭をぶつけて意識を失った可能性もある、なんにせよこの人を早く連れて出なくては…

 

綾波「やあ、どうも、こんにちは…」

 

背後から、今一番聞きたくない声…

 

アケボノ「綾波…!」

 

綾波「はい、そうですよ、綾波です」

 

アケボノ「貴様…提督への恩を忘れたか…!」

 

青葉さんを手放し、綾波を睨む

 

綾波「ええ忘れましたよ、そんなもの」

 

アケボノ「…貴様」

 

綾波「しかし…せっかくやろうにも…ははは、アヤナミは手際がいい」

 

アケボノ「…!」

 

背後にブラックホール…?

不味い…!

 

綾波「……フフ」

 

アケボノ(逃げられな…)

 

 

 

 

 

 

 

横須賀鎮守府

 

アケボノ「ッ……こ、ここは…?」

 

海斗「アケボノ!青葉も…よし、これで全員だ…」

 

…あのブラックホールで転移させられたということか…!

 

だが、綾波が何故…

 

朧「…アケボノも知らなかったと思うけど、まあ1人の方のアヤナミが、逃してくれたんだよ」

 

アケボノ「朧…!」

 

長門「負傷者で動けるものはこっちに来い!急げ!!」

 

赤城「まだ戦える人は此方に!防御を固めます!」

 

…私が呆然としている暇はない、か

 

朧「アケボノ」

 

アケボノ「……ええ」

 

…綾波は過去に、私にこんな話をした

 

私の打つ手には全て意味があると

 

…これも、そうなのか

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