元勇者提督 作:無し
The・World R:1
Δサーバー 水の都 マク・アヌ
トキオ
カイト「トキオ、少し来て欲しいところがあるんだけど」
トキオ「来て欲しいところ?」
カイト「Θサーバー、呪われし失意の楽園ってエリアに行きたいんだけど必要なウイルスコアが足りてないんだ、それを集めるためにΘサーバーのエリアを回りたいんだけど…」
トキオ「よっしゃ!行くよ!」
カイト「ありがとう、まずは、ドゥナ・ロリヤックに向かおう」
Θサーバー 高山都市 ドゥナ・ロリヤック
トキオ「ん?」
ゲートの前で話してるのは、ミストラルと…知らないPCだ
アペイロン「勘弁してよ……これって、超のつくレアアイテムなのよ、9999GP!それ以上は無理!」
ミストラル「ニコニコローンとか無い?」
アペイロン「高い金利付きで良いなら」
大柄な重槍士のPCと話してるみたいだけど…
どうやらアイテムのトレードの話みたいだ
ミストラル「うあぁぁ………ローン地獄は勘弁…`s(-' -;)」
アペイロン「ローン地獄か…嫌な言葉だなぁ…」
ミストラル「身に染みるよね…(T-T)」
…2人とも、言葉が重い気がする…
ローンに苦しんだのかもしれないな…
アペイロン「じゃあ、まあ、交渉決裂ってことで」
ミストラル「ぐぬぬ…あっ…」
ミストラルがこちらに気づく
ミストラル「あぅ…どっから見てた…?(-_-;)」
カイト「ニコニコローンとか無い?あたりから…」
ミストラル「あはははσ(^◇^;)って、アイテム全部揃えないと、気が済まないタイプなんだよね♪んなもんで、ついムキになっちゃったりして(^ ^;)」
カイト「そう…」
ミストラル「んにゃ〜、その辺一回りして、アタマ冷やしてきますわん(*^_^*)」
そう言ってミストラルがダウンの奥へ消える
トキオ(確かあっちって倉庫とか武器屋が…)
アペイロン「やあ!」
カイト「はい?」
トキオ「ど、どうも…?」
アペイロンはこちらに向きなおり、話しかけてくる
アペイロン「鉄壁の書ってーのがあるんだけど、興味ある?あるよね?あるでしょ、このアイテムをインストールしとくと、高い確率で敵の攻撃を無効化してくれるんだな」
トキオ「へー…めちゃくちゃ強そう…」
カイト「……」
アペイロン「999GPでどう?」
カイト「あれ?さっき、ミストラルには9999GPって……」
トキオ「うん、間違ってる」
アペイロン「うそぉ〜ん!それって、一桁違ってるじゃないのぉ!…ま、それはそれとして……さっきのあの人はいないしさ、キミ、買ってよ…役に立つこと請け合い!」
カイト「いらない」
アペイロン「そんなこと言わないでさ、買ってよ、あの攻撃がなきゃ…って思うこと、あるでしょ?」
カイト「でも、いらない」
トキオ「本当にいいの?カイト」
アペイロン「おりょりょ…なんて意固地なやつだ!そんなら俺にも意地があらぁな!なーんも要らん!!黙って持ってけ!!」
カイトが鉄壁の書を押しつけられる
アペイロン「ああ!それからな、ヘルバっつー悪質なハッカーがいるから、気ぃつけぇや」
アペイロンが転送されて消える
トキオ「ヘルバが悪質なハッカー?」
カイト「…なんだったんだろう、今の人…」
ミストラル「あーっ!居ない!さっきの人は!?」
カイト「行っちゃったよ」
ミストラル「はぅぅ…遅かったかぁぁぁっ……(T T)倉庫のいらない物、売ってきたのにぃぃ」
トキオ「…カイト、渡さないの?」
カイト「うん…さっきの人、明らかにおかしいよ、こんなアイテムをわざわざ僕を狙って押し付ける目的がわからないけど…」
ミストラル「あ!さっき武器屋で小耳に挟んだんだけどぉ…Θサーバー、瓦解せる、刹那の、螺旋ってサーバー、やばいらしいよぉ…どう?行ってみない?あの技久しぶりに見たいし!」
トキオ「あの技?」
ミストラル「そーそー!ギュギューンってなるやつ!(*⁰▿⁰*)」
カイト「…あれは…」
トキオ(データドレイン…か…ミストラルはカイトの事情を知らない、のか…?)
カイト「…とりあえず、エリアを調べに行ってみよう」
Θサーバー 瓦解せる 刹那の 螺旋
ミストラル「ステージがぐっちゃぐちゃになってるなんて…すごい演出だね」
カイト「……」
カイトは何かいいたそうにミストラルをチラリと見るが、諦めたように俯く
トキオ「…演出…?どうみても、これは…」
演出には見えない
絶対違う…でも、ミストラルはカイトの事をロールプレイヤーだと勘違いしてるフシがある
何を言ってもロールプレイで片付けられる気がする
カイト「…進もう」
トキオ「わかった」
…やっぱり中にはウイルスを持ったモンスターが多い…
順に倒しながら進んでるけど…もう何体データドレインしたのか…
カイト「…っ…侵食率が…」
トキオ「カイト?」
カイトが手首を見つめたまま、固まる
カイト「……なんでもないよ…次がラストみたいだ、気を引き締めていこう」
ミストラル「ゴーゴー!(^ ^)」
トキオ「やっぱり、ここにもウイルスバグ!」
巨大な木のモンスターがウイルスバグに感染している…
カイト「トキオ!キミは回り込んで!僕が正面から叩く!!雷独楽!」
トキオ(な、なんだ?あのエフェクト…あんな技、今まで見たことない…!)
ミストラル「バクドーン!」
トキオ「連牙・昇旋風!!」
攻撃を交わし、スキルを叩き込む
ヒットアンドアウェイを繰り返すカイトがヘイト役…そして、メインアタッカーでもある
トキオ(俺がダメージを受けられたら…)
でも、ウイルスバグにキルされたらオレは…どうなるんだ?
カイト「よし!プロテクトが壊れた!!…データドレイン!」
カイトが腕輪を展開し、データドレインを放つ
ぶうぅぅぅぅんっ
世界が唸る
トキオ「な、なんだ!?」
カイト「あと一回持つと思ったのに…!ダメだったか…!!」
カイトのPCボディが強く発光する
カイト「っ!………あ、あれ…?」
ミストラル「あれ?カイト、全回復してる?(゚ω゚)いつ回復したの!?」
カイト「暴走…こう言うパターンも…いや、今は…!」
データドレインを受けたモンスターが斬り刻まれる
トキオ「な、なんだったんだ?今の…」
ミストラル「いいなぁ、その腕輪…どこで手に入れたの?わたしも欲し〜い!」
カイト「いや…これは…」
カイトはこれまでのいきさつを話した
ミストラル「へぇーっ、そんなイベントあったんだぁ」
カイト「違う、イベントじゃなくって…」
ミストラル「あー!!雨降ってきたぁーーっ!!洗濯物入れなきゃ!と言うわけで、落ちます」
ミストラルがエリアから転送される
カイト「………」
トキオ「カイト…」
カイト「…大丈夫、ここで手に入ったウイルスコアで新しいプロテクトエリアに行けるかもね、トキオ、タウンに戻ろう!」
トキオ「…うん」
Θサーバー 高山都市 ドゥナ・ロリヤック
ブラックローズ「おっそーーい!!」
カイト「うわっ!?ブラックローズ!」
トキオ「お、オレ達今エリアから帰ってきたばっかなんだけど…?」
ブラックローズ「Θサーバー、呪われし失意の楽園に行くわよ、BBSにある書き込み、見たでしょ?」
トキオ「BBS?」
カイト「ああ…でも、あれってΘサーバー、静寂なる、久遠の、白魔ってエリアじゃなかった?」
ブラックローズ「…1人で言って調べたの、でもそこには何もなかった…担がれたと思って書き込みをしたやつにメールで突撃したら…その後も書き込んだエリアワードが書き換えられたって」
トキオ「エリアワードの書き換え?」
カイト「それよりもブラックローズ、1人でエリアに…!?」
ブラックローズ「そんな事より、はやく行くわよ、呪われし、失意の楽園」
カイト「…トキオ、キミは?」
トキオ「オレも行くよ」
Θサーバー 呪われし 失意の 楽園
カイト「…普通のバグエリアみたいだけど」
ブラックローズ「それに、ここ…問題になったのは少し前だしね」
トキオ「何があったの?」
ブラックローズ「白い女の子と、黒い石の人形が目撃されたのよ」
トキオ(カイトが言ってたやつか…!)
カイト「何か、痕跡があればいいんだけど…」
話しながらダンジョンを進むが、何もない…
いるのはモンスター達だけ、痕跡はどこにも…
ブラックローズ「ああもう!イライラする!!」
トキオ「モンスターに八つ当たりしてる…」
ブラックローズ「ガンドライブ!!」
…一撃必殺レベルの威力の攻撃…
ブラックローズを怒らせるのはやめておこう…
カイト「…結局モンスターはほとんどブラックローズが倒しちゃったね(苦笑)」
トキオ「…でも、ここが最深部?」
ブラックローズ「みたいね、本当に何も…」
カイト「っ!?」
全員が、転送される
???
トキオ「こ、ここは…」
真っ白い部屋
その中央には白に金で縁取られた天蓋付きのベッド
そして、大量のクマのぬいぐるみ…
カイト「ここは…?」
ハロルド『だから私は、彼女をアウラと名付けよう…君なしに、この子はあり得なかった』
誰かの、男の声が天から響く
トキオ(この声、どこかで…!)
ハロルド『光り輝く子、アウラ…彼女に私達の未来を託そう…彼女こそ、私達の…』
声が途切れる
ブラックローズ「なんなのよここ…」
カイト「わからない、でも…アウラっていうのは、あの女の子のことなんじゃないかな」
ブラックローズ「女の子って…あの腕輪をくれたって言ってた?」
カイト「うん、なんだかそんな気がするんだ」
トキオ(カイトの言ってた女の子はアウラのことだった…?じゃあ、あれからずっとモルガナから逃げてたのか…!?)
そして、おそらく今も
Θサーバー 高山都市 ドゥナ・ロリヤック
ブラックローズ「またなんかあったら連絡するね」
カイト「一度、解散しよう」
トキオ「わかった」
…アウラは、だからカイトに助けを求めたんだ
そして、今も助けを待ってる