元勇者提督   作:無し

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記録 賢者の試練

The・World R:1

Λサーバー まばゆき 賢者の 極北

重槍士 青葉

 

青葉「…よし…このエリアの敵は全滅です」

 

ワイズマン「話に聞いた通りだな、呪符と槍一本で戦うソロプレイヤー…味方との連携には慣れていない」

 

青葉「そんなこと言うくらいなら戦ってくださいよ!…値踏みしてるつもりかもしれませんけど、ずっと見てるだけじゃないですか!」

 

ワイズマン「そう言うつもりではないんだが…ここでは私が前に立って戦うわけにはいかない」

 

青葉「え…?…っ!」

 

背後から迫ってきたモンスターを一撃で撃破する

 

青葉「もらった呪符、使わせてもらいますよ…!不死鳥の呪符!」

 

モンスターに不死鳥が突っ込み、モンスターが火だるまになる

 

青葉「バクリパルス!」

 

さらに炎の斬撃でモンスターをチリになるまで焼き続ける

 

青葉「…よし……って、本当に手伝ってくれませんね…」

 

ワイズマン「理由もちゃんと説明するよ、だが、まずはここの最奥部に行ってからだ」

 

青葉「最深部…は、もうすぐ見たいですけど…」

 

マップを見ながら最後まで進む

 

青葉「…あ、ここだここだ……あれ?ボス部屋になってるのにボスがいない…」

 

ワイズマン「ここはそう言うエリアだ、本来ならここにはボスがいるべきだが居ない…そのおかげでこの広い部屋を好きにできる」

 

青葉「…ここで何をしてるんですか」

 

ワイズマン「警戒する事はないさ、ただの…トレードだよ」

 

ワイズマンさんが部屋の中央に立ち、入り口の方を見つめる

 

青葉「…誰か来るんですか」

 

ワイズマン「さあ、だが、来るはずだ」

 

青葉「なぜ?」

 

ワイズマン「いつも誰かが来るからだ」

 

青葉「…貴方はトレードを主体にするプレイヤー…トレーダーだったんですか…?」

 

ワイズマン「まあ、そんなところだ…トレードがしたい人間がここまで来て、私から買う…待っている間は、適当に暇を潰す」

 

青葉「…私を知ってもらおうって…」

 

ワイズマン「なあに、これからわかるさ」

 

バス部屋の扉が開き、PC達が入ってくる

 

リンダ「…っと、先客か?」

 

ワイズマン「いいや、君が一番乗りだ」

 

青葉「……あ…?あ、貴方は確か、オルカさんの知り合いの…」

 

リンダ「ああ、オルカの友達といた連星の槍使いじゃないか」

 

ワイズマン「知り合いか?」

 

リンダ「まあ、そんなとこ…それより、例の話はどうなった?」

 

青葉(例の話?)

 

ワイズマン「先払いだ」

 

リンダ「…これで足りるか」

 

ワイズマン「十分だ、バルムンクだが、カルミナ・ガデリカで商人NPCと妙なやりとりをしてるのを目撃されている、だが、目的などは一切不明…と言うより、憶測の域を出ない」

 

リンダ「それで構わない」

 

ワイズマン「未帰還者の調査…だろうな、だが、芳しくはないようだ」

 

リンダ「……未帰還者の方は」

 

ワイズマン「そうなると、今の100倍は必要だな、何せ…フッ、リアルの個人情報も調べ上げる必要が出てくるからな」

 

リンダ「…貯まったらにするよ、今日はどうも」

 

リンダさんがアイテムでダンジョンから出ていく

 

青葉「…今のがトレード」

 

ワイズマン「ああ、何か気になることでも?」

 

青葉「…今のやりとりは、まるでトレードと言うより…情報屋の様でしたね」

 

ワイズマン「情報屋ワイズマン…そう呼ぶ者もいる」

 

青葉「情報屋…」

 

また人が部屋に入ってくる

 

ジョー「ワイズマン、今週のアガリを持ってきた」

 

RAM「呼び捨てにしてんじゃないよ、ワイズマンさん、私も今週の利益持ってきました」

 

青葉(り、利益?)

 

歩いてくるPCと目が合う

 

ジョー「…ワイズマン、こいつは?」

 

ワイズマン「私のボディーガードだ」

 

青葉(ボディーガード!?)

 

RAM「なら仲間か、よろしく」

 

青葉「え、あ…ど、どうも…?」

 

ジョー「とりあえず、ほら、今週のアガリ」 

 

RAM「どうぞ」

 

ワイズマン「…計算して後で君たちの分を送るよ、それより…Θサーバーのオピロンは?」

 

RAM「さあ?」

 

ジョー「持ち逃げしたんじゃねえの」

 

ワイズマン「後でメールをしておいてくれ、今日はもういいよ」

 

ジョー「よし、じゃあ落ちるか!」

 

RAM「お疲れ様でした」

 

2人とも転送されていく

 

青葉「……トレーダーも本当にやってる…?いや、あの感じ…」

 

ワイズマン「私のプレイスタイルは、情報屋…そして、トレードの元締めだ、タウンにいる沢山のプレイヤーが安全かつ円滑にトレードをできるサポートをしている」

 

青葉「トレードの元締め…」

 

ワイズマン「ここにくるのは私と直接商品のやりとりをしたい人間だけだ、もしくは、私に雇われた人間か」

 

青葉「…それより、さっきのボディーガード扱いは何だったんですか」

 

ワイズマン「ここに来る人間は大体はレアアイテムのトレードを目的とするが、中にはリンダの様に情報をやり取りしたがる者もいる…そうなると部外者の存在を嫌う」

 

青葉「…それは、確かに」

 

ワイズマン「だから君にはここに居る以上私の身内でなくてはならない、そうなると手っ取り早いのがボディーガードだった」

 

青葉「…それは、わかりましたけど…じゃあ道中の敵とは戦って下さいよ…」

 

ワイズマン「誰に見られているかわからない、ボディーガードだというなら、戦闘は君に任せた方が信憑性もでるだろう?…結果として、その光景を見た人間は居なかったようだが」

 

青葉(…食えない人だな…)

 

ワイズマン「…さて、ここで一つ聞きたい、君のつれているNPCについてだ」

 

青葉「……」

 

ワイズマン「NPCを連れ回すタイプのイベントなんて一度も聞いたことがない、情報屋もやっているこの私がだ…君にこの言葉を返そう、君は何者だ?」

 

青葉「重槍士、青葉」

 

ワイズマン「…言うつもりは無い、か?」

 

青葉「……言える事はそれだけです」

 

ワイズマン「言える事、と言う事は君はシステム管理者か?何かの制約がかかっているのか」

 

青葉「それは…ただの揚げ足取りです」

 

ワイズマン「君もそうした、私の渡したアイテムから細かな事までに口を出したのだから…」

 

逃すつもりはない、か

 

青葉「……私にもわかりません」

 

ワイズマン「わからない?」

 

実際、何もわからないのだから、仕方ない

 

青葉「ええ、このキャラ…リコリスさんは、何を目的に私と共に居るのかもわからない」

 

ワイズマン「…興味深い」

 

青葉「え?」

 

ワイズマン「良ければ、調べさせてくれ、私の情報網を使って何か掴めるか試してみたい」

 

青葉「ま、待ってくれますか、何でそうなるんですか?」

 

ワイズマン「単純に興味が湧いたからだ」

 

青葉「……本当に、食えない人ですね…私は何を要求されるんですか」

 

ワイズマン「いや、これは本当に好奇心からの申し出だ、それに…友達相手に金品を請求したりしない…信じてもらえるだろうか」

 

青葉「…いい、でしょう…信じます、私も…頼めるなら頼みたい事ですから」

 

大きくため息をつく

駆け引きの緊張感からようやく解放された

 

青葉(……丸々信じるのもどうかと思うけど…もういいや、多分勝てる相手じゃない)

 

ワイズマン「っと…来客だ」

 

2人組のPCが入ってくる

 

スレイヤー「ワイズマンさん」

 

ワイズマン「ああ、アイテムの買い取りか、順番に受け付けるよ」

 

エダジマ「では、私のこのあかずの斧から…」

 

ワイズマン「あかずの斧か、確か土属性と水スキル…ドレイン系…」

 

エダジマ「7000GPでどうでしょうか」

 

ワイズマン「NPCに売却で確か4800GP、だがイベントの難易度的には8000GP程の価値がある、8000GPで買わせてもらうよ」

 

エダジマ「ありがとうございます」

 

スレイヤー「じゃあ、こっちは異世界の兜を」

 

ワイズマン「The・Worldに7つしかないという…?……見せてもらおう」

 

…妙ちくりんな兜がワイズマンさんの手に渡る

 

ワイズマン「……偽物だな、装備してみればわかるだろうが、各種デバフその他の嫌がらせが仕組まれているらしい」

 

スレイヤー「えぇっ!?」

 

ワイズマン「自分で試すか適当な奴に使ってみると良い、他にはあるか?」

 

スレイヤー「いいえ」

 

エダジマ「本日は、ありがとうございました」

 

スレイヤー「またよろしくお願いします」

 

2人が転送され、入れ違いに三人入ってくる

 

青葉「…!」

 

ワイズマン「君たちも、トレード?」

 

カイト「あの……“黄昏の碑文”について、聞きたいんだけど…」

 

ワイズマン「“黄昏の碑文”……その情報は安くはない……こっちも商売なんでな…ギブアンドテイク!…交換条件を出そう」

 

トキオ「どんな条件?」

 

ワイズマン「そうだな…少し時間をくれ、詳細はメールで知らせる」

 

カイト「わかりました」

 

ブラックローズ「時間あげる分、安くしてよね」

 

ワイズマン「ハッハッハッ……そう、取引とはそういうものだな」

 

トキオ「…ところで、さっきから気になってたんだけど…」

 

全員の視線がこちらを向く

 

ブラックローズ「何であんたがここにいんの?」

 

カイト「青葉も、情報収集?」

 

青葉「いや…」

 

ワイズマン「知り合いだったか、友達の紹介という事で、少し条件をまけてもいい」

 

ブラックローズ「友達ぃ…?青葉と、アンタが?」

 

ワイズマン「スパークブレイド…Λサーバー、花開く、約束の、散歩道…このエリアにあるスパークブレイドで手を打とうじゃないか」

 

青葉「え…あっ、でも…」

 

ワイズマン「しっ…わかってるさ」

 

ワイズマンさんがパーティチャットで制止する

 

カイト「スパークブレイド…それを持ってくれば、いいんですね」

 

ワイズマン「ああ、私はここにいる」

 

カイト「早速、行ってこよう」

 

3人が転送される

 

青葉「…わざわざプロテクトエリアを指定するなんて…」

 

ワイズマン「黄昏の碑文を追うものは多く無い、彼らならきっと突破してくるだろうな」

 

青葉「…何の保証が」

 

ワイズマン「そんなものはない、だが、君のその様子から察するに、私の見立ては外れてはいないらしい」

 

青葉「……例えば」

 

ワイズマン「む」

 

青葉「私が先に、スパークブレイドを持ってきたら…どうしますか?」

 

ワイズマン「…それは、面白い提案だが、彼らは友達じゃなかったのか?」

 

青葉「友達…とは違いますね、彼らは…仲間です、同じ志を持つ仲間」

 

ワイズマン「成る程、実に興味深い…それと、先程の答えだが、君が望む情報を提供しようじゃないか」

 

青葉「なら、どっちが持ってきても同じですね」

 

 

30分後

 

 

ワイズマン「確かに、スパークブレイドだ」

 

ブラックローズ「でしょーーっ?さっ、約束通り情報ちょうだいっ!」

 

ワイズマン「その前に、一つ聞きたい、君たちは一体、何者なんだ?」

 

ブラックローズ「どういう意味よ!アイテム渡したのに難癖つけるつもり!?」

 

ワイズマン「約束は守るよ、ただ、プロテクトエリアに易々と、気になるじゃないか?」

 

トキオ「わざとプロテクトエリアを指定して、試してたのか…!」

 

ブラックローズ「感じ悪ぅ…」

 

ワイズマン「まあ、そういう事になるが…良かったら話を聞かせてくれないか」

 

カイト「…青葉さんからは?」

 

青葉「私は何も」

 

カイト「…わかりました」

 

 

 

ワイズマン「なるほど、やはりこの世界は……実に興味深い…しかし、蒼海のオルカがという話が真実だったとはな…」

 

ワイズマンさんが考え込む様な仕草を見せる

 

ワイズマン「わかった、そういう事なら協力しよう、試したりしてすまなかった、私の持っている黄昏の碑文のデータはメールで送らせてもらう」

 

カイト「ありがとうございます」

 

ワイズマン「それと、これを」

 

ブラックローズ「へ?スパークブレイド、何で返してくれたの?」

 

ワイズマン「アイテム以上に君たちの話が興味深かったからな」

 

青葉「…好奇心が利益より優先されるんですか?」

 

ワイズマン「ゲームとはそういうものだろう?後、これは私のメンバーアドレスだ、それでは私は失礼する」

 

ワイズマンさんが転送されていく

 

青葉「…私も失礼します」

 

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