元勇者提督   作:無し

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記録 悪性変異

The・World R:1

ネットスラム

重槍士 青葉

 

青葉「私たちが悪党の様に言ってくれますけど、あなた達はどうなんですか!意識不明者達のことを隠蔽して…!」

 

リョース「無駄口はそこまでだ!やはりお前達はこの世界にとって危険な存在でしかない!」

 

トキオ「ちょ、ちょっと待っ…」

 

リョース「消えてもらう!」

 

リョースがこちらに腕を向けると、掌に光球が顕れる

そしてそれがどんどん巨大化し…

 

青葉(ヴォータンと違うデリートスキル!…ヴォータンとぶつけ合えば相殺できたり…)

 

槍を構え直す…

 

青葉「…っ!?」

 

大きく世界が揺れる

 

リョース「何をした!?」

 

画面の色調が反転し、激しくノイズが入り、音声が乱れる

 

ヘルバ「私は何もしていない、彼女は私達がお気に召さないみたいよ」

 

カイト「彼女…?」

 

ヘルバ「そう……つまりこの世界そのもの…」

 

青葉「モルガナ…!」

 

激しい突風に吹き飛ばされそうになる

 

トキオ「うわわわわっ」

 

青葉「!」

 

バルムンクさんとリョースが転送して消える

 

青葉「逃げた!…いや、それより…」

 

ネットスラムが、消える…

建物が消失し、浮かんだ巨大な岩のステージに移り変わる…

金に輝くラインの走った、瓦礫の世界

 

ヘルバ「対応は、任せるわ」

 

ブラックローズ「ちょっ」

 

カイト「ブラックローズ!来るよ!」

 

…激しいノイズと共に、来る…

 

ブラックローズ「…葉っぱ!?」

 

pHAse:3(第三相 )

MAgUS(メイガス )

The PROPAGATION(増殖       )

 

球体から伸びた棒のような胴体、そしてそれから左右対象に6枚ずつ伸びた石でできた葉っぱの羽

それをオールのように動かしながら飛来する

 

青葉「メイガス…!」

 

カイト「青葉さんも逃げて!」

 

青葉「えっ…」

 

カイト「青葉さんには加護が発動しない!」

 

…確かに、私は加護の対象外、データドレインを一度くらえば…

 

青葉「…いや!」  

 

槍を大きく振るう

切先がフィールドを大きく削り取る

 

青葉「やらせてください!」

 

カイト「でも…!」

 

青葉(大丈夫…大丈夫だから…!)

 

呪符を放つ

 

青葉「斬風姫の召喚符!破魔矢の召喚符!!」

 

風と光の魔法攻撃がメイガスに直撃する…

が、ほとんどダメージにならない…

 

青葉(魔法無効じゃないけど魔法防御が高い!)

 

青葉「物理スキルで攻めましょう!」」

 

カイト「…わかった…!」

 

固まってメイガスに攻撃を仕掛ける

 

ブラックローズ「ガンドライブ!!」

 

トキオ「連牙・昇旋風!」

 

青葉「リパルケイジ!」

 

カイト「待って!危ない!」

 

攻撃を受けたメイガスが飛び上がり、頭部らしき球体を下に向け、地面へと衝突する

 

青葉「なっ!?」

 

トキオ「うわっ!」

 

その衝撃波でHPが半分以上削り取られる

 

青葉「っ…!これは油断すると…あれ」

 

いつの間にか、メイガスの葉が地面に一つ突き刺さって…

 

青葉(いや、本体優先!)

 

青葉「トリプルドゥーム!」

 

攻撃を受けたメイガスが再び飛び上がる

 

青葉(またあの範囲攻撃!…いや、まさか)

 

カイト「リプス!」

 

カイトに回復され、攻撃を凌ぐ

 

カイト「攻撃スキルに反応してるのかもしれない!」

 

青葉「…はい、私もそう考えてたところです!」

 

一度距離を取り、攻撃の態勢を整え直す…

 

青葉(あれ?)

 

…また一枚、地面に落ちてきて…

 

青葉(メイガスがカウンターを発動するたびに、リーフが地面に落ちる?)

 

…だとしたら、あれは何を引き起こすんだ?

 

ブラックローズ「ねえ、さっきから変なのが落ちてきてるけど…!」

 

トキオ「ダメージを受けたらあの葉っぱが落ちる…なら、全部落ちたらどうなるんだ…!?斬烈波!」

 

カイト「アプボーブ!…スキル無しで勝つのは無理か…みんな!攻撃してくるタイミングを見計らって!」

 

ブラックローズ「わかってる!デスブリング!!」

 

カイト「舞武!」

 

青葉(…本当にそうなのか、あれはダメージを受け続けると落ちて、本体が無防備になる指標?…いや、このリーフにターゲットできるし体力表記もある!?)

 

青葉「ダブルスィーブ!!」

 

リーフを2つ、叩き壊すと同時に一つ葉が落ちる

 

青葉(よし、脆い!でもリーフへのスキルにも反応するのか…なら、このまま壊して…)

 

青葉「っ…!?メイガスの葉が、全部落ちてる…?!」

 

もうメイガスに葉がない、落ちる葉がない…

何故?メイガスの能力はその名の通り増殖、葉を再生する事も容易いはずなのに…

 

青葉(嫌な予感がする…!)

 

急いでメイガスリーフをターゲットし、攻撃し続ける…

 

青葉(待って!何か音が…カウントダウンみたいな…)

 

メイガスが高く飛び上がり、リーフが光る

 

青葉「え…」

 

手を握っていたリコリスさんに覆い被さるように、メイガスリーフの広範囲爆発を受ける  

 

青葉「っ……!HP1…!?」

 

…ギリギリ助かった、回復していなければ、バフがなければ、死んでいた

メイガスリーフをあと一つ壊せていなかったら…

 

青葉「っ!?」

 

…カイト達が、今の爆発で全滅して…

 

青葉「蘇生の秘薬!」

 

カイト「……」

 

青葉(アイテムが効いてない…!?ま、まさか全滅したから加護が消えて…!)

 

青葉「蘇生の秘薬!…復活の神薬!…HPは回復してるでしょう!?起きてくださいよ!!」

 

誰も、立ち上がらない…

ターゲットしたら体力も回復してるのに…

 

青葉「起きてください!起きて!!…っ」

 

メイガスが、こちらを見ているのを感じる

葉が復活し、その葉に光が集まっているのを感じる

 

…耐えられない

蘇生に意識を向けてしまったせいで、私は回復していない

死ぬ…間に合わない…

 

メイガスが葉から光線をつ

 

青葉「っ………あ、れ…?」

 

光線には貫かれた…

なのに、なんとか…生きてる…

物凄く、痛いけど…生きてる…?

 

カイト「間に合って良かった、青葉、大丈夫?」

 

青葉「お、起きたんですか…?遅いですよ…」

 

カイト「え?…ああ、違う違う」

 

カイトがどこかを指さす

 

青葉「ふぇ?」

 

そちらを見ると、もう1人倒れたカイト達が…

 

青葉「…へ?」

 

カイト「僕だよ、青葉」

 

青葉「……しっ…司令かっ…え!?…な、なんでここに!?」

 

カイト「話は後だよ、先に…メイガスを片付けよう!」

 

手を取られて起こされ、立ち上がる

 

青葉「ああぁぁもう!なんで知りたいことを後回しにしないといけないんですか!」

 

カイト「一応、命懸けだからね…!」

 

司令官が先行し、メイガスを攻撃し続ける

 

青葉「だったら雑念が入らないように先に教えてくださいよ!!」

 

それに続いてメイガスを攻撃…

 

カイト「ヘルバが、教えてくれたんだ!… 獄炎双竜刃!」

 

青葉「ヘルバさんが!?っていうかスキルは…!」

 

カイト「大丈夫!リーフは簡単に壊せる!全部落ちると起動して、少し置いて爆発するからその前に全部破壊するよ!」

 

青葉「は、はい!」

 

カイト「現代で気になることがあって、ヘルバと連絡を取ってたんだ!それで、アカシャ盤にネズミが侵入した痕跡があって、念のためシックザールと共同で調査をしてたんだけど、過去のネットスラムに入るのはなかなか難しいから!」

 

青葉(だから腕輪の力が必要だった…?というか、過去にもネズミが?)

 

カイト「雷神独楽!…ネズミは駆除したけど、メイガスとの戦いが始まってて…念のために控えてたんだけど…!」

 

青葉「…物凄く、ありがたいです!…リパルケイジ!!」

 

槍を持ち変える

 

青葉「ギバクテンペスト!!」

 

炎を纏った槍の大薙ぎでメイガスリーフを一斉に破壊する

 

青葉「リーフは破壊しました!」

 

カイト「よし!このまま…行くよ!」

 

カイトを蒼炎が包み込む

 

カイト「三爪炎痕(さんそうえんこん)!!」

 

青葉「っ…!地面に、爪痕が…!」

 

フィールドに刻まれた三角形の傷痕が、その威力を物語っている…

でも、確か司令官のカイトはレベルが落ちてたはずなのに…

 

青葉「さ、サボってレベリングしてました…!?」

 

カイト「大丈夫、勤務時間外にしかプレイしてないよ」

 

青葉(だとしてもこのダメージ…廃人並のレベルの上がり方してる…)

 

槍を大きく振るい、メイガスを吹き飛ばす

 

青葉「…あ!」

 

トキオ「っ…?」

 

カイト「どうやら目が覚めたみたいだね、青葉、あとは大丈夫?」

 

青葉「…はい、本当に助かりました」

 

司令官がステージの外に飛び出して消えたと同時に、カイト達が起き上がり始める

 

カイト「…っ…何が…」

 

ブラックローズ「助かった…?」

 

青葉「助かってません!まだ、終わってません!!」

 

トキオ「そうだ…オレ達、コイツに…!」

 

青葉「だいぶん削ってますけど、まだプロテクトブレイクできてません!…っ?」

 

風が、私を包み込んで持ち上げられる

 

青葉(う、動けない…!?…あ、これ…データドレイン…)

 

メイガスの頭部からデータドレインが展開される

 

カイト「えっ」

 

トキオ「な、なんだ!?」

 

青葉「ご、ゴブリン…!?」

 

青葉(このスキル、まさかまだ司令官が…?)

 

巨大なゴブリンがメイガスの上に召喚され、メイガスを踏み潰す

プロテクトがブレイクされる

 

カイト「な、なんだかわからないけど…今だ…データドレイン!」

 

メイガスがデータドレインを受け、石の集合体のような姿になる

 

青葉「あぅっ…また、腰を…いたた…」

 

カイト「メイガスをデータドレインできた…!あとは、倒し切るだけだ!」

 

ブラックローズ「行くわよトキオ!」

 

トキオ「おう!」

 

青葉(…メイガスも、これでなんとか撃破できる……でも、危うくやられていた…)

 

青葉「…私が関わったから、なのかな」

 

…本来ならきっと倒せていたんだ

何事もなく…こんな危機もなく

 

だから、そう考えると

 

青葉(トキオさんと私が関わっているのが良くない…かな)

 

メイガスが崩壊し、フィールドがネットスラムに戻る

 

青葉「……倒せましたね」

 

カイト「うん、ありがとう、きっと僕らだけじゃ…っ」

 

ブラックローズ「地震!?」

 

大きな地震のように世界が揺れる

激しいノイズで視界すらも乱れる

 

ブラックローズ「な、なに…!?」

 

トキオ「うわわ…ネットスラムが崩れて…!」

 

ネットスラムが、空に吸い込まれて…

 

 

 

 

…落ち着いた時には、建物が何棟か失われ、ステージがボロボロになり…

 

青葉「…ネットスラムに攻撃を仕掛けるなんて」

 

ブラックローズ「でも、収まった…のよね?」

 

カイト「…タウンに戻ろう」

 

 

 

Λサーバー 文明都市 カルミナ・ガデリカ

 

ブラックローズ「……な…なんなのよこれ……」

 

…空も、建物も、グラフィックを所々削り取られ、世界が…グチャグチャになって…

 

青葉「っ…」

 

きっと強制切断したのだろう、誰もタウンにはいない

でも、タウンに居たとしても、こんな事になってしまうのなら…

 

カイト「……」

 

ブラックローズさんの持っていた大剣が音を立てて、落ちた

 

…誰も、何も言葉を発することなく

それぞれがログアウトした

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