元勇者提督   作:無し

608 / 625
記録 進行不可能

The・World R:1

Δサーバー 萌え立つ 過ぎ越しの 碧野

トキオ

 

なぜ、なぜ今になっていきなりこんな事をしたのか

それを聞くのは、後でいい…後でいいんだ!

 

トキオ「うおおおぉッ!!」

 

青葉「……!」

 

槍と剣がぶつかり、金属音と衝撃波が響く

 

青葉(間合いの有利を活かして近づかせなければ、負ける理由はない……だから、常に…半歩引いて)

 

トキオ(…戦い辛い…!カイト達とあの石板の敵と戦った時より、司達とあの鉄アレイの敵と戦った時より、戦い難い…!なんでだ!?)

 

攻撃できない、うまく攻撃できない

踏み込もうとしたら剣先を槍で小さく弾かれ、突き刺す様な動きを見せられる

 

どう対処すればいい?

今まで隣に誰かがいてくれた

 

だけど、今回ばかりは…

 

トキオ(オレ一人で戦うには…一回退いて!)

 

大きく飛び下がり、武器を構え直す

二本の剣を両手に強く握り、逆袈裟に振り上げる

 

トキオ「斬烈波!!」

 

剣から放たれた斬撃が青葉の槍で弾かれる

 

青葉(…魔法じゃないな、マクスウェルでは消せない…冷静に対処しながら…いや、こっちも魔法で…)

 

トキオ「まだまだ!!斬烈波!!」

 

青葉「…はっ」

 

青葉が斬撃を槍の切先で弾き…

 

青葉(これを弾いて…今)

 

青葉「リウクルズ」

 

トキオ「うわっ!」

 

足元から水の刃飛び出す、慌ててかわすも…

 

青葉「…脚…ズタズタですね、回復しなくていいんですか?」

 

青葉が呪符を見せながらそういう

 

トキオ(狙われてる…でも、回復しないと次の攻撃でやられる…回復したところで次の攻撃を受け切れるのか?青葉の狙いは多分、動きの止まった俺を一撃で倒し切るような攻撃…まてよ?)

 

トキオ「……癒しの水…!」

 

回復アイテムを使った瞬間、青葉が接近してくる

槍を構え、大きく振りかぶり…突きの姿勢

 

トキオ「だと思ったぜ!」

 

青葉「!」

 

青葉の突きをギリギリで交わし、槍の柄を抱える

 

トキオ「取った!!」

 

青葉(読み切られた…!?何故…!)

 

トキオ「連牙・昇旋風!!」

 

逃さず、連続で斬りつけ…

 

トキオ「くらえっ!!」

 

弾き飛ばす

 

青葉「っ……どうして、ブラフに気づいたんですか」

 

トキオ「ワイズマンが言ってたんだ、青葉は魔法ステータスが高くないって、それなら…確実に仕留めたいなら直接槍で仕留めに来るって思った」

 

青葉「……そうですか、なら」

 

青葉が呪符を取り出す

そしてそれに火がつき

 

青葉「火炎太鼓の召喚符」

 

トキオ「えっ」

 

爆炎に危うく呑まれそうになりながら必死で避ける

この威力で魔法ステータスが高くない…?

前に見た時の倍近い威力だったのに…?

 

青葉「…魔法攻撃力が高くないのは事実です、しかし…弱いわけではない…それに、槍を使った理由は、別にある」

 

青葉(殺すつもりはない…槍なら加減が効く…大丈夫、捕縛してしまえばいい…)

 

トキオ(どうする…!?同じ手は通じないだろうし、青葉が回復しないところを見るとほとんどダメージにもなってない…!)

 

青葉(来ないなら、こっちから…!)

 

青葉が迫り、突きの構えを取る

 

トキオ(来るっ…!)

 

あの威力を受け切ることはできない、かわそうとすればそれも見切られるかもしれない…

 

青葉(逃げない…カウンター!)

 

槍に横から二本の剣を叩きつけ、切先を左に逸らす

 

青葉「!」

 

槍が地面に突き刺さり、槍の柄を踏みつけて動きが制限されたところを…

 

トキオ「斬烈波!!」

 

斬撃をゼロ距離から飛ばし、そして連続で斬りつけ…

 

トキオ「連牙!昇旋風!!」

 

青葉「っ…!」

 

青葉は槍を離さない、そして地面に刺さった槍は未だに抜けていない…

無防備な状態が続いている今、決めるしか…

 

青葉(こうなれば…これを)

 

青葉「ぁぐっ…?」

 

銃声が一つ鳴り、青葉が崩れ落ちる

 

トキオ「え…?」

 

ポザオネ「このワタシを抜きに楽しそうな事してるアルねェ〜!キッシッシッシッ!」

 

トキオ「…だ、誰だ、コイツ…」

 

青葉の後方から現れたのは、白塗りの顔に赤い衣装の道化…

 

ポザオネ「おっと、自己紹介がまだだったアル!ワタシはシックザールの道化のポザオネ!オマエを始末しに来たアル!」

 

トキオ「シックザール!?じゃあなんで青葉を…」

 

青葉は…意識を失って、倒れてる…?

 

ポザオネ「ソイツは元々部外者アル、それに…ソイツのPCのせいでアカシャ盤への負荷が急増し始めた…だから、まとめて始末するアルよ!」

 

トキオ「どういう事だ…意味がわからないぞ…」

 

だけど、今はっきりしてるのは…

 

ポザオネ「おや?」

 

剣を構え直し、立ち向かう

 

ポザオネ「キシシシッ!オマエ1人じゃ相手にならないアルよ〜!」

 

トキオ「だとしても!やってやる!!」

 

 

 

???

青葉

 

…ここは

 

暗い、暗く、深く、底の見えないどこか

上下左右の無い、天地のない世界を、逆さまに昇り続けているような…堕ちていくような感覚…

 

妙な浮遊感があって…ずっと、ここにいられたら、楽なのに

 

青葉「……あ」

 

ぽわんと、二つの光が灯る

 

『…チガウ…コレジャ、ナイ…』

 

何かの声が、私の頭に響く

 

『……ハッソウ…インシ……キュウキョクノ…チカラヲ…』

 

究極の、力…

 

『コンドコソ…コンドコソ…』

 

今度こそ、何を…

 

青葉「っ…!」

 

何かが、湧き上がる感覚が、はっきりと感じ取れる

 

青葉「…そうだ…ソウだ…おかしイよ…ナンデ私が…アんな事…!」

 

憎い、苦しい、悔しい

今もハッキリある痛みが…私を突き動かす

 

青葉「っ!」

 

視界が移り変わる…これは、自動転送(オートリーブ)

 

 

 

 

 

Δサーバー 萌え立つ 過ぎ越しの 碧野

トキオ

 

トキオ「…クソッ…!」

 

ポザオネとの戦いは、ハッキリ言って劣勢だった

ポザオネは毒や眠りなどの状態異常を絡めながら、離れてみたり接近してきたりというトリッキーなスタイル

 

こういう敵とはあまり戦ったことがない…

 

ポザオネ「そろそろ、終わらせるアル!」

 

トキオ(クソッ!ここで負けたら…こんなところで終わりたく無いのに…!)

 

ポザオネがゆっくりとこちらに近づいて…

 

ブラックローズ「でえぇぇぇいっ!!」

 

ポザオネ「あばっ!?」

 

大剣がポザオネの頭に激突する

 

ブラックローズ「サイクロン!!…もう一発!!オマケに…そらっ!!」

 

ポザオネ「ザーサイッ!?」

 

ポザオネが大剣に吹き飛ばされ、転がる

 

トキオ「ブラックローズ…!?…いや、声が違う…お前、偽物のカイト達といた…!」

 

ブラックローズ「あ?……あー!お前!トキオじゃねーか!?知らねー間にいなくなっちまって…心配してたんだぜ?」

 

トキオ「ぜ…?って、なんでブラックローズのPCをお前が使ってるんだ…!?」

 

ブラックローズ「…フクザツな事情があんだよ、ってか…目の前にいたやつぶっ飛ばしたはいいケド…ここ、何処なんだ?」

 

トキオ「は…!?助けに来てくれたんじゃ無いのか…?」

 

ブラックローズ「助けには来たんだよ、ただ…その相手はお前じゃなくて…あっれぇ…居ねえ…」

 

トキオ(…あれ、青葉のPCが居なくなってる…もしかして…)

 

トキオ「助けに来たって、青葉を?」

 

ブラックローズ「ん!?知ってんのか?ンだよ!知ってんなら先に言えよ!」

 

トキオ「いや…知ってるっていうか…ソイツに撃たれて…多分消えた…」

 

うつ伏せに寝っ転がってるポザオネを指す

 

ブラックローズ「ンだと!!」

 

ブラックローズがポザオネに馬乗りになり、殴りつける

 

ポザオネ「あだっ!?」

 

ブラックローズ「てめぇ!青葉に何しやがった!コノヤロウ!オラっ!吐きやがれ!!」

 

トキオ「バックマウントポジション…」

 

背中から馬乗りにされたポザオネは一方的に殴られ続ける

 

ブラックローズ「さっさと喋らねえと…串刺しにしてやるぞ!」

 

そういいつつも、喋る間すら与えず、タコ殴りにし続ける

 

ポザオネ「このままじゃ戦うことすら敵わないアル!ならば一度逃げる事ヨ!!」

 

ブラックローズ「あっ!?」

 

ポザオネの姿が霧散し、消える

 

トキオ「逃げた…た、助かっ…てない?」

 

次はこちらに剣を突きつけられる

 

ブラックローズ「青葉について、知ってる事全部しゃべってもらうぞ」

 

トキオ「わ、わかった…」

 

 

 

 

 

 

ブラックローズ「いきなり襲われた…ってトコは信じられねえな、アタシの知る限り、青葉にそんな度胸は無ぇ、もともとオドオドしてる気の小さいやつだったし…お前、なんかしたんじゃねえの?」

 

トキオ「いや…そんな事は…」

 

ブラックローズ「まあ、でも最近は人が変わったみてえに積極的なとこもあったしな……久々に会った時なんか、ちょっと引いたわ…」

 

トキオ「…リアルでも知り合いなのか?」

 

ブラックローズ「まあな、結構深い仲…元同僚ってヤツだな」

 

トキオ「…仕事仲間?…っていうか、ブラックローズ…いや、ブラックローズの中の人って…何者?」

 

ブラックローズ「…ブラックローズの妹分ってとこだ、本物は入院中…アタシ達は意識不明になったブラックローズ達を助けに来た」

 

トキオ「…どういう事?」

 

ブラックローズ「ここは過去だったな…今、現代で、リアルのブラックローズ達は意識不明になってる…それを救おうとしてんのが、アタシや青葉」

 

トキオ「じゃあ、シックザールって…」

 

ブラックローズ「シックザール?なんだそれ」

 

トキオ「……え?でも青葉は…」

 

ブラックローズ「少なくともアタシはそんなの知らねえな、まあ、ずっと一緒にいるわけじゃなかったしよ」

 

トキオ「……えーと、ブラックローズってそもそもどうやってここに…」

 

ブラックローズ「知らねえな、気づいたら転送されてた」

 

トキオ(ど、どうなってるんだ…?)

 

ブラックローズ「しかしよ…さっきのやつにお前はボコボコにされてたわけだ」

 

トキオ「え、あ…うん」

 

ブラックローズ「それを助けたんだから、アタシに恩があるよな?」

 

トキオ「ま、まあ…」

 

ブラックローズ「よし!じゃあお前はアタシの下僕だ!」

 

トキオ((しもべ)の次は下僕!?彩花ちゃんみたいなこと言い出したぞこの人!)

 

ブラックローズ「…お?」

 

トキオ「あ…」

 

ブラックローズがクリスタルに囚われたカイトを見る

 

ブラックローズ「……いつしかも…こんなんだったっけか?…ハッ、氷漬けがよく似合う勇者様じゃねえか……あ?」

 

カイトのクリスタルの一部が欠けて落ちる

 

トキオ「…これ…クロノコア…?」

 

…間違いない、クロノコアだ

でもどうして?この時代の歴史は修正できてないのに…

 

トキオ(まさか、カイトがやられたから?時代が進行できなくなってもクロノコアが出現するのか…!?)

 

…だとしたら、これは使って良いものなのか

 

ブラックローズ「なんだよそれ」

 

トキオ「…次の時代に行くのに必要な…」

 

ブラックローズ「へえ、じゃあそれでさっさと次の時代に行くぞ」

 

トキオ「えっ?青葉は?カイト達は…?」

 

ブラックローズ「このカイトを助ける手段はねえんだろ?」

 

トキオ「それは…まあ…」

 

ブラックローズ「なら、さっさと次に進んでその手段を手に入れればいい…今立ち止まるより、進む方が良い…アタシはそう思う」

 

トキオ「……ごめん、カイト…待ってて、オレ、必ずここに戻ってくるから」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。