元勇者提督   作:無し

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大変お待たせしました
不定期ながら再開させていただきます、遅筆になりますが、これからもよろしくお願いします


談笑

The・World R:2

Δサーバー 悠久の古都 マク・アヌ

              中央広場

魔導士(ウォーロック) 那珂

 

那珂

(うーん、これはツイてるね!だって、目的の朔望も見つけられたし、面白いものも見られたし…)

 

那珂

「よし!私たちも早速声掛けに行っちゃお!」

 

ガスパー

「ハセヲと店番を交代するぞぉ!」

 

シラバス

「そうだね、あ、でもまたお客さんが…」

 

那珂

(…?……この感じ…あ、あのキャラは……)

 

ハセヲが店番をしているカナードのギルドショップへとひとりのPCが近づき、声をかける

 

アトリ

「こんにちは!」

 

ハセヲ

「いらっしゃいまsウッ……お前……」

 

那珂

(…イニスの碑文使い)

 

アトリ

「意外ですねえ、ハセヲさんって絶対あーいうことしないタイプだと思ってたのに」

 

ハセヲ

「チッ……」

 

アトリ

「あ、でもさっきの挨拶とか笑顔がサマになってましたよ♪

実は、リアルでは接客業だったりして!バイトでコンビニ店員さんとか!?」

 

ハセヲ

「うっさいな……買う気がないならあっち行けよ」

 

アトリ

「失礼ですねえ…買いますよ!ちゃ〜んとショップどんぐりに貢献します!」

 

ハセヲ

「全然嬉しくねえのはなんでだろうな」

 

アトリ

「ね!ね!どれがオススメなんですか?」

 

ハセヲ

(そういやこの店、ショップどんぐりって名前だったのか…ってか、早くシラバス来ねえかな…)

 

那珂

(早く交代してあげないとお店が成り立たなく……あれ?あれは…ウワッ…)

 

黄色い衣装の男性PCが複数の女性PCを侍らせながら歩いてくる

 

クーン

「──ほらね、ギルドショップってやつはなかなか品揃えがいいんだよ。

でも……本当は君たちをここに連れてきたくはなかったんだけどね。

だって…君たちの目が俺以外の物に釘付けになってしまうからね!」

 

連れの女性PCから黄色い歓声が上がる

 

那珂

(うわ…キッッツ…)

 

クーン

「ああ!そんなに情熱的な目で見ないでおくれ、君たちの美しい視線に縛ら…しば、しば……」

 

那珂

「あ」

 

いつの間にかハセヲがクーンの視線の前で腕を組んで立ちはだかる

 

クーン

「………(滝汗)」

 

ハセヲ

「……」

 

クーン

「し、しばらくぶりだねぇ!!ハセヲくん!」

 

ハセヲ

「なぁにが、しばらくぶりだねだ、随分とお楽しみだなぁ、“クーン様“?」

 

クーン

「いや、あの…これは…つまり……」

 

ハセヲ

「俺は急いでるって言ったよな!?」

 

クーン

「…言ったかなぁ……(^_^;;」

 

那珂

(何があったかは知らないけど、約束を破られた感じかな…?

まあ、なんでもいいや、ぐちゃぐちゃになったし、切り替えて私は朔望の方を…)

 

ガスパー

「マスターだぁ!(^▽^)/」

 

シラバス

「行こう!」

 

那珂

「え?あ、ちょっ……」

 

アトリ

「…クーンさんってすごい人気ですねぇ…」

 

あっという間にクーンの周りに人だかりができる

 

クーン

「あ、あー…やあガスパー久しぶり!シラバスも…

あ、キミは!いやー、元気ー?あはは……」

 

那珂

「……」

 

クーン

「…あー…うん、判った!

後でみんなにメールするから!じゃあそういうことで!」

 

クーンが人だかりの合間を縫って1人で逃げ出す

 

ハセヲ

「おい!!……逃げやがった…」

 

シラバス

「クーンさんは相変わらずだなぁ…(^_^;

ハセヲ、店番ありがとうね。」

 

ハセヲ

「…あ、ああ……。

ところで…」

 

 

 

 

ハセヲ

「…じゃあつまり、クーンは元々お前らのギルドマスターだったのか」

 

那珂

(嘘はついてなかったんだね)

 

シラバス

「ギルド名のカナードは、飛行機の安定翼の事なんだ。

初めてThe・Worldに来たプレイヤーが安心して遊べる支えになる。

カナードにはそんなクーンさんの想いが込められてるんだ」

 

ガスパー

「迷子になってたおいらを助けてくれたのは、クーンさんだった…。」

 

シラバス

「僕らにいろいろ遊び方を教えてくれた…。

ほら、何事も初めが肝心っていうじゃん?

あの頃にクーンさんと会ってなかったら、きっと僕ら、こうしてプレイしてないと思う。」

 

ハセヲ

(……俺はどうなんだろう…。

俺が初めてログインした日、PKに出会っていなければ、オーヴァンに出会っていなければ、志乃に出会っていなければ…。

三爪痕(トライエッジ)に出会わなければ、こいつらみたいに笑えたんだろうか…。)

 

那珂

(……っ…?

胸が、熱い…?…何、何かを…感じてる、私が…誰かの何かを…)

 

ガスパー

「ハセヲ…どうかした?」

 

ハセヲ

「…いや、ところで、なんでクーンはカナードを抜けたんだ?」

 

ガスパー

「よくわからないけど…「巻き込むことになるから」…って」

 

ハセヲ

「……ふーん、オレはてっきり、女遊びが過ぎて退団させられたのかと思ったぜw」

 

シラバス

「ああ、あれはクーンさんの病気だから、気にしてたらついていけないよ(^_^;)」

 

ハセヲ

「成る程な、ビョーキかw」

 

那珂

「ギルドメンバーが女性だけで構成されたりはしてないあたりにまだ理性が感じられるね…」

 

アトリ

「…クーンさん、病気なんですか?」

 

シラバス

「病気って、心配するようなもんじゃないんだけど^_^;」

 

ハセヲ

「お前、まだいたのか?!」

 

アトリ

「さっきからずーっといましたよ?ねぇ?」

 

ハセヲ以外の全員が頷く

 

ハセヲ

「俺の死角に立つのはやめろ!」

 

アトリ

「…へぇ〜、ここが死の恐怖さんの死角なんですか?」

 

ハセヲ

「くっ…!」

 

シラバス

「まあまあ、それよりハセヲ、これ、店番のお礼」

 

ハセヲ

「客もほとんど来なかったし、ろくな商売になってないぞ」

 

アトリ

「そんな事ないですよ!そうそう、ハセヲさんたらねえ!」

 

アトリが素早くチャットを切り替え、ハセヲに見えないようにコソコソとメッセージをやり取りする

 

ハセヲ

「何こそこそチャットしてんだ!通知音は聞こえてるからな!?」

 

シラバス

「うんうん、見てた見てた!」

 

ガスパー

「ハセヲは良いやつだなあ…!」

 

ハセヲ

「オープンチャットにすれば良いってもんじゃねえよ!」

 

アトリ

「ね?誰でも本当は誰かに優してあげたいと思うんです、ネットは…リアルより少しだけ、自分の気持ちに素直になれる場所だと思うから…」

 

シラバス

「うん、ねえハセヲ!正式にカナードに入らない?」

 

ハセヲ

「はあ?」

 

シラバス

「ハセヲ、結構リーダーシップがあると思うんだよね!」

 

ガスパー

「そりゃあいい!きっと楽しいぞぉ!」

 

ハセヲ

「……わかったよ、ただし名簿にいるだけの幽霊部員だぞ、俺は忙しいんだ!」

 

シラバス

「それじゃあ、手続きに時間がかかるけど、後でメールが行くと思うから!

じゃあ、よろしく!僕らのギルドマスター、ハセヲさん!」

 

ガスパー

「わーい!ハセヲが新しいマスターだぁ!」

 

那珂

「おー!」

 

ハセヲ

「…ま、待て!?なんだ、ギルドマスターって!?」

 

シラバス

「だから言ったじゃん、ハセヲはリーダーシップがあると思うって!」

 

ハセヲ

「そういう意味かよ!」

 

那珂

「ねえねえ!那珂ちゃんもカナードに入れて!」

 

ガスパー

「大歓迎だぞぉ!」

 

シラバス

「じゃあ早速ギルド@ホームに行こうか!」

 

那珂

「やった!」

 

那珂

(とりあえず目的一つ達成!)

 

 

 

 

 

リアル

離島鎮守府跡地

綾波

 

綾波

「……何用ですか?」

 

キタカミ

「いやさ、夕張達の動きがバレたなんて私に言ったくせに何も指示が無いのが気になって」

 

綾波

「まだ出番じゃないということです。

それとも、そんなに不安ですか?自分の為すべきことがないのは。

未だに未練があるのですか?カルガモの雛のように自分の背中を追いかけ回す誰かがいないのが。」

 

キタカミ

「……向こうの親鳥の役割はもう私以外でもできるからねぇ。

こっちはまだ誰も育ってないみたいだけど」

 

綾波

「神通さんにでも、夕立さんにでもやらせれば良い。

焦りすぎですよ、あなたは」

 

キタカミ

「…変な焦燥感に駆られてる」

 

綾波

「奇遇ですね、私もです。

まるで破滅の…化け物の足音が聞こえてくるようで」

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