元勇者提督   作:無し

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番外 青葉さんと青葉さん

重巡洋艦 青葉

 

「どもっ!青葉ですっ!現在私は取材のために離島鎮守府にお邪魔しております!」

 

「その挨拶必要?テレビじゃ無いのよ?これ」

 

「ガサはノリが悪いなぁ…」

 

「上に提出するビデオよ?余計なことしないの」

 

「くっ…私の方が偉いはずなのに…」

 

「偉いも何も無いわよ…ん?…あれ、青葉?」

 

「え?なに?」

 

「じゃなくて、ここにも青葉っていたのね、ほら」

 

「……ほんとだ、私だ…」

 

「せっかくだし、取材行っとく?」

 

「……嫌なんだけど…」

 

「珍しいわね、青葉がそんなこと言うなんて…なんか気になってきちゃった、行きましょ!!」

 

「ちょっとガサ!?人の話を聞かないと嫌われるよ!?」

 

「じゃあアンタは全人類から嫌われてるわよ!」

 

「ひっどーい!!」

 

 

 

「え…青葉に取材、ですか…?」

 

「そう!ね?いいでしょ?」

 

「…そちらの青葉さんには興味はありますけど…やめておきます」

 

「え!?なんでよ!せっかくだから話しましょ!?」

 

「やめときましょうガサ、なんかこの人暗くて私も嫌です」

 

「……私だって…元から暗かったわけじゃ…ぅ…ぐす…」

 

「わ、わ!わー!泣かないで泣かないで!青葉!アンタのせいだからね!?」

 

「これ私が悪いんですか!?」

 

「どこからどうみてもアンタでしょ!?あー、ごめんなさい、ほんと泣き止んで、お願いだから…」

 

 

 

「…すん……その…お恥ずかしいところ…お見せしました」

 

「いや、こっちこそごめんね?貴女に不快な思いをさせたかったわけじゃなくて…」

 

「……」

 

「取材でしたっけ……お詫びに…お受けしますよ…」

 

「ホント!?ありがと!じゃあ早速だけど趣味とか教えてくれる?」

 

「…青葉の趣味は、写真を撮ることですね…これです」

 

「ポロライド?えらく古いわね…」

 

「なんでそんな古臭いの使ってるんですか?貴女方も結構いいお給料もらって、さらに最近は内地に来てるらしいじゃないですか」

 

「青葉!どうしたのよ!さっきから…ごめんね、普段はこんなこと言うやつじゃ無いの…」

 

「あはは……大丈夫です…気にしてないので…よければ見ますか…?」

 

「その手帳に?」

 

「はい」

 

「………綺麗な花の写真ばかりね…名前と花言葉かしら?」

 

「はい…こんな小さな島ですけど、いろんな花が咲いていて…最近花の図鑑が手に入ったので、名前と花言葉も記してます」

 

「…あ、この辺から人の写真もあるわね」

 

「…前までは、撮らなかったんですけど……どうしてもって言われて、写真を撮るように…でも、笑顔は好きで…それからは撮ってます…」

 

「うんうん!めちゃくちゃ健全じゃない!いい事だわ!ところで貴女は新聞とかは書かないの?」

 

「書きませんね…その…毎日がいいニュースに溢れてるわけではないので…」

 

「新聞っていうのはいいことだけじゃなくて現実を伝えるものなんです」

 

「そうかも…しれませんね……でも、私はできれば明るい話題だけを伝えたいです…だから書きません…」

 

「そうなのね、もしあれば見せて欲しかったけど、そう言う事なら仕方ないわね、私設備見てくるから、青葉は?」

 

「…ちょっと話があるので残ります」

 

「え…」

 

「もし泣かせたりしてたら、ちゃんと書くからね」

 

「知りません」

 

「……ったく、ごめんね?根はいいやつなの」

 

 

 

「………その…なんでしょうか…」

 

「青葉は…青葉は、貴女のことは知りません」

 

「…へ…?」

 

「私は、過去の青葉の記憶を引き継いでいます、ですけど貴女の話は一度も聞いたこともないし、貴女の記憶はない、貴女は何者ですか?」

 

「…どういうことですか?」

 

「……轟沈した艦の記憶、これはまれに引き継がれる場合があるんです、それを青葉は一人分も残らず持っています、そして…どの青葉も、同じ時代に青葉はいませんでした、つまり世界に青葉が2人存在したコトはないんです」

 

「…たまたまじゃないんでしょうか……」

 

「別にそれでもいいんですけど!!なんか腹立つんですよ!」

 

「えぇ……」

 

「…なんか文句ありますか?」

 

「…いえ……」

 

「理不尽なのは分かってるんですけど、貴女が気に入らないんです、なんでそんなにオドオドしてるんですか!?」

 

「…その…ここってすごく…厳しいところで…」

 

「知ってます、今はマシですけど物資も何もなかったことくらい」

 

「…それで…戦艦なんて1人しかいなくて……それで重巡以上は…ゔっ……駆逐艦を……」

 

「駆逐艦を?……駆逐艦をどうし…まさか…盾に?」

 

「……はい…ぅ……」

 

「あーもう!気持ち悪くなるなら断ってよ!…もう……はぁ…」

 

「昔は…たくさん…笑顔の写真を撮ってて……みんなが…大好きで……」

 

「もういいって!わかった!わかったから!」

 

「……ごめんなさい…ぐす……」

 

「な、泣かないで…ほんとに…お願いだから…!」

 

「…はい…泣きません…」

 

「………はぁ…貴女が泣くと青葉が怒られるんですから…」

 

「私も…青葉です」

 

「…だから?」

 

「……沈むなら、私の前にしてください…」

 

「…は?」

 

「私の記憶は…悲しすぎるから……」

 

「………はぁ〜?」

 

「ひっ…」

 

「アンタ分かってませんねぇ〜!青葉は横須賀鎮守府で第一線張ってるんですよ!?あんた如きの記憶で潰れるもんか!アンタが私の今までを背負おうとするな!」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

「すぐ謝るな!」

 

「はいっ…」

 

「いいですか!?たとえアンタが沈んでも!青葉が、どこかの青葉が記憶をみんな引き継ぎ続ける!私も!これからの青葉も!みんなヤワじゃない!だからもっと元気になれ!鬱陶しい!」

 

「…ふ…ふふ…やさしいんですか?…」

 

「そこは疑問系じゃなくていいでしょ!?」

 

「あはは…はは」

 

「もー!締まり悪いなぁ!?せっかくいいこと言ってあげたのに!!」

 

「……よければ、私と仲良くしてください、お友達として…」

 

「…そのつもりですよ、沈んだら承知しませんから」

 

「私も…」

 

「…はぁ、青葉優しくて天才すぎるから、誰とでも仲良くなれて困っちゃ〜う」

 

「…なんでやねん…?」

 

「元気よく来てくれません!?物足りない!!」

 

 

「…ちょっと離れてる間に何があったの?これ」

 

「ガサ!この子面白いんですよ!」

 

「面白いなんて…ちょっと傷つきました…!」

 

「……ま、仲良くなったみたいで何よりだけど」

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