元勇者提督 作:無し
潜水艦 伊168
「あのー」
「ん?」
「その、改めまして、私伊168です、イムヤと申します」
「うん、よろしく、試験運用ということで君に関しては頻繁に本部にデータを送ってるよ」
「あ、ありがとうございます…」
「といっても…うーん、ごめんね、あんまり仕事をあげられなくて」
「あ、いえ…」
「うーん、でも戦果は上々だね…出撃数以上の戦果がある上に、阿武隈や北上の訓練にも手を貸してくれてる」
「…お二人とも私によくしてくれますから」
「ならよかったよ」
「……阿武隈さんなんですけど」
「ん?」
「同型艦は…」
「居ない、北上と同様にね、だから仲がいいのかなぁ…」
「阿武隈さん、それ、いつまで借りられるんですか?」
「うーん、明日には返すけど……扱えそうもない…」
「やっぱり難しいんですね…」
「甲標的…まだまだ難しいなぁ…」
「…それ、北上さんは扱えたんですよね?」
「うん、と言っても使い始めた時はまだ改だったみたい」
「阿武隈さん、練度はいくつくらいですか?」
「確か47だったかな…ここからは長いんだよねぇ…北上さんなんてもう80になるし」
「………凄いですね」
「……2番手って誰だと思う?」
「…練度なら、赤城さんか加賀さん…?」
「…そうだね、その2人かなぁ……じゃ、実戦なら?」
「え?」
「北上さんに勝てる可能性のある人って誰がいると思う?なんでも有りで」
「………摩耶さん、アオボノさん…とか?」
「うーん、摩耶さんはいまひとつかな、アオボノちゃんは、一歩届かない、相打ちになると思う」
「じゃあ誰ですか?」
「曙ちゃんかなぁ…あの子は、秀才ってタイプなんだけど……トリッキーな戦術もいける、アオボノちゃんの戦い方って実は曙ちゃんベースなんだよ?」
「…アオボノさんが戦い方を教わる…?それも自分と同じ艦娘に…?」
「プライド高いから想像できないかもね、でも、2人が演習で戦った時、決まって曙ちゃんが一歩先にいるんだよ」
「何故…」
「あの子はリーダーとしての素質がすごく高い、全体を見て、全体の指揮をする、そのスキルが異様なほどに高い、北上さんよりもそこは上だと思う」
「確かに北上さんは1人で全部解決しようとしますからね」
「…曙ちゃんは非力だよ、だから弱いなりの戦い方をしてる、底が見えてるようで、ただ水が濁りきってるだけ、全く底が見えないのは曙ちゃんの方だから」
「………もしかして…」
「そう、私がコレを練習してるのは、あの撃ち方をできるのが私と北上さんだけじゃなくなったから」
「……ほんとにみんな凄いわね…」
「……イムヤちゃんにはイムヤちゃんしかできない事があるはずですよ」
「……ソレのお手伝い?」
「…あ、あはは…ほ、ほかにも何か…」
「…あるといいけど」
「有りますよ!多分」
「言い切って欲しかったわ」
「ん?イムヤ、おつかれ〜」
「北上さん、どうも」
「最近ごめんねー、全く構ってなかったねー、うりうりー」
「あ、頭はやめてっあぁっ…」
「で、どう?阿武隈は」
「うぅ…甲標的はまだまだ先だと思います」
「うん、無理に私の真似なんかしなくていいんだけどね…」
「………北上さんはきっと、阿武隈さんの成長に驚きますよ」
「そりゃないね、阿武隈のことならなんでも知ってるもん」
「…ふふっ……アレが完成したら、楽しみ」
「おっ!?何かやってんなー!教えろー!」
「きゃっ!?や、やめてください!」
「ほーれこちょこちょ〜!」
「ひっあはっ!、あははは!」
「…はぁっ…はぁっ……」
「口を割らないか…仕方ないねー」
「…ふぅっ……あのー、北上さん」
「なに?」
「私って、どうすれば役に立てるんでしょうか」
「……潜水艦同士の戦いとかはコレから増えていくと思う、心配しなくても活躍の場はあるからね」
「…私は、データをとって、ここを去らないといけない身です」
「それでも仲間だよ」
「……ありがとうございます」