元勇者提督   作:無し

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番外 ゲーム上手な提督達①

横須賀鎮守府

提督 火野拓海

 

「ふむ…大淀がカードゲームか…珍しいな」

 

「あら、提督、どうですかこれ」

 

そう言ってカードの束を見せてくる

 

以前やっていたカードゲームだ、このゲームの大会にも出たことがあるし、優勝した事もある…デッキの構成について聞かれるということは、何故かそれを知られているという事だが

 

「どれ……まだまだ粗いな、ビートダウンが狙いのようだが…いや、中途半端にロックを求め過ぎているな」

 

「…ロックデッキを組みたかったんですけど、衣笠さんのデッキに勝てなくて…」

 

「ふむ…衣笠はどんなものを?」

 

「展開は遅いんですが、終盤倒しても倒しても重いモンスターが出てくるんです、なので序盤に削り切りたくて」

 

かなり負けが込んでいるのだろう

大淀は燃えていた

 

「……人に合わせて中途半端になっているな、カードは他にはあるのかね」

 

「……これです」

 

「…なるほど、これならあまり人に好かれるものではないがバーンデッキを組んで回せば良いだろう、衣笠のデッキはおそらくコストが重いものが多い、そのコストを払えないように手札を削るカードを交えても良い」

 

「わかりました、じゃあそれに盤面を一掃するカードも交えて仕舞えば…」

 

「ああ、それが良いだろう」

 

他人事だというのに、いかんな、何処か楽しんでしまう

 

 

 

 

 

「提督!」

 

「衣笠か」

 

「私のデッキの対策教えたでしょ!全く勝てないんだけど…!」

 

衣笠には普段仕事がない為、息抜きにカードの組み方を教えたことがある

 

「…別のデッキを組め、と言ってもお前は中々組むのが苦手だったな…今回はこれを使え」

 

「……成る程、後攻ならコスト無しで召喚できて…それでこのカードで展開して…あ、うん、こっちも面白そう…だけどカードが無いなぁ…」

 

「今出ているパックが丁度そのテーマだ、買うと良い」

 

「ありがとう提督!」

 

0から10を作るのが苦手な彼女だが、1.2とキッカケだけ見せれば行動も、精度も高い

きっと強いだろう

 

 

 

 

「司令官!私にも勝てるデッキをください!」

 

「青葉か…君まで始めたのか?」

 

いや、衣笠がやっているのに興味を持ち、青葉が触れ回ったのか?

 

「電ちゃんもバリーもやってますよ…2人とも強しぃ……というか、良い加減勝たないと…」

 

所属艦娘全員が染まっていたのか、悩みのタネになるかもしれんな、だが…この焦り様は気になる

 

「何を躍起になっている…?」

 

「…ぅ……」

 

……青葉のやりそうな事といえば

 

「……賭けているな」

 

「ギクッ…し、失礼しましたー!!」

 

やはりそうだったか、まあ、この様な職場でこんな仕事だ、そのくらいは可愛いものだろう…

アンティールールか?金銭の賭けか?それとも新聞記事か…

 

「…ふむ、私も久しく遊ぶとするか……賭ける事の意味を教えてやらねばな」

 

在籍艦娘全員の財布がすっからかんになりかけたが、提督の温情によりそうはならなかった

 

 

 

 

舞鶴鎮守府

提督 徳岡純一郎

 

「提督、これ飽きたー…」

 

「良い加減他のゲームが欲しいにゃ…」

 

「……提督、この2人にレベリングをさせるのを手伝ってくれ」

 

犬猫犬

 

「俺仕事中、お前ら非番、以上」

 

「遊びに連れて行けー!新しいゲームを買えー!」

 

「我々は新しいゲームを求める!」

 

ウチはお小遣い制を採用している、そのため自分でゲームを買いたければ2ヶ月は貯めなくてはならない

…と言ってもこいつらが自分でゲームソフトを買ったことなどないのだが

 

「いや、2ヶ月前に買ってやったばっかだろ…何で飽きたんだ?」

 

「うーん、ストーリー終わっちゃったにゃしぃ…」

 

「こっちはストーリーじゃけど選べるミッションは全部やったもん…」

 

成る程、やり込みゲーと言われていてもストーリーしか興味がなかったり、同じ敵と戦い続ける事で素材を集めるようなゲームは子供には退屈か

だが、このゲーム達はまだ終わってない

 

「…いや、このゲームならな、実は此処に……ほら」

 

「え?何これ」

 

「ストーリーって言ってもな、メインとサブがあるだろ、サイドストーリーとかな、あとはこんな隠し要素とか…全部集めるのも楽しいぞ」

 

大体の子供が気づかない隠し要素、プレイされないサブストーリーは少し俺には寂しいものだ

元同業者なりの援護射撃ってとこだな

 

「…うん!もっとプレイして遊び尽くしてから別のゲームに手出しするにゃしぃ!」

 

「白露のは…ネットでだな……ほら、これとかおまえ好きだろ」

 

好きそうな装備をピックアップしていく

 

「うわっ、何この装備…」

 

「コイツと、それの装備を合わせてるんだよ、敵を倒すのを目的にするんじゃ無くて装備を集めるのを目的にしてみたらどうだ?」

 

「よーし!いっちばーん良いの!作るよ!」

 

…これで2ヶ月は持つ…と良いんだがな?

 

「提督、レベリングを…」

 

「………若葉、お前は…ゲームは一日4時間な」

 

お前の見た目でデスマーチ並みのプレイされてたら気が気じゃない

 

「そんな!次のイベントに間に合わない!」

 

「……ネトゲとソシャゲを並行したり、同時に遊ぶのは良いんだよ…だがな、ソシャゲを複数並行しながらネトゲのレベリングもしてたらお前体壊すぞ…?」

 

「問題ない、それより提督のコーヒーが飲みたい」

 

「……その年でカフェイン中毒かよ…」

 

…いや、しまった、こいつら見た目と歳は分けて考えないといけないんだったか…

 

「まあ何にせよ、無理なプレイは禁止…長月、菊月、お前達が聞き耳を立ててるのは知ってるからな、お前達も4時間を超えたら…そのDSを閉じるぞ、逆方向に」

 

「だ、ダメだ!私のプラチナが…!」

 

「心配ない、ソフトは無事だろう」

 

「…あんまり聞き分けが悪いとソフトだけ壊して回るぞ」

 

何でコイツらはこんなに…

 

「司令官、昨日のセッションの続きがしたいんだよ〜…」

 

「弥生は、約束を破られて、怒っています…」

 

弥生と望月…

そして後ろに控えてるTRPG組……利用するか

 

「俺の仕事が終わってないのはコイツらが原因だ、追い出すか手伝ってくれたらすぐ終わるぞ」

 

「……これでどう…!?」

 

「いよっと…あたし達の邪魔はさせないよっと」

 

望月と弥生が白露達を引っ張っていった

 

「ようやく落ち着いて仕事ができるな…」

 

そう思った瞬間に扉が音を立てて開く

 

「五月雨!時雨!見ぃつけた!私から逃げられると思ってるのかしら?」

 

「……あ?夕立…?」

 

迷いなく俺の方に近づいてくる、狩る者の目…

 

「お、おい…?何してるんだ?お前…」

 

「ほら、ここ!見つけた!」

 

そう言いながら俺の椅子を勝手に引く、その勢いで俺は背後の壁に頭をぶつけた

 

キャスターのないタイプに買い替えよう…

 

「…何でバレたんだろ」

 

「……鼻が効くからじゃないでしょうか…」

 

「普通に毎回そこにしか隠れないからっぽい」

 

デスクの下から時雨と五月雨が出てくる

全く気づかなかった…

 

「……いつも此処に隠れてたのか…さて…」

 

手を一つ鳴らす

 

「皐月!三日月!初霜!邪魔者が此処に3人いるぞ!」

 

「呼ばれて!」

 

「飛び出て!」

 

「ジャジャジャジャーン!」

 

ようやく1人になれたか

 

「……よし、これで進むな…」

 

後日艦娘には新しいゲームが与えられた

簡単ながらも提督の作ったオリジナルのゲームが

 

 

 

 

 

 

 

呉鎮守府

提督 三崎亮

 

「……何でこの流れで俺なんだよ」

 

「5先だ!」

 

「いや、木曽意味わかってるか?格闘ゲームの○先ってのは2ラウンド先取で1本、つまり5勝しなきゃいけないんだからな?」

 

神通が持ち込んだ格ゲーは鎮守府内大流行

暇さえあれば挑まれる日々だが

 

「1先だとマグレがあるだろ?」

 

「……そういうのは神通相手に1ラウンドでも取ってからいうんだな」

 

大抵初心者だ

 

 

 

「ほらな」モエタロ?

 

「ぐがぁぁぁ!」

 

まあ、そうそう負けはしない

 

「せめて加古にでも勝つんだな」

 

「提督が煽るせいで加古さんはもう私より強くなりましたよ?」

 

「…なに…?神通より…?」

 

神通は此処で俺以外から最強の名を恣にしてきたハズ…

 

 

 

「へへっ…雑魚ってんだぁ〜…よっろし…クソォッ!次はぶっ飛ばす!」

 

 

 

「あのやり取りがもうできないのか…!」

 

「そこにショックを受けないでください」

 

いや、待てよ…あいつ此処最近の出撃の戦績が…

 

「……よし、古鷹と由良を呼べ」

 

「はい、呼んであります」

 

「あー…あはは…ねっ?」

 

「……お任せ下さい、2人とも痛い目に合わせておくので」

 

成る程、古鷹は気付いてたか、由良が加古のサボりを隠していた事を

 

「由良は甘いだけだ…が、まぁ、キツめに頼むわ」

 

「お任せ下さい」

 

「提督さん!?提督さーん!?」

 

「…情けは人の為ならず」

 

「それ自分に巡り巡って帰ってくる、って意味ですよ」

 

「うるせぇよ」

 

ドアが軋む様な音を立てて開く

 

「て、い、と、く〜?」

 

「ゲェッ!大井!?」

 

「…提督もサボってたんですか」

 

「神通さんも今は訓練を見る時間でしたよね?あれー?おかしいですよねぇ?」

 

「クソッ!逃げるぞ!」

 

「吝かではないですね」

 

「…ふっふっふ…誰も私の前から逃さないわ」

 

 

 

「ぐぁぁぁぁ!」

 

「提督、南無阿弥陀仏」

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