元勇者提督   作:無し

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バルムンクのリアルネームをずっと探しましたが、記載が見当たらないために「白銀翼」としています、情報あればお願いいたします。


来訪

離島鎮守府

 

「いやー、ついたついた、此処が俺らの職場ってわけか」

 

「……火野のやつ、ちゃんと伝えたのか?誰もいないぞ」

 

「いや、来たぞ、勇者様のお出ましだ」

 

「おーい!」

 

 

提督 倉持海斗

 

「…いるね、2人か…」

 

「人数だけで規模は大きくないものね…はぁ……なんか手を振ってるけど…フレンドリーなのかしら」

 

「………あれ…?」

 

「どうしたのよ、クソ提督」

 

「……え、あ…曙、頬をつねってもらってもいい?」

 

「は?!何?アンタそう言う趣味な訳!?」

 

「いや、いいかいだだだ…!ありがひょ、もういいから…」

 

「おいおい、何やってんだ海斗、嬉しすぎて夢でも見てる気分か?」

 

「…クソ提督、知り合い?」

 

「知り合いどころじゃないよ…親友だよ…!」

 

「嬉しいことを言ってくれるな」

 

「全くだな!オフ会以来か!」

 

「よかった…!本当に2人で良かった…!」

 

「話が見えないんだけど…」

 

「よろしくな、お嬢さん」

 

「………綾波型駆逐艦の曙よ、みんなアオボノって呼ぶわ」

 

「ああ、よろしく頼む」

 

「本当に2人で良かったよ…!ヤスヒコ!翼!」

 

「…なんか、想像以上に喜ばれてね?」

 

「……海斗、何かあったのか?」

 

 

 

 

 

 

「なるほどなぁ…じゃあ俺らはあんまり顔を出さないほうがいい、かもな」

 

「正直言って友達だよって紹介しても警戒心は消えないと思う、だからまあ、別の機会に歓迎会でも開こうか?」

 

「…なんだ、せっかくだしケーキを買ってきた、それだけでも届けてくれるか?」

 

「…ケーキ…?ケーキ!?」

 

「うおっ!?」

 

「生クリームたっぷりのやつ!?まさか生クリームがないなんて言わないわよね!?」

 

「あ、ああ、チョコクリームのやつも買ってきた…」

 

「っし!」

 

「…曙ー?」

 

「クソ提督わかってる!?此処で生クリームは超のつく高級品!それが食べれるのよ!?」

 

「冬場だから頑張れば買って来れると思うんだけどなぁ…」

 

「まあ、確かに本土に比べて若干暖かいしその考え方もわからなくないが」

 

「っていうか仕入れればいいとは思うんだけどね、でも今高いから」

 

「そうなのか?」

 

「うん、予算的にちょっと厳しいかな」

 

「そうか、じゃあ美味しく食べてくれよ、たらふく買ってきたから」

 

「もちろん、全部食べてあげるわ!」

 

 

 

「2人の部屋は鎮守府の裏手にある前の憲兵詰め所になるんだけど……」

 

「こりゃひでぇな」

 

「うん、だから病棟なら部屋が余ってるからそっちに寝泊まりしてもらってもいい?ちょうど今空いてるし」

 

「此処よりマシなら文句はない、と思うぜ…多分」

 

「いやー、此処に建築なんかできる人いないからさ…」

 

「ま、そりゃ犬小屋をどうこうしろ、ってのも無理だよな」

 

「しっかしお前らの扱いもひどいもんだなぁ」  

 

「そう?だいぶんマシになったんだけど」

 

「………これでか?俺らの持ってる資料通りなら…かなり自由のない暮らししてることになってるが」

 

「……まあ、嘘って必要だからね」

 

「この野郎!悪いこと覚えやがって!」

 

「あはは、来たのが2人で本当に良かったよ」

 

「…そうだな、本当に来たのが俺らで良かったぜ」

 

「全くだ」

 

「悪いけど病棟に案内するから、そっちでしばらく時間を潰しておいてくれる?」

 

「あー、悪いけど何かあるか?暇で暇でな」

 

「古いゲームで良ければ」

 

「上々だな」

 

 

 

 

 

 

「やあ、島風」

 

「………」

 

「そんなに悲しい顔しないで…」

 

「私此処を出たくないの…怖いの」

 

「何が怖いんだい?」

 

「………1人にされちゃう」

 

「1人にされる……?」

 

「わからない…わからないけど…辛い、怖い夢を見る…私はどこに居るの…!?」

 

「……島風…君の痛みは僕にはわからない……ごめん」

 

「………いい…もう…何も…考えたくない……」

 

「それは良くないんだ、島風…君は前を向ける…止まっちゃダメだ」

 

「提督…私って誰?」

 

「……え?」

 

島風の質問に言葉が詰まる、果たして彼女は誰なんだろう

島風型の島風、それ以外に僕は彼女を何と呼べばいいんだろう

 

「提督は私が誰か…わかる…?」

 

わかるわけがない…

答えられない…

 

「ごめんね提督…私、わからない…私って誰なんだろう…?」

 

なんて言えばいいんだ僕は、なぜ黙る

何か言え、言わなきゃダメだ、此処で黙っちゃダメなのに…

僕はこんなに幼い子の言葉にも応えてあげられない

 

「………提督、さよならなのかな」

 

「…それだけは違う、何としてもそれだけは…必ず…それだけは防いでみせるから」

 

「……今はそれで充分、提督…約束だから」

 

「わかった、必ず約束を守るよ」

 

島風は…いや、艦娘とは何なんだろう

僕はあまりにも知らなさすぎる

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、島風さん、鳳翔さん、暁さん、響さん、雷さんの送別会兼朝潮型歓迎会!と言うことで!」

 

「「「かんぱーい!!」」」

 

 

「元気がいいな、良いことだ、此処まで聞こえる」

 

「全くだね」

 

「…どうした、海斗、らしくないな」

 

「そう?普段通りのはずなんだけど」

 

「そう言うところがらしくない」

 

「そりゃそうだろう、海斗だって俺らと時間を潰すより自分のとこのかわいこちゃんとのみたいだろうからな」

 

「ハハハ、これは気がつかなかった、行ってこい海斗」

 

「……気を使わせてごめん、そういうのじゃないんだ」

 

「そうじゃなけりゃ俺らはどうしようもねぇよ、それこそお前は行くべきだ」

 

「そうかな…」

 

「そうそう、ほら行った行った」

 

「そうだ行け行け消えちまえ」

 

「………遠慮ないよねぇ…2人とも」

 

「俺らとお前の仲だろ?」

 

「昔ほどお利口じゃないんだ、俺らもな」

 

 

 

 

 

「みんな、どう?」

 

「あ、提督、よろしいのですか?」

 

「うん、追い出されちゃった」

 

「えー、司令官何かしたの?」

 

「いや、そう言うわけじゃないんだけど…」

 

「提督、何かあれば私達が…」

 

「いや、加賀、落ち着いて、本当に大丈夫」

 

「先ほどちらりと見ましたが、以前提督のお友達の集まりにおられた方でしたよね?」

 

「赤城、よく覚えてたね、その通りだよ」

 

「憲兵に友人がいたのですか?」

 

「みたいだね、僕も憲兵をしてるなんてその集まりまで知らなかったし」

 

「此処に来たのは?」

 

「偶然だと思うよ?相変わらずの友達だし、明日からは接触することもあると思う、仲良くしてくれとは言わないから覚えておいて」

 

「ふふっ、私は仲良くさせてもらいましょう」

 

「……赤城さん、何かいいことでも?」

 

「いえいえ、私は昔の提督のお話を聞けるのでは、と思いましてね」

 

「…なるほど、私も仲良くしてみてもいいかもしれません」

 

「……面白い話なんてないけど、それでもいいならそうしてみてね」

 

彼女らの事は彼女達に任せる、それが一番だと思いたい

 

 

 

 

 

呉鎮守府

軽巡洋艦 川内

 

「………っ!?」

 

目を見開き、飛び起きる

身体中に激痛が走る、身体はまだ本調子じゃない

どうやら此処は入渠ドッグらしい

 

「やられた……か」

 

「おはようございます」

 

不意に左から声

 

「…大井?」

 

「お元気そうで何よりです、川内さん」

 

「………戦場はどうなったの」

 

「ボロボロの貴女が私たちの前に投げ出され、撤退戦を余儀なくされました、最終的には帰還できましたが」

 

「………ごめんなさい」

 

「全体の集会でどうぞ、私は知りません」

 

「…どうなったの?」

 

「大量の深海棲艦の揚陸がありましたが、佐世保鎮守府の大健闘で九州は無傷、四国に関しては一度放棄されましたが、憲兵隊の調査の結果、侵攻はなかったそうです」

 

「………今は?」

 

「向こうは陣形を組み動かないそうですよ、敵の数は500を超えています」

 

「……そう、なんだ…」

 

「向こうはまるで、誰かが指揮をとっているかの様に、恐ろしく連携が取れています、貴女みたいに突っ込んだらどうなるか、貴女が帰って来れたことがどれほどの奇跡か」

 

「………違う」

 

「…違う?」

 

「奇跡なんかじゃない…生かされた………私は…私は……!」

 

悔しい?違う、これはただ、恐怖してるだけ

 

「私は…あの子に生かされた…!」

 

「あの子…?」

 

「……大井は時期かぶってなかったっけ…春雨、覚えてない?」

 

「…春雨って、あの脱走した…?」

 

「……表向きはね、実際は身投げしたんだ…」

 

「身投げ…!?」

 

「あの子と最後に話したよしみで…私は生かされてしまった……」

 

「……身投げしたら深海棲艦になるとでも…?」

 

「その辺は知らない、だけどあの子は春雨だ……明日も戦うのかな」

 

「……」

 

「…………今じゃ勝てない…後一週間だけ、必要……壁は見えた、見えたから、登る、超えてみせる…!」

 

「……貴女にできるとは到底思えません」

 

「神通でも、那珂でもない…私じゃなきゃダメなの……私が超えるしかない…だからそのためには時間がいる」

 

「………時間を稼げ、と?」

 

「……いや、春雨が私との戦いを望んでるなら」

 

「大井!提督が呼んでるクマ!」

 

「え!?い、いきなりなんですか!?」

 

「深海棲艦の群れが太平洋に出ていったクマ!しかも再侵攻すると言っていたらしいクマ…!」

 

「深海棲艦が喋った…って事ですか…?頭が混乱します…!」

 

「………春雨…私は応えるよ…ちゃんと勝つから」

 

 

 

 

佐世保鎮守府

駆逐艦 不知火

 

「……はぁ………まさか…本当に槍に頼るなんて…」

 

「そうですね、ですが…まさか刺さるとは…」

 

「沈むと思わなかったけどね…沈む?死ぬ…?」

 

「………こんなことでは演習なんて余裕ありませんね」

 

「……瑞鳳さんは?」

 

「随分荒れてました…撃破数もトップなのに…」

 

つい数日前まで、あんなに大人しかったのに、この変わりようはなんだ?

理由がわからない、そしてあの動きは何だ?

 

「………見ましたか?」

 

「はい……あの動き…全くわかりませんでした」

 

「早すぎて見えなかった、としか言えません…」

 

一瞬で陸上に出てきた深海棲艦を何体も潰してみせた

どうやったのかまるでわからない、何が起きた?

 

「………本当に…同じ艦娘なのか疑うレベルでした…あれはそう言う次元じゃない…」

 

「…口が過ぎますよ」

 

「でも…」

 

「なぁに?瑞鳳のお話?」

 

「…どうも」

 

噂をすれば影がさす、か

 

「………」

 

「黙っちゃうなんて悲しいなぁ、鬼怒さん?」

 

「……怯えてるんですよ、そんなに脅さないであげてください」

 

「口が過ぎるのはどっちかな、駆逐艦」

 

「…あなたも口がすぎますね」

 

「………ふふふ、上下関係、知りたい?」

 

練度以上の何かを見極めなければ勝ち目はない、か

 

「結構です、安い挑発に乗る義理はありません」

 

「そう?別にいいけどね」

 

 

 

 

 

 

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??? ???

 

『…成る程…おい睦月、コーヒー持ってきてくれ』

 

『わかりました!すぐお待ちします!』

 

『早めに頼む』

 

「気づかれたか?」

 

「…その様です、ヴェロニカ様に連絡しておきます、舞鶴の盗聴器、隠しカメラは全滅だと」

 

「一つくらい残るだろう」

 

「おそらく、火野が動いています」

 

「………我々の慈悲を理解していないのか」

 

「彼は腐っても勇者のお仲間であろうとしている、我々を悪だと思う限り抵抗を続けるでしょう」

 

「…吹けば消える火だと言うのに、なぜそんなに死に急ぐのか」

 

「さあ、何故でしょう」

 

『あー、熱々だ、しまったな、手が滑っーーーー』

 

「やはり気付かれていますね」

 

「……仕方ない、海軍としても火野は邪魔になりつつある、消すしかあるまい」

 

「まだもう少しだけお待ちを」

 

「…わかった」

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