元勇者提督 作:無し
舞鶴鎮守府
「本日よりお世話になります、軽空母鳳翔と」
「…駆逐艦島風です……」
「おう、俺が此処の提督やってる、よろしくな、嬢ちゃん」
「あの……提督から何か聞いておりますか?」
「ああ、聞いてはいるけどな…うちのもまだ多感な子供ばかりだ、あまり期待しないでほしい」
「……そうですか」
「ま、とりあえず…白露!睦月!」
「いっちばーーーん!!」
「にゃしぃぃ!!……負けたっ!」
「廊下は走るな、ほら、この間話した島風と鳳翔だ」
「白露です!張り切って参りましょー!」
「睦月型駆逐艦一番艦の睦月です!はい!一番艦でにゃしぃっ!」
「ま、ノリの軽い奴らだから…」
「そのようですね…」
「………島風ちゃん、元気ない子?」
「えっ…その……」
「かなり人見知りのある子ですけど、いい子なので、優しくしてあげてくださいね」
「ほ、鳳翔さん…!」
「わっかりました!睦月!」
「もっちろん!ふっふっふ…島風ちゃん!ゲーム好き!?」
「え、す、好きだけど…」
「よーし!我々肉球一番団への加入を認めます!いっきますよぉ!」
「にゃしにゃしにゃ〜しぃ〜にゃ〜しぃ〜島風ちゃんをつーれて〜♪」
「おぅっ!?ま、待ってよー!!離してー!」
「……大丈夫かな、あいつら…」
「ええと…私は…?」
「あー、鳳翔だったか、あんたは十分な練度があることは聞いてる、此処は結構特殊でな、アンタにはこいつを使った、偵察を頼みたい」
「…まぁ…これは……彩雲…!」
「艦娘ってのはいい装備を見ると目を輝かせるもんなのかね……」
横須賀鎮守府
「歓迎するのです、3人とも!」
「電!久しぶりね!」
「雷に頼ってもいいのよ?」
「よろしく、電」
「仲良くしているところ悪いが、君たちには主に書類整理を頼む、詳細は電に聞いてくれ」
「出撃はないのかしら?」
「あんまりないですね…此処は情報統括みたいな感じなのです、武闘派なのは呉と佐世保が担当しているのです」
「へぇー」
「暁ちゃん?どうしたのです?」
「んー……ちょっと心残りがね」
「天龍さんのことね、また会いに行きましょ?」
「大丈夫だよ、暁、また、すぐ逢えるさ」
「そうね!さて、第六駆逐隊が全員集合したんだし!!」
「どうする?対潜任務でもしちゃう?」
「任せてくれ」
「あのー、此処の仕事は書類整理ですよ……?」
呉鎮守府
軽巡洋艦 川内
「はぁ!!」
「うっ…!狙い撃ちされましたか…これじゃ戦い難いです…!」
「よしっ…神通をようやく捉えた……!」
「……っ!」
「那珂の動きはよく知ってる…その動きじゃダメだよ…!」
「なんでこの短期間でついて来れるの…!?」
「もらった!」
「………よし!川内型!演習終わり!」
「……まさか姉さんの一人勝ちだなんて…昔を思い出しますね」
「…那珂ちゃん強いはずなんだけどなぁ…」
「違う、私は2人の動きを知りすぎてるんだよ…今の身体ならだいぶん動けるから、今までの動きをされたら負けないね………でもそれじゃダメ」
「…姉さん、いきなり練度が上がりましたよね、何かあったんですか?」
「…発破がかかったんだよ、あと少しだけしか効果はないけどね…」
「………もう2人がかりでもダメ…?」
「那珂がスイッチ入ればわからないかなぁ…」
「……成る程…」
「今更入れても遅いよ、ほら、バケツ被ってもう一回やる?」
「…そういえば姉さんは改装はしないんですか?練度はもう少しで私に並びますし、改二の条件は整ってるはずですが…」
「………改二…か…うん、難しいってさ」
「何故…?」
「力を求めすぎてるって、消し炭になるかもしれないし、消失するかもしれないし、廃人になるかも」
「そうですか……」
「…神通、那珂、2人が改二になってても、お姉ちゃんには勝てない、よく覚えとくんだね」
「…ふふ…酷いですね…まだ本気じゃないかもしれませんよ?」
「那っ珂ちゃんも〜、本気じゃなかったりして」
「………いいね…もう一回行く…?」
「何度でもお相手します…!」
「絶対仕留める」
5時間後、私たちは司令室の床に正座させられ、ついでにと言うことで戦術書を何冊か抱えさせられた
「それで?」
「……7回やりました」
「この大量の資源の消失も?」
「全部艤装に…」
「そして肝心の艤装は酷使で修理中…馬鹿か!?」
「きゃはっ☆?」
「………」
「いったーい!顔はやめて!顔は!」
「脳天だ、ハゲねぇといいな」
「………嘘でしょ!?神通ちゃんハゲてない!?私大丈夫!?」
「お前らいつ敵が攻めてくるかわからない状況で何やってんだ!?ウチの主力はお前らだろ、一応……!」
「一応は余計だよ、提督」
「そうかもなぁ、お前らがちゃんと自覚持っててくれれば余計かもなぁ……!」
「…私たちも焦ってしまったんです、どうかお許しください」
「何に焦ったんだ?神通」
「………攻めてくる敵に…」
「いいや、違うな、お前の場合は川内に追い抜かされることに焦ってる、じゃなきゃお前がムキになるわけがない」
「………」
「……え、神通そんなこと気にしてたの…?」
「お前ら実は仲悪いのか?」
「そんなことはありませんが…悔しかったんです、姉さんがどんどん進んでいくのが…」
「今はそんな状況じゃねぇ、競いたければ深海棲艦を全滅させてこい」
「…それは無理ですね」
「現実の見える馬鹿でよかった、全く………神通、那珂、お前らは大井に任せる、川内、ネームシップであることを恨むんだな」
「………何?」
「特別に俺が罰を与える、お前は目を離せばすぐトレーニングを始めるだろうし、そこでそのままだ」
「……提督殿〜、1分1秒も惜しいと思うんだけど?」
「ほら、行け、2人とも」
「………ご愁傷様です」
「…那珂ちゃんオフいただきまーす」
「ちょっ………2人とも…!裏切られた……!」
「………さて、川内、あと2時間は耐えろよ」
「…そこは特別なお話とかある流れじゃないかなぁ!?」
舞鶴鎮守府
駆逐艦 島風
「島風ちゃんめちゃくちゃ強いんだけど!」
「島風ちゃんもThe・Worldやってたなんて…睦月、感激!」
「うん…といっても、出撃することがなかったから…」
提督のPCを勝手に借りてやってただけなんだけど…
送別会の時に提督は「知ってたよ」って、ノートパソコンと一緒にデータをくれた
うまくデータを移せてよかったって笑ってたし、私も嬉しかった
「このPC凄いカッコいいモデルだね!今まで見た中でいっちばんだよ!」
「………あれ?このキャラって…ねえ、白露ちゃん、今のバージョンでエディットできたっけ?」
「………ほんとだ、このパーツなんて今は使えないよね?」
「え?なんの話?」
…あれ?………なんだか、雲行きが…
「……島風ちゃん、正直にいって欲しいな…チーターでしょ…」
「え!?チートなんてしてないよ!?」
だってこれ提督のキャラだし…
提督に黙って使ってたからバチが当たったのかな…
それとも提督が本当にチーターだったのかな…
「…じゃあどうやってエディットしたの…アイテム欄を見せて……ほら!このアイテムなんてどうやっても手に入らないよ!!」
「チーターじゃん!!」
「ち、ちがうよ!!」
「じゃあいつ始めたの!?」
「……3週間前…」
「レベルもこんなに上がるわけないよ!」
「…その…これは提督の…」
「言い訳?前の島風ちゃんとは違うと思ってた!」
前の島風…?
「…残念だよ…!CC社に通報するから!」
「ね、ねぇ!前の島風って何!?どう言う事!?」
「邪魔しないで!あっち行ってて!」
「おいおい、どうした、騒いで」
「提督!島風ちゃんがチーターなの!」
「ズルして一番とってる!」
「は?チーター…?」
…もうやだ…悪いことしたの…?私が…?
「ん…お、おい!これ!」
「提督!島風ちゃん悪い子です!」
「…なあ、島風…これはお前の提督からもらったのか?それとも…お前が持ってきたのか…?」
こ、こわい…
「も、もらいました…」
「………腕輪はないのか…成る程な……じゃあ、安全…って事でいいのか…?」
「あ、あの…?」
もう返して欲しい、部屋に、鎮守府に…みんなのところに帰りたい……
「ぅぇ…グスッ…やだ………もうやだよ…」
「あー!すまんすまん…悪かった、返すよ」
「提督…?」
「白露、睦月、これチートじゃねぇ!昔の古いデータだ、憶測でいじめるな!」
「え、違うの…?」
「でも、古いデータって今のバージョンじゃ…」
「このキャラは特別性でな、お前らも知ってるだろ、.hackersのカイト、そのキャラそのものだ」
「え…………カイト…ってえぇぇぇぇ!?」
「………やば…ヤバいことした?私.hackers敵にまわした……っていうか!なんで!そのキャラを島風ちゃんが持ってるの!?」
「知らないよぉぉ!提督からもらったんだもんん!」
「あー!泣くな泣くな!島風の元の提督がそのカイトなんだよ!」
「………」
「白露ちゃんがオーバーヒートしたにゃぁぁぁぁ!」
「ぽいぽい?なんの騒ぎっぽい?」
「白露ちゃんが死んだ顔してて新人さんが泣いてて…」
「睦月、失望したぞ」
「え!?わたっ…しのせいだけど…!」
「睦月…なにしたの…」
「………睦月…」
「白露ちゃん!1人だけ自分の世界に逃げないでぇぇ!」
「……私、.hackersに殺されるなら本望かもしれない…」
「白露も何かしたんですか?」
「………まあ、いい薬か、睦月と白露が良くわかってないとはいえ、島風のキャラをチートだと責めてな」
「司令官殿!?」
「ま、それでこの島風は深く傷ついちまった…お前らー、睦月と白露は俺が良く叱っとくから、島風のこと頼むぞー、あとこの子のキャラはチートじゃないと俺が保証するから、変なこと言うなよ、ああ、あと五月雨、こいつらには廊下掃除させるから、濃いコーヒーを頼む、今日は廊下のカーペット敷いたままでいいぞ」
「提督!それは…!」
「…提督、私が零すって言いたいんですね…」
「零すだろ?」
「零しません!カートごとひっくり返るんです!何故か!!」
「………涼風、ついていけ」
「はーい!」
「子日だよっ!島風ちゃん!よろしくね!」
「島風、わたしは若葉だ、よろしくな」
「………ぅ…」
「めちゃくちゃ怯えてるっぽい…!白露…!」
「こればかりは擁護できないね、白露?」
「…はっ!?なんか気づいたら殺気が一番向いてる…!」
「よかったじゃねぇか、一番だぞ」
「嬉しくなーいよーう!」
横須賀鎮守府
軽巡洋艦 大淀
「提督、何の御用でしょう」
「………此処ならば良い、本題だけさっさと済ませる」
「はい」
「フィドヘルの予言を」
「……」
まさか、気づいていたなんて
「…成る程、短い人生だったな」
「阻止してみせます」
「無駄だ、変えられんよ…大淀、頼みがある」
「……なんでしょうか」
「私の死後も、私に尽くしてくれ」
「………嫌です、死なせません」
「…では電に頼もう」
「提督…!」
「大淀、私に残された時間はどれほどなのだ」
「…そこまでは……」
「わからない、か……まあいい…やれる事はやれるだけやるさ」
「提督…お願いします、私達で大本営を…」
「そんなレベルではないのだよ、キミはまだ知らないだけだ、本当に恐ろしい敵は、1企業なのだからな」
「…どう言う意味ですか?」
「………これだけは伝えておく」
「……」
「倉持海斗を、私が死んだら、彼を頼れ……」
「彼は世界を滅ぼそうとしています…!」
「……そんな奴じゃないんだ…カイトは、最初から最後まで、優しすぎる」
「………理解できません」
「さて、戻るぞ、決して気取られるな」
「…………はい」
離島鎮守府
「……少し、寂しくなったかな」
「そうですね、一気に5人ですか」
「4人入ってきたとこ…いや、憲兵合わせれば6人、+1って事でいいんじゃないの?」
「……曙は手厳しいなぁ…」
「それより、この作戦、本当にうちで受けるの?」
「受けるしかないよ、時間はない、忙しくなる」
「………報告されてる数的に……相当厳しいわよ」
「やれる事は全てやるさ」
「当然よ」
「……私も尽力します」
「………うまく行けば、全てが変わるよ」
「引越しの用意でもしておこうかしら」