上空から奇怪な鳴き声をあげながら鳥神・シユウが小生の前に下りてきた。ご丁寧にかかって来いと指をクイクイしてきやがる。はなからそのつもりだったが、全力で叩き潰す。
手始めにシユウは翼の掌から火球を放ってきた。若干の追尾性能があるので、ここはおとなしく神機を防御形態に移行する。小生が使っているシールドはタワーシールド・ユミル。
タワーシールドはシールドの中で最も大きく、防御力が高いものだ。その分展開が遅いが、経験豊富な小生にはそれは苦にならない。大概の攻撃は先読みできる。
「この程度かよぉ!!シユウ!!」
きりもみ水平切りで接近、足を狙って攻撃する。ロングブレード・クロノサイズがシユウの足のオラクル細胞を切り裂く。
ウォオオ!!
「! しまっ…」
小生としたことが読み違えた。切った瞬間にシユウは高速回転し、小生を弾き飛ばす。受身を取り、大事は免れる。
「クソッタレ…たかがシユウの分際でいい度胸じゃねぇか…」
懐からスタングレネードを取り出す。いわゆる閃光弾だ。対アラガミ用のそのアイテムは今まで数々の窮地を救ってきてくれた。地面に叩きつけて破裂させ、隙を作る。
シユウが目を覆い、怯む。アラガミの中でもシユウ種はスタングレネードの効果時間が長いことが知られている。一回捕食するには十分すぎる時間だ。先ほどと同じように神機を捕食形態に移行する。
「食いちぎれ!!」
獰猛なその捕食器官がシユウの体の一部を食いちぎる。その力を神機を通して小生が受け取る。こうすることでゴッドイーターは身体能力が飛躍的に上昇させることができる。
そして食いちぎったアラガミの力の一部として、アラガミバレットといわれる強力な弾丸を手に入れることが出来るのだ。
後ろに下がり、神機を銃形態に変形させる。ジャンプし、シユウの頭に向かって照準を合わせる。
「くたばりやがれ!」
手に入れたバレットが無くなるまで打ち続ける。小生の戦う前に戦っていたベテランがつけた傷が、癒えていなかったらしい。あっけなくシユウは膝を突き、もう虫の息だ。
「せいぜい地獄に落ちないようにカミサマにでも祈ってな。まあ無理な相談だろうがな!!」
ロングブレードに備わる特殊攻撃、インパルスエッジでシユウの頭を粉々に砕く。返り血が小生のスイーパープラン(純白のロングコート)を濡らす。
最近の繊維技術もすごいもので、アラガミの返り血を浴びても一度選択すればきれいさっぱり落ちるのだ。そこんとこは問題ない。頬に飛んできた血しぶきを袖で拭う
「あっけねーなぁ…探索任務もしないと上官怒るだろうしなぁ…世知辛いなぁ…」
そういって捕食する。これもお仕事。…それほどいい素材も手に入らなかった。本当に、世知辛い。
ズガァァァァァァン!!
「どぅわぁ?!?!なんじゃいなんじゃい?!」
すぐ近くで大爆発。えらいこっちゃえらいこっちゃ!!(汗)
爆発音は街の奥のほうから聞こえた。本当なら早く帰ってお気に入りのサイトの更新をチェックし、趣味で書いてる小説進めたいと思ってたのだが…アンノウンの調査って任務に入ってるしなぁ…とりあえずそっちの方向に向かう
「確かこの辺りのはずだが…」
贖罪の町のはずれ、そこに小生は居た。さっきから爆発音がどんどん増えていってる様な気がするが……超絶的に嫌な予感がする
辺りの様子を伺いながら先へ進んでいく。と、最深部に何かの気配を感じた。壁に背中をつけ、頭だけを出して確認する
「(おっとぉ…これはこれは…)」
最深部の少し開けた場所に、一人の人影。その周りには戦神の名を持つアラガミ、「クアドリガ」が3頭、人影を囲んで戦っていたのだ。正直、シャレにならない乱入クエストである。
冒頭でミサイルを放つアラガミもいると書いたと思う。…確認するなら後にしてくれ、まずはこの話を読み終えてからだ。ちなみに第一話参照。そのアラガミがクアドリガである。
ベルリンのシンボル、ブランデンブルク門の上にそびえるヴィクトリア像の乗る四頭立ての馬車がクアドリガと呼ばれる。
また、ギリシア神話の太陽神アポロンの乗る太陽の馬車がその馬車の由来であるとされる。
引用・GODEATER WIKI
見てくれはなんとも表現しがたい錆色の4足歩行の巨体、頭は骸骨。コワイ
前面装甲を開いてミサイル撃ってきたり、後ろにあるミサイルポットから誘導ミサイル何発も放ってきたり、そして何より怖いのがその巨体だ。
でかいくせにその機動性は戦車の比ではない。初見のとき何度こいつに轢き殺されそうになったか…
とにかくだ。ゴッドイーターたるもの、他人のピンチを黙って見過ごすことなど出来まい。ホンとなら逃げ出したいところだが。考えてもみろよ、戦車にナイフ一本で戦争挑むようなモンなんだぞ?!…まあ慣れてるけどさ
「いや~~~~っほぉぉぉぉぉ!!!」
ダッシュ+踏み込み水平切りで一体目のクアドリガの足を攻撃。攻撃したクアドリガが苦痛の音を漏らす。それに反応し後の二体がこちらに注意を向ける。
続けて戦うのもメンドクサイので困ったときのスタングレネードを使う。3匹が目を眩ませた瞬間、小生は人影を引っ掴んで一直線に逃走。こんな凶悪な状況にわざわざ構ってられるか。
命を大事にしないやつは嫌われるし
ゴッドイーターたるもの、逃げて生き残ることも大切だ。右腕アラガミの人もそういってた。元気してるかなぁ、ジャッ○スパ○ウ。
「ぜぇ~~~~…はぁ~~~~~」
現在小生と救出した人は聖堂の中で息を潜めていた。大丈夫、偽装フェロモン呑んでるからバレにくいと思う。え? 末期の息のような呼吸してる時点で潜めてない? こまけぇことは、ってことにしといてくれ。
救出した人は女の子だった。肩甲骨辺りまで伸びた淡いピンク色の長髪、どことなく釣り上がった目、その肌は白いというよりはどちらかと言えば褐色に近い。
漆黒のボロマントに身を包んでいる。背中に大きな漆黒の剣を背負っている。ゴッドイーターか? にしてはゴッドイーターの証である腕輪がない
それにあれだけ走ったのにまったく息の切れた様子がない。疲れたけどレーションなんて食ったらカラッカラの喉に詰まって死んじゃいそうなんで止める。嗚呼、この回復薬が錠剤でなく飲み物だったら…
「なぜ、じゃま、した?」
唐突に喋りだした少女。恨みがましい目でこちらを睨んでいる。紅の瞳が怒りを表していた。…何で片言?
「いや、邪魔っつーかあの状況でなんとかってのも無理だろ…」
「いらない!!ハラへった!!もうどこかいった!!くえない!!」
…通訳すると、
助けなんかいらなかった!あいつら食べようとしたのに邪魔しやがって、あいつら食べようとしたのにもうどっかいっちまって食えねーじゃねーか!
…何で分かるかっつったら…なんとなく?というかほぼ憶測だけど
「お、落着け、君はアラガミを喰うわけじゃ…」
「ハラへったーーーーー!!!」
背負っていた大剣で辺りを手当たりしだい叩き切り始めた少女。アブネェェェェェェ!! ちょっとなにしてくれてやがりますか?! もうちょっとこの娘何なの?! 癇癪ってものにも限度あるでしょ?!
グォォォォギギギギギ……
金属の軋むようなこの音、うん、さっき聞いたばかりのクアドリガの鳴き声です。
見つかっちゃったーーーーーー!! 騒ぐもんだから見つかっちゃったよぉぉぉぉ!!? もう何なのこの状況!! 不幸だーーーーーー!!!!