黒陰の中で海を歩く   作:なもなきなにか

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《前回のあらすじ》
 凍華からの救援を受けて紅刃は春海と別れて先に向かう。その途中、艦娘たちに阻まれるが、大剣を使って海水を掛けることですり抜けて行った。
 そして凍華はとある鎮守府でひとりの艦娘を護りながらスペカなどを駆使して戦っていたが、ピンチに陥ってしまう。だが、紅刃が到着したことでピンチを脱し、到着した春海と共に帰還するのだった······




帰還

「ただいま帰ったぞ!!」

「ただいま〜」

「ただいま戻りました!」

「えっと······お邪魔します?」

 

 拠点もとい孤島に帰ってきた/攫われてきた四名は各々の声を上げる。

 紅刃は大きく元気いっぱいな声を島に響かせ、続く凍華は優しく気が抜けるようなゆる〜いながらもはっきりとした声で、春海は大きくないながらもぴしっと真面目そうな声を、千歌は多少警戒しているが、ここまでの帰路で三人の性格というかキャラを大方理解したのか、半分諦めが入った感じの声で言った。

 

紅刃「さて、家がすぐそこな訳だがまず帰ったらどうする? 姉ちゃん」

 

凍華「う〜ん。千歌ちゃんに島内を案内するのは確定として、まず私も紅刃も血だらけだしまずはみんなでお風呂かな〜」

 

紅刃「んー······そうだな。ベトベトしないまでもやっぱりなんか血まみれのままは嫌だし、四人で入渠(はい)るか!」

 

凍華「そうだね〜······私達はお風呂行くけど春海ちゃんと千歌ちゃんはどうする?」

 

春海「私はどっちでも大丈夫です。······でも疲れはあるのでやっぱりお風呂行きます! 瑞ほ······千歌さんも一緒に行きましょう」

 

千歌「嫌だ······って言ったら返り血に無理矢理連れてかれるだろうから行くよ。私も色々と疲れたし······ね」

 

 凍華が振り返って質問すると、それぞれの考え方による答えが帰ってくる。

 そして振り返って見たことで、凍華は千歌が春海に対して笑顔を見せていたことから、春海とは仲良くなっているように見えた。

 

凍華(······姿が変わっても元々同じ部隊だし昔話とかして仲良くなれたのかな? ······千歌ちゃんのことは春海ちゃんに任せれば大丈夫そうだね〜)

 

 そんな感じで不安がひとつ減った凍華の耳に紅刃の慌てたような声が飛び込んでくる

 

紅刃「姉ちゃんあれ! 砂浜に倒れてんのシロじゃねぇか!? ······とりあえず回収してくる!!」

 

凍華「ちょっ、紅刃一旦待って! って聞いてないや······私は先に家に戻って入渠の準備するから春海ちゃん達は紅刃を手伝ってあげて!!」

 

 指示をすると、二人は「了解」とだけ言って紅刃を追いかけて行き、凍華も急いで鎮守府に戻って入渠ドックの準備に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーside.春海ー

 

 私達は、シロさんをドックに運び込んで寝かせたあと、容態の急変に備えてゆっくりとお風呂に浸かっていた。

 

紅刃「ふぃ〜······ただでさえ疲れてるのにシロが漂着してたせいで二重に疲れたな······ひとまず無事だから良かったが」

 

凍華「そうだね〜、マシロちゃんには何事もないようで良かった〜。······でもミクロちゃんとサギリんには通信が繋がらないんだよね〜。ふたりとも寝てるだけとかならいいけど」

 

紅刃「それにシロが着けてた今までと違う艤装。あれも後でじっくり調べねぇとな······危険物だったら困る」

 

 そんな感じで話してる二人から目を離し、千歌さんの方に視線を移す。

 千歌さんは完全に諦めがついたのか、完全に脱力しきっていたが、私の視線に気付いたからか、ちょいちょいとこちらに手招きした。

 

春海「なんですか〜?」

 

千歌「あの時······私が第一艦隊と一緒にいて、あなたの足を射った時。あの時のことを謝ろうと思って······」

 

春海「大丈夫ですよ〜。実際、アレがあったからこの部隊······黒陰部隊に入れましたし、千歌さんともこんな感じでまた会えましたから」

 

千歌「いい······の?」

 

 キョトンとする千歌さんに力強く「はい!」と答える。

 

千歌「そう······でもそれじゃあ私が嫌だから、なんとかして陸地に戻ったらパフェでも奢らせて。······そういえばさっき黒陰部隊って言った?」

 

春海「はい。黒陰部隊ですよ?」

 

千歌「ってことは······」

 

 少し考える素振りを見せる千歌さんに、紅刃が静かに近づいて頭に軽く手刀をいれた。

 

紅刃「悩むより先に話してみ? つーかアタシらはそろそろ上がるけどどうする? 出てから話は聞くけど、も少し入ってる?」

 

 紅刃の質問に間髪入れずに「出る」と答えたことで、じゃあ私達もあがろうか。と四人ともお風呂からあがった。······シロさんは大丈夫なんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーside.紅刃ー

 

紅刃「さて、聞きたいことはなんだ? 答えられることは答えるぞ」

 

 瑞鳳からの質問に答えるため、食堂にて麦茶片手に向き合っていた。

 

瑞鳳「いくつかあるけど、まずこの部隊が黒陰部隊なのね?」

 

紅刃「そうだ。だがまぁ、『黒陰』の名は向こうじゃ数人······それも元帥の周りと特務憲兵隊しか知らねぇはずだが? ······まぁお前が知ってる理由は大方予想付いてるから答えだけくれ」

 

瑞鳳「予想は付いてるのね。······黒陰を知ってる理由は兄······義兄から聞いたのよ」

 

 予想通りの答えに、少しつまらないとすら感じたが、そこからさらに補足の答え合わせもしていく。

 

紅刃「その義兄は元帥だろ? で、その妻の美羽姉ぇの妹だから知ってた。で合ってるな?」

 

 頷く瑞鳳に、持っていた携帯を投げ渡す。

 

紅刃「使えるよな? 操作がわからなければ姉ちゃんに聞いてくれ。アタシはあの艤装を調べてくる」

 

 瑞鳳からの質問及び回答は予想通りのものしかなく、半ば飽きたアタシは艤装の調査に向かうことにした。

 その後、艤装をあらかた調べ終わって食堂に戻ると、なんか一人増えていた。

 

 

 

 




)あとがき(

 最近忙しい+モチベが死んでるせいもあり、全然文が書けてないです。今回に関してもなんとか歪であっても書き上げたようなものなので、修正案とかも頂ければと思います。

 さて、最後に出てきた一人とは誰でどんな形で話に混ざってくるのでしょうか。それは未来の私次第ですし、次回がいつかも分かりません! 気長に待ってもらえればと思います。



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