ふたりはプリキュアMax☆Star   作:鳳凰009

2 / 7
第二話:邂逅!二組のプリキュア

           第二話:邂逅!二組のプリキュア

 

1、噛み合わない会話

 

・・・ダークフォール・・・

 

 不気味な雰囲気のあるこの場所で、罵りあう声が響いていた・・・

 

「カレッチ!あれだけ大口叩いて、プリキュアは素人だとか言ったくせに・・・あいつらピンピンしてたぞ!」

 

「知るかぁぁ!大体俺の直ぐ後に戦いに出掛け、あっさり負けて帰ってくるお前に言われたく無い!!」

 

 顔を突き合わせ睨み合う二人、思わずモエルンバの頬が赤く染まり、照れ隠しのダンスを始め、その不気味さに動じるカレハーンだった。ゴーヤーンは、そんな二人に呆れかえりながらも、

 

「お二人共、アクダイカーン様の御前ですぞ!!お見苦しい真似は、お止めなさい!!」

 

「カレハーン、モエルンバよ!一体どうなっておるのだぁぁ!!」

 

 目の前に居る巨大なアクダイカーンの一喝を受けた二人は、大いに恐れおののきひれ伏すと、

 

「も、申し訳ありません!プリキュアという邪魔者共、以外と手古摺(てこず)らせまして・・・」

 

「つ、次こそはチャッチャと片付けますので、どうかご安心を!」

 

「チャンスはそうは与えぬぞ!二人共、分かっておるだろうなぁ?」

 

 アクダイカーンの気迫の前に、カレハーンとモエルンバは只怯え、平伏し、

 

「「ハハァ!必ずや太陽の泉の在処を、聞き出して参ります!!」」

 

 二人は、慌てふためきながら、何処かに消え失せた。ゴーヤーンは何かを思案するように考え込むと、

 

「これはそろそろ、次の手を考えなければいけませんかねぇ?」

 

 カレハーンとモエルンバに成果がない事に、ゴーヤーンの目が怪しく輝いた。

 

 

・・・TAKO CAFE・・・

 

 この日、TAKO CAFEに訪れたなぎさとほのかは、店のテーブルを掃除する二人組の後ろ姿を見て小首を傾げた。チビとノッポの二人組で、チビの頭にはアカネ同様バンダナを巻き、タキシードを着た妙な出で立ちの二人組を・・・

 

「あれ!?ひかりの他に、誰か働いてるよ?」

 

「本当だわ!アカネさん・・・アルバイトでも雇ったのかしら?」

 

 なぎさとほのかが、不思議そうに小首を傾げていると、ワゴンからひかりが顔を出し、苦笑を浮かべながらなぎさ達の側に近寄って来た。

 

「なぎささん、ほのかさん、いらっしゃい!」

 

「ひかり!アカネさん、アルバイトでも雇ったの?」

 

 不思議そうにひかりに訪ねるなぎさ、二人組の後ろ姿を見て、何処かで見た気もすると言うほのか、二人組も気付いたのか、

 

「いらっしゃいませザケンナー・・・アッ!?」

 

「どうした?お客様には笑顔で、いらっしゃいませザケンナー・・・エッ?」

 

 ノッポがなぎさ達を見て驚き、チビも愛想良く接客しようとするも、なぎさ達を見て、同じように驚愕する。なぎさとほのかも、二人組を見て目を点にしながら指をさし、口をパクパクさせて呆気に取られる。

 

 それもその筈で、この二人はドツクゾーンのザケンナーで、嘗てベルゼイ達やひかる、バルデス達の執事をしていた、人間の大きさぐらいのザケンナーだったのだから・・・

 

「あ、あんた達が何でアカネさんの店に・・・!?」

 

「ひかりさん、これは一体!?」

 

 呆然とするなぎさとほのかに、ひかりはどう話そうかと苦笑を浮かべると、ワゴンから出てきたアカネが、なぎさとほのかに近づいて来る。

 

「あれ、なぎさとほのか来てたんだ?そういえばあんた達に紹介してなかったね。この人達は・・・エェェと、私の遠い親戚で、ひかりとひかるを心配して、様子を見に来て、そのまま家で一緒に暮らしてるのよ!中々家事とかもこなしてくれるし、あたしも助かってるんだぁ!!まあ、あたしが知らない間に、随分親戚増えてるなぁとは思うんだけどさぁ・・・アハハハ」

 

 豪快に笑い飛ばし、ワゴンの中に戻ったアカネを、目を点にしながら見ていたなぎさとほのかは、

 

「アカネさん・・・親戚というか、ザケンナー何ですけど?」

 

「アカネさんも苦労するわね・・・」

 

 思わずアカネに同情して、生活大丈夫何だろうかと不安になるなぎさとほのかだった。

 

「アハハハ・・・でもこの人達のお陰で、私もアカネさんも助かってるんですよ!ひかるの面倒もちゃんと見てくれてるし、ひかるも二人に懐いているし・・・」

 

 苦笑を浮かべたひかりから、ザケンナーコンビが意外に役に立っていると聞いたなぎさとほのかは、なら良いけどと思いながらも、

 

「あんた達、また悪い事でも考えて無いでしょうねぇ?」

 

「め、滅相もないザケンナー」

 

「坊ちゃまの様子を、見守りたいだけザケンナー」

 

 なぎさの疑惑の視線に、両手を振って違うと答えるザケンナーコンビを見て、そのコミカルな様子に、思わず笑いだす一同だった。

 

 だが・・・

 

 邪悪な気配がTAKO CAFE近辺に漂い始める。メップル、ミップル達妖精が騒ぎ始め、ポルン、ルルンが怖がり始めると、なぎさ達一同に緊張が走った。一同の視線の先に、躍りながら現われたモエルンバを見て、またかという顔を浮かべるも、

 

「なぎさ、油断するなメポ」

 

「何時もと様子が違うミポ」

 

 メップル、ミップルの忠告通り、現われたモエルンバの様子は、何時もと違っていた。

 

「セニョリータ!今日こそは太陽の泉の在処を聞き出してやる!!今度は油断しない!!こちらも、それ相応の戦力で行かせて貰うぜ・・・ウザイナー!!」

 

 両腕を上げたモエルンバが、ウザイナーを召喚する。TAKO CAFEのテーブルと椅子に取り憑いた、二体のウザイナーを召喚したモエルンバは、更に炎を操り、なぎさ達に攻撃を仕掛けてくる。

 

「あんた達、アカネさんを頼んだわよ!ほのか、ひかり、行くよ!!」

 

 表情を引き締めたなぎさが、アカネの事をザケンナーコンビに託すと、ほのか、ひかりと共にプリキュアへと変身しようとする。

 

「「デュアル・オーロラ・ウェーブ!!!」」

 

 二人の身体をオーロラが包み込み、なぎさとほのかをプリキュアへと変えていく・・・

 

「光の使者・キュアブラック!」

 

「光の使者・キュアホワイト!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「闇の力の僕達よ!」

 

「とっととお家に帰りなさい!!!」

 

「ルミナス、シャイニングストリーム!!」

 

 ひかりの掛け声と共に、ひかりの身体を光が包み込んでいく。神々しい光と共に、ルミナスがその姿を現わす。

 

「輝く生命、シャイニールミナス!光の心と光の意志、全てをひとつにするために!」

 

 ブラック、ホワイト、ルミナスが現われると、モエルンバの口元がニヤリと笑み、

 

「さあ、パーティーの始まりだ!踊れ、プリキュア!!」

 

 モエルンバが指を鳴らすと、ブラック達三人の周りを炎が囲み、その熱さの為に、三人の顔が苦痛に歪む、

 

「どうだい、セニョリータ!俺の炎はお気に召したかい!?」

 

 ニヤニヤするモエルンバだったが、ルミナスが発したバリアーが徐々に広がり、炎の輪を消し去る。炎を消し去ったルミナスの力に、一瞬怯んだモエルンバ、その油断を見逃さず、すかさず飛び出したブラックとホワイトが、モエルンバに対し怒濤の連続攻撃を繰り出すと、

 

「チッ!お前達の相手はウザイナーだ!ウザイナー、プリキュア共を倒せ!!」

 

 モエルンバの指示を受け、丸いテーブル型のウザイナーが、炎の輪となって車輪のように転がり、ブラック達を攻撃すると、椅子のウザイナーが、まるで馬のように四本足で闊歩し、三人を踏みつぶそうとする。

 

「確かに、何時もと違うね・・・」

 

「ええ、でも私達は・・・」

 

「はい、絶対に負けません!!」

 

 ブラック、ホワイト、ルミナスが決意を述べると、ルミナスが自分達の周りにバリアーを張り、攻撃を遮断する。虚を突かれ、隙が出来たウザイナーに、ブラックとホワイトが飛び出すと、ブラックはテーブルのウザイナーを連打で殴り続ける。

 

「ダダダダダダ!ハァァァ!!」

 

 最後に蹴りを浴びせ吹き飛ばせば、ホワイトは椅子のウザイナーの足を取り、相手の力を利用し、テーブル形のウザイナーの側に投げ飛ばした。合流した三人が頷き合うと、ルミナスから発せられた虹の光が、ブラックとホワイトを包み込む。

 

「漲る勇気!」

 

 手を回転させながら、ブラックが構え、

 

「溢れる希望!」

 

 ブラックと同じように、手を回転させホワイトが構えた。

 

「光輝く絆とともに!」

 

 ハーティエルバトンを構えたルミナスが、そして足を広げ踏ん張るブラックとホワイトが気合いを込め、ブラックとホワイトの前方に、巨大なハートが浮かび上がると、

 

「「エキストリーム!!」」

 

「ルミナリオォォ!!」

 

 ブラックとホワイトの叫び声がハモリ、気合いを込めたルミナスの叫びが響き渡る・・・

 

 強烈な虹の光が発せられ、一瞬の内に二体のウザイナーを消し去る。その凄まじき力を目の辺りにしたモエルンバは呆然とし、改めて見せつけられたプリキュアの強さを知る・・・

 

「アンビリィィバボォォ!?何て力だ・・・だが、パーティーがこれで終わったと思うなよ!アディオス、アミーゴ!!」

 

 空中に浮遊したモエルンバが、捨て台詞を残しながら撤退すると、青と黄、二個の奇跡の滴が、ブラックとホワイトの手の中に落ちてくる。

 

「これで四つになったね・・・」

 

「そうね、何か重要な物な気がする。まだ、保管しておきましょう!」

 

「そうですね・・・敵の必死さを見ても、何かが動き始めそうなのは間違いないですね」

 

 ブラック、ホワイト、ルミナスも、妙なノリのモエルンバの今回の必死さを見て、表情を引き締める。

 

「でも、クイーンがルミナスに、ハーティエルブローチェやハーティエルバトンを残してくれて助かったね」

 

「ええ、今回の戦いでも、ルミナスの力は必要不可欠だと思う」

 

「はい、私もお二人の力になれるように頑張ります!!」

 

 クイーンは、この事を見通して、ルミナスに再び力を与えたのか?それは三人にも分からなかったが、三人は、新たなる敵との戦いに、決意も新たにしていた・・・

 

 

 

・・・海原市夕凪・・・

 

 夕凪中学校のグラウンドで、咲達ソフト部は、篠原先生に扱かれながらも、猛練習をしていた。グラウンド10周後、一人づつ100本ノック、咲は投手という事もあってか、自ら進んで、キャッチャーを勤める優子相手に、投球練習に励んでいた。舞はそんな咲の姿を、芝生に座りながらスケッチしていた。咲から預かった、ミックス・コミューン姿のフラッピとチョッピは、咲の頑張りを見つめていた。

 

「咲達、頑張ってるラピ」

 

「でも、あんなに練習して、ヘトヘトになった所を襲われたら、大変チョピ」

 

「確かに・・・でも、あんなに頑張ってる咲に、プリキュアの事を優先しろ何て・・・言えないラピ」

 

「二人共、ありがとう!咲もその事は分かっていると思う・・・私も咲をフォローするから、温かく見守って上げて」

 

 舞の言葉に、フラッピとチョッピは頷きながら、再び視線を練習している咲に向けた。

 

「なるほど、特訓か?金の泉に居る、キントレバカのあいつが知ったら、大喜びしそうだな・・・どうせ滅びの力に飲み込まれるものを・・・」

 

 何時の間に現われたのか、舞の側にカレハーンが現われ、舞とフラッピ、チョッピを見てニヤリと笑んだ。

 

「そんな事無い!あなた達の好きにはさせないわ」

 

「此処で俺がウザイナーを呼べば、どうなるかは分かって居るよな?」

 

 舞が毅然とカレハーンに対し異議を唱えるも、カレハーンの脅しを受け、立ち上がった舞が後退りすると、一目散に校舎裏の方に走り出した。咲達や他の生徒達に、なるべく被害が被らないようにする、舞の優しさからだった。

 

「フハハハ!いいのか、相棒から離れて?さあ、太陽の泉の在処を教えろ!そうすれば、大人しく退散してやるぞ!!」

 

 まるで獲物をいたぶるように、ゆっくり舞の後を追いかけるカレハーン、ようやく練習を終えた咲は、仲間達と談笑していたが、芝生にいた舞の姿が消えている事に気付くと、妙な胸騒ぎを覚えた。

 

(舞・・・もしかして!?)

 

 咲は、仲間達に先に帰っているように伝えると、舞が座っていた芝生に行く。芝生には、舞が大事にしているスケッチブックと、鉛筆がそのまま置かれていて、益々咲の心を不安が蝕んだ。

 

「舞、フラッピ、チョッピ、無事で居て!!」

 

 咲は、舞を捜して走り出した・・・

 

 

「どうした!?鬼ごっこはもう終わりか?さあ、太陽の泉の在処を言え!!」

 

「そんなの知らないわ!」

 

「惚けるな!泉の精が知らん筈あるまい!!惚けるなら・・・」

 

 顔を強張らせたカレハーンが、両手を挙げウザイナーを召喚すると、モエルンバ同様、手柄を焦るカレハーンは、二体のウザイナーを呼び出した。

 

 側にあった花のウザイナーと、如雨露(じょうろ)のウザイナーが、舞達の前に姿を現わす。思わず引き攣る舞の顔を見て、カレハーンの口元が笑みを浮かべる。

 

 だが、その時・・・

 

「舞!フラッピ、チョッピ、大丈夫?」

 

 息を切らしながら、咲が一同の前に現われる。咲を見て、自然と嬉しそうな表情を浮かべる舞、フラッピとチョッピの瞳も輝いた。カレハーンは、不適な笑みを浮かべると、

 

「ようやく来たか、もう一人のプリキュア・・・ウザイナー!!」

 

 カレハーンの指示を受け、二体のウザイナーが、咲に攻撃を仕掛けた。咲は、如雨露のウザイナーの攻撃を、何とかかいくぐったものの、花のウザイナーの触手を足下に食らい、転倒した拍子にスケッチブックを落としてしまう。

 

「アァ・・・舞の大事なスケッチブックを・・・よくもぉぉ!!」

 

「咲・・・」

 

 自分がスケッチブックを大事にしている事を、咲が知っていてくれて、舞は心から嬉しく思うのだった。風でパラパラスケッチブックが捲れ、それを見た咲、フラッピ、チョッピ、カレハーンの目が点になる。

 

 それもその筈で、スケッチブックに描かれていたのは、全て咲の絵だったのだから・・・

 

「ぜ、全部私の絵?ど、どうして!?」

 

「咲が私の大事な物を知っていてくれたように、私も気付いたら、咲の絵を描いていたの・・・そして、思ったの!私、咲の事もっと知りたいって!!」

 

「舞・・・私も、舞の事もっと知りたい!舞ともっと仲良くなりたい!!」

 

 手と手を取り合い、見つめ合う咲と舞、まるで自分達の世界に浸っているような咲と舞に、呆気に取られていたカレハーンは、

 

「いや、それ以上仲良くなると、モエルンバのような、危ない世界に足を踏み込むぞ?」

 

 顔に汗をかきながら、妙な雰囲気を醸し出す咲と舞に、カレハーンは、敵である筈の二人に忠告するも、フラッピは首を振ると、

 

「二人には、聞こえてないラピ」

 

「エェェ!?聞けよ、お前ら!!・・・何だろう、今なら土の泉で何時も孤独に過ごす、彼奴の気持ちが少し分かる気がする・・・」

 

 フッと心に寂しさが沸き上がるカレハーンだったが、直ぐに我に返り、

 

「って場合じゃない!ウザイナー、あいつらを倒せ!!」

 

 戸惑っていた二体のウザイナーが動き出すと、フラッピとチョッピが咲と舞に呼びかけ、二人を我に返させると、

 

「もう、舞と絆を深めてたのに・・・舞、行くよ!!」

 

「分かったわ、咲!!」

 

 咲と舞が頷き合うと、ミックス・コミューンに二つのプリキュアダイアをセットし、ミックススピンすると、二人は手を握り合い、

 

「「デュアル・スピリチュアル・パワーッ!!」」

 

「花ひらけ大地に!!」

 

「はばたけ空に!!」

 

 咲と舞の姿をプリキュアへと変えていく、

 

「輝く金の花!キュアブルーム!!」

 

「きらめく銀の翼!キュアイーグレット!!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「聖なる泉を汚す者よ!」

 

「あこぎなマネは、おやめなさいっ!!」

 

 変身を終えたブルームとイーグレットは、何時も以上の力を感じていた。二人のプリキュアの下に、精霊の光が集まっていく。

 

「凄いラピ!」

 

「二人の気持ちに、精霊達が応えてるチョピ」

 

 フラッピとチョッピが嬉しそうに話す。二人が身構えると、ブルームは花のウザイナーを、イーグレットが如雨露のウザイナーと戦い始める。

 

「いかに何時も以上の力を出そうとも・・・この俺も居るのを、忘れるなぁぁ!!」

 

 先程無視された怨みもあってか、カレハーンも直に動き、ブルームとイーグレットを枯れ葉の舞で攻撃した。二人の視界を悪くさせると、ブルームは触手に捕らえられ、イーグレットは、如雨露から放たれた、水のシャワーを浴び続け苦戦する。

 

「どうだ、プリキュア!この俺が本気を出せば、お前達など相手にならん!!」

 

 勝ち誇るカレハーンだったが、互いに手を伸ばしたブルームとイーグレットが、手を握り合った時、凄まじい光が二人を包み、二体のウザイナーを弾き飛ばした。

 

「何だとぉぉ!?」

 

 動揺するカレハーンを余所に、見つめ合ったブルームとイーグレットが、笑みを浮かべ合うと、

 

「大地の精霊よ!」

 

「大空の精霊よ!」

 

「今プリキュアと共に」

 

「奇跡の力を解き放て」

 

「「プリキュア!ツインストリーム・スプラッシュ!!」」

 

 腕で円を描くように回転させた二人が、両腕を前に突き出すと、螺旋の渦が二体のウザイナーを飲み込む。ウザイナーは砕け、緑色の無数の精霊が泳ぎ始めて戻っていく。

 

「おのれぇぇ!こいつら、着実に力をつけてやがる・・・これで勝ったと思うなよ?」

 

 カレハーンは、怒りの表情を浮かべながら撤退した。変身を解いた二人、咲はスケッチブックを拾い、埃を払って舞に手渡すと、舞は嬉しそうにそれを受け取った。二人の絆が、また一歩深くなったように感じる、咲と舞だった・・・

 

 

・・・ダークフォール・・・

 

 戻って来たカレハーン、モエルンバに対し、ゴーヤーンは、相変わらずの嫌みを二人に吐き、二人を苛立たせる。苛立ちを紛らわすように、モエルンバは踊り始めながら、

 

「今回はあと一歩だったんだ・・・二人だけなら勝っていた!三人目のあいつの強力なバリアーが無ければ・・・」

 

「フン、俺だってそうだ!二人を分断したまでは成功したのだが・・・」

 

 モエルンバ、カレハーンが共にあと一歩だったとゴーヤーンに語るも、ゴーヤーンは首を傾げ、モエルンバの言葉を心の中で繰り返すと、

 

「二人共、お待ちなさい!今モエルンバ殿は、三人目と仰いましたなぁ?プリキュアは、三人居るのですか?」

 

「三人だ!」

 

「二人だ!」

 

 モエルンバは三人だと言い、カレハーンは二人だと、互いに違う事を言い合った。再び互いに顔を近づけ、三人か二人かで口論するカレハーンとモエルンバ、ゴーヤーンは二人を黙らせると、

 

「お二人の話を聞くと、私には、認めたくない一つの可能性に突き当たるのですが・・・ひょっとして、カレハーン殿、モエルンバ殿は、互いに違うプリキュアと戦って居たのではないのですか?」

 

 再び顔を見合わせたカレハーンとモエルンバは、ゴーヤーンの顔を見ると、一呼吸間が開いた後、

 

「「何だとぉぉ!!」」

 

 思わず声をハモらせ驚きの声を上げる。だが、二人にもゴーヤーンの予想通りだとすれば、納得出来る事が多々あった。素人か戦い慣れているか、連戦の筈なのにピンピンして居た事など・・・

 

「俺が戦ったプリキュアは・・・黒と白、黄色い衣装を着ていた!」

 

「俺が戦ったプリキュアは・・・ブルーム、イーグレットと呼ばれていた!確かに・・・そう考えると、俺達の話が食い違うのも当然だな!」

 

「アミーゴ、それならカレッチが戦った後に、俺が攻撃を仕掛けても、疲れなど有る筈が無いな・・・」

 

 二人は頷き合い、これなら負けた事も言い訳出来ると言うも、ゴーヤーンは、それとこれとは別ですと二人に釘を刺し、二人は不服そうな表情になる。

 

「これは、少し作戦を変えねばなりませんねぇ・・・もし、プリキュア同士で手でも組まれたら、我々にとって最大の脅威となる事でしょう!!お二方、プリキュアに攻撃を仕掛ける前に、互いの戦ったプリキュアの情報をお話頂きましょうか?」

 

 ゴーヤーンの言葉に、渋々ながら二人は頷き、互いが戦ったプリキュアの情報を知らせ合うのだった・・・

 

 

2、人質作戦

 

 月日が流れた・・・

 

 ダークフォールの戦士達が沈黙を貫く中、時は過ぎ、ゴールデンウィークも終わり、母の日が近づいて居た・・・

 

 

 母の日前々日の夜・・・

 

「最近、あいつら現われないよねぇ?こう静かすぎるのも、何か不気味だよね・・・」

 

「何かよからぬ企みを企てて居そうメポ」

 

「そうだよねぇ・・・でも、暫く何も無かったんなら、ラクロス部に・・・入れば良かったかな!?」

 

 なぎさは、自分の部屋でメップルと会話していた。

 

 なぎさとほのかは、新たな敵が現われた事で、部活に入るのを中断していた。嘗てのように、部活の仲間に迷惑を掛けないようにしようと決め、新たなる敵との決着が付くまでは、動きやすいようにお互いしておこうと、ほのかと相談して決めていた。

 

 その時、部屋をノックする音が聞こえ、メップルは慌ててハートフルコミューンに変化した。

 

「お~い、なぎさ!お土産買ってきたぞ!!」

 

 ドアをガチャリと開け、なぎさの父、岳が顔を覗かせ、ニコリと微笑む、

 

「お帰りなさい!どうしたの、お父さん?ニコニコして!?」

 

「なぎさに良い物買ってきてやったぞ!居間においで!みんなで食べよう!!」

 

 岳に呼ばれたなぎさは、居間に向かうと、そこには母理恵、弟亮太が既に座っていた。なぎさも席に着くと、岳はニコニコしながら、

 

「実は、今日出張で出掛けたんだが、昼に買ったパン屋が、実に美味しくてね!みんなにも食べさせて上げたいと思って、仕事が終わった後に買ってきたんだ!ほら、なぎさも好きだろう?チョココロネ!!なぎさはチョコが大好きだからなぁ・・・チョコっと食べてみろ!!」

 

「イヤだ、お父さんったら、最高!!」

 

 相変わらずのオヤジギャグを言う岳、理恵は大笑いし、なぎさと亮太は、引き攣った笑みを浮かべ呆れていた。呆れながらも貰ったチョココロネを、一口食べたなぎさの表情が幸せそうになる。

 

「本当だ・・・美味しい!こんなに美味しいチョココロネ食べたの、ぶっちゃっけ初めてかも?」

 

 そう良いながらパクパク食べるなぎさを見て、岳や理恵は微笑みを向け、亮太はそんななぎさを見て呆れながら、

 

「お姉ちゃん、そんなにバクバク豚見たいに食べてると・・・太るよ!!」

 

「誰が豚だぁぁ」

 

 立ち上がったなぎさが亮太を捕まえると、プロレス技を掛ける。高校生になったなぎさは、中学生になった亮太に対し、コブラツイストから卍固めへと、亮太へのお仕置きもグレードアップしていた。

 

「イテェェ!バカなぎさ、止めろよぉぉ!お母さ~~ん、なぎさが虐めるぅぅ」

 

「なぎさ!おとなしく座って食べなさい!!」

 

「ハハハ、なぎさ、卍固めを覚えたのか?」

 

 和やかな団欒をする美墨一家だった・・・

 

 

「ほのか、ほのか」

 

 廊下から、祖母早苗に声を掛けられたほのかが返事をすると、早苗から、ほのかの母、文から電話だと伝えた。ほのかは、嬉しそうに電話口へと向かった。

 

「もしもし、お母さん!ほのかです!!」

 

「ほのかちゃん!何時も寂しい思いをさせてゴメンね・・・」

 

「ううん、この間の誕生日にも来てくれたし、大丈夫よ!お母さんも、お父さんも、お身体大丈夫?お仕事忙しいんでしょう?」

 

「ええ、相変わらずよ・・・でも、今回一週間程休養も兼ねて、日本に帰れる事になったの!お父さんも帰るつもりだったんだけど、どうしても外せない商談が出来ちゃって・・・」

 

 母、文が日本に帰ってくると聞き、ほのかの顔が嬉しそうに綻んだ。父、太郎は帰れないものの、一週間も一緒に居られる何て、何時以来だろうかと思うほのかだった・・・

 

 

「いやぁ、あんた達悪いねぇ?料理まで作って貰ってさ」

 

「いえいえ、これぐらいお世話になってるから当たり前ザケンナー・・・って、お前も手伝えザケンナー」

 

 料理の支度に精を出す、チビのザケンナーに対し、ノッポのザケンナーは、ひかるとトランプをしていて全く手伝う気を見せず、チビザケンナーを苛立たせる。

 

「ひかるの面倒を見て貰ってるし・・・私が手伝いますから」

 

 ひかりがエプロンをして、チビザケンナーを手伝い、料理を始める。敵対していた間柄なのに、今は共に暮らし、アカネという大黒柱を中心に、家族の有り難みを知り、心から今を楽しむひかりだった。

 

 

 なぎさ、ほのか、ひかり、三者三様にこの日を送る三人に、闇夜に浮かぶ炎は、嘲笑うように浮かんでいた。

 

「精々楽しむが良いさ!お前達のラストダンスは近いぜぇ!!」

 

 炎から姿を現わしたモエルンバは、不敵な笑みを浮かべると、その姿を消した・・・

 

 

 時を同じくして・・・

 

「お姉ちゃん、母の日のお母さんへのプレゼント、どうするの?」

 

「う~ん、どうしようか?別々にプレゼントするのも良いけど、二人で何か作って、お母さんにプレゼントっていうのも有りかなぁって思うけど・・・」

 

 母の日に、沙織へのプレゼントをどうするか考える咲とみのり、咲の提案を聞き、みのりもそれが良いと返事を返すと、咲とみのりは色々考え、二人で手作りケーキでもプレゼントしようと決めるのだった・・・

 

 

「おい、舞!そろそろお風呂入っちゃえよ・・・ン?何描いてるんだ!?」

 

「あっ、お兄ちゃん!うん、ちょっとね・・・お兄ちゃん、先に入っちゃって!もう少し描いておきたいから」

 

 舞が描いている絵が気になるのか、和也はヒョイっと覗き込みながら、

 

「そうか、悪ぃな・・・おっ、母さんの似顔絵か・・・これなら母さんも喜ぶぞ!」

 

「ありがとう、お兄ちゃん」

 

 和也に褒められ、頬を少し赤らめながらも、舞は黙々と可奈子の絵を描き続け、チョッピは興味深そうにそんな舞を見つめていた・・・

 

「精々、今の内に楽しんでおくのだな・・・」

 

 不適な笑みを浮かべたカレハーンが、枯れ葉の舞と共にその姿を消した・・・

 

 

 母の日・・・

 

 なぎさとほのかは、ひかりも誘い、母の日への買い物でショッピングに出掛けていた。

 

「ひかり、お店大丈夫だったの?」

 

「はい、あの人達が私の分まで働くので、出掛けて良いと言ってくれて」

 

「そうなの?・・・ひかりさんには悪いけど、何か複雑な気もするわね・・・」

 

「でも、根は良い人達ですよ!」

 

「人と言うか、ザケンナーだけどね」

 

 そんな会話をしながら笑い合う三人だった。

 

 なぎさは理恵に、ほのかは文に、ひかりは、母親代わりとも呼べるアカネに送るプレゼントを、三人は真剣に選んでいた。そんな三人に声を掛ける者が居た。街中でも踊り歩く目立つ男・・・モエルンバである。

 

「セニョリータ!久しぶりだなぁ・・・ちょっと俺と付き合わないかい?」

 

「ハァ?今あんたに構ってる暇は無いの!プレゼント選びで忙しいんだから」

 

 なぎさは、手でモエルンバにシッシとどっか行けとジェスチャーするも、

 

「おやおや、冷たいねぇ!お前達の返答次第では、そのプレゼントが無駄になっちまうぜぇ?」

 

 不適な笑みを浮かべるモエルンバ、なぎさはモエルンバの言っている意味が分からなかったが、ほのかの脳裏に最悪な事態が過ぎった。

 

「あなた・・・まさか!?」

 

「おやおや、察しがいいな!そういう事・・・大人しく俺に追いてきて貰おうか・・・チャチャ」

 

 勝ち誇ったように、追いて来いと言うモエルンバに、何か言おうとするなぎさを制したほのかは、自分達の家族や、アカネが、モエルンバによって捕らわれたかも知れないと言い、なぎさもひかりも表情が険しくなる。

 

 廃工場に連れて来られた三人、そこにはほのかの予想通り、捕らわれていた理恵、文、アカネが居た。

 

「お母さん!?ちょっとあんた、お母さんやアカネさんは関係無いでしょう?離してよ!!」

 

「関係無い?いや、大有りだね!セニョリータ、俺も手荒な真似はしたくないが、お前達の返答次第だ・・・太陽の泉は何処だ?」

 

「そんなの知らないわ!!」

 

 ほのかも感情的に太陽の泉など知らないと答えるも、モエルンバは忌々しそうな表情を浮かべ、

 

「知らないだと!?なら、捜してこい!!それが出来なければ・・・ウザイナー!!」

 

 モエルンバは、三人を捕らえている、ベルトコンベアのようなウザイナーに指示を出すと、ベルトで巻き付かれた三人の人質が、宙に浮かべられる。それを見たなぎさ達から悲鳴が漏れる。ハートフルコミューン姿のメップル達が、変身するように促すも、

 

「おっと、変身したらどうなるかな?さあ、太陽の泉の在処・・・チャッチャと捜してきて貰おうか!」

 

 表情を強張らせたモエルンバの脅迫を受け、なぎさ、ほのか、ひかりの顔が苦悶に歪む、太陽の泉の在処など、わかるわけが無かった。だが、言う通りにしなければ、三人の大切な家族の身が危うい、どうすれば良いのか、三人は戸惑っていた・・・

 

 更に急かすモエルンバの前に、手も足も出せないなぎさ達だったが、物陰から二つの陰が、このやり取りを見ている事に、誰も気付く者は居なかった。

 

「よ、ようやく、見付けたザケンナー」

 

「プリキュア達も、手が出せないザケンナー・・・アカネ様、ひかり様には、坊ちゃまをお世話して貰ってるし・・・何とか助けるザケンナー」

 

 チビとノッポのザケンナーが頷き合い、理恵、文、アカネの側にそっと近づいていった。

 

「早くしろ!セニョリータ、こうでもしなければ動けないかい?」

 

 モエルンバの指示を受け、ウザイナーが、捕らえていた三人を空中高く放り投げると、なぎさ達から悲鳴が沸き上がった。

 

「今、ザケンナー!!」

 

 咄嗟に飛び出したザケンナーコンビは、ノッポザケンナーが理恵と文を、チビザケンナーがアカネをキャッチすると、一目散に逃げ出し始める。

 

「アァァ!待てぇぇ・・・ウザイナー、あいつらを捕まえろぉぉ!!」

 

 モエルンバの指示を受け、ザケンナーコンビを追いかけようとするウザイナーに、

 

「あんた達、出来した!そのまま逃げて!!」

 

「お母さん達を利用するなんて・・・」

 

「「「絶対に許せない!!」」」

 

 ザケンナーコンビの活躍に喜びながらも、三人はモエルンバを見ると、険しい表情を見せ、絶対に許せないと啖呵を切った。

 

「「デュアル・オーロラ・ウェーブ!!!」」

 

 二人の身体をオーロラが包み込み、なぎさとほのかをプリキュアへと変えていく・・・

 

「光の使者・キュアブラック!」

 

「光の使者・キュアホワイト!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「闇の力の僕達よ!」

 

「とっととお家に帰りなさい!!!」

 

「ルミナス、シャイニングストリーム!!」

 

 ひかりの掛け声と共にひかりの身体を光が包み込んでいく。神々しい光と共にルミナスがその姿を現わす。

 

「輝く生命、シャイニールミナス!光の心と光の意志、全てをひとつにするために!」

 

 三人がプリキュアへと変身し、ルミナスはザケンナーコンビのフォローに向かい、ウザイナーからの攻撃を防ぎ、ブラックとホワイトは、鬱憤を晴らすように、モエルンバに対し、コンビネーションで責め続ける。ブラックの怒濤のパンチの連打が、ホワイトの投げ技が、モエルンバを圧倒する。

 

「クッ、人質など居なくても・・・グハァ、ウ、ウザイナー、プリキュア共を先に片付けろ!!」

 

 怒りに燃えるブラックとホワイトの力は強く、モエルンバは思わずウザイナーに命令して、プリキュアから距離を取るも、ブラックは、ウザイナーの攻撃を右手で受け止めると、ギュッと力強く握り、ウザイナーが苦悶の表情を浮かべる。

 

「許せない・・・私達に攻撃してくるのは、覚悟してる。でも、お母さん達を、アカネさんを巻き込むのは・・・絶対に許せない!!ダダダダダダ!!!」

 

 鬱憤を晴らすように、ウザイナーにパンチの連打を浴びせるブラックが、ウザイナーの巨体を宙に浮かべる姿に、モエルンバは驚愕する。

 

「私達は、太陽の泉何か知らない!でもあなた達に、絶対に渡してはならない物だとは、理解したわ・・・ハァァァ」

 

 モエルンバに突っ込んだホワイトに、モエルンバは指を鳴らし炎で攻撃するも、ホワイトは華麗に躱し、瞬時に出したモエルンバのパンチを回転しながら捌くと、モエルンバを投げ技で吹き飛ばす。

 

「ガハァ・・・こ、此奴ら・・・い、何時も以上の力だ!」

 

 倒れ込むモエルンバの上空にウザイナーが降ってきて、モエルンバを押しつぶし、モエルンバが悲鳴を上げる。ホワイトの側に来たブラックは、ホワイトと頷き合うと、

 

「ブラック、サンダー!」

 

「ホワイトサンダー!」

 

「プリキュアの、美しき魂が!」

 

「邪悪な心を打ち砕く!」

 

「「プリキュア・マーブルスクリュー!」」

 

 ブラックが右手に、ホワイトが左手に力を込めて前に突き出す

 

「「マックス~~!!」」

 

「ヒィィィ・・・ど、退け、ウザイナー!!」

 

 何とかウザイナーから離れたモエルンバ、二人から発せられた、マーブルスクリュー・マックスを受け、ウザイナーは倒され、精霊達が解放される。ブラック、ホワイトは表情を緩めずモエルンバをキッと睨み付けた。その迫力の前に、モエルンバは思わず仰け反り、

 

「セニョリータ・・・次こそは、必ずお前達のラストダンスにして見せるからな!アディオス!!」

 

 二人の視線から逃げるように、モエルンバは慌ててその姿を消した。

 

 変身を解いたなぎさとほのかは、五つ目の奇跡の雫を手にすると、捕らわれていた母達の下に向かい、何処も怪我が無い事に、安堵の表情を浮かべ涙目になる。

 

「あいつ、母の日にお母さん達を、よくもこんな目に・・・」

 

「私達が勝てたのも、あなた達のお陰よ!ありがとう!!」

 

 なぎさとほのかは、ザケンナーコンビを見て笑顔を見せながらお礼を言うと、戸惑いながら見つめ合ったザケンナーコンビは、慌てて両手を振って、

 

「と、とんでもないザケンナー」

 

「お世話になってる皆さんの役に立てて、良かったザケンナー」

 

 なぎさとほのかに感謝され、どう反応して良いか戸惑うザケンナーコンビの表情に、なぎさ、ほのか、ひかりも笑い合うも、

 

「なぎささん、ほのかさん、私達・・・まだプレゼント買って無いですけど、このまま顔を合せても、大丈夫でしょうか?」

 

 フッと気付いたように、ひかりがなぎさとほのかに言葉を掛けると、二人も思い出したのか、

 

「あっ、そうだ!このまま顔を合せるのも・・・」

 

「そうね・・・二人共、お母さん達をお願い!直ぐに買って戻って来るから!!」

 

 慌てて外に飛び出すなぎさ、ほのか、ひかりに、声を掛ける暇も無く、顔を見合わせ困った顔をするザケンナーコンビの背後で、理恵、文、アカネが目を覚ました。ザケンナーコンビを見た理恵と文は、二人を変質者と勘違いし、二人の悲鳴が、廃工場の中に響き渡った。

 

 身を寄せ合い怯える理恵と文に、アカネは、自分の親戚ですから安心して下さいと二人に声を掛け、買い物を終えたなぎさ、ほのか、ひかりが戻り、必死に、ザケンナーコンビが倒れていた三人を介抱していたと取り繕い、その場を乗り切るのだった・・・

 

 

3、運命の出会い!

 

・・・ダークフォール・・・

 

 アクダイカーンの御前に引き出されたカレハーン、モエルンバの表情は怯えきっていた。その側では、二人を見たゴーヤーンがニヤニヤし、二人を苛立たせる。

 

「貴様ら、よくもおめおめ、我が前に姿を見せれたものだなぁ?カレハーン!モエルンバ!最早貴様らの顔など・・・見たくは無い!!この場で消し去ってくれる!!!」

 

 怒りが頂点に達したのか、ダークフォールに地響きが鳴り響く、二人は益々怯え、必死に弁明するも、アクダイカーンの怒りが静まる事は無かった。

 

「お待ち下さい、アクダイカーン様!カレハーン殿も、モエルンバ殿も、何の作も無く、おめおめアクダイカーン様の御前に現われますまい・・・そうですよね、お二方?」

 

「む、無論だ!」

 

「アクダイカーン様、次こそは我らの身命を掛けて、太陽の泉のありかを白状させます!!」

 

 ゴーヤーンの含みを残す助け船に乗り、カレハーン、モエルンバが、アクダイカーンに、次こそは身命を掛け、太陽の泉の在処を突き止めると宣言し、その姿を消した。

 

「モエルンバ、貴様の所為だぞ!貴様がしくじった所為で俺まで・・・」

 

「カレッチ・・・そう言うなよ!もう、こうなれば手段は選ばない!!カレッチ、俺もお前の作戦に協力する。お前が戦って居るプリキュアを倒し、太陽の泉の在処を・・・」

 

「貴様の協力など受けん・・・と言いたい所だが、背に腹は代えられん!今回ばかりは共同作戦に同意してやる!!」

 

 追い詰められたカレハーン、モエルンバが手を握り、咲と舞に危機が迫ろうとしていた・・・

 

 

・・・夕凪中学校昼休み・・・

 

 昨日の母の日に、咲は、妹みのりと協力して作った、沙織への感謝の気持ちを込めて作ったケーキを手渡し、沙織は、二人からの心の籠もったプレゼントのケーキを、嬉しそうにその味を味わった。一方の舞も、可奈子への似顔絵プレゼントを、可奈子は心から喜び、寝室に飾っていた。

 

「そうか、舞も喜んで貰えて良かったよね!」

 

「うん、咲も、みのりちゃんと作ったケーキ、美味しそうに食べて貰えて良かったね」

 

 共に昨日の出来事を語りあう咲と舞だったが、突然フラッピが騒ぎ始め、二人は慌てて物陰に隠れる。

 

「もう、フラッピ、突然話し出さないでよ!」

 

「感じるラピ!奇跡の雫の力が、強くなっているラピ」

 

「チョッピも、感じるチョピ」

 

「これも咲と舞が、奇跡の雫を集めてくれたお陰ラピ」

 

 改めて咲と舞に礼を言うフラッピとチョッピに、咲と舞は微笑むのだった。だが、反応が強くなったのは咲と舞だけのお陰ではなく、なぎさとほのか、ひかりも手にしている事も影響していた。なぎさ達が火の泉を戻す奇跡の雫を5つ、咲達が木の泉を元に戻す奇跡の雫を4つ集めていた事が影響していた。

 

 この事をまだ一同は知らない・・・

 

「咲、舞、今ならフェアリーキャラフェを見付けられる筈ラピ!」

 

「フェラーリー?何か高級そうな名前だね!?」

 

「咲・・・フェアリーキャラフェラピ!奇跡の雫を保管するアイテムラピ」

 

「キャラフェの中に、泉の雫を7つ入れると、それぞれの泉への扉が現われるチョピ」

 

 フラッピとチョッピの言葉を聞いていた咲と舞は、重要なアイテムである事を知り、キャラフェを捜す事を決意し、早速放課後に探しに行こうと二人で決めるのだった。

 

 

「なぎさ、中間テストで早く終わっただけなのに、出掛けて良いの?おまけにひかりさんまで・・・」

 

「まあまあ、ほのかとひかりにも食べさせてあげたくてさ・・・お父さんにお店の地図書いて貰ったし、ちょっと遠いけど、来れない距離じゃ無いし、勉強は、食べながらでも出来るじゃない!」

 

「・・・なぎささんがそう言うんでしたら、私は構いませんよ!でも、アカネさんに知られたら、怒られちゃいそうですけど・・・」

 

 なぎさ、ほのか、ひかりは、中間テストで学校が半日で終わった事を利用し、この間岳が土産に買ってきたパン屋に、電車で向かっている最中だった。ほのか、ひかりはテスト期間中なのに良いのかなと思いつつも、なぎさの誘いを無碍(むげ)にも出来ず、共に向かうのだった。

 

「最初お店の名前聞いた時、またお父さんのオヤジギャグかと思ったよ!何せ、PANPAKAパンだもん」

 

「確かに、変わった名前よね・・・」

 

「でしょう?でも、味は最高何だぁ!!」

 

 まるでピクニックに向かっているように、ウキウキするなぎさを見て、微笑むほのかとひかりであった・・・

 

 

 放課後・・・

 

 フェアリーキャラフェの探索に向かった咲と舞の二人は、フラッピ、チョッピ達が感じるキャラフェの気配を頼りに、林の中を突き進んだ。深い林の中を進んで行く二人は、

奇跡の雫が反応しだした事に気付き、

 

「ねえ、舞、奇跡の雫が動いているよ?」

 

「本当だわ・・・ひょっとして、私達を導いてくれるのかしら?」

 

 顔を見合わせ綻んだ笑顔を見せる咲と舞だったが、

 

「ああ、そうだ、導いてやるさ!!」

 

「セニョリータ!地獄って奴にね!!」

 

 咲と舞の前に、カレハーンとモエルンバが姿を現わすと、咲と舞は、初めて見るモエルンバに動揺する。モエルンバも初めて二人に会ったのを思い出すと、

 

「おっと、紹介が遅れたな・・・俺は、モエルンバ!まあ、今日で消えるお前達には、覚える必要は無いチャチャ」

 

 モエルンバを見た咲と舞は、嫌そうな表情を浮かべるも、咲と舞が頷き合うと、ミックス・コミューンに、二つのプリキュアダイアをセットし、ミックススピンすると、二人は手を握り合い、

 

「「デュアル・スピリチュアル・パワーッ!!」」

 

「花ひらけ大地に!!」

 

「はばたけ空に!!」

 

 咲と舞の姿をプリキュアへと変えていく、

 

「輝く金の花!キュアブルーム!!」

 

「きらめく銀の翼!キュアイーグレット!!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「聖なる泉を汚す者よ!」

 

「あこぎなマネは、おやめなさいっ!!」

 

 ブルームとイーグレットが、カレハーン、モエルンバを指差し、啖呵を切った。

 

「今回こそ・・・全戦力を掛け、お前達を葬ってやる!だが、お前達には特別ステージを用意してやろう・・・」

 

 カレハーンの枯れ葉が、ブルームとイーグレットを包み込むと、二人は強制的にその身を移動させられる。解放された二人が目にした場所、それは大空の樹だった。

 

「初めてあった此処が、お前達の最期の地だ!」

 

「覚悟しろ、プリキュア!!」

 

「「ウザイナー!!」」

 

 険しい顔を浮かべたカレハーンは、昆虫、鳥、の二体のウザイナーを出し、尚且つ木のウザイナーを再び出現すると、自ら同化し現われる。一方のモエルンバは、キノコ、栗鼠の二体のウザイナーを出現させ、自らも二人のプリキュアと睨み合った。包囲される形になったブルーム、イーグレットに焦りが生じる。四体のウザイナーと、ウザイナーと同化したカレハーン、モエルンバ、これだけの人数に果たして勝てるのか?二人の心を不安が蝕むのだった・・・

 

 なぎさ達は、遂にPANPAKAパンに到着し、なぎさは涎を垂らしそうな表情で、チョココロネだけを大量にお盆に乗せていた。

 

「なぎさ・・・他のパンも美味しそうだよ!違うのも買ったら?」

 

「そうだけどさ・・・今回は、チョココロネだけを食べようと心に決めて来たんだ!」

 

 なぎさの執念にも似たチョココロネへの情熱に、呆れながらも苦笑するほのかと、ひかり、それを見て微笑むレジに居た沙織だった・・・

 

「そう、態々遠くから買いに来てくれた何て・・・嬉しいわぁ!」

 

 なぎさを見て娘咲を思い描いたのか、沙織の表情が、自然と柔らかく三人を見つめていた。

 

「良かったら、外にテラス席あるから、家で食べていっても構わないわよ?」

 

「本当ですか?ヤッタァ~~!ねっ、ほのか、ひかり、食べながら試験勉強も出来るでしょう?」

 

「う~ん、それは、結果オーライじゃないかしら?」

 

「いいから、いいから!」

 

 早く食べたいなぎさは会計を済ますと、ほのか、ひかりを急かすようにテラス席へと連れて行った。

 

 だが、その時・・・

 

「ひかり、向こうの方で嫌な気配を感じるポポ」

 

「ルルンも感じる・・・怖いルル」

 

「二人共、どうしたの?向こうの方に何かを感じるの!?」

 

 ひかりの問い掛けに頷くポルンとルルン、メップル、ミップルも異変を感じたのか、

 

「ポルンの言う通りメポ!あそこから、邪悪な気配が漂っているメポ」

 

 妖精達の言葉に、表情を引き締め、邪悪な気配がする方向を見つめるほのかとひかり、名残惜しそうに、テーブルに置いてあるチョココロネを見つめるなぎさ、

 

「なぎさ!!」

 

「エッ!?わ、分かってるよ・・・おばさん、後で必ず、必ず食べに来るから、そのままにして置いてぇ~~!!」

 

 沙織に言伝すると、走り出す三人の姿に、沙織は小首を捻るのだった。

 

 

 ブルーム、イーグレットは、絶望的な戦いを続けていた・・・

 

 何度も地面に叩き付けられ、二人の悲鳴が沸き上がった・・・

 

 最早戦いとは呼べない、一方的な虐待だった・・・

 

「ハハハ、これだけの戦力差では、流石のお前達でも、手も足も出ないようだな!滅びの力の前では、所詮この程度よ!!」

 

「セニョリータ!これ以上痛い目に遭いたくなかったら・・・太陽の泉の在処を教えろ!」

 

 二人を見下すカレハーン、モエルンバに対し、ヨロヨロ立ち上がった二人は、

 

「嫌・・・あんた達何かに、私達、絶対負けない!フラッピや、チョッピの故郷を、滅茶苦茶にしたあんた達何かに・・・」

 

「ブルーム・・・」

 

 ブルームの言葉に涙を流すフラッピ、

 

「ブルームの言う通りよ!私達は、最後まで戦う!!二人の故郷を取り戻すんだからぁぁ!!」

 

「イーグレット・・・」

 

 イーグレットの言葉に涙を流すチョッピ、そんな光景を見下し、大笑いするカレハーンとモエルンバは、

 

「泉の精よ、良いのか?お前達の所為で、こいつらは苦しんでいるんだぞ?」

 

「セニョリータ、もっと痛めつけなければ分からないかい?ウザイナー!もっと、もっと、痛めつけろ!!」

 

 キノコのウザイナーが胞子を放射し、ブルームとイーグレットがゴホゴホ咳き込み、カレハーンが触手で二人を締め付ける。涙を流しながら必死に左手をイーグレットに伸ばすブルーム、右手を必死にブルームに伸ばすイーグレット、あと少しで届きそうになると、

 

「おっと、お前らの行動はお見通しだ!」

 

 カレハーンにより引き離される二人、今までの鬱憤を晴らすように、弄ぶカレハーンとモエルンバ、

 

 その時・・・

 

「アッ!あんたは・・・またあんたかぁ?全く、私達が行く先々で悪さして・・・」

 

「ゲッ!?セニョリータ・・・何故お前達が此処に?」

 

 大空の樹に駆けつけたなぎさ、ほのか、ひかりは、モエルンバを見付け嫌そうな顔をするも、ウザイナーの集団を見て表情を引き締める。苦悶の顔を浮かべたブルームは、

 

「に、逃げて・・・私達の戦いに巻き込まれちゃう」

 

 自らのピンチよりも、なぎさ達の身を案じるブルームに気付き、なぎさ、ほのか、ひかりの顔色が変わる。

 

「あの娘達・・・私達に似てるね?」

 

「ええ、事情は分からないけど、あいつが居る以上、このままには絶対出来ない!!」

 

「はい、彼女達を助けましょう!!」

 

 三人が変身アイテムを取り出すと、

 

「「デュアル・オーロラ・ウェーブ!!!」」

 

 二人の身体をオーロラが包み込み、なぎさとほのかをプリキュアへと変えていく・・・

 

「光の使者・キュアブラック!」

 

「光の使者・キュアホワイト!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「闇の力の僕達よ!」

 

「とっととお家に帰りなさい!!!」

 

 カレハーンとモエルンバ、そして、ウザイナーを指差し二人が啖呵を切る。

 

「ルミナス、シャイニングストリーム!!」

 

 ひかりの掛け声と共に、ひかりの身体を光が包み込んでいく。神々しい光と共にルミナスがその姿を現わす。

 

「輝く生命、シャイニールミナス!光の心と光の意志、全てをひとつにするために!」

 

 絶対的なピンチの中で現われた、自分達に似た戦士を見て、ブルームも、イーグレットも、驚きの声を上げた。初めて見る三人に驚いたカレハーンは、

 

「おい、あれがお前が戦って居たプリキュアか?」

 

「そうだ・・・だが、こっちが有利なのは変わるまい!行くぞ、アミーゴ!!ウザイナー!!!」

 

 標的をブラック、ホワイト、ルミナスに変えたウザイナーに対し、ブラックはルミナスに、

 

「ルミナスはあの娘達を援護してあげて!行くよ、ホワイト!!」

 

「ええ・・・決着を付けましょう!!」

 

 キノコのウザイナーに正面から突撃したブラックとホワイトは、思いっきり助走を付けたダブルキックを浴びせ、キノコウザイナーを瞬殺し、ブルームとイーグレットを守るようにウザイナーの前に立ち塞がった。その強さに、呆然とするブルームとイーグレット、そしてカレハーンだった。

 

「あなた達も・・・プリキュアなの!?」

 

「私達以外にも、プリキュアが居た何て!?」

 

 驚くブルームとイーグレットに、微笑み返したブラックとホワイトは、

 

「私らも驚いたよ・・・でも、今はこいつらを倒すことに専念しよう!」

 

「二人共、大丈夫!?戦えそう?無理はしないでね!!ルミナス、彼女達をフォローしてあげて!!」

 

「はい!お二人は戦いに集中して下さい。彼女達の守りは私が引き受けます!」

 

 頼れる仲間の登場で、顔が綻んだブルームとイーグレットに、精霊達が集まり力を貸していく。

 

 まるで今まで受けていたダメージが薄らいでいくように、力が漲ってくるブルームとイーグレット、四人のプリキュアが頷き合い、同時にウザイナーに突撃する。

 

 鳥のウザイナーをブルームとイーグレットが、栗鼠のウザイナーをブラックとホワイトが、攻撃しようとするカレハーンとモエルンバの攻撃を、ルミナスが完全に防ぎきる。

 

 鳥のウザイナーを、地面に叩き落としたブルームとイーグレット、栗鼠のウザイナーを蹴り飛ばしたブラックは、昆虫のウザイナーを投げ飛ばしたホワイトと背中合わせになり、二人はアイコンタクトすると、必殺技をウザイナーに放とうとする。

 

「ブラック、サンダー!」

 

「ホワイトサンダー!」

 

「プリキュアの、美しき魂が!」

 

「邪悪な心を打ち砕く!」

 

「「プリキュア!マーブルスクリュー!」」

 

 ブラックが右手に、ホワイトが左手に力を込めて前に突き出す

 

「「マックス~~!!」」

 

 ブラックとホワイトの攻撃の前にウザイナーは倒され、火の精霊達が解放される。

 

「大地の精霊よ!」

 

「大空の精霊よ!」

 

「今プリキュアと共に」

 

「奇跡の力を解き放て」

 

「「プリキュア!ツインストリーム・スプラッシュ!!」」

 

 腕で円を描くように回転させた二人が、両腕を前に突き出すと、螺旋の渦が二体のウザイナーを飲み込む。ウザイナーは砕け、緑色の無数の精霊が泳ぎ始めて戻っていく。

 

「畜生、こんな筈じゃ・・・」

 

「プリキュアァァァ!!」

 

 逆上したカレハーン、モエルンバが、強大な力で一同を追い詰めていく、

 

「闇の力が暴走してるメポ」

 

「このまま攻撃を受け続けるのは、不味いラピ」

 

 メップル、フラッピのアドバイスに頷いた五人が頷き合うと、ルミナスから発せられた虹の光が、ブラックとホワイトを包み込む。

 

「漲る勇気!」

 

 手を回転させながらブラックが構え、

 

「溢れる希望!」

 

 ブラックと同じように手を回転させホワイトが構えた。

 

「光輝く絆とともに!」

 

 ハーティエルバトンを構えたルミナスが、そして足を広げ踏ん張るブラックとホワイトが気合いを込め、ブラックとホワイトの前方に巨大なハートが浮かび上がると、

 

「「エキストリーム!!」」

 

「ルミナリオォォ!!」

 

 ブラックとホワイトの叫び声がハモリ、気合いを込めたルミナスの叫びが響き渡る・・・

 

「大地の精霊よ!」

 

「大空の精霊よ!」

 

「今プリキュアと共に」

 

「奇跡の力を解き放て」

 

「「プリキュア!ツインストリーム・スプラッシュ!!」」

 

 腕で円を描くように回転させた二人が、両腕を前に突き出した。

 

 虹色の凄まじい光が、螺旋の渦が、カレハーンとモエルンバを飲み込んで行く・・・

 

「バカな!?こんな、バカなぁぁぁ???」

 

「アンビィリィィバボォォ!!」

 

 飲み込まれた二人は、自分達が敗北した事を信じられないように散った・・・

 

 上空から枯れ葉が、火の粉が散っていった・・・

 

 

 上空から落ちてきた、奇跡の雫を手にするブラックとブルーム、大喜びで踊り合うフラッピとチョッピに、メップル達も近づき踊りあった。フラッピ、チョッピから大体の事情を聞いたなぎさ達とメップル達は、

 

「ダークフォールメポ?クイーンなら何か知っているかも知れないけど、メップル達は聞いた事が無いメポ」

 

「でも、ジャアクキングと同じように、闇に関係しているのは、間違いなさそうミポ」

 

「奇跡の雫なら、なぎさ達も持ってるメポ!でもなぎさは、アメ玉と間違えて食べようとしたメポ」

 

 メップルにばらされ、動揺するなぎさを見て、フラッピとチョッピが涙目になりながらなぎさを見つめると、

 

「ち、違うわよ!食べて無いわよ!!美味しそうだなぁとは思ったけどさぁ・・・メップル、余計なことは言わない!!」

 

 なぎさに拳骨され、メップルは痛そうに頭を撫でていた。咲と舞も、そんなコミカルななぎさを見て笑っていると、真顔に返り、

 

「さっきは助かりました・・・一時はやられると思っちゃった」

 

「なぎささん、ほのかさん、ひかりさんは、私達がプリキュアになる前から戦って居たんですね・・・通りでお強いと思ったわ」

 

「ううん、あなた達こそ凄いわ!まだプリキュアに成り立てなのに、此処まで戦える何て・・・昔の私達以上だと思う!!」

 

「そんなぁ・・・煽(おだ)てられたら、照れるなりィ!」

 

 頭を掻く咲を見て一同は笑い合った。舞は笑いながらも咲をたしなめ、

 

「もう、咲ったら・・・でも、此処で私達は始めてプリキュアになって、この場所でプリキュアの仲間に出会えたのも、何か不思議な力を感じるわ」

 

「そうだね・・・舞に初めて出会ったのもこの場所だし、なぎささん、ほのかさん、ひかりちゃんに初めて会ったのもこの場所・・・」

 

 感傷に浸る一同だった・・・

 

 その時、遊び歩いていたポルンとルルンが、大空の樹から見えるある一点が光輝いている事に気付き、騒ぎ始める。集まった一同も気付き、見つめていると、光輝く物体に反応するように、木の泉と火の泉の計14個の奇跡の雫が輝き始めた。 

 

「これは・・・フェアリーキャラフェラピ!!」

 

 嬉しそうに話すフラッピの言葉通り、光が近づき、一同は遂にフェアリーキャラフェの姿を目にした。ガラスの水差しに似たような容器を、嬉しそうに手にしたフラッピとチョッピは、嬉し涙を流した。

 

「さあ、この中に奇跡の雫を7個入れるラピ!先ずは、木の泉からラピ!!」

 

「分かったわ!こうで良いの?」

 

 回転しながらキャラフェの中に転がり落ちていく、木の泉の奇跡の雫、7個全てが治められた時、突然空間が割れ、なぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞、そしてメップル達、フラッピとチョッピが、悲鳴を上げながら、その中に吸い込まれていった・・・

 

 

            第二話:邂逅!二組のプリキュア

                   完

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。