ふたりはプリキュアMax☆Star   作:鳳凰009

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第五話:卑劣なるゴーヤーン

              第五話:卑劣なるゴーヤーン

 

1、フラッピとチョッピを救え!

 

 なぎさ達、咲達の前に、強敵キントレスキー、ミズ・シタターレが現われ一同を苦戦させる。そんな中、シタターレの攻撃を何とか撃退した咲達だったが、現われたゴーヤーンに、フラッピとチョッピを浚われ、咲と舞は窮地に陥っていた・・・

 

 満と薫に続き、フラッピとチョッピまで浚われた咲と舞の心は、悲しみに暮れていた・・・

 

 咲と舞の悲しみを知ったなぎさ、ほのか、ひかりが、咲と舞の下に駆けつける。大空の樹の下、一同は、ゴーヤーンの居るダークフォールに向かう手段を見付けられず、困惑していた・・・

 

 

「どうしよう!?フラッピも、チョッピも、今頃どんな目に遭わされているか」

 

「私達が不甲斐ないばかりに・・・」

 

 落ち込む咲と舞に、なぎさ達も表情を曇らせるも、自分達は何の力になれなかった事に落ち込んでいるムープ、フープを見ると、

 

「咲、舞、そんな表情してたら、ムープやフープが不安がるよ」

 

「何か方法が有る筈!みんなで考えましょう!!」

 

 なぎさとほのかは、何か方法が有る筈だと二人を励ますも、咲と舞の表情が晴れる事は無かった。ひかりの頭の中に、ある人物の事が思い描かれる。敵とはいえ、卑怯な事を嫌うあの男の事が・・・

 

「あのう・・・敵に頼るのはどうかと思いますが、キントレスキーなら、教えてくれるのでは!?」

 

「そうか!あいつ、トレーニングを邪魔されたり、卑怯な事は大嫌いとか言ってたっけ?」

 

 ひかりの提案に、なぎさもキントレスキーの性格を思い出し、その案も有りかも知れないと思うも、ほのかは首を捻り、

 

「確かにそうだけど・・・何時現われるか分からない敵に頼るのも、どうかと思うわ」

 

 ほのかの言葉も尤もだと思うと、一同に沈黙が続いていた・・・

 

 

 ダークフォール・・・

 

 勝手にゴーヤーンに手を出され、ミズ・シタターレは不機嫌だった。

 

(ゴーヤーン・・・泉の精とプリキュアの事は、このあたくしが任されているのに!!)

 

 ゴーヤーンに、一言文句を言わなければ気が済まないと感じたミズ・シタターレは、地下水の中に浮かぶ、ゴーヤーンの顔に似た巨大な岩の中にある、ゴーヤーンの隠れ家を訪れる。やって来たミズ・シタターレは、相変わらずセンスが無いと思いながらも、ゴーヤーンが居る茶室のような部屋に来ると、ミズ・シタターレは不満を爆発させていた。

 

「ちょっとゴーちゃん、どういう事よ?泉の精の力を持ったプリキュアは、あたくしに任せた筈でしょう?何でゴーちゃんが、泉の精霊を浚ってる訳?」

 

「これは、これは、ミズ・シタターレ殿!イヤァ、すいませんでしたねぇ・・・ですが、私の身にもなって下さいまし、アクダイカーン様にお叱りを受け、早く太陽の泉を見つけ出せと、それは、それは・・・」

 

「ウッ!だ、だから、それはあたくしが必ず・・・」

 

「それはそうでございましょうが、折角の好機を逃すのも惜しかったものですからねぇ・・・ですが、見て下さい!何れどちらかが白状するのも、時間の問題でございましょう」

 

 ゴーヤーンは、ミズ・シタターレに捕らえたフラッピとチョッピを見せつけると、フラッピも、チョッピも、酷い拷問を受けたように瀕死の状態だった。それを見たミズ・シタターレは、ゴーヤーンの行為にドン引きしながら、

 

(ゲッ!ゴーヤーンったらえげつないわねぇ・・・あたくしの美学とは掛け離れてます事)

 

 ミズ・シタターレは眉根を曇らし、その場を去った・・・

 

 

 大空の樹の下で途方に暮れる一同に、高笑いの声が聞こえてくる。聞き覚えのある咲と舞の表情が険しくなると、一同の前にミズ・シタターレが姿を現わす。

 

「オ~ホホホホ、お嬢ちゃん達!あらぁ、もう一組のプリキュアも一緒だったとわねぇ」

 

「あんたは・・・ハナミズターレ!」

 

「あらやだ、あたくしとした事が鼻水だ何て・・・って違~~う!あたくしはミズ・シタターレよ!!」

 

 何処かボケと突っ込みのようにする咲とミズ・シタターレの行為に、なぎさ、ほのか、ひかり、舞は目を点にするも、なぎさとほのかが、変身出来ない咲と舞を庇うように一歩前に出ると、

 

「咲と舞には、私達が手出しさせない!」

 

「フラッピとチョッピを浚う何て・・・卑怯だわ!」

 

 顔色を変えたなぎさとほのかが、ミズ・シタターレに抗議すると、

 

「別に、それはあたくしじゃなくて、ゴーちゃんが勝手にやった事ですし、あたくしに文句を言われてもねぇ・・・あっ、そうそう、此処からはあたくしの独り言ですけど、あの泉の精霊達、ゴーちゃんに大分痛めつけられてたわねぇ・・・」

 

 ミズ・シタターレの言葉に動揺する咲と舞、ほのかは罠かと一瞬怯むも、そんな少女達を見ながら、ミズ・シタターレは更に言葉を続けると、

 

「あのまま痛めつけられたら、あの泉の精霊達・・・命は無いでしょうねぇ?さてと、これからゴーちゃんの所にでも遊びに行こうかしら?何時もなら、空に次元の狭間を作るんですけれど、今日は地上から行こうかしらねぇ」

 

 そう言うと、ミズ・シタターレの足下に丸い黒円が現われると、ミズ・シタターレの身体が吸い込まれるように地面に消え始める。

 

「では、お嬢ちゃん達ご機嫌よう!あっ、そうそう、これはあたくしが通ったら、10秒で消えてしまうんですけど・・・オ~ホホホホ」

 

 ミズ・シタターレの言葉に動揺する一同、罠かも知れない、だが、例え罠でも、フラッピとチョッピの下に行ける手段があるのなら、それに掛けてみるしかない。一同の心は一つになり、黒円に飛び込んで行った・・・

 

(フフフ、来たわねぇ)

 

 背後を見たミズ・シタターレは、後を追いてくる一同を見て、含み笑いを浮かべながら先へと進んでいく。

 

 

 

「随分しぶといですねぇ・・・まあ、あなた方が死んだら、もう一組の泉の精霊に聞いてもよろしいんですけどね?」

 

 瀕死のフラッピとチョッピが、ゴーヤーンの目の前で倒れ込んでいた。ゴーヤーンは二人を浮かべると、邪魔とばかりに部屋の隅に投げつけて、茶を啜り出す。そこに高笑いを浮かべたミズ・シタターレが、上空から空間を開き現われ、ゴーヤーンはさっき来たのにと首を捻りながら、

 

「これはミズ・シタターレ殿、先程いらっしゃったのに、またおいでになられるとは、如何致しました?」

 

「オ~ホホホホ!いえね、ゴーちゃんに会いたいって言ってた子達が居たもので、連れて来て差し上げたのよ!じゃあ、あたくしはこれで!!」

 

 そう言い残し、ミズ・シタターレが姿を消すと、入れ違いに上空から悲鳴を上げたなぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞、メップル、ミップル、ポルン、ルルン、ムープ、フープが降ってくる。体勢を崩して落下した一同に、ゴーヤーンは顔に汗を滲ませながら、

 

「全く、ミズ・シタターレ殿にも困ったものですなぁ・・・プリキュア達を連れて来るとは・・・おやおや、下着丸出しで現われるとは・・・で、私に何かご用ですかな?」

 

 下着丸出しでと言われ、慌ててほのかがスカートを抑え、顔を赤らめながら、

 

「ふざけないで!フラッピとチョッピを、咲さんと舞さんに返しなさい!!」

 

「チョッピやフラッピを返して!!」

 

 ほのか、舞がゴーヤーンに文句を言うも、ゴーヤーンはせせら笑うだけだった。だが、

 

「良いですよ!お返し致しましょう・・・その代り、そちらの二人の妖精を頂きましょうかね?」

 

 ゴーヤーンに見つめられ、怯えながらなぎさと咲の後ろに隠れるムープとフープ、なぎさ、咲が表情を険しくすると、

 

「誰があんた何かに、ムープやフープを渡すもんですか!」

 

「フラッピもチョッピも、私の大切な仲間なの・・・返してよ!!」

 

 辺りを見渡していたひかりが、何かに気付き指を指しながら、

 

「咲さん、舞さん、あそこにフラッピとチョッピが・・・」

 

 ひかりの指さす方を見た一同の顔色が青ざめる、ピクリとも動かず、部屋の隅で倒れているフラッピとチョッピを見て、泣きながら咲と舞、ムープとフープがフラッピとチョッピの下に駆け寄ると、必死に起き上がろうとするも、起き上がれない二人が、

 

「さ、咲・・・ゴメン・・・ラピ」

 

「舞・・・チョッピ達の所為で・・・」

 

「フラッピ・・・」

 

「チョッピ・・・酷い!二人をこんな目に遭わせるなんて!!」

 

「ホホホホ、そんな死に損ないの精霊など、返して差し上げますよ!ですが、代りは頂きますよ・・・」

 

 ゴーヤーンがムープとフープに視線を移すと、二人は怯え震え始め、咲と舞は、ムープ、フープを後ろに庇った。そんな咲や舞達を、なぎさ、ほのか、ひかりが間に割って入りゴーヤーンを睨むと、

 

「あんたは絶対に許せない!ほのか、ひかり、咲達を守るよ!!」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

 なぎさの言葉に頷いたほのかとひかりが、メップル達を見ると、メップル達も頷きコミューン姿へ変化する。三人がコミューンを取り出すと、ゴーヤーンは驚きの声を上げ、

 

「ほう、あなた方からは、光の力を強く感じますねぇ!成る程、もう一組のプリキュアとは・・・光の園のクイーンの力を得た戦士の事でしたか!」

 

 ゴーヤーンは、コミューンを手に持ったなぎさ達から感じるクイーンの気配に、これならば、今までの幹部達が敗れた事にも納得する。

 

「「デュアル・オーロラ・ウェーブ!!!」」

 

 二人の身体をオーロラが包み込み、なぎさとほのかをプリキュアへと変えていく・・・

 

「光の使者・キュアブラック!」

 

「光の使者・キュアホワイト!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「闇の力の僕達よ!」

 

「とっととお家に帰りなさい!!!」

 

「ルミナス、シャイニングストリーム!!」

 

 ひかりの掛け声と共にひかりの身体を光が包み込んでいく。神々しい光と共にルミナスがその姿を現わす。

 

「輝く生命、シャイニールミナス!光の心と光の意志、全てをひとつにするために!」

 

 変身を終えたブラック、ホワイト、ルミナスを見つめ、含み笑いを浮かべるゴーヤーン、

 

「ですが、あなた方は勘違いをしておられる。此処を何処だと思っているのですか?ダークフォールの中では、如何にあなた方の力が強かろうが、制限されるのですよ・・・」

 

「そんなの・・・気合いでカバーするわよ!ルミナスは咲達を守って上げて!行くよ、ホワイト!!」

 

「ええ、ハァァァ!!」

 

 ゴーヤーンに突っ込み、攻撃を開始するブラックとホワイト、ゴーヤーンは手にエネルギーを蓄え、闇の球体を作り上げ、ブラックとホワイトを攻撃する。その威力の前に、ブラックもホワイトも躱すのがやっとの状況だった。ゴーヤーンは含み笑いを浮かべながら、姿を消すと、辺りにゴーヤーンの不気味な笑い声だけが響き渡る。一同が辺りを探っていると、突然現われ不意打ち攻撃を加えるゴーヤーンに、益々劣勢になっていくブラックとホワイト、

 

「ルミナス、私達は大丈夫だからブラックとホワイトの援護に行って!」

 

「でも・・・分かりました!」

 

 頷いたルミナスがブラックとホワイトの下へと駆けつけ、三人が背中合わせになりながらゴーヤーンが現われるのを待つ、

 

(これを待っていましたよ!)

 

 咲達の背後に現われたゴーヤーンが攻撃を加えると、咲達が吹き飛ばされ、持っていた荷物が中から飛び出す。その中には、まだ使い方の分からない、ピンクのパソコンのような物も含まれていた。ゴーヤーンは、ムープとフープを捕らえ、フラッピ達にしたような拷問を加えだし、太陽の泉の在処を聞き出そうとする。

 

 裏を掛かれたブラックとホワイトが、ムープとフープに近づき二人に触れると、まるで電気に感電するような衝撃を受ける。

 

「ブラック!ホワイト!」

 

 咲が絶叫し、舞が悲鳴を上げる。ブラックとホワイトは、ムープとフープに微笑み、必ずそこから助け出して上げると伝えると、雄叫びを上げながらブラックはムープを、ホワイトはフープを救うも、その場に倒れ込む。

 

「全く、邪魔しないで頂きたいものですなぁ・・・ですが、そのダメージではまともに戦えますまい・・・さあ、今度こそ太陽の泉の在処を教えて頂きますぞ!!」

 

 再びムープ、フープを捕らえようとするも、今度はルミナスが立ち塞がり、バリアーを張ってゴーヤーンからムープとフープを庇い続ける。

 

「ええい、しぶといですねぇ・・・いい加減に諦めなさい!!」

 

「嫌・・・私達は・・・」

 

「「「「「絶対に諦めない」」」」」

 

 ゴーヤーンの言葉を咲が否定し、少女達が起き上がる。

 

 その姿を見たムープとフープは互いに顔を見合わせると、瀕死の状態なのに、自分達の事より、助けに来た一同の身を案じるフラッピとチョッピ、変身出来ないのに、自分達を庇おうとしてくれた咲と舞、自らの身を犠牲にしてまで助けてくれたブラック、ホワイト、ルミナスを見て涙を流す。

 

「フィーリア王女は言ってたムプ!みんなで力を合わせれば、新たな力に目覚めるって言ってたムプ」

 

「ププ、フープ達も頑張るププ」

 

 二人は頷き合うと、ピンクのパソコンに似た物体を思い出し、その中に吸い込まれるように入っていくと、

 

「月の力~!」

 

「風の力~!」

 

「「スプラッシュターン」」

 

 ムープとフープが力に目覚めた時、パソコンのような物体が光輝き、スプラッシュ・コミューンへと覚醒する。光が部屋中を包むと、ゴーヤーンは何事が起きたのかと狼狽え、その光の暖かさに触れたフラッピとチョッピは、力を取り戻した。

 

「何か、今まで以上の力を感じるラピ」

 

「チョッピも、感じるチョピ」

 

 二人が新たなる変身アイテム、クリスタル・コミューンへと変化し、咲と舞に変身するよう促すと、戸惑いながらも頷き返した二人、先端に付いているクリスタルのようなものを回し振ると、

 

「「デュアル・スピリチュアル・パワーッ!!」」

 

「花ひらけ大地に!!」

 

「はばたけ空に!!」

 

 咲と舞の姿をプリキュアへと変えていくも、ブルームのベルトに、イーグレットの左手に、新たなる力、スパイラルリングが宿っていた。

 

「輝く金の花!キュアブルーム!!」

 

「きらめく銀の翼!キュアイーグレット!!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「聖なる泉を汚す者よ!」

 

「あこぎなマネは、おやめなさいっ!!」

 

 変身を終えたブルームとイーグレットが、ゴーヤーンに対し啖呵を切った。

 

 嘗て以上の力を感じるブルームとイーグレットに、ブラック、ホワイト、ルミナスも加わりゴーヤーンを睨み付ける。

 

(何ですか、この力は!?・・・このままにしておくと後々脅威に成りかねませんねぇ・・・)

 

「プリキュアの皆さん・・・少し私を怒らせてしまったようですねぇ・・・ハァァァ!!」

 

 表情を険しくしたゴーヤーンが、両手に巨大なエネルギーを溜め攻撃するも、ルミナスのバリアーが完全に攻撃を遮断する。飛び出した4人のプリキュアがゴーヤーンに連続攻撃を浴びせるも、ゴーヤーンは見切っているように攻撃を躱していく。

 

 距離を取った四人が頷き合うと、

 

「ブラック、サンダー!」

 

「ホワイトサンダー!」

 

「プリキュアの、美しき魂が!」

 

「邪悪な心を打ち砕く!」

 

「「プリキュア・マーブルスクリュー!」」

 

 ブラックが右手に、ホワイトが左手に力を込めて前に突き出す

 

「「マックス~~!!」」

 

 ブラックとホワイトが、ゴーヤーンに対しマーブルスクリューを放てば、ブルーム、イーグレットが、ハート形の中心部分にリングを装着し、精霊の力を呼び込み始め、

 

「精霊の光よ!命の輝きよ!」

 

 イーグレットが叫べば、

 

「希望へ導け!二つの心!」

 

 ブルームが叫ぶ、

 

「「プリキュア!スパイラルハート・・・」」

 

 力を込めたブルームとイーグレットが一旦腕を引くと、

 

「「スプラ~~ッシュ!!!!」」

 

 一気に力を解放し、両腕を突き出した二人から、凄まじいエネルギー波がゴーヤーンに炸裂した。

 

「こ、これは!?一先ず退散しますか」

 

 プリキュアの力がまた強くなったのを受け、ゴーヤーンは姿を消す。プリキュアの力によって消し飛ぶゴーヤーンのアジト、一同は互いに笑い合うも、どうやって元の世界に戻れるのか分からず困惑する。

 

 その時、ゴーヤーンのアジトがあった付近の地下水の底が、輝きを見せると、上空に次元の亀裂を見付ける。あそこから戻れると思った一同は大ジャンプを行ない、闇の世界から無事、フラッピとチョッピを救出する事に成功するのだった。

 

 だが、彼女達はこの時気づかなかった・・・

 

 闇の底に沈む二つの影が、暖かな光を受け、その思考が再び動き始めようとしていた事に・・・

 

 

2、戦士の誇りと決勝戦

 

 アクダイカーンの招集を受けたミズ・シタターレ、キントレスキーだったが、アクダイカーンは、ダークフォールにプリキュアを連れて来た行為を裏切りと見なし、ミズ・シタターレを処刑しようとしていた。必死に弁明するミズ・シタターレであったのだが・・・

 

「お、お待ち下さい!アクダイカーン様、あたくしは決して裏切ったりなどしておりませんわ!あれは、ゴーヤーンが・・・」

 

「黙れぇ!最早貴様の帰る場所は無い・・・消えろ!!」

 

「お、お待ちを!アクダイカーン様!!アクダイカーン様!!!」

 

 ゴーヤーンは、動揺するミズ・シタターレを見てニヤリとする。そんな姿を不愉快そうに見つめるキントレスキーであった。アクダイカーンの水晶が発光し、今まさにミズ・シタターレを処刑しようとした時、キントレスキーは、まるでミズ・シタターレを庇うように前に出ると、

 

「お待ち下さい、アクダイカーン様!今一度、ミズ・シタターレに最後のチャンスをお与え下さい!仮に私が彼女より先に知っていれば、当然同じ行動を取った事でしょう・・・ゴーヤーンの行ない、正に戦士とは呼べぬ愚劣な行為!もし、彼女に最後のチャンスを与えぬと言うのなら・・・この私も共に処分して頂きましょう!!」

 

 キントレスキーの思わぬ行動に、思わず頬を赤くしたミズ・シタターレは、

 

「あ、あんた何言ってるの?こんな行動すれば・・・」

 

「分かって居る!だが、互いに最強を争い合ったお前とは、このような形で決着など付けたくないからな・・・アクダイカーン様、お願い致します!!」

 

 キントレスキーも加わり、もう一度チャンスをくれと頼み込む二人、アクダイカーンも、この上キントレスキーを失う事だけは避けたかった。呻きながら考え込むアクダイカーンだったが、

 

「・・・よかろう!ミズ・シタターレ、そして、キントレスキー、お前達に最後のチャンスを与えよう!これにしくじれば・・・」

 

 アクダイカーンの言葉に二人は頭を垂れ、必ずやプリキュアを倒しますと誓いその場を後にした・・・

 

 

 この日、地区大会決勝戦に進んだ夕凪中学ソフト部の試合が行われると知ったなぎさ達は、咲の応援に行こうとしていた。だが・・・

 

 TAKO CAFEで開店準備をするひかり、この日はアカネの許可を貰い、咲達の試合の応援に行くのだが、開店準備だけでも手伝うひかりだった。

 

 そこに、フードを被ったキントレスキーが現われる。キントレスキーに気付いたひかりは動揺し、アカネは笑顔を向けるも、まだ準備中だと告げると、残念そうにするキントレスキーがひかりの下に赴き、

 

「安心しろ、此処でどうこうしようとは思わん、この手紙を預ける。後ほど他の二人にも必ず来るように伝えてくれ!」

 

 そう言い残し、キントレスキーは去っていった。何時もと違うキントレスキーの態度に、ひかりの中に不安が沸き起こるのだった。

 

 

 TAKO CAFEにやって来た、なぎさとほのかを手招きしたひかりは、キントレスキーから預かった手紙を渡す。手紙を見たなぎさとほのかは、果し状という文字に、微妙な表情を浮かべ顔を見合わせた。まだ封を切っていないようで、受け取ったなぎさが封を切り、手紙を読み始める。

 

・・・拝啓、三人のプリキュア殿!貴殿らとの戦いは実に清々しく、もっと戦いたかったのだが、所用により、貴殿らとの勝負の決着を付けたいと思っている。私も全力を持って貴殿らと戦う事を誓おう!!噴水前で待つ・・・キントレスキー!!・・・

 

「ゲッ!?あいつ意外と達筆だし・・・最後の自分の似顔絵も・・・似てる」

 

「なぎさより才能あるようだメポ」

 

「うるさい!で、どうする?」

 

「咲さんの応援に行けないのは残念だけど・・・行くしかないわね!!」

 

「はい、今までと覚悟が違ってました!」

 

 三人は顔を見合わせると、噴水前へと向かった。

 

 噴水前では、パーカーを着たキントレスキーが腕組みしながら待っていたが、三人を見ると口元に笑みを浮かべ、パーカ―を脱ぎ捨てて、全身金色をした逞しい肉体美を披露する。

 

「よくぞ来た!私との勝負を受けてくれた礼だ!受け取れ!!」

 

 キントレスキーは、自身が持っていた奇跡の雫を6個全てなぎさ達に渡した。キントレスキーの予想外の行為に、顔を見合わせた三人は動揺するも、

 

「私が勝てば、当然それは取返させて貰う!さあ、変身しろプリキュアよ!!」

 

「分かった・・・受けて立ってあげるわよ!ほのか、ひかり、良い?」

 

 なぎさの問い掛けに頷き返す二人、メップル達から、凄い気迫を感じるから気をつけるように言われた三人は頷くと、

 

「「デュアル・オーロラ・ウェーブ!!!」」

 

 二人の身体をオーロラが包み込み、なぎさとほのかをプリキュアへと変えていく・・・

 

「光の使者・キュアブラック!」

 

「光の使者・キュアホワイト!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「闇の力の僕達よ!」

 

「とっととお家に帰りなさい!!!」

 

「ルミナス、シャイニングストリーム!!」

 

 ひかりの掛け声と共にひかりの身体を光が包み込んでいく。神々しい光と共にルミナスがその姿を現わす。

 

「輝く生命、シャイニールミナス!光の心と光の意志、全てをひとつにするために!」

 

 変身を遂げた三人に対し、頷くキントレスキーは、

 

「では、約束通り私も全力を持って戦おう!だが、力を解放した私は、力の加減が出来ぬから、そのつもりで居ろ・・・ハァァァァァ!!」

 

 力を解放し始めるキントレスキーに、大気が震え始める。キントレスキーの筋肉が増大し、身体が一回り大きくなる。さらにトレードマークのモヒカンは、まるでニワトリの鶏冠(とさか)のように逆立ち、髭までも上向きに逆立つ、金色の身体はほのかにピンク色に変わり、キントレスキーの身体から、蒸気が発せられた。

 

 ブラック、ホワイト、ルミナスの三人は、思わず目を点にしながら呆気に取られるも、キントレスキーから発せられる凄まじい気に、直ぐに表情を引き締めた。気を抜けば、一瞬でやられる。そんな気がする三人だった・・・

 

「待たせたな・・・では、行くぞ!!ヌゥゥゥン!!」

 

 地面をパンチするキントレスキーの攻撃、一瞬何をするのだろうと戸惑った三人は、直ぐに自分達の甘さを知る。地面はまるで溶岩に熔けるように辺りを飲み込み始めた。呆気に取られた三人に、キントレスキーが空中に飛び上がり、強烈なパンチを繰り出すと、咄嗟に躱した三人だったが、拳圧だけで吹き飛ばされ木々に激突した。

 

 本気を出したキントレスキーの前に、ブラック、ホワイト、ルミナスは追い詰められるのだった・・・

 

 

「どうした!?お前達の力はそんなものだったのか?まだ、力を隠していると言うのなら・・・出さざるおえない状況にしてやろう・・・ヌゥゥゥン!!」

 

 キントレスキーが一層力を込めると、激しく拳を地面に打ち付ける。地面はひびわれ、マグマが辺りから吹き出し始める。

 

「さあ、早くしなければ・・・この辺一体が・・・マグマに沈むぞ?」

 

 ガムシャラに地面を叩き続けるキントレスキーに、ブラックとホワイトが止めさせようと攻撃するも、キントレスキーは五月蠅いとばかりに弾き返す。その強烈な一撃を受け大ダメージを受けるブラックとホワイト、ルミナスは力を解放し、バリアーを張ってこれ以上の被害が広がらないように必死に抑え続ける。

 

 ヨロヨロ立ち上がったブラックとホワイトは頷き合うと、手を握り合い、目を閉じた・・・

 

「私達の目の前に、希望を!」

 

「私達の手の中に、希望の力を!」

 

 ホワイト、ブラックの言葉を聞き入れたように、まるで生命の息吹を感じさせるような金色の光が、ブラックとホワイトの下に集まってくる。ブラックの右手に、ホワイトの左手に、スパークルブレスが遂に装着される。

 

 漲ってくる力を現わすように、腕を回しながら構えたブラックとホワイトが、一気にキントレスキーに向かうと、キントレスキーの巨体を連打で吹き飛ばす。

 

「フフフ・・・ハハハハハ!やはり、まだこのような力を隠しておったか・・・良いぞ!この状態の私を吹き飛ばすとは・・・ウゥゥオォォォォ!!」

 

 雄叫びを上げたキントレスキーとブラックが、拳と拳で激しく殴り合いを始める。

 

「ダダダダダダダダダ!」

 

「オラオラオラオラオラ!!」

 

 互いの拳圧によって吹き飛ぶ両者、飛ばされたキントレスキーの腕を掴んだホワイトが地上に叩き伏せる。その強烈な一撃で地面にめり込むキントレスキーだったが、何処か満足気だった。

 

「いいぞ!お前達と戦えて良かった・・・だが、この一撃で終わりにしてやる・・・ハァァァァァァ!!!」

 

 上空に巨大なエネルギーを帯びた球体を作り出すキントレスキー、それを見たブラックとホワイトは手を繋ぎ合い、

 

「ブラック、サンダー!」

 

「ホワイトサンダー!」

 

「プリキュアの、美しき魂が!」

 

「邪悪な心を打ち砕く!」

 

「「プリキュア!マーブルスクリュー!」」

 

 ブラックが右手に、ホワイトが左手に力を込めて前に突き出す

 

「「マックス~~!!」」

 

 二人の必殺技、マーブルスクリューがキントレスキーに発射される。キントレスキーの攻撃が発射され空間でぶつかり合う技と技、キントレスキーの攻撃に徐々に押され出すブラックとホワイトだったが、更に力を込めて押し返すとキントレスキーは更に嬉しそうに、

 

「良いぞ!もっとだ、お前達の力は、まだまだこんなものでは無い筈だ・・・見せてみろ!!」

 

「ハァァァ!!」

 

「ヤァァァ!!」

 

・・・負けない、こんな所で負けられない!フラッピ達の、フィーリア王女の住んでいる世界を、救って見せる!・・・

 

・・・みんなで誓ったの!フラッピ達の故郷を元に戻すって・・・

 

「「私達は・・・絶対に負けない!!」」

 

 二人の闘志に応えるように、スパークルブレスが激しく回転し出すと、虹色の光が稲光のようにマーブルスクリューに加わっていく。

 

「「スパークゥゥゥ!!!」」

 

 二人の掛け声と共にどんどん威力を増し、オーロラを纏ったマーブルスクリューを受け、キントレスキーの放ったエネルギー弾は消え失せ、両手でマーブルスクリューを押さえたキントレスキーが、どんどん後ろに押し返される。

 

「ヌゥゥオオ!す、凄まじい力だ・・・フハハハ!貴様らと戦えた事・・・誇りに思うぞぉぉぉ!!!」

 

 正面からマーブルスクリューの直撃を食らったキントレスキーだったが、その最期は満足気だった・・・

 

 変身を解いたなぎさ、ほのか、ひかりは、手に乗せた奇跡の雫を見つめていた・・・

 

 

 

 咲は緊張していた・・・

 

 初めての地区大会決勝戦、そして、自分達を引っ張ってきてくれた、泉田キャプテン達三年生達に取って、負ければこの試合が最後となる。

 

 絶対に勝たなければ・・・

 

 咲は知らない間に、自分自身にプレッシャーを与えすぎていた事に気付かなかった・・・

 

 試合が始まった!

 

 一回表の相手チームの攻撃が始まる。だが、咲は無意識の内に何時もの調子を出す事が出来ず、連打を浴びたり、四球を出し、ノーアウト満塁の大ピンチを迎える。

 

(どうして?私の調子は悪くない筈なのに・・・)

 

 泉田キャプテンの励ます声も咲には届かない・・・

 

 次のバッターにもヒットを浴び、あっさり先取点を奪われる。

 

 咲の心に焦りが生じる・・・

 

 このままじゃ、大量点を取られてしまう・・・

 

 自分の所為で、先輩達の最後の試合になってしまう・・・

 

 客席から見守る舞を始めとしたクラスメート達も、この大ピンチに言葉を失った。

 

「あ~らら、これじゃボロ負けねぇ・・・」

 

 突然舞の横で話す女性に、舞はムッとしながら、そんな事ありませんと言うも、女性の顔を見つめて驚愕する。舞が驚くのも当然で、隣に座ったのは、人間姿のミズ・シタターレであった。ミズ・シタターレは、舞を見ると口元に笑みを浮かべ、

 

「まあ、このまま攻撃しても良いんですけど・・・プリキュアになれないあなた一人を痛ぶるのは、あたくしの趣味じゃありませんし・・・もう少し、待って差し上げるわ!」

 

「ど、どういうつもりなの?」

 

「さあ、どういうつもりなのかしらねぇ?」

 

 舞を見つめるミズ・シタターレの目が怪しく輝いた。

 

 

 タイムを取った泉田キャプテンは、球は走っているから、気持ちの問題だと咲を激励する。咲にも分かっていたが、どうすれば良いのか戸惑う咲だった。

 

 次のバッターに投げた初球、思いっきり引っ張った打球が三塁線にライナーで飛ぶ、大量点を取られる!咲の顔は真っ青になるも、サードのキャプテン泉田が横っ飛びで取り1アウト、飛び出していたサードランナーは戻れず2アウト、素早く二塁に投げ、飛び出していた二塁ランナーも戻れず3アウト、トリプルプレーの立役者、泉田の活躍で何とか1点で抑えた夕凪中、だが、咲の心は晴れることが無かった・・・

 

 ベンチに下がると、奥に引っ込み落ち込む咲、そんな咲を、顧問の篠原先生が、泉田キャプテンが、去年の事を交えながら咲を励ました。

 

 自分も去年、今の咲と同じようになり、自分のエラーで負けたのを後悔し、この1年を頑張って来たと、咲には自分と同じ思いをして欲しくないと叱咤激励する。

 

 二人の励ましが、咲を何時もの調子に戻させた!

 

 だが、相手の投手も絶好調で、立ち直った咲と激しい投手戦を繰り広げる。スコアボードに並ぶ0の山、夕凪中はランナーを出すも、一度も三塁まで進めず、遂に最終回最後の攻撃を向かえていた・・・

 

 

「ストライク!バッターアウト!!」

 

 最終回は1番からの好打順だったのだが、先頭バッターはピッチャーゴロ、次のバッターは三振と、夕凪中学は後一人まで追い込まれる。だがここで、勝利を確信した相手ピッチャーの油断を、3番泉田キャプテンは見逃さなかった。見事にセンター前に打ち返し、4番の咲まで繋いだ。

 

(打つ!必ず打つ!!)

 

 気合いを込めてバッターボックスに入る咲、長打が出れば同点、観客席も最後の攻撃に大声援を送り続ける。初球ボール、二球目空振りで向かえた三球目、相手投手の失投を見逃さず、咲の一打が快音を響かせた。懸命に追いかけるレフトとセンター、走る泉田キャプテンと咲、抜ける、抜ける、抜ける、夕凪ソフト部の関係者、誰もがそう思った・・・

 

「あらあら、残念だったわねぇ・・・」

 

 舞の隣に居たミズ・シタターレの言葉通り、ダイビングしたレフトが辛うじて捕球し、夕凪中ソフト部の戦いは幕を閉じた・・・

 

 見届けたミズ・シタターレは、この後に決着を付けましょうと舞に言い残し、その姿を消す。だが舞の心は、戦いより、初回の自分のミスを責め続けている、咲の事が気がかりだった・・・

 

 

 泉田キャプテンは、一同を集めると感謝の言葉を述べた。負けたとはいえ、自分の全てを出し尽くせたと語り、その表情は満足気であった。

 

 咲は、泣いた・・・

 

 自分でも分からないが、涙が止め処なく溢れてきた・・・

 

 泉田キャプテンは、咲の肩を組み、頭を付けると、

 

「咲、泣かないで・・・負けたのは悔しいけど、私はそれ以上に、みんなが団結して戦えた事が凄く嬉しいの!弱小と言われ続けた夕凪中ソフト部が、篠原先生の指導の下、今年は準優勝という輝かしい実績を残せたのは、みんなのお陰よ!キャプテンとして礼を言います!!ありがとう!!!」

 

 泉田キャプテンの言葉を受け、三年生達も泉田の横に来ると、共に後輩達に感謝の言葉を述べた。

 

「この続きは・・・あなた達に託します!!」

 

 泉田キャプテンと三年生達の思いは、後輩達へと受け継がれる・・・

 

 仲間に促された咲だったが、しばらく一人にして欲しいと言い、ただ一人ベンチに座っていた。初回の自分の不甲斐なさを思い返す咲の下に、舞がやって来て隣に黙って腰を下ろした。沈黙が続く空間、咲は、舞を見る事が出来なかったが、

 

「負けちゃった・・・」

 

「あと少しだったね・・・試合に勝つことは大事だと思う。でも、今日咲達の戦い振りを見て、それだけじゃないって思ったの!咲や、みんなが、毎日頑張ってるのを知ってるから・・・だから私、すごく感動したの!私は、それはとても・・・」

 

 舞の言葉を遮るように、咲は、分かってると声を荒げるも、

 

「でも・・・先輩達には・・・優勝して欲しかった・・・」

 

 そう言うと、咲は泣き続けた・・・

 

 日が落ち始める中、舞はその姿を黙って見続けていた・・・

 

 

「あんた達、遅いわよ!何時まであたくしを待たせるのよ?」

 

 静寂を打ち破るような、苛立った女性の声がグランドに響き渡った。舞は、すっかりミズ・シタターレの存在を忘れていた・・・

 

「あんたは・・・ハナミズターレ!もう、こんな時に・・・」

 

「ちっが~~う!あたくしはミズ・シタターレ!あんた、態と間違えてない?そんな事だから試合に負けるのよ!ましてやあのキャプテンは、負けたのにみんなが力を出せて満足何て・・・オ~ホホホホ!甘ちゃん過ぎて笑えて来ます事、戦いは勝ってこそ意味があるのよ!!」

 

 さり気なく咲に心理的ダメージを与えるミズ・シタターレだったが、舞が反論するのを咲が遮り、

 

「私の事はいい・・・あんたが言うように、確かに勝つことも大切かもしれない。でも泉田先輩は、勝ち負けよりも、試合で全力を出しきれた事が大切だって言ってた。全力を出しきったけど後一歩 力が足りなかったのと、最初に自分がしたミスを、私は悔しがった。でも、試合には負けたけど、意味が無い何て事は絶対無い!勝つ事よりも大切な事があるの!大切なのはチームの皆と一つになって・・・大きな目標に向かって、一生懸命頑張る事!!」

 

 咲は涙を拭ってミズ・シタターレに自分の思いをぶつけると、なら、戦ってそれを証明してみなさいと咲と舞を指さした。咲と舞は見つめ合うと、

 

「「デュアル・スピリチュアル・パワーッ!!」」

 

「花ひらけ大地に!!」

 

「はばたけ空に!!」

 

「輝く金の花!キュアブルーム!!」

 

「きらめく銀の翼!キュアイーグレット!!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「聖なる泉を汚す者よ!」

 

「あこぎなマネは、おやめなさいっ!!」

 

 ブルームとイーグレットが、ミズ・シタターレに対し啖呵を切った。

 

「さあ、遊びの時間は終わりよ・・・ウザイナー!!」

 

 扇子を開き、迸る二本の水の激流が形を変えた。

 

 龍と虎・・・

 

「あんた達との戦い・・・決着をつけて上げるわ!!」

 

 何時もと違うミズ・シタターレの迫力に、表情を引き締めるブルームとイーグレット、水龍がイーグレットを、水虎がブルームを攻撃する。

 

 だが、パワーアップを果たしたブルームとイーグレットの前では、最早ウザイナーで太刀打ち出来る事は無かった・・・

 

 リングを装着したブルームとイーグレットは、

 

「精霊の光よ!命の輝きよ!」

 

「希望へ導け!二つの心!」

 

「「プリキュア!スパイラルハート・・・」」

 

 力を込めたブルームとイーグレットが一旦腕を引くと、

 

「「スプラ~~ッシュ!!!!」」

 

 一気に力を解放し、両腕を突き出した二人から、凄まじいエネルギー波が二体のウザイナーに炸裂した。ウザイナーはその圧倒的力の前に倒された・・・

 

(噂には聞いてましたけど、これ程とは・・・)

 

 二つの奇跡の雫を手にするブルームとイーグレット、

 

「オ~ホホホホ!それで勝ったと思わない事ね・・・今度は、あたくしが相手よ!滅びの力・・・見せて上げるわ!!!」

 

 険しい表情を浮かべたミズ・シタターレの目が怪しく光と、一瞬で近辺が枯れ果て始める。まるで、砂漠の世界に居るように・・・

 

 思わず目の前の状況に呆然とするブルームとイーグレット、

 

「あたくしがその気になれば・・・この程度朝飯前よ!今頃は、キントレスキーがもう一組のプリキュアを倒している筈・・・プリキュアの伝説も、今日で終わるのよ!!」

 

 更に水を自在に操り、ブルームとイーグレットを攪乱し、巨大な水のエネルギーを受けて吹き飛ばされ、倒れ込むブルームとイーグレットだったが、二人の目から輝きが失われる事は無かった。

 

「大切なのはチームの皆と一つになって・・・大きな目標に向かって一生懸命頑張る事!!」

 

「なぎささん達が全力で戦って、負けたりしない!私達は、チョッピ達の大切な泉の郷を甦らせると誓い合ったの!!」

 

「私達は、その目標の為に戦う・・・例え何度も叩き付けられても・・・プリキュアは、何度でも立ち上がってみせる!!」

 

 ブルームが、イーグレットが、ヨロヨロしながらもキッとミズ・シタターレを見つめると、ミズ・シタターレは忌々しそうに、

「あらそう!?でもね、これで止めよ!!」

 

 さっきよりも巨大な水の球を作り出したミズ・シタターレ、ブルームとイーグレットは、もう一度リングを装着すると、

 

「精霊の光よ!命の輝きよ!」

 

「希望へ導け!二つの心!」

 

「「プリキュア!スパイラルハート・・・」」

 

 力を込めたブルームとイーグレットが一旦腕を引くと、

 

「「スプラ~~ッシュ!!!!」」

 

 一気に力を解放し、両腕を突き出した二人から、凄まじいエネルギー波がミズ・シタターレ目掛け放たれる。巨大な水のエネルギーと、スパイラルハートスプラッシュがぶつかり合った。空間上で激しい激突を繰り返す技と技、水球は弾け消され、ミズ・シタターレは、スパイラルハートスプラッシュの直撃を受ける。

 

「こ、これ程とは!?あたくしの負け・・・のようね」

 

 螺旋の渦に飲み込まれ、ミズ・シタターレは散った・・・

 

 砂漠化した状態は元に戻り、上空からは水滴と共に、残りの奇跡の雫が降ってくるのを手に乗せるブルームとイーグレット、二人は互いを見て笑顔を浮かべた。

 

 二組のプリキュア達は、遂に全ての泉を取返した・・・

 

 

3、奪われたキャラフェと、甦る戦士達

 

 ダークフォール・・・

 

 アクダイカーンは荒れ狂っていた・・・

 

 カレハーン、モエルンバ、ドロドロン、そして、ミズ・シタターレ、キントレスキーまで倒され、満と薫は裏切り、プリキュアに奇跡の雫を渡す・・・

 

 この不甲斐ない状況に、アクダイカーンは怒り狂っていた・・・

 

(やれやれ、このままではダークフォールが持ちませんね・・・仕方ありません!最後の手段を使って見ますか・・・)

 

「アクダイカーン様、私に策がございます!しばし、ご猶予を・・・」

 

 そう言い残し、ゴーヤーンは姿を消した・・・

 

 

 翌日・・・

 

 大空の樹の下、なぎさ達、咲達に感謝の涙に暮れるフラッピ、チョッピ、ムープ、フープの姿があった・・・

 

「みんなの、みんなのお陰ラピ」

 

「泉の郷が・・・甦るチョピ」

 

 メップル達も、自分の事のように喜び、フラッピ達とはしゃぎ回っていた。

 

 先ず咲達が、水の泉の奇跡の雫を入れると、再び一同は次元の狭間に飲み込まれ水の泉へと飛ばされた。

 

 奇跡の雫が水の泉を甦らせると、フィーリア王女が姿を現わす。

 

「ありがとう・・・水の泉もあなた達のお陰で甦りました!そして、あなた達の思いは満と薫に届いたようです・・・」

 

「満と薫に!?」

 

「届いたってどういう事ですか?」

 

 フィーリア王女の言葉に一瞬惚けるも、直ぐに嬉しそうな顔になる一同、咲と舞は思わず、フィーリア王女に尋ねるも、時間が来てフィーリア王女の姿は消え去った・・・

 

「エェェ!?もう、これからって時にぃぃ」

 

 頬を膨らませ変顔になる咲に、なぎさとほのかは、お楽しみは最後に取っておこうと咲を宥め、自分達が持つ金の泉の奇跡の雫をキャラフェに入れる。

 

 一同は最後の泉、金の泉へと召喚されると、なぎさ、ほのかは皆を呼び、

 

「最後はみんなでやろう!!」

 

 なぎさの言葉を受けメップル達、フラッピ達もキャラフェに触り奇跡の雫を一つ零す事に、一同が数を数え出す。全てを注ぎ終え、一同は安全地帯まで急いで下がると、金の泉も甦った。

 

「遂に、遂に、全ての泉を取り戻したラピ」

 

「みんなの、みんなのお陰チョピ」

 

 フラッピ、チョッピ、ムープ、フープは泣きながらも大喜びをする。一同はそんな精霊達を微笑ましく見守っていると、泉が輝き、フィーリア王女が一同の下へと近づいて来た。

 

「咲、舞、なぎさ、ほのか、ひかり・・・ありがとう!光の園のメップル、ミップル、ポルン、ルルン、ありがとう!そして、フラッピ、チョッピ、ムープ、フープ、ご苦労様でした!!あなた方のお陰で・・・泉の郷は甦る事が出来ました!!」

 

 フィーリア王女の言葉に、嬉しそうに拍手する一同、フィーリア王女も微笑んだ。咲と、舞は、先程のフィーリア王女の言葉を聞き返した。

 

「フィーリア王女!さっき言ってた言葉はどういう事ですか?」

 

「満さんと薫さんに届いたって、一体!?」

 

「咲、舞、思い出して下さい!浚われたフラッピとチョッピを助け出した時の事を・・・」

 

 フィーリア王女の言葉を受け、思い返す一同、ムープとフープが新たなる力に目覚め、フラッピとチョッピもまた二人の力を得て覚醒し、新たなる力に目覚め、なぎさ達と共に、自分達がパワーアップしてゴーヤーンの住処を破壊した・・・

 

「そうだ!その後私達は、元の世界に戻る手段が分からず途方に暮れていると・・・」

 

「泉が輝き、出口が現われたのよねぇ?」

 

「「まさか!?」」

 

「そうです!あの力は、満と薫があなた方の新たなる力に呼応した結果、生まれた奇跡とでも呼べるでしょう・・・」

 

 満と薫が自分達と呼応した・・・咲と舞の表情が輝くも、

 

「じゃあ、あそこに満と薫が居たって事ですよね?」

 

「あんな近くに居た何て・・・」

 

 少し落ち込む咲と舞を励ますなぎさ達、フィーリア王女も頷き、

 

「私も全てを見通せる訳ではありません・・・ですが、あなた方の絆は、闇に眠る彼女達を必ず目覚めさせると私も信じています!!」

 

 フィーリア王女の言葉に力強く頷く一同、フィーリア王女も頷き返すと、

 

「闇の力を弱める為にも・・・世界樹を復活させましょう!!」

 

「世界樹?」

 

 聞き慣れない言葉を聞き、思わずほのかがフィーリア王女に聞き返すと、王女は頷き、

 

「そうです!世界樹が甦る時、滅びの力は弱まります!アクダイカーンが泉の郷を滅ぼそうとするのは、世界樹の力を恐れるから・・・キャラフェをこちらに!」

 

 なぎさがフィーリア王女にキャラフェを手渡すと、フィーリア王女がキャラフェに泉の力を注ぎ込み始めるとキャラフェが輝きを放った。

 

「これを太陽の泉に注げば、世界樹は復活します!!・・・そこに隠れているのは誰です?」

 

 突然表情を変えたフィーリア王女は、ある一点を凝視して発した言葉に、表情を険しくして辺りを伺う一同は、聞き覚えのある不気味な声を聞いた・・・

 

「ホホホホ、もう少しお話しを伺いたかったのですがねぇ・・・バレてしまっては仕方がありませんねぇ・・・」

 

 一同の目の前に、フワフワ浮かびながらゴーヤーンが現われると、なぎさ達、咲達が、フィーリア王女を守るように前に出る。

 

「フィーリア王女、太陽の泉の在処、教えて頂けませんかねぇ?でないと・・・あなたもそこの精霊達のように、少々手荒な目に遭って頂かなければならなくなりますよ?」

 

「ゴーヤーン・・・あなた達などに教える事は何もありません!此処から立ち去りなさい!!」

 

「そうですか・・・では、実力行使と行きましょうかねぇ」

 

 フィーリア王女は、手の持ったキャラフェを胸にギュッと押しつけ、ゴーヤーンに此処から出て行くように言うも、ゴーヤーンが聞く耳を持つ筈も無く、逆にフィーリア王女を脅し始める。ゴーヤーンの言葉を聞き身構える少女達は、

 

「「デュアル・オーロラ・ウェーブ!!!」」

 

「ルミナス、シャイニングストリーム!!」

 

「「デュアル・スピリチュアル・パワーッ!!」」

 

 変身を終えた一同が臨戦態勢を取りゴーヤーンと睨み合いになる。

 

「ホホホホ!そう言えばあなた方には、私の住処を壊された借りがありましたねぇ・・・少々本気で行きますよ!!」

 

 ゴーヤーンの邪悪な気が膨れ上がる・・・

 

 今までの敵達とは違うその不気味な力に、プリキュア達の顔に冷や汗が流れ始める。恐怖を振り払うようにゴーヤーンに突撃した少女達、ゴーヤーンはニヤリと笑うと、

 

(掛かった!)

 

 ゴーヤーンの身体が、プリキュア達の視界から完全に消え去り、プリキュア達は辺りを見渡し始めた時、背後のフィーリア王女から悲鳴が沸き起こった。振り返った一同の目に、フィーリア王女を押し倒し、キャラフェを奪ったゴーヤーンが、ニヤリとプリキュア達を見返す。

 

「しまった!最初からキャラフェを狙っていたのね・・・」

 

「キャラフェを返して!!」

 

 裏を掛かれたホワイト、ブルームの表情が歪む、ブラックは単身ゴーヤーンに突っ込み取返そうとするも、ゴーヤーンの発したエネルギー弾の直撃を受け吹き飛ばされるのを、ルミナスとイーグレットが辛うじて受け止める。ゴーヤーンはせせら笑うと、

 

「最早あなた方相手に、ウザイナーでは勝ち目がありませんからねぇ・・・キャラフェの力、利用させて頂きますよ!!」

 

 光輝くキャラフェに、ゴーヤーンが念を込め滅びの力を注ぐと、キャラフェの中は不気味な色へと変色していった。ゴーヤーンは先ず枯れ葉を取り出すと、

 

「これが何か分かりますかな?これを入れまして、よく振ります!」

 

 ゴーヤーンは、シェイクするように上下に激しく振ると、地面にドロリとした液体が注がれた。呆然と見守る一同の目の前で液体は人形になり、それを見たブルーム、イーグレットは驚きの声を発する。

 

「あんたは・・・」

 

「あなたは・・・」

 

「「カレハーン!?」」

 

 甦ったカレハーンが、不適な笑みをブルームとイーグレットに向ける。更にゴーヤーンは再びシェイクし出し、再びドロリと地面に零すと、今度はブラックとホワイトが驚きの声を上げる。

 

「あんたは、何時も踊ってた奴!?」

 

「そんな、二人とも私達が倒した筈なのに?」

 

 動揺するプリキュア達を余所に、甦ったカレハーン、モエルンバは、自らの身体を確かめるように手を動かし、足を動かした。モエルンバは特に腰を激しく左右に動かしていたが・・・

 

「さあ、カレハーン殿、モエルンバ殿、甦ったあなた方には・・・以前以上の力があります!プリキュア達に借りを返していらっしゃい!!」

 

「フン、言われる迄もない」

 

「カレッチ、久しぶりだなぁぁ!!」

 

 嬉しそうに抱きつくモエルンバ、カレハーンは嫌そうに慌ててモエルンバを引き離すと、

 

「だから、俺に触るなと言ってるだろうが!お前が触ると俺の身体が燃えるんだぞ!!」

 

「連れない事言うなよ、カレッチ!」

 

 どこか嘗てと同じようなやり取りをする二人に、プリキュア達は、ゴーヤーンが言うように本当にパワーアップしているのだろうかと首を捻った。

 

「ゴーヤーン、キャラフェを返しなさい!!」

 

「と言われて返す筈ありませんよ!太陽の泉の在処をお教え頂ければ、考えてあげてもよろしいですがねぇ・・・ホホホホ」

 

 フィーリア王女の表情が益々険しくなる。

 

「油断でした・・・」

 

 このタイミングで仕掛けてくるとは思わなかった・・・

 

 フィーリア王女は、自分の迂闊さに悔恨するも、プリキュア達はまだ諦めては居なかった・・・

 

「私達が取返して見せる!ルミナスはフィーリア王女を守って!行くよ、ホワイト、ブルーム、イーグレット」

 

 ブラックの合図を受け、カレハーンを攻撃に向かうブルームとイーグレット、モエルンバに攻撃を仕掛けるブラックとホワイト、激しい肉弾戦を続ける二組の戦士達、

 

「では、後は頼みましたよ!カレハーン殿、モエルンバ殿!」

 

 ゴーヤーンはそう言い残し、足下から消えるように姿を消した・・・

 

 みすみすゴーヤーンを逃がす結果になったプリキュア達に焦りが生じる。ブルームとイーグレットは頷き合うと、

 

「精霊の光よ!命の輝きよ!」

 

「希望へ導け!二つの心!」

 

「「プリキュア!スパイラルハート・・・」」

 

 力を込めたブルームとイーグレットが一旦腕を引くと、

 

「「スプラ~~ッシュ!!!!」」

 

 一気に力を解放し、両腕を突き出した二人から、凄まじいエネルギー波がカレハーン目掛け放たれる。だが、カレハーンは口元に笑みを浮かべたまま、スパイラルハートスプラッシュを受ける。

 

 勝った!

 

 ブルームとイーグレットはそう確信した。

 

 だが・・・

 

 カレハーンは生きていた!

 

 ブルームとイーグレット、二人の技をまともに食らっても生きていた。ブルーム、イーグレットは呆然とする。

 

「さあ、今度はこっちの番だな・・・ハァァァァァ!!」

 

 カレハーンから発せられた、強烈なエネルギー波が二人を襲う。直撃を受けた二人は、咲と舞の姿に戻り気を失った・・・

 

「咲!舞!そんな、二人の力が・・・」

 

「全く効いていなかったわ・・・どういう事?」

 

 ブラックが、ホワイトが、ブルームとイーグレットの攻撃が効かなかった事に激しいショックを受けた。

 

 あの凄まじい力に耐えられるとは、ブラックも、ホワイトも、もちろんルミナスも想像だにして居なかった・・・

 

「それはおそらく、泉の力が関係しています。キャラフェの力で甦った二人の身体は、いわば精霊の衣を纏っていると言えるでしょう・・・精霊の力のプリキュアである咲と舞の二人だけでは、その力を剥ぐ事は・・・不可能です!!」

 

 フィーリア王女の言葉に、呆然とするブラック、ホワイト、ルミナスの三人は、気を失っている咲と舞を見た。

 

「そんなぁ!?クッ、だったら私達が咲と舞の分まで頑張るわよ・・・ホワイト!」

 

「うん!ルミナス、咲さんと舞さんをお願い!!」

 

「はい!フィーリア王女と共に、お二人をお守りします!!」

 

 ブルームとイーグレットの力だけでは、甦った戦士達は倒せない・・・

 

 フィーリア王女の言葉に動揺するブラック、ホワイト、ルミナスだったが、彼女達の分まで戦う決意をする。一同を嘲笑うように並び立つカレハーン、モエルンバに対し、ブラックとホワイトは手を握り合うと、

 

「ブラック、サンダー!」

 

「ホワイトサンダー!」

 

「プリキュアの、美しき魂が!」

 

「邪悪な心を打ち砕く!」

 

「「プリキュア!マーブルスクリュー!」」

 

 ブラックが右手に、ホワイトが左手に力を込めて前に突き出す

 

「「マックス~~!!」」

 

 ブラック、ホワイトのマーブルスクリューが、カレハーンとモエルンバへと発射されるも、二人は腕組みし、余裕を浮かべながらその場に立ち尽くした。

 

 地面から現われたゴーヤーンは大慌てで、

 

「二人共、調子に乗らないで下さいまし!あっちのプリキュアは、クイーンの力を得し者達、このまま攻撃を食らえば、再び闇に舞い戻りますぞ!!」

 

 慌てたゴーヤーンは、カレハーン、モエルンバを無理矢理連れ、ダークフォールへと帰って行った。

 

 何とか追っ払う事は出来た・・・

 

 だが、キャラフェは奪われ、精霊の力を得た咲、舞だけでは甦った戦士達には勝てないと知り、なぎさ、ほのか、ひかりは沈黙する・・・

 

 意識を取り戻した咲と舞だったが、自分達の攻撃が効かなかった事にショックを受けていた。更なる追い打ちで、自分達だけでは、甦った敵を倒す事は不可能だと聞かされ、更なるショックを受ける。なぎさとほのかが励ますも、咲と舞の受けた衝撃は大きかった・・・

 

 私達だけでは、敵に勝てない・・・

 

 一体どうしたら良いのか?・・・

 

 咲と舞は途方に暮れた・・・

 

 フィーリア王女は、そんな二人を見ながら何かを思案していたが、

 

「皆さん・・・私もあなた方の住む緑の郷に参りましょう!太陽の泉を手に入れようとするゴーヤーンが、緑の郷で何かしようと企んでいるようです!太陽の泉は・・・緑の郷にあるのですから!!」

 

 

 フィーリア王女の言葉に、一同は激しく動揺した・・・

 

 自分達が住む世界に、太陽の泉はある!

 

 だがそれは、自分達が住む世界に危険が迫る事にもなる!

 

 守らなきゃ、守らなきゃ・・・

 

 でも・・・

 

 戸惑う一同を余所に、フィーリア王女は両手を広げ、泉の力を吸収すると、目の前に光のゲートが姿を現わした。だが、フィーリア王女は先程キャラフェで使った力のせいか疲れていた。一同は悲鳴を上げながら、光のゲートへと吸い込まれて行った・・・

 

 

                第五話:卑劣なるゴーヤーン

                      完

 

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