ふたりはプリキュアMax☆Star   作:鳳凰009

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最終話:絆は永遠に!星空の仲間達!!

           最終話:絆は永遠に!星空の仲間達!!

 

1、必ず戻って来る!

 

 大空の樹の下では、ブラック、ホワイトと、キントレスキー、ミズ・シタターレの死闘が続いていた。ブラックはキントレスキーと、ホワイトはミズ・シタターレと戦う姿を、コロネと、コロネに宿っているフィーリア王女が戦いの行方を見守り続ける・・・

 

「ダダダダダダダ」

 

「オラオラオラオラ」

 

 嘗てと同じように、拳の殴り合いを続けるブラックとキントレスキー、ブラックは、本気で戦わないキントレスキーの行為に戸惑っていた。拳と拳が交差し、互いに空中でクルクル回転して地上に着地する二人、

 

「いいぞ!貴様らとまた戦えるとは・・・よくぞゴーヤーンの企みを打ち破った!!」

 

「うるさい!あんた達の所為で・・・ひかりは、大切な家族を失ったんだからね!!」

 

「そうか・・・それは済まなかった!この私も、不本意ながらアクダイカーン様の命令により、あの非道な行為を黙認したのだからな・・・申し訳ない!!」

 

 キントレスキーは、素直に深々とブラックに頭を下げ詫びた。キントレスキーに謝られ、大いに戸惑うブラックだったが、

 

「な、何言ってるのよ・・・詫びられたからって、あの二人が帰ってくる訳じゃない・・・だけど、あのゴーヤーンって奴と仲間のあんたを・・・私は倒す!!」

 

 ブラックとキントレスキーの両者が大きくジャンプし、拳と拳が激突する・・・

 

 

「オ~ホホホホ!さぁさぁ、どうしたのかしら?逃げてばかりじゃ、このあたくしには適わない事よ」

 

 ミズ・シタターレが操る、水の魔力に苦戦するホワイト、中々懐に入り込むチャンスが伺えず、防戦一方であった。

 

(さすがに大口叩くだけある・・・でも、その慢心があなたの弱点でもある!!)

 

 ホワイトは、逃げ惑うように見せ、ミズ・シタターレを木々の生い茂る中に誘い込むと、木々が攻撃の邪魔をし、ミズ・シタターレはイライラしたように、

 

「全く邪魔な木ねぇ!?面倒ですわ・・・全て滅ぼして差し上げるわ!!」

 

 上空に、巨大な水球を作り始めるミズ・シタターレが油断したその時、ホワイトは突進し、懐に入るや、回転しながら回し蹴りを当てると、ミズ・シタターレが体勢を崩し、ホワイトはそのまま投げ飛ばした。投げ飛ばされたミズ・シタターレは、キントレスキーの側まで飛ばされ、キントレスキーにお姫様抱っこで受け止められる。互いに顔を見合わせ、思わずお互い頬を赤くするも、

 

「ちょ、ちょっとぉ、あたくしを降ろしなさい!」

 

「おお、スマン!つい条件反射でな・・・苦戦しているようだな?」

 

「ば、馬鹿おっしゃい・・・そういうあんたこそ、手こずってなくって?」

 

「うむ・・・確かにあの時より気力が充実している!それでこそ倒しがいがあると言うものだ!!」

 

 ブラックに合流したホワイト、その二人を見つめるキントレスキーとミズ・シタターレ、二人の気迫がより一層高まる。だがブラックは、キントレスキーを見て小首を傾げると、

 

「あいつ・・・何でこの前のように、私達と本気で戦おうとしないんだろうね?」

 

「そう言えばそうね・・・本気を出したあの男は、恐ろしく強かったのに・・・」

 

 ブラックとホワイトの言葉が聞こえたのか、顔から汗が滲み出すキントレスキー、ミズ・シタターレは何の事だか分からず、プリキュア、キントレスキーの顔を交互に見比べた。

 

「何よ、本気出して戦わないって?キントレスキー・・・このあたくしも知らない力を、あんた、隠しているとでもいうのかしら?だったら、さっさと見せなさいよ!!」

 

 少しイライラしたミズ・シタターレが、キントレスキーを問い詰めると、戸惑いながら困惑するキントレスキーであった。

 

(成る程・・・あのミズ・シタターレって人に、あの姿を見られたくないのね・・・)

 

 ホワイトは、思わずクスリとキントレスキーを見て笑むと、ホワイトに心を読まれた気がしたキントレスキーは、更に狼狽えた。ブラック、ミズ・シタターレには何の事か理解出来ず、ミズ・シタターレのイライラは頂点に達したのか、

 

「全く・・・良いでしょう!このあたくし一人で、プリキュアを倒して上げてよ!あんたはそこで見物でもしてらっしゃい!!ハァァァ!!!」

 

 上空に、巨大な水の球体を作り始めるミズ・シタターレ、大気を振るわせるその力に、直ぐにブラックとホワイトも表情を引き締める。あの攻撃をまともに受ければ、この一帯は、壊滅的被害を受けるだろう。咲と舞達が愛するこの場所は、何としてでも守らなければ、だが、今のままでは、あの攻撃を防ぎきる力は自分達には無い・・・

 

 ブラックとホワイトの気持ちは一つになり、目を瞑り、手を握り合うと、

 

「私達の目の前に、希望を!」

 

「私達の手の中に、希望の力を!」

 

 ホワイト、ブラックの言葉を聞き入れたように、まるで生命の息吹を感じさせるような金色の光が、ブラックとホワイトの下に集まってくる。ブラックの右手に、ホワイトの左手に、スパークルブレスが装着される。漲ってくる力を現わすように、腕を回しながら構えたブラックとホワイトを見たキントレスキーの表情が変わった。

 

「私も力を貸す!あの力のプリキュアは侮れんぞ!!ヌゥゥゥゥン!!!」

 

 キントレスキーも力を溜め始めると、ミズ・シタターレは、憎まれ口を叩きながらも、何処か嬉しそうな表情を見せた。ブラック、ホワイトも険しい表情を浮かべると、

 

「ブラック、サンダー!」

 

「ホワイトサンダー!」

 

「プリキュアの、美しき魂が!」

 

「邪悪な心を打ち砕く!」

 

「「プリキュア!マーブルスクリュー!」」

 

 それと同時に、ミズ・シタターレ、キントレスキーの両名も、上空に集めた巨大な力を両手に集めると、

 

「さあ、滅びの力の前に消え去りなさい!!」

 

「行くぞ!プリキュア!!」

 

 二人から放たれた、滅びの凄まじき力が、ブラックとホワイトに迫る。それに合わせるように、ブラックが右手に、ホワイトが左手に力を込めて前に突き出す。

 

「「マックス~~!!」」

 

 二人の必殺技、マーブルスクリューが、キントレスキー、ミズ・シタターレに発射される。互いの攻撃が発射され、空間でぶつかり合う技と技、滅びの力の凄まじい攻撃に、徐々に押され出すブラックとホワイトの表情が歪む、

 

「オ~ホホホホ!さあ、滅びの力の前に消え去りなさい!!」

 

「プリキュア!覚悟ぉぉ!!」

 

 更に気合いを込める、キントレスキーとミズ・シタターレ、この戦いを見守るコロネの表情に、焦りが生まれてくる。

 

「不味いぞ・・・このままじゃここら一帯は・・・」

 

「信じましょう!彼女達の力を!!」

 

 コロネの体内に宿るフィーリア王女は、ブラックとホワイトならば、この窮地をも跳ね返すだろうと信じていた。

 

「私達は、負けない!!」

 

「滅びの力に、屈したりしない!!」

 

「あの娘達が必ず帰ってくるこの場所を・・・」

 

「「私達は、守って見せる!!」」

 

 ギュッと握り合う手と手に、力を込めた二人の闘志に応えるように、スパークルブレスが激しく回転し出すと、虹色の光が、稲光のようにマーブルスクリューに加わっていく。

 

「「スパークゥゥゥ!!!」」

 

 二人の掛け声と共に、どんどん威力を増し、オーロラを纏ったマーブルスクリューを受け、キントレスキー、ミズ・シタターレの放ったエネルギー弾は消え失せた。その凄まじき力に驚くミズ・シタターレと、満足気なキントレスキーは、

 

「こ、これ程までの力とは!?あたくし達も力を合わせるわよ!ハァァァ!!」

 

「うむ!ヌゥゥゥゥン!!」

 

 マーブルスクリューを両手で止めようとする二人、だが、その威力は凄まじく、二人は後ろに押しやられた。限界を向かえたミズシタターレが、虹の光に飲み込まれそうな時、ミズ・シタターレの背後に回ったキントレスキーが、彼女を分厚い胸板で庇いながら、マーブルスクリューを両手で耐え続ける。思わず見つめ合い、頬と頬を染めた二人を、マーブルスクリューは飲み込んでいった・・・

 

 

「やったぞ!あの二人が勝った!」

 

 見事に勝利したブラックとホワイトを見て、思わずコロネが喜び、強敵の二人を何とか倒したブラックとホワイトが、荒い呼吸を続ける。その場にしゃがみ込み、互いを見て笑むブラックとホワイト、

 

「何とか勝てたね!」

 

「ええ、でも強敵だった・・・」

 

 そこにコロネが近寄り、二人を激励した。

 

「お前達、よくやってくれたなぁ!一時はどうなるかと冷や冷やしたけどな」

 

 そう言うと口元に笑みを浮かべるコロネを見て、ブラックとホワイトは、変顔になりながら激しく動揺した。

 

「ホワイト・・・私、疲れてるのかなぁ?猫が喋ったような・・・」

 

「私にも聞こえたわ・・・咲さんの家で飼ってるコロネよね!?」

 

「ああ、そうだ!フィーリア王女の力のお陰で、こうしてお前達と会話している」

 

 俄には信じられない出来事に、二人は引き攣った笑みを浮かべるのだった・・・

 

 真顔になった一同の脳裏に、ダークフォールに向かった五人が浮かんだ、

 

「後は、あの娘達が無事に帰ってくるのを待つだけだね!」

 

「うん!ルミナス、ブルーム、イーグレット、そして、ブライト、ウィンディの五人なら、必ずダークフォールから無事に帰ってくるわ!!」

 

 ブラック、ホワイト、コロネは空を見上げ五人の勝利を信じる・・・

 

 

 

2、決戦!アクダイカーン!!

 

 その頃、ゴーヤーンによって、ダークフォールに強制的に移動させられたブルームとイーグレット、二人を追ったブライト、ウィンディ、ルミナスの五人は、静まりかえったダークフォール内に居た。

 

「何か不気味だねぇ・・・ゴーヤーンの奴の姿も見えないし・・・」

 

「ええ、何か企んでいるのかも知れないわね」

 

 辺りを警戒しながら歩を進めるブルームとイーグレット、その後に続くブライトとウィンディは複雑な気持ちで歩を進める。

 

 アクダイカーンの手により、自分達はこのダークフォールで生まれた。そして今、プリキュアとなって、二人はダークフォールに戻ってきた。そんな二人を労るように、ルミナスがその後に続いて歩いて行くと、

 

「ブルーム、イーグレット、ルミナス、其処から先には・・・アクダイカーン様が居る!!」

 

「私とブライトに・・・アクダイカーン様と話しをさせて!もう一度、もう一度だけ、アクダイカーン様に、緑の郷を滅ぼさないでくれるように頼んでみるわ!」

 

 思わず不安げに顔を見合わせるブルームとイーグレット、嘗て訪れた時、アクダイカーンは、満と薫を、自分の目的を果たす為に存在する者、そう言っていた事を思い出したのだった。だが、ブライトとウィンディの気持ちも理解出来る二人は戸惑うも、ルミナスが、二人に任せましょうと言う言葉に頷くと、

 

「分かった!ブライト、ウィンディ、無茶はしないでね!」

 

「直ぐに駆けつけるように、此処で待機しているわ!」

 

 ブルーム、イーグレットの言葉に頷いた、ブライト、ウィンディだけが先に歩を進める。

 

 見知った場所、嘗て自分達の命以上に大切な存在、アクダイカーンの居る場所に・・・

 

 泉の前の炎が燃え上がる先に、アクダイカーンは聳え立っていた・・・

 

 何者かの気配を感じたアクダイカーンが、辺りに闘気を発しながらそこに居た・・・

 

「何者だ!?」

 

「アクダイカーン様!私達です・・・満と薫です!」

 

「アクダイカーン様!私と満の話しを聞いて下さい!!」

 

「何!?満と薫だと?・・・その姿は何だ!?」

 

 現われた二人が、満と薫だと名乗った事に、アクダイカーンに戸惑いが生まれる。目の前に居る者は、嘗て見たプリキュアのような容姿をしている。その二人が、満と薫と名乗った事にアクダイカーンは混乱する。

 

「お前達はドロドロンと共に、プリキュアを倒しに向かった筈だ!それを、プリキュアのような容姿で戻って来るとは・・・何事だ!!!」

 

 アクダイカーンの一喝を受け、天井の一部が崩落する。慌てたブライトとウィンディが必死にアクダイカーンを説得に掛かる。

 

「アクダイカーン様、私と薫は、ゴーヤーンの策略によって、命を失いましました・・・」

 

「ですが、プリキュア達が、精霊達が、私達に新たなる力を与えてくれて、私達は再び生を受けました!!」

 

「私達は・・・プリキュアとして生を受け、生まれ変わったのです」

 

「アクダイカーン様、お願いです!緑の郷を!!」

 

「私達が大切な、命溢れる素晴らしい緑の郷を!!」

 

「「滅ぼさないで下さい!!」」

 

 必死にアクダイカーンに訴え掛ける二人だったが、アクダイカーンの唸り声と共に、再び天井が崩落し始める。尚も話しを続ける二人が、命の大切さ、素晴らしさをアクダイカーンに説く、

 

「生命は、何れ無に帰す儚い物です・・・何れは必ず滅ぶ、弱きものかも知れない・・・ですが、生命には限りがある!」

 

「だから生命は精一杯生きて、精一杯生きるから強いのです!!」

 

「黙れ!全てのものは無に帰る!!全ては無となり無こそ滅び、滅びこそ絶対なのだ!!」

 

 怒りの咆哮を上げるアクダイカーンに、ブライトとウィンディが問い掛けた。

 

「一つだけ教えて下さい!あなたは全ての命を滅ぼすと言う・・・」

 

「ならば何故、私達に命を与えたのですか?」

 

「「私達二人をお生みになったのは・・・アクダイカーン様、あなたです!!」」

 

 ブライトとウィンディが、同時にアクダイカーンを指差し問うと、アクダイカーンの思考が混乱する。全てを無にする筈のアクダイカーンが、生命を生む。無を、滅びを絶対と説きながら、有を作り出したアクダイカーンの行動は、確かに矛盾していた・・・

 

 我が、生命を産む・・・

 

 我が・・・

 

 アクダイカーンは、苦悩に耐え切れないかのように、力が暴走しだすと、怒りの矛先を、目の前のブライト、ウィンディへと向ける。

 

「黙れ、黙れ、黙れ!!満、薫、まさか、貴様らがプリキュアになるとは・・・許さん!我の役に立てぬのならば・・・貴様達も、滅びるがいい!!ヌゥゥゥゥン!!!」

 

 アクダイカーンは、右手に持つ水晶を黒い稲光で発光させると、前方に黒い滅びのエネルギーが集まっていく。アクダイカーンの目に炎が点った時、強大な滅びの力が、ブライトとウィンディに向かってくる。必死にアクダイカーンに訴え掛けるも、最早話しは決裂した事を、ブライトもウィンディも悟る。

 

 自分達はどうすればいいのか・・・

 

 戸惑う二人に、容赦なく滅びの力が迫る・・・

 

 二人の目の前に三つの影が現われ、強大なバリアーを張り、滅びの力を防ぎきる。

 

「ブライトとウィンディに、手出しはさせない!」

 

「私達が、守って見せる!!」

 

「ブライト、ウィンディ、あなた方は下がっていて下さい!プリキュアになったとはいえ、アクダイカーンと戦うのは、本意でないのでは?」

 

 ブルームが、イーグレットが、そして、ルミナスが、バリアーを張ってブライトとウィンディを庇った。ルミナスは、二人がアクダイカーンと戦うのは気が引けるのではないかと心配し、声を掛けるも、二人は首を振り、

 

「いいえ、私達も戦うわ!!」

 

「プリキュアとして、アクダイカーン様が、緑の郷を滅ぼすと言うのなら・・・私達は、全力で阻止するわ!!」

 

 三人の横に並び立つブライトとウィンディ、五人のプリキュアが、アクダイカーンと睨み合いになる。

 

「前に来た時は・・・私達は、アクダイカーンの力の前に敗れ去った・・・」

 

「ええ、でも今は違う!ブライトが、ウィンディが、ルミナスが居てくれる!!」

 

 ブルームとイーグレットが、仲間達を見て微笑みを向けた。ルミナスは初めて見るアクダイカーンの巨大さに驚くも、アクダイカーンに妙な感覚を覚えるのだった・・・

 

(あれが、アクダイカーン・・・でも、あの者からは生命を感じないのは一体!?)

 

「無こそ絶対!!我に仇為す者共・・・滅びよ!!!」

 

 アクダイカーンの力が暴走する。アクダイカーンの攻撃は、がむしゃらに発せられ、洞窟が崩壊を始める。

 

「皆さん、もう此処は持ちません!」

 

 ルミナスの叫びに頷いた四人が、アクダイカーンの居る洞窟から脱出する。アクダイカーンが居た洞窟は、巨大な地響きと共に崩壊した・・・

 

 外に出た一同、ブルームは灰色がかった空を見て、驚きの声を上げる。

 

「あの洞窟の外には・・・こんな景色があったなんてね」

 

「暢気に眺めている暇は無さそうよ・・・見て!」

 

 ブライトが指さす先に、巨大な影が聳え立っていた・・・

 

 アクダイカーン・・・

 

 暴走したダークフォールの主が、五人のプリキュアを睨み付けると、

 

「滅ぼす!滅ぼす!全ては滅びよ!!」

 

 暴走したアクダイカーンが、ダークフォールさえも滅ぼそうとするように、空間に亀裂が走る。その強大な力に、一瞬五人は怯むも、

 

「止めて!それ以上破壊を続けると言うのなら・・・」

 

「私達が・・・あなたを倒す!!」

 

 上空に舞い上がり、風の力と月の力でアクダイカーンに攻撃を加える、ブライト、ウィンディであったが、アクダイカーンの凄まじい攻撃力の前に、全て無効化される。

 

「ルルンは岩陰に隠れていて!ポルン、あなたも一緒に居て上げて!」

 

 ルミナスは、恐怖の余りミラクルコミューンから妖精の姿に戻って泣くルルンをあやし、ポルンと共に岩陰に隠れているように伝えると、アクダイカーンの強大ながむしゃらな攻撃から、バリアーを張って一同を庇い続ける。

 

「ホホホホ!その程度の攻撃では、アクダイカーン様に通じませんよ」

 

 五人の戦い様を、岩場の上から静観するゴーヤーンは、キャラフェを側に置き、含み笑いを浮かべる。

 

「あれは、プリキュラ達から奪った・・・こ、怖いけど・・・みんなの役に立つポポ!ルルンはここに居るポポ」

 

 ゴーヤーンに気づかれないように、チョコマカ移動するポルン、その後を、同じようにチョコマカ追いて行くルルン、二人の行動に気付いたブルームとイーグレットが頷き合うと、ゴーヤーン目掛け突撃してくると、ポルンとルルンの援護をする。

 

「ゴーヤーン、今までの借り、纏めて返してやるぅぅ!!ダダダダダ!!」

 

「ヤァァァァ!!」

 

 ブルームのパンチを、イーグレットの蹴りを、余裕で躱すゴーヤーンだったが、キャラフェから距離が開いたその時、

 

「今よ!ポルン!ルルン!!」

 

「ポポポポポポ」

 

 一気に岩場を駆け上ったポルンが、キャラフェを取返すと、そのまま勢い余って転がり落ちるものの、涙目になりながらも泣くのを我慢して、ルルンと共に逃げ始める。

 

「何ですとぉぉ!?小癪な真似を・・・ハァァァ・・・ハァ!!!」

 

 手にエネルギーを集めると、ポルンとルルン目掛け攻撃するも、

 

「二人には手出しさせません!ハァァァ!!」

 

 ルミナスが巨大なバリアーを張り、ポルンとルルンをゴーヤーンの攻撃から守る。ゴーヤーンは忌々しげな表情になるも、

 

「まあ良いでしょう・・・あなた方如きに、アクダイカーン様は止められますまい!後でじっくり取返すとしましょう!!」

 

 ゴーヤーンはそう言い残し、地中に消えるように姿を消した。

 

「ポルン、ルルン、ありがとう!良く頑張ったわね!!」

 

 ルミナスはしゃがみ込むと、ポルンとルルンの頭を撫でて上げると、二人は嬉しそうにニコニコ微笑んだ。ブルームとイーグレットも、キャラフェを取り返せて嬉しそうな表情を見せるも、

 

「あいつ・・・何でアクダイカーンに協力しないんだろう?」

 

「あの男には何かありそうね・・・ブルーム、ブライトとウィンディの援護に向かいましょう!」

 

 二人は飛翔し、アクダイカーンと戦うブライト、ウィンディの援護へと向かった。

 

 

 ブライト、ウィンディの連係攻撃をものともせず、アクダイカーンは、咆哮を上げながら二人を払いのける。吹き飛ばされたブライトをブルームが、ウィンディをイーグレットが抱き止める。肉弾戦では効果が無い事を悟った四人は頷き合うと、

 

「風よ、切り裂け!!」

 

「光よ!!」

 

 ウィンディの突風が、ブライトの巨大な光球がアクダイカーンにヒットしたのを見ると、ブルームはベルトに、イーグレットは左手に付いているハート形の中心部分にリングを装着し、ブライトはベルトに、ウィンディは左手に付く星形の中心部分にリングを装着する。

 

「「精霊の光よ!命の輝きよ!」」

 

 イーグレットとウィンディが叫べば、

 

「「希望へ導け!二つの心!」」

 

 ブルームとブライトが叫ぶ、

 

「「プリキュア!スパイラル・ハート・・・」」

 

「「プリキュア!スパイラル・スター・・・」」

 

「「「「スプラ~~ッシュ!!!!」」」」

 

 四人のプリキュアから発射された強大な光が、アクダイカーン目掛け発射されるも、アクダイカーンからも強烈な滅びの力が照射され、空中でぶつかり合う技と技、互いに雄叫びを上げ、力を込めるも、アクダイカーンの威力が勝り、四人が吹き飛ばされる。

 

「ブルーム!イーグレット!ブライト!ウィンディ!」

 

 吹き飛ばされた四人に駆け寄るルミナス、更なるアクダイカーンの攻撃からバリアーを張り、懸命に四人を守り続けた。

 

「ありがとう、ルミナス!負けない・・・あんたに何か、滅びの力に何か負けない」

 

 歯を食いしばり、立ち上がるブルームに刺激されたように、イーグレットが、ブライトが、ウィンディが立ち上がり、

 

「「「「私達は負けない!!」」」」

 

 四人の魂の叫びに応えるように、フラッピが、チョッピが、ムープ、フープが、それぞれのパートナーの脇に並ぶと、

 

「月の力!」

 

「風の力!」

 

「大地の力!」

 

「大空の力!」

 

 四人の精霊の力が、プリキュアへと集まっていく・・・

 

 四人のプリキュアは、目を瞑りその力を受け入れると、

 

「精霊の光よ!」

 

 イーグレットが、

 

「命の輝きよ!」

 

 ウィンディが、

 

「希望に導け!」

 

 ブライトが、

 

「全ての心!」

 

 ブルームが、

 

 力を受け入れた四人の全身が金色に輝くと、

 

「「「「プリキュア!スパイラル・ハ~~ト」」」」

 

「「「「スプラッシュ・スタ~~!!」」」」

 

 花鳥風月・・・

 

 四人の精霊のプリキュアから放たれた、強大な光のエネルギーと、アクダイカーンの放った強大な滅びの力が、再び激突した!!

 

「滅びよ!滅びよ!滅び・・・グオォォォォ!!」

 

 四人から発せられた、強大な光のエネルギーは、アクダイカーンの攻撃を貫き、アクダイカーン本体をも光の輝きの中に包み込む。断末魔の悲鳴を上げるアクダイカーンであったが・・・

 

 

「まさか・・・アクダイカーン様を打ち倒すとは!?計算が違いましたねぇ・・・」

 

 再び姿を現わしたゴーヤーンが、アクダイカーンを戦闘不能に追い込んだプリキュアの凄まじき力に驚くも、どこか余裕を浮かべていた。

 

「ゴーヤーン!アクダイカーンは私達が倒したわ!」

 

「次はあなたの番よ!!」

 

 ブルームとイーグレットがゴーヤーンを指さすと、ゴーヤーンは笑い声を上げ、

 

「やれやれ、所詮はカラクリ人形という事でしょうかねぇ?良いでしょう!お相手して差し上げますよ!!」

 

 ゴーヤーンが五人の前に降りて来るも、ボロボロのアクダイカーンが動くのを見て、驚愕する一同、

 

「あの攻撃を受けて、まだ動けると言うの?」

 

「皆さん、見て下さい!アクダイカーンの中身は・・・空洞になっています!!」

 

 ブライトが驚き、ルミナスは、アクダイカーンの中身が、何も無い空っぽの状態を指さすと、一同は困惑した。

 

「これは・・・」

 

「一体どういう事なの?」

 

 ブライトが、ウィンディが、生みの親であるアクダイカーンの姿を見て混乱すると、

 

「ホホホホ、先程申し上げたでしょう?カラクリ人形だとね!アクダイカーンとは・・・この私が作り上げたのですよ!!」

 

 ゴーヤーンの言葉に一同が凍り付く、ダークフォールの支配者アクダイカーンは、ゴーヤーンが作り上げた存在だと言う・・・

 

 一同にとって、俄には信じがたい話しであった。ゴーヤーンは愉快そうに笑いながら、

 

「でしたら、証拠をお見せしましょうか?満殿と薫殿はご存じでしょう!アクダイカーンの前に、常に炎が揺らいでいた事を・・・あれこそが、アクダイカーンの命なのですよ!!命の炎をこのように・・・揉み消せば・・・」

 

 ゴーヤーンは、揺らめく炎を一気に握り潰し消滅させると、アクダイカーンの巨体は、瓦礫が崩れるように粉々に朽ち果てた。

 

「どんなものでも、いつかは滅びる。例外はありませんよ?ホホホホ!!」

 

 アクダイカーンの最期を、愉快そうに笑い続けるゴーヤーンの姿に、怒りの咆哮を上げたブライトとウィンディが、ゴーヤーンに突進するも、ゴーヤーンは素早く躱し、逆に二人にエネルギー波を浴びせ、二人を吹き飛ばす。直ぐに体勢を整えたブライトとウィンディの側に集まる、ブルーム、イーグレット、ルミナスだったが、尋常ではない事態に、ルミナスは、ポルン、ルルンをコミューン状態にして、その身にしっかり装備し、フラッピ達も再びコミューン姿になり、それぞれのパートナーに治められた。

 

「やれやれせっかちですねぇ・・・とは言え、アクダイカーンの馬鹿者が、派手にダークフォールを壊してしまいましたからねぇ・・・あなた方との戦いの場は、変更致すとしましょう・・・ヌゥゥゥン!!」

 

 ゴーヤーンは、両手に強大な滅びの力を加え、天井高く一気に発射すると、ダークフォールを完全に消滅させる。

 

 一同は、次元の波に飲まれ姿を消した・・・

 

 

3、ゴーヤーン、その真の力!

 

 悲鳴と共に地上に落下する五人のプリキュア達、顔面から落下したブルームの上に、次々落ちてくる他の四人、その都度ブルームは悲鳴を上げる。

 

「ウゥゥ・・・潰れるかと思った・・・此処は一体!?って、あれは、ひょうたん岩?」

 

「私達、緑の郷に戻って来たの?」

 

 一同が驚いたように辺りをキョロキョロすると、海の上からゆっくり一同の下に近寄って来るゴーヤーンを見て、表情が険しくなる。ゴーヤーンは口元に笑みを浮かべながら、

 

「そうですよ!どうせなら、太陽の泉のある・・・緑の郷で決着を付けるのも良いと思いましてねぇ・・・ですが、あなた方のその体力で、この私と戦うのは無謀だと思いますがねぇ?」

 

「黙りなさい!私達は負けない!!」

 

「ゴーヤーン、アクダイカーン様までも利用するお前を・・・私達は絶対に許さない!!」

 

 ゴーヤーンの言葉に、ブライトとウィンディが叫び、ブライトはベルトに、ウィンディは左手に付く星形の中心部分にリングを装着する。

 

「精霊の光よ!命の輝きよ!」

 

「希望へ導け!二つの心!」

 

「「プリキュア!スパイラル・スター・・・」」

 

「「スプラ~~ッシュ!!!!」」

 

 ゴーヤーン目掛け放たれるブライト、ウィンディの必殺技だったが、ゴーヤーンから放たれた滅びの力が、二人の攻撃を飲み込み、二人を吹き飛ばした。

 

「「キャァァァ!」」

 

「ブライト、ウィンディ、よくもぉぉぉ!!」

 

 二人を攻撃され、雄叫び上げたブルームと、上空に舞うイーグレットがゴーヤーンに肉弾戦を仕掛けるも、二人の攻撃は完全にゴーヤーンに見切られ、隙を見せた所を、ゴーヤーンのエネルギー弾の直撃を食らい、堤防に激しく激突する。

 

「ブルーム、イーグレット、ブライト、ウィンディ、みんな大丈夫ですか?」

 

 四人を心配するルミナスが間に入りゴーヤーンと睨み合いになるも、

 

「ホホホホ、あなたの守りの力は、たいしたものですよ!ですがね、アクダイカーンの攻撃を防ぎ続けた疲労は、隠しきれませんねぇ・・・これでお仕舞いにしましょうかね?」

 

 ゴーヤーンは、右手の人差し指に力を込めると、黒い塊はどんどん巨大化していき、

 

「さあ、止められるものなら・・・止めてご覧なさい!!」

 

 ゴーヤーンから放たれた巨大な黒い塊が、五人のプリキュアへと迫る。何とかバリアーを張ろうとするルミナスだが、ゴーヤーンの攻撃を完全に塞ぐのは難しかった。五人の顔から冷や汗が垂れる。

 

 だが・・・

 

 

 

「ハァァァァァ!!」

 

「ヤァァァァァ!!」

 

 雄叫びを上げながら、上空から飛来した二つの人影が、稲妻を纏った蹴りで、黒い塊を突き抜け粉砕し、五人を守るようにゴーヤーンの前に現われた。

 

「お待たせ!みんな、良く無事で帰ってきてくれたわね!!」

 

「海岸の辺りから、あなた達と邪悪な気配を、ミップルやメップルが感じ取って、駆けつけて来たの!」

 

 一同を振り返り、右手の親指で合図を送りながら、みんなが無事に帰ってきたのを喜ぶブラックと、一同の気配を感じてやって来たと語るホワイト、五人は、頼もしき仲間の出現に、思わず顔が綻んだ。ブラックは再び正面を向くと、忌々しそうな表情を浮かべるゴーヤーンを見て、表情を険しくする。

 

「あいつは、ゴーヤーンだよね!アクダイカーンはどうなったの?」

 

 ルミナス、イーグレットが、大体の説明をブラックとホワイトに伝えると、二人も驚愕し、再びゴーヤーンを険しい表情で見つめた。

 

「やれやれ、またあなた方ですか?まあ、あなた方がキントレスキー殿やミズ・シタターレ殿を倒す事は予想していましたがね・・・あの二人は、言わば捨て駒!あなた方を分断する程度には、役に立ってくれましたがね・・・アクダイカーンが、そこの五人さへ始末していれば、私もあなた方をゆっくり葬る事が出来たのですがねぇ・・・全く、どなた様も役に立たない者ばかりで、私もホトホト困ってしまいますねぇ」

 

 苛立ちを抑えるかのように、ゴーヤーンは、ブラックとホワイトを挑発するように話し出すと、仲間を道具のように扱うゴーヤーンに、ブラックも、ホワイトも怒りを覚えるのだった。

 

「あんた、あいつらの仲間何でしょう?何でそんな酷い事言うのよ!敵とは言え、あの二人は死力を尽くして私達と戦った!」

 

「あなたの発言・・・許す訳には行かない!!」

 

「誰も許してくれとは頼んで居ませんよ!プリキュアの皆さんが勢揃いした事ですし、あなた方に一つ、お話しをして差し上げましょう・・・遙か昔の事です!私は、あなた方が戦って居た、ジャアクキングとも戦った事があるのですよ!あの時は、痛み分けに終わりましたがねぇ」

 

 ゴーヤーンは、ブラック、ホワイト、ルミナスを見て、口元に笑みを浮かべた。

 

 ゴーヤーンがジャアクキングと戦って居た?

 

 一同は、ゴーヤーンの言葉を呆然と聞き入っていた・・・

 

 

「ジャアクキングとの再戦に備え、私は、力を蓄える為この姿になった。私の代りを勤める者が必要になりましてね、私は、ダークフォール、並びにアクダイカーンを作り上げた!アクダイカーンの命の炎から、カレハーン、モエルンバ、ドロドロン、ミズ・シタターレ、キントレスキーが生まれた。皆当初は、ジャアクキングとの戦いに備えて組織したのです。ですが、ジャアクキングは別の者達との戦いに明け暮れた・・・クイーンの力を受け継ぐ者、伝説の戦士プリキュア!つまり、あなた方ですなぁ!!」

 

 口元に笑みを浮かべたゴーヤーンが、ブラック、ホワイト、ルミナスを見る。

 

「お陰で助かりましたよ!こちらの戦力を消耗する事無く・・・この世界を滅ぼす為の行動を起こせたのですから・・・まあ、アクダイカーンが、満殿と薫殿という存在を、自ら作り上げたのは驚きましたがね」

 

 ブライト、ウィンディの脳裏に、ダークフォールに居た頃の記憶が走馬燈のように流れた。自分達は、アクダイカーンの行ないこそが、全てだと思い込んでいたあの頃を・・・

 

 二人は、五人の頼もしい仲間達を見ると、

 

(私達には、大切な仲間達が居てくれる!命の尊さを教えてくれた、大切な仲間達が!!)

 

(ええ、ブライト!私達には、咲や舞、なぎさやほのか、ひかり、ムープ達が居る)

 

 ゴーヤーンは、更に言葉を続けると、

 

「そして私は、全ての生命を司ると言われる世界樹、世界樹を潤わす為に必須な泉の郷、太陽の泉、フィーリア王女の存在を突き止めた。全く不愉快ですよねぇ?生命など・・・私の静寂の邪魔者でしかありませんからねぇ!ですが、もういいです・・・この私自ら、全てを滅ぼす事にしましたから・・・さあ、見なさい!この私の真の姿を!!ハァァァァァァァァ!!!」

 

 ゴーヤーンの体内から、力が溢れてくる・・・

 

 地球は、その力を恐れるかのように、大気を振るわした・・・

 

 徐々に増大していく黒き邪悪なオーラが、ゴーヤーンの姿を変えていく・・・

 

 キントレスキーすらも凌駕する屈強なる体軀、額からは巨大な一本の角を生やしたその姿、邪悪の権化のようなその容姿に、七人のプリキュアに緊張が走った・・・

 

 

「な、何だ?海岸の方で禍々しい力が・・・」

 

「これは・・・緑の郷が危ない!私達も海岸に向かいましょう!!」

 

 コロネはフィーリア王女の言葉に頷き、大急ぎで海岸へと走っていった・・・

 

 

「お待たせしましたね!これが、真の私の姿です!!待たせた代わりに、あなた方にハンデを与えましょう・・・3分間、私は腕組みしたまま、一切の攻撃を仕掛けない事を約束しましょう!!では、始めましょう!!!」

 

 ゴーヤーンは、プリキュア達をコケにしたように、口元に笑みを浮かべ勝負を開始すると、

 

「馬鹿にするなぁぁ!!ダダダダダダダダ!!!」

 

 真っ先に突撃したのはブラック、ブラックのパンチがゴーヤーンの顔面に炸裂するも、ゴーヤーンは微動だにしなかった。加勢するようにブルーム、ブライトも連続パンチをゴーヤーンのボディに加えるも、

 

「さあ、1分過ぎましたよ!これがあなた方の力ですか?」

 

 尚も挑発するゴーヤーン、ホワイト、イーグレットも加わりパンチ、キックの連打を浴びせるも、微動だにしなかった・・・

 

「みんな、離れて!風よ、切り裂け!!」

 

「光よ・・・闇を打ち抜け!!」

 

 強烈な突風が、強大な光のエネルギーが、ウィンディ、ブライトから発せられるも、ゴーヤーンは腕組みを解こうとはしなかった・・・

 

「さあ、2分過ぎましたよ!」

 

 プリキュア達に焦りが浮かぶ、顔を見合わせた一同は、頷き合うと、

 

「ブラック、サンダー!」

 

「ホワイトサンダー!」

 

「プリキュアの、美しき魂が!」

 

「邪悪な心を打ち砕く!」

 

「「プリキュア!マーブルスクリュー!」」

 

 ブラックが右手に、ホワイトが左手に力を込めて前に突き出す。

 

「マックス~~!!」

 

「「精霊の光よ!命の輝きよ!」」

 

 イーグレットとウィンディが叫べば、

 

「「希望へ導け!二つの心!」」

 

 ブルームとブライトが叫ぶ、

 

「「プリキュア!スパイラル・ハート・・・」」

 

「「プリキュア!スパイラル・スター・・・」」

 

「「「「スプラッ~~シュ!!!!」」」」

 

 渾身の力を込めたブラック達、ブルーム達の攻撃がゴーヤーンに直撃する。

 

だが・・・

 

 

「3分!!さあ、今度はこちらから参りますよ・・・」

 

 連携技さえ、全くダメージを与えられない一同は呆然とするも、遂に3分が過ぎ、ゴーヤーンが攻撃を開始する。

 

 その圧倒的スピードに、目を奪われた瞬間、ブライトとウィンディの悲鳴が響き渡り、慌ててそちらを見る一同は、ゴーヤーンの右手にブライト、左手にウィンディの頭を鷲掴みにし、今にも二人の頭を潰そうとするゴーヤーンの姿があった。

 

「止めろぉぉぉぉ!!」

 

「二人を離してぇぇ!!」

 

 ブルーム、イーグレットが突撃するも、ゴーヤーンは二人を掴んだままブルームとイーグレットに強烈な蹴りを浴びせて海中に蹴り飛ばす。このままでは、ブライトとウィンディが殺される・・・焦るブラックは、ホワイトを見ると、

 

「クッ・・・ホワイト、もう一度さっきの技・・・行くよ!!」

 

「ええ・・・これ以上好きにはさせない!!」

 

 スパークルブレスが回転しだすと放電し、ブラックとホワイトの身体を包んでいく。上空高くジャンプしたブラックとホワイトの足下が、凄まじき放電を浴び、

 

「「ヤァァァァァァ!!」」

 

 ブラックとホワイトが、その勢いのままゴーヤーンに急降下の蹴りを放つと、ゴーヤーンの手は弾かれ、ブライトとウィンディはそのまま地上へと落下して行くのをルミナスが抱き止める。何とかブライトとウィンディを助けたものの、

 

「全く・・・忌々しい奴らですね・・・消えろ!!」

 

 瞬時に放ったゴーヤーンのエネルギー弾の直撃を受け、波打ち際に吹き飛ばされるブラックとホワイト、追い打ち攻撃をしようとするゴーヤーンに、海中から飛び出したブルームとイーグレットのパンチを受け、ゴーヤーンは攻撃を外すものの、ブルームとイーグレットを腕で払いのけて、防波堤に叩き付ける。

 

「何・・・何なの、あいつ!?」

 

「ゴーヤーンが・・・あんなに強いなんて・・・」

 

 ブルームが、ブライトがゴーヤーンの強さに驚愕するも、その顔に諦めは見られなかった・・・

 

 

 7人のプリキュアは、顔を見合わせると・・・

 

 ルミナスから発せられた虹の光が、ブラックとホワイトを包み込む。

 

「漲る勇気!」

 

 手を回転させながらブラックが構え、

 

「溢れる希望!」

 

 ブラックと同じように手を回転させホワイトが構えた。

 

「光輝く絆とともに!」

 

「「エキストリーム!!」」

 

「ルミナリオォォ!!」

 

 フラッピ、チョッピ、ムープ、フープがそれぞれのパートナーの横に並び立つと、

 

「月の力!」

 

「風の力!」

 

「大地の力!」

 

「大空の力!」

 

 四人の精霊の力がプリキュアへと集まっていく・・・

 

 四人のプリキュアは目を瞑りその力を受け入れると、

 

「精霊の光よ!」

 

 イーグレットが、

 

「命の輝きよ!」

 

 ウィンディが、

 

「希望に導け!」

 

 ブライトが、

 

「全ての心!」

 

 ブルームが、

 

 力を受け入れた四人の全身が金色に輝くと、

 

「「「「プリキュア!スパイラル・ハ~~ト」」」」

 

「「「「スプラッシュ・スタ~~!!」」」」

 

 七人のプリキュアから発せられた、強大な光のエネルギー波は、ゴーヤーンが発した衝撃波をものともせず、ゴーヤーンの身体を包み込んだ。

 

「グゥオォォォォォォォアァァァァ」

 

 断末魔の悲鳴を上げるゴーヤーンに、全ての力を使い果たしたプリキュア達が、膝から崩れ落ちるも、互いを見て笑顔を向けた。

 

 だが・・・

 

 ゴーヤーンは生きていた・・・

 

 今のプリキュア達が放った、最強の技を食らいながらも、ゴーヤーンは生きていた・・・

 

「この俺が・・・一瞬とはいえ、死を、死を思い浮かべるとは・・・許さん・・・絶対に許さんぞぉぉぉ!!!」

 

 海岸で膝を付いたまま呆然とする一同に、ゴーヤーンは、連続光弾を浴びせ続けた。光弾が止んだ時、変身を解除された少女達が其処には横たわっていた。

 

 もう少女達に、ゴーヤーンと戦う力は残っては居なかった・・・

 

 

4、伝説を超えた少女達

 

 ゴーヤーンの前に、プリキュアは敗れ去った・・・

 

 変身を解除された少女達は、意識はあるものの、起き上がる力さえ残っては居なかった・・・

 

「死に損ないとはいえ・・・止めを刺してくれる!!」

 

 ゴーヤーンは力を溜め始めると、一気に少女達目掛け、強烈なエネルギー波を発した。その時、ひかりが持っていたキャラフェが光輝くと、バリアーを放ち少女達を守った。

 

「ゴーヤーン、これ以上好き勝手にはさせません!」

 

 駆けつけたコロネの背から力を解放し、緑の郷で実体化したフィーリア王女が姿を現わす。

 

「ほう、ようやくお出ましですかフィーリア王女?ですが、あなたの希望の戦士は、そのような無様なままですよ!それに、今更キャラフェなど・・・何の役にも立たない!!」

 

 ゴーヤーンはそう言うと、連続光弾を浴びせ、キャラフェを吹き飛ばすと、キャラフェはクルクル回転しながら海へと落下した。

 

「しまった!?」

 

 動揺したフィーリア王女の姿を訝しむゴーヤーン、背後が輝きを発したその時、海は金色に輝いた。

 

「あれは・・・まさか?」

 

「そうです・・・緑の郷に広がる生命の源、海こそが、太陽の泉そのものだったのです!」

 

 咲の問い掛けに、苦渋を満ちた表情のフィーリア王女が答える。

 

「フハハハハハ!こんな場所に隠してあったとは・・・王女もお人が悪いですなぁ?では、太陽の泉と共に・・・滅びて貰いましょう!!」

 

 ゴーヤーンの手から、絶望的な一撃が太陽の泉に発せられた・・・

 

 海は枯れ果て・・・

 

 地上は、生命の息吹を感じさせない、静寂なる無と変わり果てた・・・

 

 少女達は、世界の終焉を目の前にしながら、何も出来なかった事に対し、悔し涙を浮かべた・・・

 

「そんなぁ、太陽の泉が枯れたら・・・世界樹も完全に枯れ果て、緑の郷も、泉の郷も・・・」

 

「もう、もう二度と元には戻せないチョピ」

 

 フラッピとチョッピが涙ながらに一同に語った・・・

 

 もう、緑の郷を、泉の郷を、救う手段は無いのだろうか・・・

 

 

 

「良いですね!これこそが私が待ち望んでいた世界!!何と素晴らしい!!ですが・・・まだ、邪魔者が残っていますねぇ!!」

 

「ゴーヤーン!彼女達にこれ以上手出しはさせません!!」

 

 ゴーヤーンの攻撃を防いだフィーリア王女は、少女達と妖精達を大空の樹の下に強制移動させるも、力を使いすぎたのか苦しそうな表情を浮かべる。

 

「コ、コロネ・・・ゴメンなさい!あなたを守る力は、私にはもう・・・」

 

「気にしなさんな!咲達を命懸けで守ってくれたあんたを・・・俺が守って見せる!!」

 

 全身の毛を逆立ててゴーヤーンを威嚇するコロネ、ゴーヤーンは、そんなコロネを鼻で笑い、消し去ろうとしたその時・・・

 

 

 

「私達・・・守れなかった!」

 

「もう私達には、ゴーヤーンと戦う力は残って居ないの?」

 

 なぎさが、咲が、今の無力な自分達を嘆き悲しむ、大空の樹も枯れ果て、一同の心を悲しみが覆った・・・

 

 花も、鳥も、風も、光も無い、無の世界・・・

 

 その時、フラッピとチョッピがある事に気付き、思わず言葉にした。

 

「土が・・・土があるラピ!」

 

「空が・・・空があるチョピ!」

 

「「「「「「「エッ!?」」」」」」」

 

 フラッピとチョッピの言うように、地上には土が、どんより淀みながらも空が確かに存在した・・・

 

 花を咲かせる事ができる土が、鳥が飛べる空が、雲の向こうには月が、きっと風も吹くだろう。そしてその先から、希望の光は必ず差すだろうと言うフラッピ達四人の言葉を裏付けるように、今、天空から光が舞降りた・・・

 

 

 

「馬鹿な!?あなたはクイーンか?」

 

 驚愕するゴーヤーンの目の前に、巨大なる光の園のクイーンが降臨する。クイーンの聖なる力は、再びフィーリア王女に力をもたらした・・・

 

「あなた様は・・・光の園のクイーン!」

 

「はい、虹の園は、私にとっても大切な場所・・・あなたの好きなようにはさせません!そして、彼女達の心は、完全に折れては居ません!再び立ち上がり、最後には必ずあなたを倒す事でしょう!!」

 

 クイーンは、穏やかな表情で枯れ果てた大空の樹を見つめた・・・

 

「これ以上、虹の園をあなたの好きにはさせません!!」

 

 クイーンが、フィーリア王女が、力を解放し、滅びの力を抑えに掛かった・・・

 

 

 

「ほのか、ひかり、クイーンが、クイーンが来てくれたよ!」

 

「ええ、私達の希望は、まだ絶たれていない!」

 

「はい、まだこの身を動かせる限り」

 

 なぎさが、ほのかが、ひかりが、クイーンの登場に勇気づけられたように、ヨロヨロ立ち上がる。

 

「そうだよ、全てのものに生命は宿る」

 

「この星に残っている全ての精霊達よ!」

 

「全てのモノに宿る精霊達よ!」

 

「お願い!私達に・・・」

 

「「「「力を貸して!」」」」

 

 大空の樹が、少女達の叫びに応えるように光輝くと、

 

 咲が、舞が、満が、薫が立ち上がる!

 

 フラッピ達四人は、緑の郷に残って居るだろう精霊達を取り込み始めると、

 

「月の力!」

 

「風の力!」

 

「大地の力!」

 

「大空の力!」

 

 眩しい光が七人の少女達を包み込んでいく。暖かな光の中で、徐々に力を感じる少女達、メップル達が、フラッピ達が、コミューン姿になると再び少女達が叫んだ・・・

 

 

 

「「デュアル・オーロラ・ウェーブ!」」

 

「光の使者・キュアブラック!」

 

「光の使者・キュアホワイト!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「ルミナス、シャイニングストリーム!!」

 

「輝く生命、シャイニールミナス!光の心と光の意志、全てをひとつにするために!」

 

「「デュアル・スピリチュアル・パワーッ!!」」

 

「花ひらけ大地に!!」

 

「はばたけ空に!!」

 

「輝く金の花!キュアブルーム!!」

 

「きらめく銀の翼!キュアイーグレット!!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「「デュアル・スピリチュアル・パワー!!」」

 

「未来を照らし!」

 

「勇気を運べ!」

 

「天空に満ちる月!キュアブライト!!」

 

「大地に薫る風!キュアウィンディ!!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

 七人の少女達が、再びプリキュアへと変身する。光の園のプリズムストーンは、彼女達の思いに感応したかのように、天空から七色の虹が舞降り、一同を包み込んだ。力を受け入れた少女達の背に黄金の翼が、そして、光輝く衣装を身に纏った・・・

 

「力が・・・溢れてくる!」

 

「今まで感じた中でも、桁外れな力が・・・」

 

 ブラックが、ホワイトが、ゆっくり目を開けて呟く、

 

「精霊達が、プリズムストーンが、私達の思いに応えてくれました!」

 

 ルミナスの言葉に一同が頷くと、ブルームは、ゴーヤーンの居る海岸をキッと睨むと、

 

「行こう!みんな!!」

 

 今、ゴーヤーンとの決着を付けるべく、伝説の戦士を超えた、七人のプリキュアが飛び立った!!

 

 

「クイーン、フィーリア王女、如何にお二人が揃おうとも・・・滅びの力の前には、無力なのですよ!」

 

 両手を掲げ、力を込めたゴーヤーンの頭上に滅びの力が集まってくる。巨大な負のエネルギー体が、クイーン、フィーリア王女に放たれようとした時、

 

「「ヤァァァァァァァ!!!」」

 

 ブラックとホワイトの凄まじいダブルキックを受け、負のエネルギーは跡形もなく打ち消された。

 

「な、何だとぉぉ!?」

 

 驚愕するゴーヤーンに対し、上空で静止したイーグレットと呼吸を合わせるかのように、

 

「風よ!」

 

 ウィンディの発した風に乗るように、イーグレットがその勢いのままゴーヤーン目掛け急降下の蹴りを放つと、その身体は稲妻のようにゴーヤーンを吹き飛ばす。更に地上に居たブライトが、

 

「光よ・・・ハァ!」

 

 ブライトが発した巨大な閃光弾がゴーヤーンにヒットし、すかさず懐に飛び込んだブルームが、パンチの連打を浴びせ続ける。

 

「ダダダダダダ!」

 

 ブラックも加わり、怒濤のラッシュを決めるブラックとブルーム、先程息も絶え絶えだった一同が、この短期間に、さっき以上の力を付けている事に驚愕する。

 

(グッ、何故さっき以上の力が・・・)

 

「調子に乗るなぁぁぁ!!」

 

 雄叫びを上げたゴーヤーンが、二人の手を取り投げ飛ばすも、二人は空中でクルクル回転し体勢を立て直す。上空から入れ替わるように連続蹴りを浴びせるホワイト、イーグレット、ウィンディ、ゴーヤーンは、腕をクロスして何とか耐えると、雄叫びを上げて三人を吹き飛ばし、瞬時に一同に先程浴びせた連続エネルギー弾を浴びせるも、ゴーヤーンの攻撃は、ルミナスによって完全に光の壁で防がれた。

 

 ゴーヤーンの表情が驚愕する・・・

 

「お前達・・・たった数分の間に!?認めん、認めんぞぉぉ!滅びの力こそ、絶対なのだ!!」

 

 逆上したゴーヤーンが、一同を一人づつ吹き飛ばすと、

 

 上空に舞い上がったゴーヤーンが、全ての滅びの力を集めるように、ゴーヤーンの頭上に巨大な暗黒の球体が出来上がる。

 

「もう・・・いい・・・この星ごと、何もかも消えてなくなれ!!!」

 

 ゴーヤーンから放たれた強烈な一撃、地球など一溜まりも無いような一撃が振り下ろされる。七人のプリキュア達は頷き合うと、後方に下がったルミナスのハーティエルバトンから、凄まじい虹の光が一同に浴びせられた。

 

「漲る勇気!」

 

 ブラックが、

 

「溢れる希望!」

 

 ホワイトが、

 

「この星に宿りし!」

 

 ブルームが、

 

「全ての生命よ!」

 

 イーグレットが、

 

「今、プリキュアと共に!」

 

 ブライトが、

 

「全ての力を解き放て!」

 

 ウィンディが、

 

「光と生命の思いを込めて!」

 

 ルミナスが、

 

「「「スターライト!!」」」

 

 ブラック、ホワイト、ルミナスが、

 

「「「「スプラ~~ッシュ!!」」」」

 

 ブルーム、イーグレット、ブライト、ウィンディが、

 

 今、究極の虹色の星の輝きが、究極の滅びの力と激突した・・・

 

 空間で激しくぶつかり合う力と力・・・

 

「馬鹿な、この攻撃を止めるだと!?ふざけるなぁぁ!!!」

 

 激高したゴーヤーンが、更に力を込めると、再び押され出すプリキュア達、スパークルブレスが、スパイラルリングが激しく回転し出すと、虹色の星の輝きは滅びの力を打ち消しゴーヤーンを完全に飲み込んだ。

 

「こ、こんな馬鹿な!?だが、私だけ死にはしない・・・貴様らも・・・」

 

 朽ち果てていく身体から、必死に手を伸ばすゴーヤーン、

 

「ゴーヤーン!確かにあんたは強いよ!」

 

「でも、どんなに強い滅びの力でも」

 

「絶対に消せないものがある!」

 

「私達の心から、希望を消す事は出来ないわ!」

 

「私達の未来を!」

 

「皆の希望を!」

 

「あなたに何か」

 

「「「「「「「絶対に渡さない!」」」」」」」

 

 ブラックが、ホワイトが、ルミナスが、ブルームが、イーグレットが、ブライトが、ウィンディが、一人一人ゴーヤーンに語り掛ける。七人の咆哮が一つになった時、

 

「「「「「「「マックス・スタァァァー!!!」」」」」」」

 

 七人のプリキュア達が、雄叫びを上げながら咆哮すると、ゴーヤーンの身体は完全に消滅した・・・

 

 

 精霊が解放され、滅びた世界は元の世界へと戻って行く・・・

 

 人々の笑顔が・・・

 

 生き物の鳴き声が・・・

 

 そして、泉の郷の7つの泉が輝きを発し、蘇る世界樹・・・

 

 大空の樹も、生命溢れる安らぎの樹として甦るも、その姿は別な樹と重ねて見えた・・・

 

 その樹こそ、世界樹・・・

 

 全ての生命を司る樹・・・

 

 世界樹・・・

 

 それは、私達の住む身近にあるのかも知れません・・・

 

 

 

5、絆は永遠に・・・

 

 大空の樹の下、変身を解いた少女達を、クイーン、そして、力を取り戻し実体化したフィーリア王女が称えていた。フィーリア王女が離れた事で、コロネは再び元の猫に戻っていた。咲はコロネを抱きながら、

 

「いえ、私達だけの力だけでは、ゴーヤーンには勝てませんでした!」

 

「そうね、みんなの力が、全ての生命が、私達に力を貸してくれたからの勝利だと思う」

 

 舞も咲の言葉に同意するも、

 

「いえ、その力を引き寄せたのは、間違いなくあなた達のお陰です!なぎさ、ほのか、ひかり、そして、咲、舞、満、薫、ありがとう!!あなた方は、伝説の戦士プリキュアを超えた、正に究極の戦士・・・ですが、その力を二度と使う日が来ない事を祈っています!!」

 

 クイーンはそう言い残し、再び光の園へと帰って行った。なぎさ、ほのか、ひかり、そして、メップル達は名残惜しそうに、光が消え去るまで手を振り続けた。

 

「フラッピ、チョッピ、ムープ、フープ、メップル、ミップル、ポルン、ルルン、あなた方もご苦労様でした!皆さんのお陰で・・・世界樹は完全に甦る事が出来ました!!」

 

 そう言うと、フッと暮れ落ちた空に浮かぶ星を眺めたフィーリア王女は、

 

「綺麗ですねぇ・・・かつて世界は、生命が存在しない暗黒だったそうです・・・しかし、ビッグバーンと共にそこに生命が生まれました。クイーンも、私も、その中の一人

!無数の星も生まれ、暗い世界をお互いに照らし合った。そんな星達のように、あなた方も、互いを大切に想う心で照らし合い、輝いているのですねぇ・・・星空の仲間達、あなた方にピッタリな言葉だと、私は思います!!」

 

 フィーリア王女の言葉に頷くように、笑い合う一同、フィーリア王女も微笑み返すと、

 

「ありがとう、皆さん・・・二度と世界樹を枯らさないように、私もあなた方のように見守っていきます・・・」

 

 フィーリア王女は、大空の樹に吸い込まれるようにその姿を消した・・・

 

「フィーリア王女は、世界樹の精霊ラピ」

 

「そ、そうだったの?」

 

 フラッピの言葉に驚く咲、一同は、もう一度大空の樹を眺めた・・・

 

 フラッピは、チョッピ、ムープ、フープを呼ぶと、何かを相談し合うも、

 

「嫌ムプ!満と離れる何て・・・嫌ムプ!」

 

「フープだって、嫌ププ」

 

 泣きながら満と薫の胸に飛び込むムープとフープ、満と薫は、突然泣き出したパートナーの頭を優しく撫でて上げた。

 

「ムープ、フープ、これはしょうが無い事ラピ!フラッピだって、フラッピだって、本当は・・・咲と別れたく無いラピィィ」

 

「チョッピだって・・・舞と別れるのは、辛いチョピィィ」

 

 コロネは空気を読んだのか、咲から飛び降りると、その直ぐ後で、フラッピが咲の胸にしがみついて泣き、チョッピも舞の胸にしがみついて泣き出した。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!?どうしたの、四人共?咲達と別れるって!?」

 

「フラッピ達は、泉の郷の精霊ミポ」

 

「メップル達は、この虹の園で生涯暮らすと決めたけど、精霊達には使命があるメポ」

 

 なぎさの言葉に、ミップルとメップルが、フラッピ達の心を代弁するように語り出す。

 

「精霊は・・・万物を見守る存在ミポ、フラッピ達も・・・自分達が守護する物を見守る必要があるミポ・・・」

 

「そんな、じゃあ、泉の郷に帰っちゃう・・・って言うの?」

 

 フラッピの事を、ジッと見ながら咲が問うと、フラッピは唇を噛みしめ頷いた。咲の脳裏に、フラッピとの出会いの日々が、走馬燈のように流れ込む、見る見る涙に暮れる咲、舞も、満も、薫も、涙に暮れた・・・

 

「私だって・・・嫌だよ!フラッピと別れる何て・・・」

 

 咲の言葉に、なぎさとほのかは、メップル、ミップル、ポルンが永遠の眠りに付くと別れた出来事を思い出す。あの時、自分達もどれ程悲しんだ事か、咲達四人の心を思うと、胸が痛んだ・・・

 

「咲・・・笑って送り出して欲しいラピ!」

 

「フラッピ・・・そうだね、フラッピ達には、新たなる使命が待ってるんだし・・・でも、これだけは覚えておいて・・・私達は、あの空に浮かぶ星空の仲間達何だよ!例え離れていても・・・絆は永遠だからね!!」

 

「咲ぃぃ!」

 

「フラッピィィ!」

 

 互いに抱き合い、涙を流す咲とフラッピ、舞とチョッピ、満とムープ、薫とフープ、なぎさ達も、そんな一同を涙ながらに見つめていた・・・

 

 四人の精霊達は、涙を拭い大空の樹から、泉の郷へと帰って行った・・・

 

 そんな四人の姿が消え去っても、少女達とメップル達は手を振り続けた・・・

 

 また再会出来る日を信じて・・・

 

 

                  エピローグ

 

 月日は流れる・・・

 

 なぎさ、ほのかは、ダークフォールとの戦いを終え、念願だったラクロス部、科学部にようやく入部する・・・

 

 ひかりは、前以上にアカネの店TAKO CAFEの仕事を頑張っていた。そして、弟のひかるも、ザケンナーコンビの意思を引き継いだかのように、幼いながらも店の手伝いを頑張っていた。

 

 舞の絵に刺激された薫は、美術部に入部し、その才能を開花させていた。

 

 咲は、新キャプテンとしてソフト部を引っ張る中、満が入部し、夕凪中学ソフト部は、投の咲、打の満を中心に、前回以上の強さを持って更なる上へと目指す・・・

 

 

 

 そして・・・大空の樹の前で、再び勢揃いした仲間達・・・

 

 ユニフォーム姿の咲と満を中心に、咲の隣に舞が、満の隣に薫が、四人の後ろになぎさ、ひかり、ほのかがにこにこ笑い合う、その前では、メップル達、久しぶりにやってきたフラッピ達が、優勝トロフィーを嬉しそうに抱え、はしゃぎ回っていた・・・

 

 大空の樹は、そんな一同を見守り続けた・・・

 

 

           ふたりはプリキュアMax☆Star

                  完結

 




 ふたりはプリキュアMax☆Star如何だったでしょうか?
 なぎさ達と咲達の世界が繋がっていたら、なぎさ達はどう動くか?
 そんな事を思いながら書き始めたのがこの作品でした!
 読んでくれた皆さん、お気に入りして下さった皆さん、ありがとうございました!!
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