ツヴァイウィング大好き娘、追っかけ続けて装者になる   作:わらぶく

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ちょっと長くなってしまいました。
申し訳ない。


少女はその身に聖遺物を纏う

「アヤメちゃん、そのスピーカーはこっちに設置して、それはあっちね」

 

「は、はいぃ~~……」

 

 あれから三ヶ月、今日は以前奏さんから教えてもらったライブの日。三ヶ月の間何をしていたかというと、ただひたすらに翼さん指導の木刀持って素振りと、奏さん指導のランニングの日々だった。

 おかげでぷにぷにだった二の腕とふくらはぎに筋肉が付いて、ボディラインが結構引き締まってきた、ような気がする。

 

 いや、肺活量とかは鍛えられたよ?

 でもねでもね、体の動かし方とかは知っても運動音痴だから、まともに体を動かせないんだよ。悲しくない?

 

 それで、今は私の『天叢雲剣』の起動実験をするらしい。

 聖遺物にはフォニックゲインという不思議物質が大量に必要になるらしく、音楽──主に歌によって発生するという。それを確保するために、今回万単位の観客を動員するツヴァイウィングのライブを利用するのだそうだ。

 それに伴って、ネフシュタンの鎧という聖遺物も覚醒させるらしい。

 

 複雑すぎて、私の頭はもう爆発しそう。

 ちなみに私の現在地はライブ会場の舞台裏。人型で意識があって、これまでの私の素行が良かったことが考慮されて、フォニックゲインを近くに感じられる場所に配置された。

 時刻は十一時ぐらい。ライブ開始は夕方からだけど、もうステージ入り口には大勢の人間が長蛇の列を作っていた。

 

「了子さん。このピンマイクはどこに?」

 

「ああ、それはアヤメちゃんのマイク。あなたの二人に対する熱意、私たち研究員が見てるわよ~♪」

 

「ひぇ……」

 

 にっこりというか、にんまりというか……。

 底の知れない優しい笑みというのが正しい表現かな、というぐらいには恐ろしい笑顔だった。

 

 とりあえず、言い渡されていた機材運びは終わり。

 どすんとコード類が詰まったケース類を置いて、私が出来る準備はこなした。後は準備が終わったことを了子さんに伝えて、私は暇な時間を過ごさなければならない。

 なら奏さんと翼さんを応援させてよぉ!

 

「よっアヤメ、様子見にきたぞ」

 

「か、かにゃでさんッ!?」

 

 背後から不意打ちのハグと耳打ち……ッ!?

 あぁ、りゃめぇ……幸せすぎて、しにゅぅ~~……。

 

「あっはは! ほんと、アヤメってアタシの声に弱いよなぁ。『大好きだぞ』とか言ったら、死ぬんじゃないか?」

 

「アッ!! そ、それは私の今際の際に囁いてもらえると……。地獄にも天国にも行かずにすぐ浄化されますから……」

 

「今際の際って、アヤメの方が若いんだからアタシより長生きするだろ」

 

「いやいや、こう見えて自分、鍛えられる前まで貧弱だったので割りとすぐポックリ逝くかもしれませんよ」

 

 自慢ではないが、二課に来るまで不摂生の塊のような人間だった。寝不足で何度も倒れるし、貧弱の中の貧弱として付いたあだ名が『茹でられたモヤシ』だ。

 お願いだから生の硬いモヤシにしてほしかった……。

 

 なんて宣っていると、奏さんに頭を手で押さえられる。

 わしゃわしゃっと髪が乱されて前が見えなくなったが、何よりも奏さんに触ってくれたという事実が嬉しい。

 

「あんまり悲しいこと言うもんじゃないぞ~、アヤメ。アタシのファンに死なれるなんて、そんな悲しいものないからな」

 

「あはは……。四十歳は生きてみせます。

 その時は是非とも『大好き』と耳打ちしてもらえると……」

 

「アタシがお婆ちゃんになったら言ってやるよ」

 

「お婆ちゃんになるまで一緒に居ても良いとッ!?」

 

 なんという至福か!

 一生添い遂げられるとか、ファンとして本望では?

 

 とは言っても、私なんかが奏さんの側にずっと居られるとは思ってない。たかが一ファンとして応援し続けることだけが、私が奏さんに出来る奉仕というか捧げ物というか。

 流石の私も一線は弁えている。

 

「はははッ、三ヶ月でかなり仲が深まったようだな、二人とも」

 

 私がある意味の告白をしているところに、赤い背広を着た弦十郎さんと側に控える翼さんがやってきた。

 

 というか興奮のし過ぎで見てなかったけど、二人とも翼を模したアイドル衣装に変わっていた。奏さんはオレンジ色で翼さんは青色。揃ってみると、やっぱりこの二人は昔からこうあるべしと決められていたようにピッタリだ。

 

「弦十郎さん、翼さん、おはようございます!」

 

「おはよう。今日も良い挨拶だアヤメくん」

 

「おはようアヤメ。また奏にからかわれていたの?」

 

「翼、それは違うぞ。アタシはいつものようにアヤメと遊んでただけだって。な?」

 

「は、はひっ。お、お願いだから、耳で囁くのはやめてくだしゃい……」

 

 私にばかり構っているせいか、翼さんがむっとしてこっちを見つめている。

 

 いや違うんです翼さん。全ては奏さんが発端なんです。

 だからそんな『奏を取られた』みたいな顔しないでください!

 

「どうしたんだ、翼?」

 

「……何でもない」

 

「???」

 

 ごめんなさい、ホントごめんなさい。

 ツヴァイウィングのお二人の間に挟まるのは、ファンから極刑として即刻処されてしまうので、お許しをぉ~……!

 

 私にはこの空気をどうしようもないけど、そこはやはりコミュ力オバケの奏さん。私と翼さんの間に入って、すぐに取り持ってくれる。いやまあ今回の原因は九割九分奏さんのせいではあるが。

 

「翼もアヤメも、アタシにとっちゃ二人とも大事な人間なんだがら、どっちも仲良くしてほしいんだ」

 

 そんなイケメン台詞を吐いて、奏さんは私と翼さんをまとめて抱き寄せる。こんなん落ちるに決まってるやん。

 隣では翼さんが顔を真っ赤にしながら、魚みたいに口をパクパクさせている。可愛い。

 

 パッと放されて、体が自由になる。

 全身を包む奏さんの温もりがスゴすぎていろいろとヤバイ。

 

「はははッ、三人とも仲が良さそうで何よりだ。

 それで奏と翼には悪いが、二人には一度席を外してもらえると助かる」

 

「えー、何でだよ?」

 

「『天叢雲剣』の起動実験において伝えなければならないことがあるのでな。これはアヤメくんの安全にも関わってくる」

 

「それなら外さないとな。翼、楽屋で弁当でも食べよう!」

 

「うん!」

 

 お二人は仲良くして楽屋に行った。

 私のその背中を見送って、弦十郎さんの話を聞くために気をしっかりと引き締める。

 その弦十郎さんは、とても険しい顔していた

 

「さてアヤメくん、改めて確認するぞ。

 今回我々二課が目的とするのは、君の中に眠っている『天叢雲剣』と『ネフシュタンの鎧』の二つの聖遺物の起動だ。どちらも慎重な作業が必要となるが、特に慎重にならざるを得ないのは君の『天叢雲剣』になる」

 

「私の、ですか?」

 

「そうだ。聖遺物に詳しい了子くんでさえ分からない、人体に埋め込まれた聖遺物だ。はっきりと言ってしまえば、起動すれば何が起こるかが想像もつかない。起動後も安全なら良いが、体を突き破って出てくるかもしれん」

 

「ひぇ……」

 

「だから君に言っておく。起動実験中、体に異常が起きたときはすぐに連絡すること。そうすれば君へとフォニックゲイン供給を止め、直ちに医療班が展開する。一歩遅れた対処になってしまうが、必ず君の命は守ってみせよう」

 

 いや、怖いな聖遺物。

 とはいえ弦十郎さんが私の身を案じてくれているのは、いくらバカな私でも理解している。二課の偉いさんとしてのプライドみたいなのがあるんだろう。その辺りは私も全く心配していない。

 ただ、何が怖いかというと、私がその聖遺物に体を乗っ取られるようなことがあったらということ。それこそ何が起きるのかが分からないのが聖遺物らしく、特に私は特別事例ということで前例というものが使えない。

 

 もし死んでしまうなら苦しめず、すぐに殺してほしい。

 誰がもがき苦しみながら死にたいもんですか。

 あ、でもお母さんはどうしようか……。

 

「あ、あの弦十郎さん」

 

「どうした。アヤメくんの不安を和らげられるなら、出来る限り質問に答えよう」

 

「質問とかじゃないんです。

 もし、もしですよ? 起動実験の最中で私が死んじゃうようなことがあれば、お母さんのことお願いします。何の自慢にもなれない私だけど、私からすれば自慢のお母さんなんです。お願いします。それさえ約束してくれたら、私は起動実験を最後までしっかりやり遂げられそうです」

 

「……君の覚悟、承知した。我々も全力を尽くす。

 そして君のお母さんのことも任せておいてくれ」

 

「ありがとうございます!」

 

 力強い目付きで弦十郎さんが頷いてくれた。

 それだけで、私は今回の実験で何が起きても大丈夫な気がする。

 こんな女オタの私でも、お母さんは大事だからねッ!

 

 

 

 

 

 弦十郎さんからの諸注意を受けて、とうとう本当に暇になってしまった私はライブ会場の雰囲気を味わうために、通用路を歩いていた。いつもなら早起きして朝から並んでいた私が、今回は舞台裏側。

 いや、私の実力で来たわけではないから、別に誇れるようなことではないんだけども。

 

「あ、あの!」

 

「え、は、はい!」

 

 いきなり呼び止められて、いつもの感じで返事をしたけど、声は明らかに少女の声だった。後ろに振り返ってみれば、私と同じぐらいの背丈の女の子が立っている。

 こんなに初々しい子を見るのは久しぶりで、私の初ライブ時を思い出す。あの時は確かに小六か中一か、だったかな? 目の前の子は正にその時の私の動きをしている。

 

「ライブ初めて?」

 

「あ、は、はい。私、友だちと一緒に来る予定だったんですけど、その友だちに予定が入って私に一人来ることになって……」

 

 なるほど、よくある奴だ。

 私も何回か経験のある。こういう時に限って、親戚が怪我したり病院に入ったりするんだよね。私自身はないんだけど、誘った友だちが来れなくなったなんてことはよくある。

 でも、やっぱりお二人のライブを見に来たのなら楽しんでもらいたい。ライブはノリと勢い、そして笑顔でいられれば万々歳! 楽しむことが一番の目的よッ!

 

「大丈夫、そういう時は友だちの分も楽しんじゃいましょう!」

 

「ええっ!?」

 

「せっかくライブに来たんです! 楽しまないと損損! そう言えばライブは初めてでしたね? なら、この私がライブの諸注意とマナーを教えてあげましょう!」

 

 それからの私は、女の子にライブでの心意気をひたすらに教えていた。こう見えても私はツヴァイウィングのライブは全制覇してるからね!

 最初こそ私の熱量に押されぎみだった女の子も、途中から楽しみを知って意気投合するように話が盛り上がる。

 

「分かりましたか?」

 

「はいっ!」

 

「お近づきの印として一つ、私の推しは天羽奏さんです。赤い髪のすっごいイケメンボイス出す人ですよ」

 

「天羽奏さん……ッ! 分かりましたッ! いってきます!」

 

 めっちゃ笑顔で駆け出していく彼女。

 これで奏さん推しの同志が増えたと内心で喜びながら、私も舞台裏に帰ることにした。

 

 ……あっ、名前聞くの忘れてた。

 オレンジよりの黄色い髪で毛先に癖のある子、見た目覚えてたら会うことあるかな?

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなでもう夕方、ライブ開催前ですよッ!

 さっきチラッと覗き込んだら、やっぱり観客席は全部埋まってた。やっぱりツヴァイウィングはスゴいんだと確認して、私は今ちょっとした装置の中にいる。六角柱の広い部屋で、中には大きなモニターとたくさんのスピーカー、そして服の胸元に付けたピンマイク。

 装置にはたくさんのパイプとコードが繋がっていて、そこからフォニックゲインが送り込まれてくるという。

 

 初めての環境でライブ鑑賞という、スッゴい緊張する場面で何度も深呼吸をする。幸いなことは、目が気にならないように部屋の壁はマジックミラーにしてくれたことか。

 

『アヤメちゃん、ライブ開始一分前よ。準備は良いかしら~?』

 

「は、はひっ! め、めっちゃ緊張中です!」

 

『ほら、深呼吸深呼吸。いつものように、二人を応援してあげて』

 

「いつもの応援、応援……よしっ!」

 

『さぁ、ライブが始まるわッ!!』

 

 了子さんの楽しそうな声が聞こえたあと、スピーカーからは大音量でツヴァイウィングの曲『逆光のフリューゲル』が流れ始め、モニターにはライブ会場が映る。

 そこでは空から会場に降り立つお二人の姿。惚れ惚れするようなパフォーマンスを見せつけるお二人に、私はもう緊張というものを失った。

 

「奏さーんッ!!」

 

 ペンライトを握り締め、大きく腕を振りながらジャンプ!

 ダンスを踊ったあと、その声で歌い始める。

 

『フォニックゲイン、上昇中』

 

「翼さん、こっち見てくださーいッ!!」

 

 見えるわけも、聞こえることの無い密室。

 はたから見たら変人と思われてしまうが、私は今目の前のモニターに映るお二人を力強く応援する。万単位の歓声は凄まじいものがあり、私もまるでそこに居るような高揚感に襲われる。

 

 そしていつもの体質がやってきた。

 興奮のし過ぎで目の前が真っ白になっていく。ただ、いつもと違うのは私の意識は完全に消えきらないということ。ふわふわとした浮遊感に頭が真っ白になっていくが、完全に染まりきらなかった。

 やっぱりライブは良いですねぇ!

 しかも私の応援の声が聞こえてるみたいで、たまにカメラ目線になるとパチッ☆とウインクをしてくれた。

 こんなん死ねるわ。

 

「はっ、はっ……こんなの私どうにかなっちゃうよぉ……」

 

『フォニックゲイン急上昇! それにより明乃菖蒲さんの体温、バイタル、心拍共に急上昇しています! 間も無く『天叢雲剣』起動予測値のフォニックゲインに到達します!』

 

『アヤメちゃん、体の方に異変は無い?』

 

「え? えっと、特には無いですけど──」

 

 ブシャリッ!!

 お二人の歌声、観客の歓声が満たす装置の中に、突然似つかわしくない音が鳴り響いた。肉を裂くような、あまり聞きたくない音。頭が真っ白になりつつある中で、私はお腹にやってくる激痛に対してその場に踞ることしか出来なかった。

 

 痛い、痛い……!

 昔からよく怪我するとはいえ、こんな痛みは初めて。 

 

 

『アヤメちゃん、聞こえるッ!?』

 

「了子さん……? あの、さっきから私すっごいお腹痛いです……トイレ行った方がいいですかね……?」

 

『アヤメちゃん、落ち着いて聞いて……。

 今、あなたのお腹から『天叢雲剣』が突き出ているわ』

 

「……へ?」

 

 そんな馬鹿なと、お腹の方へ手を向けてみれば、指先にコツンと硬いものにぶつかった。目を向ければ、黒色の刀みたいなのがお腹から突き出ていて、引き抜こうとするとすっごい痛い。

 内蔵が全て引っ張り出されるようみたいな、吐き気もめまいも一気に襲ってきて、立っているのが辛くなっていた。それでもお二人の歌声が聞こえてきて、おかげで心が安らぐ。

 

「お二人の応援をしなきゃ、いけないのに……ッ!」

 

『菖蒲さんの身体に異常発生ッ! バイタル急低下ッ!』

 

『実験中止実験中止ッ! 医療班展開しろッ!』

 

 弦十郎さんが何か怒鳴っている……。

 でも、お二人がライブで頑張っているのに、私が一人ヘバッてるなんて出来るわけないでしょうが……ッ!

 

「まだ、大丈夫です……ッ! がふッ!」

 

『そんなわけないだろッ!!』

 

「こんなところで……ッ、ギャァッ!?

 エグッ、ぅぁぁぁぁああああああッ!?」

 

 ダメだ、お腹と口から血が止まらない。

 体の内側からも千切られていくような感覚、不思議と痛みが収まってきたけどそれでも痛いことに変わりはない。

 ブシャリ、ブシャリと私の体が食い破られていく感覚。

 お腹どころか腕、肩、腰から生えてくる刀が、私の脂肪と筋肉を断ち切ってくる。意識が丸ごと持っていかれそうだけど、そんなこと私が許さない。

 

 お二人のライブ、まだ頑張っているのに。

 私一人がこんなところで死んでたまるか。

 

「死ねるか……ッ! 死ねるかぁぁぁぁぁッ!!」

 

 無理やり形にする。無理やり押さえつける。

 聖遺物なんぞに、私のツヴァイウィング人生を奪われてたまるかッ! 奏さんに、耳元で『大好き』と言ってもらうまで死ぬかと決めたんだッ!!

 

『菖蒲さんのバイタル急上昇ッ!? 同時にアウフヴァッヘン波形を確認! 聖遺物起動、来ますッ!!』

 

「アアアアアアアァァァァァァァァ──ッ!!」

 

 喉が裂けてしまいそうな甲高い声。

 だけど痛みとかは全部消え去って、私の体は一気に軽くなっていく。体から突き出ていた刀は全部私の体に纏わりつく皮膚みたいに変わっていって、パチンと心地の良い破裂音が聞こえた。

 

『天叢雲剣……安定しました。ネフシュタンの鎧を起動、安定しました』

 

『アヤメくん! 体は無事かッ!?』

 

「は、はい……。痛みはなくなりました。

 あと、刀が肌にぴったりくっついて……」

 

 おかしな表現かもしれないけど、私にはそうとしか言えなかった。体を見回してみれば、黒色のボディスーツと装甲みたいなのが体の所々に付いてる。

 

『それが聖遺物、天叢雲剣よアヤメちゃん。弦十郎くん』

 

『ああ……ここに起動実験の成功を宣言する。

 皆、よくやってくれたッ!』

 

 成功したみたいだ、良かっ──

 

『いえ、待ってくださいッ!

 『ネフシュタンの鎧』の出力が異常を示していますッ! このままでは暴走を──』

 

 それを最後に、私と弦十郎さんたちを繋ぐ無線が死んだ。というか装置の中の機材が全部死んだみたいで、モニターもスピーカーも皆動いていない。

 せめて弦十郎さんか了子さんと連絡を取りたい。

 だけど装置から出た私を迎えたのは。

 

 ──キャアアアアアアアアァァァァァァッ!!

 

 私の耳を引き裂きそうな、悲鳴の嵐だった。

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