怪盗三人組+αが主人公でデビルマン要素が若干見えた。
初代と罪罰にならって銃と近接武器ってのに戻ったのか、ふむ。
一体何処のDMCだ
「なんだって!?知っているのか、白い人!」
「白い人ってなんだよ、しーくん。ああそうだ、俺っちは少なくともエクスカリバーと因縁がある」
正士郎の茶々に過剰反応したらしいフリードは激情したようには見えなかったので、まだ冗談を冗談と認識できるほどの余裕は残っていたらしい。それを確かめる為に正士郎が行なったかは定かではないが、少なくとも一誠にはそう見えた。天然なところがある正士郎が意図して冗談を吐く時は何時だって何らかの意図があってのこと。あざといものを見て即座に反応し、「あざとい!」と言いに行くほど一言多いところがある弟だ、それくらいやらかしても彼らしいといえよう。
「エクスカリバーと因縁がある、といわれれば私も黙ってはいられないな」
「ゼノヴィアも?」
「ああ。少なくとも、私はエクスカリバーに適正があったから選ばれたんだ。たぶん、そちらのフリードとやらもそうなんだろう」
「なぁ、兄ちゃん」
「どうした、弟よ」
「正直、今回僕ら関係なくね?」
「大丈夫です、しーくん。私もです」
話に置いてきぼりにされた兵藤兄弟は空を見上げる正士郎に対し、一誠はその肩にポンと手を置いた。エクスカリバーと聞けば、死んだ魚の目をしているウザい方、或いは腹ペコ王の方のどちらかしか思いつかなかった分、兵藤兄弟はウルティマブレスレット(仮定)を見て首を傾げていた。主に兄のほうである、高校生になってウルティマブレスレット(仮定)をつけて喜んでいる弟の無邪気さに愛おしさを覚えていいものかと珍しく悩んだ。
珍しい一誠の様子に白音は首を傾げながら、アホ毛を風で揺らしている同級生の裾を引っ張りながら正士郎を見上げる。大体何かを察したのか、正士郎が何かを言わんとしているのに気づいて正士郎に屈ませて耳打ちさせた。一触即発に何故か少しずつなりつつある幼馴染の連れがフリードとやらとなりそうにあったので一誠が止めようか迷ったところ、イリナが一誠に声をかけた。
「そういえば、イッセーくんさ」
「?どうした、イリナ?」
「私が居なくなった後、しーくんとなにをしていたの?あと、おばさんとおじさんは?」
「それは…・・・」
久しぶりに再会したこともあって思い出話に花を咲かせるのは当然のことだが、一誠は口を噤んだ。イリナは悪意を持って言ったつもりはなかっただろうが、それにしてもタイミングが悪すぎる。イリナが海外に行ってから両親が死んだとは言えず、そして正士郎と高天原の岩戸でタケハヤスサノオの元で修行を行っていたとも言えない。今の彼女は協会の人間なのだ、かつては幼馴染だったとはいえ、刃を向けないとも限らない。
「色々あったんだよ、俺たちにも」
「だろうねえ。だって、しーくんも背が高くなったしね!」
「二人とも、何の話?」
「ううん、しーくん気にしなくていいよ!私が居なくて寂しかったって話!」
「単刀直入に言うが、タケハヤスサノオの直属の百鬼夜行にエクスカリバーの破壊を依頼したい」
「マジで?それ俺ちゃんも入ってるぅ?」
このままだと話が朝まで終わりそうにないと思ったのか、ゼノヴィアは正士郎の手を取って告げた。百鬼夜行のリーダーは一誠だった気がするが、しかし自分だったような気もする正士郎。呆気に取られた後、ゼノヴィアが無意識に行っていることに怒りを示したのか頬を膨らませている。フリードが正士郎に尋ねると、「入ってんじゃねえの?って僕ちん思うよ」と返した。その後、会計を済ませて『あわじしま』を出ると、何故かゼノヴィアに迫られて壁に追われた正士郎の姿があった。後ずさりしていくうちに壁際へとやってきたのだが、別に正士郎は頼んだわけでもない。シリアスが続けられないらしい彼らに呆れる白音であったが、ゆらりと正士郎の影が揺らめいて金髪の吸血鬼――キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが姿を現した。
まだそのシーズンではないが、そのスタイルに映える浴衣をまとって。
「つまるところ、さっさと破壊しに行けばいい。そういうことじゃろう?正士郎」
「アッ、ハイ」
「…・・・イッセーくん、あの影から出てきた人としーくんとの関係について詳しく」
「三行で良い?」
「できるの?」
「任せろ
しーくんが
拾ってきた最強の吸血鬼!だってさ」
一誠の決死の今北産業に眉を顰めながら、イリナは正士郎がキスショットに頭をポンポンされているのが気に食わないらしい。どうも、イリナは正士郎にブラコンな姉としての自覚が沸いているらしく、アーシアがまた怒るのではないかと思っていれば、キスショットと打ち解けていた。
「おや、小娘。正士郎、うぬの携帯食か?」
「ケイタイショク?セイシロウ、ケイタイショクってなんですか?」
「姉さんは気にしなくていいよ」
なんとなく仲間はずれにされたような気がして気に食わないのか、アーシアが正士郎の頭をポカポカ叩くとキスショットは珍しいものを見る目で眺めている。吸血鬼である彼女にとっては人間同士の絡みは人間で言うところのペットが絡み合っているのを見るのと似た気持ちなんじゃなかろうか。そんなことを考えながら、珍しく弟を網膜に刻む作業をやめて止めに向かった一誠だった。
※※※
TAKAMAGAHARA社長室。
高天原にある本社のそこではタケハヤスサノオが浴衣姿で十六年前に起きた、謎の飛行物体墜落事故の書類を眺めていた。当時はタケハヤが正士郎を発見し、義理の両親である兵藤夫妻と赤龍帝・兵藤一誠のいる家の前に置いたのが全ての始まりだった。あの出会いがなければ百鬼夜行は生まれなかったかもしれないし、現在のタケハヤのフランクな様子は見られなかっただろう。兵藤兄弟との出会いは良くも悪くもタケハヤスサノオという神を変えてしまったらしい。それが兵藤兄弟の魅力であり、内包する力ではなかろうかと考える。
「ねえ、社長」
「ん?どうした、秘書ちゃん」
「その書類って社長のお気に入りの弟のだよね?天から飛来してきたときの」
「ああ」
レイナーレはリクルートスーツに身を包み、伊達メガネをかけて定位置としてタケハヤのデスクに座る。褒められたことではないが、この位置はタケハヤがレイナーレに薦めた位置であり、それ以外にタケハヤがレイナーレに席を用意しなかったというのもある。レイナーレがタケハヤの見ている資料に覗き込むと、現在の駒王町のある場所での飛来物体の記録を読んでいるようだった。
今となってだが、レイナーレも正士郎をハニートラップに嵌めたことをそれなりに反省はしている。悪ければ悪魔の眷属になるか、それともその場を治めていると主張する悪魔によって殺されてもおかしくなかったからだ。構ってちゃんなタケハヤは手がかかることはあるが、それでも以前の職場に比べればレイナーレの欲しがっていた評価をきちんとしてくれるし、レイナーレの身の上話をアマテラスに脅されているとはいえ、真摯に聞く姿勢がある。タケハヤが読んでいる資料の中に見つけた、一つの単語の中にふと気にかかるものがあった。
「ねえ、社長。このクリプトナイト、ってのは?」
「ああ、これか?クリプトナイトってのは鉱石らしいな。ある種族の星を破滅に追いやった、と婿養子の奴が言っていた」
「ふうん、…・・・珍しく社長、真面目なのね」
「まあな。なんせ、これは俺の部下にとっては大切なことだから」
部下想いとタケハヤは言うが、おそらくは正士郎や百鬼夜行のためだろう。タケハヤを父親のように慕う彼らを慕われて嬉しいタケハヤが見過ごすはずがない。しかし、レイナーレはここでふと気づく。正士郎が兵藤家に来る前は一体、何処で生まれたのか?タケハヤが連れて来る前に居た場所とは。そこでレイナーレは気づいてしまった、正士郎の『故郷に』。
「まさか、その星ってのは・・・・・・」
「ああ。しーくんこと、兵藤正士郎。つまりは俺の部下の暮らしていた惑星、クリプトン星のクリプトン人を滅ぼした鉱石だ。全く、この地球上にクリプトナイトが使われているなんて吃驚したぜ。ご丁寧に変な名前を付けてだな」
「