吟遊詩人がオラリオに来たそうです。   作:プラス九

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 なんか思いついたので、書いてしまった。

 読んでいただいてありがとうございます。


ある酒場にて

 とある日の豊穣の女主人にいつも通りサボり、もとい探偵業をこなしたアーニャは戻って来た。準備時間で、店主のミアが外出していることも調べている。

 こっそり店内に入ると、様子がおかしい。普段なら夜の営業の為忙しなく働いている同僚達によって賑やかだが、あまりにも静かすぎる。

 アーニャの目に映ったのは、クロエ、ルノア、リューの驚いて固まっている姿だった。おそらくまだ、気づかれていないと判断し、三人の視線の先を除く。

 視線の先には、シルのお気に入りの白髪頭こと、ベル・クラネルが倒れ伏していた。おそらく何者かにやられたものだと、アーニャの天才的な知能に閃きが起こる。

 

「うにゃ〜!事件がミャーを呼んでるニャ!」

 

 アーニャの大声に三人が漸く気付き、批難の目線を向ける。

 

「おミャーらは、動いたらダメニャ!動いた者が犯人ニャ!ミャーはこんな事件を待っていたのニャ!」

 

 名探偵アーニャの登場に誰もが呆れていたが、そんな事はどうでも良かった。

 

「白髪頭が倒れている中、この場にいるのは三人だけ、おミャーらの誰かが犯人ニャ!」

 

 ドヤ顔で自慢の頭脳で弾き出した推理を披露する。アーニャは恐る恐るベルに近づくと周辺の様子を検める。

 

「白髪頭が持っているのはスプーン。そして近くの机にあるのはシルの作った料理。この中の誰かが白髪頭に食べさせたのはミャーの華麗な頭脳の前では隠せないニャ!」

 

 確実にアーニャの観察眼により、事件の成行が明かされていく。

 

「そ、それなら、シルが冒険者君に食べさせたのかもしれないよ」

 

「バカだにゃー。この料理?を、まだミャーは味見させられてるないニャ。ならこれは完全な新作。それを白髪頭にすぐに食べさせるなら、ミャー達が今まで苦しむ事はなかったはずニャ!」

 

 ルノアの反論も、アーニャは的確な推理で見事に切り崩される。相変わらずのドヤ顔のアーニャに三人とも苛立ちが隠せそうにない。

 

「こうなったら、素直に説明しましょう」

 

「ニャ!?リュー、まさか裏切るのかニャ?」

 

「いえ、こうなったらアーニャも道連れです。遅かれ早かれシルかミア母さんが戻ってくるでしょう。それまでに解決しなければ」

 

 アーニャには、リューとクロエのやり取りから少し不穏な言葉が聞こえた気がしたが、名探偵の前にはそんなものは通用しない。呑気に考えるアーニャの頭脳はまさに一生懸命働いていた。

 

「ことの発端は最近話題になっている吟遊詩人からシルがレシピを聞いたことから始まりました」

 

「そうニャ。料理が苦手な人でも簡単に美味しく作れるからと言って、シルが作り始めたニャ」

 

「でも、完成したら用事があるからって出て行って、味見だけ任されたわけ」

 

 リュー、クロエ、ルノアは打ち合わせしたかのように順番に説明をしていく。

 

「しかし、シルの聞いた料理は誰も知らない料理でした」

 

「ミャー達から見ても、聞いたやつと絶対違うものが出来上がってしまったと気づいたニャ」

 

「誰が死ぬ……じゃなくて味見するか話し合ってたら、クロエが冒険者君を見つけて」

 

「説明を聞いたクラネルさんが自ら立候補を」

 

「それで今に至るにゃ」

 

 経緯を聞いたアーニャは冷や汗をかく。シルのことは関係ないが、このままの状況でミアが帰って来れば確実に怒られる。その上、仕事をサボった……探偵業をしていたアーニャに怒りが向くのは自明の理だった。

 

「うぅ……」

 

 ベルが気がついたのか声を上げる。近くにいたアーニャは必死に肩を揺らす。

 

「うっ、ここは?あれ、アーニャさ……ん?」

 

 献身的な?介護が良かったのか、ベルはアーニャと目線が合う。

 

「アーニャさん、大好き!」

 

 突然、ベルはアーニャに抱きついた。アーニャは奇声を発しているが、残りの三人に戦慄が走る。

 

 シルにバレる前にどうにかしないと。

 

 以心伝心出来たのか、三人の動きには無駄は無かった。ルノアはディアンケヒトファミリアへアミッドを呼びに、クロエはヘルメスファミリアにアスフィを呼びに店を飛び出した。

 リューはどうにかしてベルを引き離すように動くが、びくともしない。

 

「僕とアーニャさんの邪魔をするなんて、リューさん酷いです」

 

 涙目でベルから放たれた言葉に、リューはダメージを負ってしまう。このままでは親友の心に傷を負わすことになると、心を鬼にして実力行使に出るが上手くいかない。

 

 引き離すことが出来ず悪戦苦闘しているリューのところに、ルノアがアミッドを連れて帰還した。

 

「おそらく強力な惚れ薬を服用されたと思いますが、今の状況だと申し訳ありませんが、治療できません。使われた薬の成分が分かれば、問題ないのですが」

 

 オラリオ一のヒーラーから聞かされるのは、残酷なものだった。なにせ、薬ではなく料理だから成分もなにもない。絶望に打ちひしがれそうになる。その時、クロエがアスフィを連れて戻ってきた。

 アスフィは迅速に説明されても、意味がわからなかったが。

 

「こんなこともあろうかと、成分を分析する魔道具を作っていました」

 

 無事にベルは治療され、混乱はしていたが、早急に帰宅させた。その後、アミッドやアスフィも帰宅していく。程なくして、ミアが戻って来るが、誰しもが油断をしていた。

 

「あんたらは店番もろくに出来ないのかい!?」

 

 問題が解決出来ていたが、リューの健闘の際に机や椅子が無残なことになっていた。

 

「……私はいつもやり過ぎてしまう」

 

 この後、四人はめちゃくちゃ怒られた。

 

 

 

 

 一方、フレイヤファミリアにて。

 

 突然乱心した女神が、アーニャ抹殺の命を出したり、それに向かう猛者を、とある猫人が必死に止める為の戦闘があったかなかったか。

 

 まさか、あの愚図の為に命をかけるとは……。

 

 思わず家族の為に動いてしまったツンデレ猫人に満足した女神のおかげで、直ぐに止められてはいたが……。




 本編でもアーニャエピソードが増えて欲しい。
 ダンメモの時のキャラが好きすぎてしまうのは私だけではないはず!
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