そして、ワイは一体何を書いとるんやろうか。(たまに正気に戻る)
「ムツメちゃん、一生のお願いがある」
頭を下げて、その頭の上で両手を合わせて、いかにもな一生のお願いポーズをとっている。もうわかったよ、何が言いたいのか。
「聞いてあげないけど?」
「えぇ!? そんなあ!?」
絶対に揉ませたりはしないからな。
それにしても……。
マジででかい。もはや爆乳では?
イオーネさんくらいの大きさがあるぞ……。辺りを見れば他の倒れていた客も全員巨乳化していた。背がちんまい俺の体のサイズに、明らかに過剰な大きさだ。持ち上げてみると重量がとんでもない。重たすぎる。
イオーネさんならHカップかもしれないけど、小柄な俺ならさらに3つくらい上になりそうだな。
H、I、J……、K?
でかすぎだろ。
ふと、視線を空河に戻すと鼻血を垂らしていた。
なるほど、人前なのに自分の膨らんだ爆乳を揉みしだいてしまっていたのが原因だな。
「……」
「……」
「天国かな?」
「送ってやろうか?」
「なんでもないです」
体に不調は見られない。強いていうならバランス感覚がずれたのと、ブラジャーが服の中で弾けたことくらいが問題だ。
冬場でよかった。着込んでいるから乳首が透けたりすることはない。
「とりあえず……、この店のオーナーか店長か料理長に話を聞かないと」
膨らんだ胸を女性客たちは抑えながら、一緒に来ていたパートナーや男性客にエロい目線を浴び続けるのは辛いだろう。俺は比較的厚着だから問題はない。店内ということで上着を脱いでいた客層が結構あられもない姿になっている。一番ひどいのは服が裂けた40代っぽい女性だ。おばさんの爆乳みたいかおっさんどもめ。そういう意味では一番若い俺が注目浴びてるけど。
「すみません、お客様。今しがた衛兵を呼んできますのでぇ!? って、ええ!?」
呼びに行く必要なかったな。店長自らダッシュで衛兵に呼びかけてきたらしい。倒れたあたりで呼び出しに言ったから膨乳化の瞬間を見逃したのだろう。俺たちを見てびっくりしている。
「な、なるほど。キンキノコが混じり込んで……」
キンキノコ?
次第に女性の衛兵が集まり、店長からも説明をしてもらった。体に異常はない、胸を膨らませる効果のあるキノコが今朝の仕入れに混ざり込んでしまったらしい。飛んだ迷惑だな。隣でありがたやありがたやと両手を合わせて、誰かに祈りを捧げている空河をフルボッコにしたい。
店長の説明が終わる頃には見知った顔が現れた。
「ムツメ様!? だ、大丈夫ですか!」
「げっ」
イオーネさんという国内で誰でも知る有名人が俺の名前を敬称をつけて呼べば、俺に自然と注目が集まってしまう。勇者ムツメ、巨乳になる。みたいな見出しで新聞が発行されたら嫌だぞ。新聞の文化があるかどうか知らないけど。
「大丈夫だから、しーっ」
「あ、すみません」
もう遅いな。周りの客が興味津々に俺たちの方に耳を傾けてしまっている。イオーネさんめ、なんとタイミングの悪い……。それより、今日は何か用事があるんじゃなかったのか。
異常がないのと、俺は比較的、他の被害者よりも衣服に問題が生じなかったことから、外を出歩いても問題がなかったので、早々に解放された。イオーネさんが来てくれたのも大きかっただろう。
「めっちゃ見られるなあ」
「……そうですね」
巨乳ってこんなに人の視線を集めるのか。イオーネさんはシスター服だから体のラインが目立つことはないだろうけど。
「くそっ、ムツメちゃんをいやらしい目で見るんじゃない!」
「お前が言うな」
たんこぶで頭を腫らせている空河に言われたくはないだろう。たんこぶの原因はもちろん俺だ。脳天に杖を振り下ろしまくった。
好奇な視線を浴びながら、なんとか王宮に戻ってきた。耳をすませば、修也と奈央香は図書室の方面に歩いている。この格好は見られたくないからなあ。
「……」
「……」
「お前は早よ消えろ」
「えぇ、何の前振りなく辛辣ぅ!?」
男子がいたら話を進めづらいだろうが、センシティブな内容なんだよ。最近、空河についての俺の内申点が右肩下がりだ。あと、俺の胸を食い入るように見過ぎだからな、明日もぶっ飛ばす。
トボトボと王宮内に帰っていく空河を見送った後、イオーネさんの部屋に向かう。
前に案内された時の花がない。季節は大して変わっていないから活け変えたのか?
「空河様とお出かけに?」
「まあ、成り行きでな」
「あ、成り行きですか」
「うん?」
なんかイオーネさんが前年そうな顔をしている。失敗したのか、とぶつぶつ呟いているけど、何が失敗したんだ?
「それにしてもこれ、本当に大丈夫かよ」
「大丈夫ですよ。成長促進剤ですからね」
「あー、うん。大丈夫なんだな……」
成長剤は毒じゃないもんな。
毒じゃなくても過剰摂取とかなら毒になり得ると思うんだけど、酸素とか濃度が濃くなれば猛毒になるんだし、解毒魔法の効果が信用できない。でも、異常もないから、問題はないのだろう。どうなっているんだこの世界は……。
「ですが、すごいですね」
「ああ、すごいな。少量でこんなに効果が出るなんて」
これだけ大きければ武器にもなるだろうに、一時的だから虚しいだけだ。俺は自分の膨らんだ胸を持ち上げる。感触は心地いいな。
「いえ、そういう意味ではなく。犯人ですよ。家一軒建つほどの高級薬品を安価な値段で提供するなんて」
「……は?」
家一軒!? マジで!?
「イタズラ……、なのでしょうけど、衛兵たちが困惑しているのも無理はありませんね」
「イタズラ、いやイタズラって……、金かかりすぎだろ。どこの金持ちの道楽だよ」
「うーん……」
こりゃ、迷宮入りか。手の込んだイタズラをしているのは確かだが、人体に悪影響はないらしいし、バカみたいなお金がかかる手口だ。普通なら売って一攫千金にするはずなのに。
「雪山に生えているのですが……、とある木の根っこを切除した際に採取できます。森のミルクのヌルヌは樹液ですが、膨乳剤のキンキノコは根っこに寄生したものです。同じ採取方法ですし、採取したものの見分けもつきませんし、味も匂いもほとんど同じですが、単に間違えたわけではないでしょうね。ヌルヌの木とキンキノコが寄生する木の形が全然違いますので」
「へー」
見た目は同じ白い液体であれば、料理として振舞われても違いがわからないか。樹液と菌類で味が似るってどういうことだよ。
「金きのこ?」
「禁忌なきのこ、キンキノコですね」
そんな名前の由来かよ。
ということはあの料理はきのこにきのこを掛けてたのか。
「参りましたね。犯人が誰なのか検討もつきません……」
なんとなくだけど、本当になんとなくだけど、犯人候補が1人だけ頭に浮かんだ。
もし仮にあいつだとしても顔も合わせたくないから進言しないでおくか。
「ところで、これいつになったら萎むんだ?」
「時間経過では2ヶ月ほどでしょうか」
「2ヶ月!?」
嫌だぞ。王様とか奈央香とかにからかわれるし、メイドさんたちにこそこそと陰口を叩かれる。その光景が目に浮かぶし、空河に毎日揉ませて揉ませてとせがまれるに違いない。
絶対に嫌だ。
「なんとかすぐに戻す方法とかないのか? 薬とかさ」
「でしたら、その……」
「うん?」
「し、搾るしかないかと」
「…………うん?」
俺はつい、にっこりと笑って聞き返してしまう。
幻聴だよね。幻聴ですよね。幻聴(ウソ)だと言ってよバーニィ!
「搾るの?」
「はい」
なるほど。
「そもそも出ないんけど……、出るようになるまで時間かかるじゃん」
「いえ、キンキノコは乳人がよく食して使うものですから、処女でも搾れば出ますよ」
「俺も出るの?」
「はい、出ます」
うわ、まじかよ……。
参った。
俺はまだ男と女の中間体で、どちらの心も持っている。
修也を好きになったのは女としての心と、修也の誠意ある態度を好意的に感じた男としての心、その2つから彼を好きになった。前者がラブなら、後者はライクだけど。だから、今だに心は完全には女にはなっていない。反射的には男の裸よりも女の裸の方が見てしまう程度には女の意識は強いものじゃない。
そんな俺にとって、母乳は女を実感させすぎる。
「搾るのかあ」
「手伝いましょうか?」
「え?」
「あ、嫌ですよね。ごめんなさい」
「いや……」
手伝うか……。さすがにちょっと恥ずかしいけど、修也に頼むのはアリか?
いや、もしも付き合うようになって、しぼんだ後に、あの頃は大きかったなあ、とか言われたらへこむぞ。
でもなあ、ぱいが嫌いな男子はおらんし。数学の時間とか、男子みんな発音は好きやったしな。
奈央香相手にリードをするなら、エロいことは積極的に仕掛けていかないといけないけど……。
うーん、でもなあ……。
やっぱり修也には頼めなかった。もしかしたら搾乳って嫌いかもしれないと思って少し日和った。マニアックだもんな。
今日は体調不良ということで日中からベッドに塞ぎ込み、世話役をイオーネさんに任せることにした。
奈央香が俺の様子を見に来たが、ひとまずベッドの中でやり過ごした。巨乳化した事実は隠せただろう。今晩は奈央香も自室で寝てくれるはずだ。奈央香が帰って行った後に、本当に言葉どおりにイオーネさんに世話をしてもらう。
「では、搾りますよ」
「……お願いします」
乳搾りというお世話をしてもらう。
ベッドに母乳がかかると洗う必要が出てくるから、下にタライを置き、その上に四つん這いになった。
俺が料理をした際にアピールで負ける奈央香がよく、もーもー、と言っているからそれを茶化して牛さんかな、と言ってた罰なのかもしれない。まさか、俺が牛さんするとは思わなかった。
こんな状況を奈央香に見られたら一生馬鹿にされる。
イオーネさんに胸をさすられ、いよいよ本格的に搾ることになる。きゅっとつままれた。
「んんぅ!?」
「あ、強かったですか?」
「だ、大丈夫……」
や、やばい。
そういえば俺、乳首弱かった……。まじどうしよう。
「ん……、ん……」
「ほ、本当に大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫だからっ! 続けてっ!」
「わ、わかりました」
まだ、母乳は出てないのに声が漏れる。胸から快感の電気が走るような刺激が断続的に続く。全然慣れない感覚に下唇を噛んで耐える。
「んっ、んっ、んっ」
自分の鼻息が徐々に荒くなってくる。
息苦しい。
口を開けてしまえば嬌声が漏れ出てしまう。
群の根元から先端にかけてゆっくりと按摩するように刺激され続け、先端に到達するとつままれる。甘くも刺激的な感覚に耐え続けていた。
「なかなか、出ませんね。本ではすぐに出るとのことなのですが……」
「んっ、んっ、んんっっ————!?」
「あっ、少し出ましたね」
やばいやばいやばい。これ淫毒入ってないよな?
漏れ出た時に快感が脳を刺激して、一瞬視界がぼやけてしまった。軽く絶頂に達したと視界が晴れるにつれて、徐々に理解する。
寒気で鳥肌が立つ。
このままだと、俺はイオーネさんに搾られて、矯正をあげ続けてしまう。
まずいまずい。
「ちょっと待って!」
「えっ? ようやく出てきたところですのに……」
呼吸をゆっくりと整える。
「あ、あとは俺が自分でやっておくから」
「……やっぱり、私じゃ頼りになりませんか?」
「いや、そういうことじゃないって」
「な、ならどうして? 私はムツメさんのお役に立ちたいのです!」
違うんだ。
このままだと修也の耳に俺の嬌声が入ってしまう。そうなれば、修也は俺がイオーネさんとも関係を進めているように思えるだろう。俺は元男だ。女性に対しても恋愛が成立すると修也も思っているだろうし、俺自身、どうしても男の部分がある。だからこそ、修也に誤解されないように、イオーネさんに搾られて嬌声をあげるわけにはいかないんだ。
「ムツメ様、私では力不足ですか?」
「いや、そういうことじゃなくて……」
そんな子犬のような目で見ないでくれ。最近邪険に扱いしすぎたか。
しょうがない。俺が我慢すればいいだけの話だ。
「わ、わかったから、イオーネさんにお願いします。その、搾ってください……」
「承りました!」
元気よく返事をしたイオーネさんが俺の乳搾りを再開する。乳搾りって字面がやべえな。
「んんっ!? んああぁっっ!」
シャーシャーといった感じで少しずつ乳が出てきた。
「大丈夫ですよ、声を我慢しなくても、シュウヤ様は出かけていますので」
出かけてるとかじゃなくて、あいつは俺と同じくらい耳がいいんだよ。あまり大きな声を上げれば修練場にすら届きかねない。だが、まったく声を押さえ込めそうにもない。
「はあ、はあ、はあ、ひゃあっっっ!?」
「リラックスです、リラックス。体に力が入っていては出にくくなってしまいます」
「はあ、はあ、そうは、言っても、ひぅうんっっ!?」
胸全体を丁寧に刺激してくるイオーネさんの手管に翻弄されてしまう。声がまったく抑えられなくなってきた。このままだと声が、声が修也の耳に……。
「ああっっ、あっ、ぁっ、や、やだっっ、やだやだっっ!!」
「大丈夫です。ムツメ様、リラックスですよ、リラックス」
「やだぁ!? やだぁ!! これ以上はだめぇ! 無理だからぁ!」
「大丈夫ですから」
違う。もう、もう我慢が、できないっ。
「んんうぅっっ、もうっ、もう無理っ、もう無理、無理無理!! イッ————」
「ムツメ!? 大丈夫か!?」
なっ————!?
「いやぁぁあっ!? やだ、やだぁあ!! 見ないでぇえっっ、んあああっっっ——————!?」
修也が部屋に乱入して来た瞬間、俺は盛大に喘ぎ声をあげてしまった。
K点超えてね?
いや、超えてないな(強引
次回も3日後。たぶん……。