歌姫と仮面の狂想曲   作:白紙の可能性

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 長い間、失踪していました。資格の勉強等で時間を取られていました。エタらずに完結させますので、この駄文にしばらくお付き合いください。


第12話 0000/明かされる真実 前編

 朝日が部屋に差し込む。朝の爽やかさとは裏腹に、家主の榊ソウマは昨夜の出来事が、脳裏をよぎる。

 

 

 枕元の卓上に置いてあるオレンジと黒のライドウォッチが昨日の出来事が真実であったと雄弁に語っている。昨夜の出来事の情報量を処理しようと思考するが、どうしても現実離れした事象に理性が理解を拒む。

 

 

 無言のまま、食卓にはつかず、食パンを牛乳を伴に胃に流し込み洗面所に向かう。

 

 

「……随分と酷い顔だな」

 

 

 鏡に映っていたのは精気を失ったような肌に引き吊った笑みを浮かべた自分の姿であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学校には体調不良の報を入れ、昨夜手にしたベルトとウォッチを目を向ける。3つの時計は、それぞれ書かれている数字が異なっている。

 

 

 ゴーストと呼ばれた時計の数字は「2015」ジオウと呼ばれた時計は「2018」シャドウジオウと呼ばれた時計は「0000」と書かれている。シャドウジオウライドウォッチは自分の一部のような親近感さえ抱いてしまう気さえしてしまう。しかし、他のウォッチは誰かの気配を感じる。

 

 

「ん……?」

 

 

 昨日の説明を思い出すと、このウォッチを含めて21個存在することが理解できる。もしかするとこの誰かの気配を感じるものが21個であるということは、それ以外のものがある可能性が考えられる。

 

 

 首を傾げ、響を倒した存在もウォッチを落としていた。

 

 

「確か……紛い物の猿真似だったかな」

 

 

 疑問が加速していく

 

 

「紛い物の猿真似ってそれは原型から離れきっているような?」

 

 

 そう、原型から離れきっているのが理解できる。

 

 

「いや、もしかしてこれが原型なのか?」

 

 

 結論に至りそうになっていると

 

 

「それは早計だね、我が魔王」

 

 

 勢い良く後ろを振り向くとそこには、何処か嘲笑うように笑みを浮かべながらイデアがいたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 イデアとソウマはテーブルに対面して座り、互いにコーヒーを飲みながら無言を貫いていた。

 

 

「早計ってのはどういうことなんだ?」

 

 

 静寂を破り、ソウマが先程のイデアの回答に対する疑問を挙げる。

 

 

「あぁまず、ウォッチは明確には21以上ある。君が集めるのは世界を統べる中天の力である21の歴史なだけさ」

 

 

 歴史という不明瞭な回答が理解できずに頭を傾げる

 

 

「歴史ってどういうことなの?」

 

 

「ウォッチには歴史が封印されているからね。君が感じている気配の正体は、力の本来の持ち主というわけだ。まぁ厳密には、アカシックレコードから引っ張ってきた歴史の圧縮ファイルのようなものだ」

 

 

 アカシックレコードという単語に頭痛を感じる。文字通り神の領域に対する返答は、彼の本質が神であると納得せざるを得ない。

 

 

「次に、紛い物の猿真似というのは、アナザーライダーというライダーの紛い物の外見のみの模倣したものだから猿真似という訳さ。そういう意味では君のウォッチもアナザーライダーともとれるね。まぁ、君の力は本質的はもっと別だがね」

 

 

 彼の回答に自身の力がなんなのか聞き出そうとするが、彼はその意思を目で制する。「今はこの件については答える気はない」と

 

 

 ソウマはそれを理解し、今最も必要な質問をする。

 

 

 

 

 

「じゃあ悪神と善神ってのは」

 

 

「どうやら時間切れだ……」

 

 

 質問を遮るように、コーヒーカップをテーブルに置き、玄関の方に目を向ける。

 

 

 ソウマも目を向けると、唐突にインターホンが部屋に鳴り響く。だが、その軽快な音とは裏腹に緊張が走る。

 

 

 顔が強ばり、足取りは重いが、玄関に向かって一歩ずつ進む。

 

 

 ドアノブに手を掛ける。チェーンの存在が目に入り、それを用心のために掛けようとすると後ろから声がかかる。

 

 

「チェーンは掛けなくてもいいよ。どっちにしろ、君に危害が加わるなら、力ずくで私が押さえ込むから問題ないよ」

 

 

 その声に従い、ドアを開けると黒ずくめの男が3人待機していた。服装からも、雰囲気からも穏やかではないものを感じる。中央の男が一文字に引き締められた口から音が発せられる。

 

 

「榊ソウマさん、一緒に付いてきてもらいます」

 

 

 両隣の男は懐に手を入れており、こちらの行動への対応を取ろうとしているように感じる。

 

 

「そこまでにして貰えるかな。我が魔王、一応ついていこうじゃないか、トッキブツへとね」

 

 

 黒服の男たちに動揺の色が走る。なぜそのようなことを知っているのかと。

 

 

 イデアは微笑みながら圧ともとれるものを3人を襲う。しかし、圧に押されながらも、中央の男がそれでも、声を荒げ、職務を全うしようとする。

 

 

「何故、それを知っているッ」

 

 

 イデアはどこ吹く風のようで足を組む。片目を閉じ虚空を見つめると、突如灰色のオーロラが現れ、中から七実と未来が現れる。

 

 

「そろそろ出向くとしようかな。丁度役者は揃ったみたいだしね」

 

 

「おい、どういうことなんだこれ……」

 

 

 未来が、苦笑いをして照れたようにしている

 

 

「アハハ、なんか七実さんに連れてこられてね」

 

 

「まぁ、一応体調不良で通しているから問題ないわ」

 

 

「そういうことじゃなくて、どうして未来を連れてくるんだよ」

 

 

 七実は意味深に微笑みながら、手を後ろで組み、覗き込むように答える。

 

 

「なんでって、彼女も登場人物だからよ」

 

 

「さて、出向くとするかな」

 

 

 イデアは、ストールを使い、ここにいる全員を包み込んだ。

 

 

 全員は、目を開けると、秘密基地ともいえるような不思議な景観の部屋に転移していた。そこには、筋肉隆々とした男が一番目立つが、それ以外の人間は制服のようなものを着ていた。

 

 

「ようこそ、特異災害対策機動部二課、通称トッキブツヘ」

 

 

 イデアは、まるで執事のように全員を、歓迎するのであった。

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