歌姫と仮面の狂想曲   作:白紙の可能性

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第13話 0000/明かされる真実 中編

 突如、跳ばされたこの施設に対する感想は「アニメにでも出てきそうな秘密基地」であるものの、なぜか、懐かしさを感じてしまう。だが、その感覚とは裏腹に、敵意若しくは警戒の感情を感じる。

「どうしたのかな、我が魔王。落ち着かないようだが」

「さすがに、歓迎ムードじゃないからだよ。でもここが、トッキブツって場所なの?」

「あぁ、まぁ、本人たちは、この呼び名を好きではなさそうだがね」

 針の筵といえる空気の中、飄々としているこの男がどんな性格なのかはその場にいた全員が理解できていた。

「だろうね。ところで、ここに連れてきた意味って何」

 苦笑いを浮かべながらも、彼の意図を探ろうと尋ねると、彼は満面の笑みを浮かべ、舞台役者のような大げさな動きをしながら答えるのであった。

「あぁ、なぜ、ライダーの力がノイズに有効なのか、どうして、ノイズの攻撃で炭化しなかったのか、そして、アナザーライダーの再生能力について、最後に善神と悪神についての話を彼らにも説明するためさ」

 しかし、満面の笑みとはいっても、どこか含みと悪意を感じる笑みであり、ソウマは、背筋に怖気が走っていた。

「その話をする前に、どうやってここに来たか説明してもらえるかな」

 筋肉隆々の男が、こちらの会話に割って入る。

「あぁ、それは私の力だよ。これでも神なものでね」

「神か…」

 男は、予想外の返答に引き気味に反応するのみであった。

「まぁ、これから、長い付き合いになりそうだしね。私は悪神アーリに仕える偽神イデアだ。よろしく頼むよ」

「あぁ、風鳴弦十郎だ。よろしく頼む」

 勢いに、誤魔化されながらも、挨拶を行う。

「君が、榊ソウマ君だね。ノイズを倒した件について、話を聞かせてもらいたいんだがいいかな」

「別に、かまわないけど」

「それについても今から話すさ」

 イデアは手に持っている本を空間の裂け目ともとれるものに収納すると、代わりにプラ板のようなタブレットとは言い難いものを取り出し、本のように開き、ペンで何かを書いていく。

「さて、今、呼び出しているからそろそろ来るかな」

 灰色のオーロラが出現すると、そこからアスカの姿が現れる。

「どこだここは…」

「私が君をここに呼んだんだよ。君の運命を操ってね」

「それで、なんなんだ、俺を呼び出して」

 意味不明といえる内容に動じることなく相対するアスカに当のイデアでさえ困惑からか、頬がつり上がる。

「ハハ…いいじゃないか、君は、私にとってもイレギュラーなんだよ。シャドウの力は一つのはずなのに、複数存在していることが気になるからね。」

 その場にいるものが皆、首を傾げた。その反応を皮切りに、彼は語りだす。ライダーの力と世界の在り方を

「まず、ライダーの力とは異形の力であるというのが前提にあるというのを頭にいれておいてほしい」

 異形の力という単語にその場にいた全員に疑問符が上がる

「異形っていうのはどういうことなの?」

 彼は、手を振り、舞台で演技を披露するかのように声高々に解説を続ける

「文字通り、人間の領域にはない怪物の力。例えるならノイズと同じさ」

 ノイズと同様という単語に二課の人間のみに衝撃が走る。

「どのような経緯を持とうとも、力は破壊以外の結果をもたらさない」

「故に、力をどう扱うかによって破壊以外の性質を大きく変える。どのようなものも大いなる混沌から分かたれ、やがて混沌に還る」

 空気が、冷え込むほどの静寂が包むと、先ほどまでの身振り手振りは鳴りを潜め、自重するように口を開く

「ライダーは異形の力を持ちながらも心は人のままで居続けた。その歴史を秘めたのが榊ソウマのもつウォッチというものさ」

 弦十郎は、先ほどの衝撃が抜けないままに、聞かなければならないことを問う。

「では、なぜノイズにその力が通用するんだ?」

 イデアは、ソウマを見つめながら質問に答える。

「それは、単純なことだよ。ライダーの歴史は異形から人類を守護った歴史だ」

「だからこそ、世界がそうであると認識するがゆえに異形、異質と定義できるものを倒す力を持つ」

「錬金術師が哲学兵装と呼ぶものと同質のものだ。だが世界にそう認識させるのは容易くないがね」

 錬金術師という単語と哲学兵装と呼ばれるものに理解が一切ない中で、ソウマはなぜか、するりと説明を受け入れることができた。それは、その場にいる未来とアスカも同様であった。

「君たち神がそうしたと」

「違う。この世界で最初のライダーの誕生と伴に彼が創り出したのだよ。この能力をね」

「私たちの想像を遥かに超えた結果、男はライダーの力を得た。それは始まりであり終わりでもあった。」

「ただ、それだけのことだった」

 これ以上は、語るつもりは一切ないことを示すようにか、口に人差し指をあてるのであった。

 

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