歌姫と仮面の狂想曲   作:白紙の可能性

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第27話 0000/共・同・戦・線

 

 

 

 悪神は名乗りながら、腕を組む。

 

 

「まぁ、俺が誰かはあまり重要じゃない。ぶっちゃけるとイデアがいない状態での補助、ないし状況の確認かな?」

 

 

 4人が全員揃って目を白黒させる。

 

 

「いや、補助って一体?」

 

 

「今、君たちで問題がでたでしょうが、響ちゃんの状況について未来ちゃんと魔王君は前回の記憶を一部引き継いでるせいで違和感なく七実に一定の信頼を持っているけど、奏ちゃんとアスカ君は引き継ぎ先がないからこんなことになっちゃったってこと」

 

 

「意味がわからないんだが」

 

 

 疑問を抱くアスカと奏に対して、彼らの疑問を払拭すべく回答を行う。

 

 

「うん? あ~、うーん、そうだねぇ、世界には単一の存在は2つ存在しないないって言うのは理解できるかい?」

 

 

「それぐらいはまぁ」

 

 

 アーリは首を傾げ、目を閉じて上を向きながら言い説明がないか考える

 

 

「さらに、同じ存在が2つ以上存在した上で、同一世界線上かつ同時間上という条件下であると、互いに共鳴を起こすんだ」

 

 

「共鳴?」

 

 

「そ、共鳴。これは別の時間上から来たもの同士でも起こる」

 

 

「まぁ、互いの身体上の影響すら簡単に起きるんだ。その上で、8つ以上の世界を融合させた場合においてそれぞれの結果をもつ8つの存在が1つになれば経験値もそれぞれ1つの存在に集約される」

 

 

「それがアイツらに起きている原因だと」

 

 

「まぁね。この経験値は拡張子がファイルごと違っているみたいなもので、それぞれの世界線の人間同士で接触したりすると解凍されるんだよ。だから、翼ちゃんはあの時に限界を越えた力を引き出せたってこと」

 

 

 彼の言うことにある種の納得と違和感を覚えるソウマを尻目にアスカはさらに質問する。

 

 

「つまり、俺やコイツは前の周回がないってことか」

 

 

 無言でニヒルな笑みを浮かべながら頷く。詰まるところアスカはこの時代に飛ばされる事象は他の時間軸上で発生していないということだった。

 

 

「ちょっと待てよ、じゃあ私はどうなるんだ」

 

 

 奏の言葉にアーリは目線すら会わせずに言い切る。

 

 

「君は2年前のあのライブの日にLiNKERによる活動限界を迎えた上で絶唱を歌い死んだ。それが君の運命だ」

 

 

 自身の死を言われたことで心理的ショックを受ける奏であったが今自分が生きていることを理由に悪神に反論する。

 

 

「なら、なんで私は生きてるんだ!」

 

 

「そんなの君が一番よく知っているだろう?」

 

 

「何を……言って……」

 

 

 脳裏に浮かぶあの日の景色、一体誰が絶唱を歌ったのか、誰が自分達を助けたのか、その予想が何故かしっくりときてしまう。

 

 

「未来の風鳴翼が君たちを助けたんでしょうが、何を今さら」

 

 

 ソウマは今告げられたことに少しの疑問を抱きながら少しだけ、首を傾げる。

 

 

「ねぇ、アーリ」

 

 

「なんだい魔王君」

 

 

「俺がノイズに分解されないのも融合が原因なの?」

 

 

「う~ん説明が難しいねぇ。まぁ君が魔王、というよりは君が持っている力が原因かな」

 

 

 的を得ない回答に渋い顔をするが、アーリは話を切るように灰色のオーロラを出現させる。

 

 

「質問タイムはここまで! それじゃあ帰るよ」

 

 

 彼の声と同時に灰色に視界が染まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 見渡すとそこは市街の路地裏であり、肝心なアーリは姿を消していた。

 

 

「なんでこんなところに……ッ」

 

 

 周りを見渡すと爆発音が聞こえる。

 

 

 4人は一斉に表通り側に視線を向ける。

 

 

 悲鳴が聞こえる中、未来が3人に通る声で発する。

 

 

「私のことは気にしないで行って!」

 

 

「でも……ここは危険だよ。とりあえず避難を……」

 

 

「大丈夫だよ。ソウマはみんなを助けて、響の分まで頑張って!」

 

 

「……わかった……未来はここにいて、すぐ戻るから」

 

 

 未来の方から視線を表通りに移す。

 

 

「いくよ。2人とも」

 

 

「あぁ」

 

 

「なんでお前が仕切ってるんだよ……」

 

 

 三者三様に表通りに走り出す。

 

 

 走りながら、奏は歌い、ギアを起動する。ソウマとアスカはベルトを腰に巻き、ウォッチを起動する。

 

 

【ジオウ!】【ゲイツ!】

 

 

「「変身ッ!」」

 

 

 ベルトに装填し2人はシャドウライダーへと変身する。

 

 

 周囲に散らばっているノイズに一番近い位置にいるやつに3人はそれぞれ切り込む。

 

 

「ハッ」「ハァァ」「シッ」

 

 

 一閃────────

 

 

 それぞれの剣戟でノイズを1体ずつ塵に還す。

 

 

 それぞれの距離の詰めかたで、それぞれのノイズを倒していく。

 

 

 ソウマと奏は奥に切り込みながらノイズの波を切り開いていく。

 

 

【STAB∞METEOR】

 

 

【タイムチャージ! 5・4・3・2・1……ゼロタイム! ギリギリ斬り!】

 

 

 奏が旋風状のエネルギーを発生させ正面のノイズ郡を振り払うと、彼女の背後を狙うノイズをソウマが切り伏せる。

 

 

【タイムチャージ! 5・4・3・2・1……ゼロタイム! キワキワ撃ち!】

 

 

 二人に近づくノイズをアスカは距離を取りながら打ち落とす。

 

 

 ソウマとアスカが連携し、大技を放つ奏の隙を潰しながら、発生したノイズは数を減らしていく。

 

 

「フッ……あれは……」

 

 

 アスカがノイズを切り伏せながら、視点を変えると、その場に逃げ遅れた人がおり彼は腰を抜かしている。アスカは近くの攻撃人型ノイズを切り伏せて駆け寄り、彼に襲いかかるナメクジ型ノイズの触手から身を呈して守り、触手を掴み持っている武器で切り伏せる。

 

 

「大丈夫か!」

 

 

「は、はい」

 

 

 腰が抜けている男の無事を確認するとノイズの大群に振り返り

 

 

「だったら走れ!」

 

 

「腰が抜けて……」

 

 

 アスカの怒声を聞いても男は恐怖に駆られ動くことができないでいた。

 

 

「ッ……」

 

 

 焦りの感情が支配する。しかし、近くにいた分離型ノイズの弾丸が複数迫る。

 

 

【クウガ!】

 

 

【アーマータイム! クウガー!】

 

 

「うおりゃぁぁぁ」

 

 

 クウガライドウォッチを起動させ、自身に巻き付いた鎖を気にすることなく飛び込み、クウガアーマーを纒いアスカに迫る弾丸をある程度、拳と回し蹴りで打ち落とす。

 

 

「……あの馬鹿……」

 

 

【フィニッシュタイム! ゲイツギリギリカッティング!】

 

 

 アスカはウォッチを武器に装填し、抜けてきたノイズを自身の武器の一撃で切り伏せる。

 

 

「別に助ける必要はない」

 

 

「気にしないでよ、ハイこれ使ってみて、多分ここは3人で協力して一気に攻めた方がいい」

 

 

 ぶっきらぼうに振る舞う彼にゴーストライドウォッチを渡す。

 

 

 アスカは差し出されたものに少しだけ驚きながらも奪い取る勢いで掴む。

 

 

「馬鹿かお前は、俺にウォッチを渡せば、お前は王に成らないように破壊するかもしれないんだぞ」

 

 

「なに言ってるの、信頼しているから渡すんだよ」

 

 

 仮面の下で笑う彼に呆れてアスカはウォッチを起動する。

 

 

【ゴースト!】

 

 

 彼はウォッチを起動しベルトに装填し、新たな姿に変身する。

 

 

【アーマータイム! カイガン!ゴースト!】

 

 

 ゴーストの力を纏うシャドウゲイツゴーストアーマーに変わった彼と新たにクウガの力を纏ったシャドウジオウクウガアーマーがその場に並び立つのだった。




 共鳴現象
 ソウマ達の業の継承の緒原因である異質な現象。
 特異性ゆえに実情については一部解明できていないブラックボックス性を秘めている。
 継承には並行世界の奏者同士が出会った際に起きていた現象以上のフィードバックが発生するが、記憶の拡張子のようなものが原因となり記憶と経験の定着は時間がかかる場合がある。
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